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エアコンクリーニングは本当に必要?放置するリスクとは
「エアコンの掃除はフィルターをたまに洗うくらいで十分」と考えている方も多いかもしれません。しかし、エアコン内部は私たちが思う以上に汚れが溜まりやすい場所です。エアコンクリーニングを怠り、汚れた状態のまま使い続けることには、健康面や経済面で様々なリスクが潜んでいます。
エアコンクリーニングをしないことによる最大のリスクは、カビやホコリが原因で引き起こされる健康被害です。その他にも、電気代の上昇や冷暖房効率の低下、悪臭、そして最悪の場合はエアコン本体の故障にも繋がりかねません。これらのリスクを理解することは、適切なメンテナンスの重要性を知る第一歩です。ここでは、エアコンを放置することで生じる具体的な5つのリスクについて、その原因と影響を詳しく解説します。
カビやホコリによる健康被害
エアコン内部は、冷房運転時に発生する結露によって常に湿度が高い状態にあります。この湿気と、空気中から吸い込んだホコリや皮脂などの汚れが組み合わさることで、カビやダニ、雑菌にとって絶好の繁殖環境が生まれます。
特に問題となるのがカビです。エアコン内部で繁殖しやすい代表的なカビには、アスペルギルスやトリコスポロンなどがあります。これらのカビの胞子がエアコンの風に乗って室内に飛散し、それを吸い込むことで、様々な健康被害を引き起こす可能性があります。
- アレルギー症状の悪化: カビの胞子やダニの死骸・フンは、アレルギー性鼻炎、結膜炎、皮膚炎などのアレルゲンとなります。くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、皮膚の発疹といった症状が、エアコンを使い始める時期に頻発するようであれば、内部の汚れが原因かもしれません。
- 喘息の発作: 喘息をお持ちの方にとって、カビの胞子は発作を引き起こす深刻なトリガーとなり得ます。特に、小さなお子様や気管支が弱い方は影響を受けやすいため注意が必要です。
- 夏型過敏性肺炎: 「トリコスポロン」というカビが原因で起こるアレルギー性の肺炎です。主な症状は、咳、発熱、倦怠感などで、風邪と間違われやすいのが特徴です。エアコンを使い始める夏に症状が現れ、家を離れると改善する傾向がある場合は、この病気を疑う必要があります。重症化すると呼吸困難に陥ることもあるため、軽視できません。
このように、目に見えないエアコン内部の汚れは、知らず知らずのうちに私たちの健康を脅かしています。定期的なクリーニングによってカビやホコリを根本から除去することは、快適な室内環境を維持するだけでなく、家族の健康を守るためにも不可欠と言えるでしょう。
電気代の上昇
エアコンのフィルターや内部の熱交換器(アルミフィン)にホコリがびっしりと詰まっていると、空気の通り道が塞がれてしまいます。空気の吸い込みや吹き出しがスムーズに行えなくなると、エアコンは設定温度に到達させようと、より多くのパワーを使ってコンプレッサー(圧縮機)を稼働させなければなりません。
これは、人間がマスクを何重にもつけて全力疾走するようなものです。通常よりも大きなエネルギーが必要となり、結果として消費電力が大幅に増加します。ある調査では、フィルターが目詰まりしているエアコンと、清掃したエアコンとでは、消費電力が10%以上も変わるというデータもあります。
例えば、1ヶ月のエアコン電気代が5,000円だった場合、10%の差は500円です。これが夏場の数ヶ月続けば数千円の差になり、年間を通して見れば決して無視できない金額になります。特に、近年の電気料金高騰を考慮すると、エアコンの効率を最大限に高めることは、家計の節約に直結する重要なポイントです。
プロによるエアコンクリーニングでは、フィルターはもちろん、普段は掃除できない熱交換器やファンにこびりついた汚れを高圧洗浄で一掃するため、空気の循環が劇的に改善します。これにより、エアコンは最小限の力で効率よく部屋を冷やしたり暖めたりできるようになり、無駄な電力消費を抑え、電気代の節約に繋がるのです。
冷暖房効率の低下
「設定温度を下げても、なんだか部屋が涼しくならない」「暖房の効きが悪くなった気がする」と感じる場合、その原因はエアコン内部の汚れかもしれません。特に重要なのが、「熱交換器(アルミフィン)」と呼ばれる部分の汚れです。
熱交換器は、取り込んだ室内の空気の熱を奪ったり(冷房)、熱を与えたり(暖房)する、エアコンの心臓部とも言える部品です。この薄いアルミの板が何枚も重なった部分にホコリやカビが付着すると、熱を交換する効率が著しく低下してしまいます。
- 冷房の場合: 熱交換器が汚れていると、室内の暖かい空気から熱を十分に奪うことができず、冷たい風を効率的に作り出せません。そのため、いつまで経っても部屋が涼しくならず、快適性が損なわれます。
- 暖房の場合: 同様に、室外機から取り込んだ熱を室内の空気にうまく伝えられず、温かい風が出てこなくなります。
結果として、設定温度と体感温度に大きな差が生まれ、「効きが悪い」と感じるようになります。これを補うためにリモコンの設定温度をさらに下げたり上げたり、風量を「強」にしたりするため、前述の通り電気代も余計にかかってしまいます。
プロのクリーニングで熱交換器をきれいにすれば、新品に近い熱交換効率を取り戻すことができます。その結果、設定温度通りの快適な室温を素早く実現できるようになり、冷暖房のパフォーマンスが劇的に改善されるのです。
悪臭の発生
エアコンをつけた瞬間に、酸っぱいような、カビ臭いような、雑巾のような嫌な臭いがした経験はありませんか。その不快な臭いの主な原因は、エアコン内部で繁殖したカビや雑菌です。
エアコン内部は、カビや雑菌が好む「温度」「湿度」「栄養(ホコリなど)」の三拍子が揃った環境です。冷房運転で発生した結露水は、ホコリや汚れと混じり合い、カビやバクテリアの温床となります。これらの微生物が排出する代謝物が、あの独特の悪臭の正体です。
さらに、エアコンは室内の空気を循環させるため、タバコのヤニ、料理の油煙、ペットの臭い、生活臭なども一緒に吸い込んでしまいます。これらの臭いの原因物質が内部の汚れに付着・蓄積し、カビの臭いと混ざり合うことで、より一層不快な複合臭を発生させるのです。
市販の消臭スプレーを使っても、それは一時的に臭いに蓋をしているに過ぎません。臭いの発生源であるカビや汚れそのものを物理的に除去しない限り、根本的な解決にはなりません。プロのエアコンクリーニングでは、高圧洗浄と専用の洗剤を用いて、臭いの元となる内部の汚れを徹底的に洗い流します。これにより、エアコンから吹き出される風はクリーンになり、部屋の空気全体が爽やかになります。
エアコンの故障や水漏れ
エアコン内部の汚れは、快適性を損なうだけでなく、エアコン本体の故障や水漏れといった深刻なトラブルを引き起こす原因にもなります。
最も多いトラブルが「水漏れ」です。冷房運転中に発生した結露水は、「ドレンパン」と呼ばれる受け皿に溜まり、「ドレンホース」を通って室外へ排出される仕組みになっています。しかし、ドレンパンやドレンホースにホコリやカビ、スライム状の汚れが詰まると、水の行き場がなくなり、室内機から溢れ出してしまいます。
エアコンからの水漏れは、壁紙を汚したり、床や家具、家電製品を濡らしてしまったりと、二次的な被害に繋がる可能性があります。
また、内部のファンにホコリが偏って付着すると、回転のバランスが崩れ、異音や振動の原因になります。さらに、熱交換器やフィルターの目詰まりによってコンプレッサーに過剰な負荷がかかり続けると、部品の劣化を早め、最悪の場合はエアコン本体の寿命を縮めることにもなりかねません。
これらの故障は、修理に高額な費用がかかるケースも少なくありません。定期的なクリーニングは、こうした予期せぬトラブルを未然に防ぎ、エアコンを長く安全に使い続けるための重要なメンテナンスなのです。
プロの業者にエアコンクリーニングを依頼する5つのメリット
エアコンクリーニングを自分で行うか、プロに依頼するかで迷う方は少なくないでしょう。市販のクリーニングスプレーも手軽ですが、プロのサービスには、それを上回る確かなメリットが存在します。ここでは、専門業者にエアコンクリーニングを依頼することで得られる5つの大きなメリットについて、具体的に解説します。これらのメリットを理解すれば、なぜ多くの人がプロの技術を選ぶのかが分かるはずです。
① 自分では難しい内部まで徹底的に洗浄できる
プロのエアコンクリーニングとDIYの最大の違いは、「洗浄範囲とクオリティ」です。市販のクリーニングスプレーでは、手が届く範囲、つまり吹き出し口やフィルター、そして熱交換器の表面の一部しか洗浄できません。しかし、本当に汚れが溜まっているのは、そのさらに奥深くです。
プロの業者は、まずエアコンのカバーやフィルター、ルーバー(風向きを調整する羽)といった部品を丁寧に取り外します。そして、故障の原因となる電装部分を濡らさないように、専用の養生シートで徹底的に保護します。この「分解」と「養生」こそが、プロの技術の第一歩です。
その後、高圧洗浄機を用いて、専用の洗剤をエアコン内部の隅々まで噴射します。高圧の水流は、長年こびりついたホコリやカビ、油汚れを強力に剥がし取ります。特に、汚れの核心部である以下のパーツを徹底的に洗浄できるのがプロの強みです。
- 熱交換器(アルミフィン)の奥: 表面だけでなく、何層にも重なったフィンの隙間の奥まで洗浄し、目詰まりを完全に解消します。
- シロッコファン(送風ファン): 細かい羽が何枚もついた筒状のファンは、カビが最も繁殖しやすい場所の一つです。これを分解、あるいは専用の機材を使って直接洗浄することで、カビとホコリを根こそぎ除去します。
- ドレンパン: 結露水の受け皿であるドレンパンも、ヘドロ状の汚れが溜まりやすい箇所です。オプションで分解洗浄を行えば、水漏れや悪臭のリスクを根本から断つことができます。
洗浄後に出てくる真っ黒な汚水を見れば、いかに内部が汚れていたかを実感できるでしょう。自分では決して届かない領域を、専門的な知識と道具で安全かつ完璧に洗浄できること。これが、プロに依頼する最大のメリットです。
② 嫌な臭いが根本から解消される
エアコンから漂う酸っぱい臭いやカビ臭さの原因は、内部で繁殖したカビや雑菌、そしてそれに付着した生活臭です。市販の消臭スプレーやフィルターに貼る消臭シートは、一時的に臭いをマスキングする効果はあっても、臭いの発生源そのものを取り除くことはできません。
例えるなら、ゴミ箱に消臭スプレーをかけるようなものです。しばらくは良い香りがしても、中のゴミを捨てない限り、またすぐに臭い始めます。エアコンの悪臭を根本から断つには、臭いの元となっているカビや雑菌、汚れを物理的に洗い流す必要があります。
プロのクリーニングでは、高圧洗浄によって熱交換器や送風ファンにこびりついたカビのコロニー(塊)を徹底的に破壊し、洗い流します。また、多くの業者が使用する専用洗剤には、除菌効果のある成分が含まれており、洗浄と同時に雑菌の繁殖を抑制します。
さらに、オプションで「消臭・抗菌コート」を施工することも可能です。これは、洗浄後のきれいな状態を長持ちさせるための仕上げ作業で、カビや雑菌が再び繁殖しにくいように内部をコーティングするものです。
このように、原因物質の除去と再発防止策を組み合わせることで、エアコンから吹き出される風は無臭でクリーンな状態に戻ります。「臭いが完全になくなった」「部屋の空気が爽やかになった」という感動は、プロのクリーニングでしか味わえない大きなメリットです。
③ 冷暖房の効率が上がり電気代を節約できる
エアコンの電気代は、内部の汚れ具合に大きく左右されます。フィルターや熱交換器がホコリで目詰まりを起こすと、空気の循環が悪くなり、部屋を冷やしたり暖めたりするためにより多くの電力が必要になることは前述の通りです。
プロによるクリーニングは、この問題を根本から解決します。高圧洗浄によって熱交換器やファンの汚れが一掃されると、空気の通り道が確保され、熱交換の効率が新品に近い状態まで回復します。
その結果、以下のような好循環が生まれます。
- 設定温度への到達時間が短縮: 少ないエネルギーで効率よく冷暖房できるため、設定温度に素早く到達します。
- コンプレッサーの稼働時間が減少: 部屋がすぐに快適な温度になるため、エアコンがフルパワーで稼働する時間が短くなり、安定運転に移行しやすくなります。
- 消費電力の削減: 上記の結果、無駄な電力消費が抑えられ、電気代の節約に直結します。
削減できる電気代は、エアコンの使用頻度や汚れ具合によって異なりますが、一般的に5%〜20%程度の節電効果が期待できると言われています。特に、使用頻度の高いリビングのエアコンや、何年もクリーニングしていないエアコンほど、その効果は大きくなります。
エアコンクリーニングには数万円の費用がかかりますが、長期的に見れば、毎月の電気代の節約分で費用を回収できる可能性もあります。これは、単に快適性を得るだけでなく、家計にも優しい投資と言えるでしょう。
④ アレルギーの原因となるカビや花粉を除去できる
エアコンは室内の空気を吸い込んで循環させるため、空気中に浮遊している様々な物質を取り込んでしまいます。その中には、アレルギー症状を引き起こすアレルゲンが数多く含まれています。
- カビ: エアコン内部で繁殖したカビの胞子。
- ダニ: ホコリをエサにするダニの死骸やフン。
- 花粉: 外から侵入し、室内に浮遊する花粉。
- ハウスダスト: ホコリ、繊維くず、ペットの毛など。
これらのアレルゲンがエアコン内部に蓄積し、運転時に風に乗って室内に撒き散らされると、アレルギー性鼻炎や喘息、アトピー性皮膚炎などの症状を悪化させる原因となります。特に、免疫力が未熟な小さなお子様や、抵抗力が低下しているご高齢の方、もともとアレルギー体質の方がいるご家庭では、深刻な健康問題に繋がりかねません。
プロのエアコンクリーニングは、これらのアレルゲンを根本から除去するための最も効果的な手段です。高圧洗浄によって、目に見えないカビの胞子やダニの死骸なども、汚れと一緒に洗い流すことができます。
クリーニング後のエアコンから送られるのは、アレルゲンが取り除かれたクリーンな空気です。これにより、アレルギー症状が緩和されたり、原因不明の咳が収まったりといった効果が期待できます。家族の健康を守り、誰もが安心して過ごせる室内環境を作る上で、プロによる徹底したクリーニングは非常に大きな価値を持ちます。
⑤ エアコン本体の寿命が延びる
車や自転車と同じように、エアコンも定期的なメンテナンスを行うことで、その寿命を延ばすことができます。汚れを放置することは、エアコンの各部品に余計な負担をかけ、劣化を早めることに繋がります。
例えば、以下のようなメカニズムで寿命が縮んでいきます。
- コンプレッサーへの過負荷: 熱交換効率の低下を補うために、心臓部であるコンプレッサーが常にフル稼働の状態になります。これにより、コンプレッサーの摩耗が進み、寿命が短くなります。
- ファンモーターへの負担: 送風ファンにホコリが不均一に付着すると、回転バランスが崩れて振動や異音が発生します。この状態が続くと、ファンを回すモーターに負担がかかり、故障の原因となります。
- ドレン系統のトラブル: ドレンホースの詰まりによる水漏れは、漏れた水が電装部分にかかるとショートや基盤の故障を引き起こすリスクがあります。
プロによるクリーニングは、これらの故障リスクの芽を摘み取る予防メンテナンスとしての役割も果たします。汚れを取り除き、各部品がスムーズに動作できる状態を保つことで、エアコンにかかる負荷を軽減し、結果的に製品寿命を延ばすことに繋がるのです。
エアコンの買い替えには十数万円以上の高額な費用がかかります。1〜2年に1回のクリーニング費用は、高額な修理費用や買い替え費用を回避するための賢い投資と考えることができるでしょう。
エアコンクリーニングの料金相場
エアコンクリーニングを依頼する際に最も気になるのが「料金」です。料金は、エアコンの機種や依頼する業者、追加するオプションによって大きく変動します。ここでは、一般的な料金相場を機種別・オプション別に詳しく解説します。事前に相場を把握しておくことで、業者から提示された見積もりが適正かどうかを判断する基準になります。
機種別の料金相場
エアコンクリーニングの基本料金は、主にエアコンのタイプによって決まります。構造が複雑なほど分解や組み立てに時間と技術が必要になるため、料金は高くなる傾向があります。
機種タイプ | 料金相場(1台あたり) | 特徴 |
---|---|---|
壁掛けタイプ(通常) | 8,000円 ~ 14,000円 | 最も一般的な家庭用エアコン。料金が比較的安価。 |
お掃除機能付きエアコン | 13,000円 ~ 22,000円 | 構造が複雑で分解・組立に専門知識が必要。通常タイプより高額。 |
天井埋め込みタイプ | 20,000円 ~ 40,000円 | 分解・洗浄作業が難しく、高所作業となるため高額。 |
壁掛けタイプ(通常)
フィルター自動お掃除機能がついていない、最もスタンダードな壁掛けエアコンです。多くの家庭で設置されており、クリーニング業者にとっても基本的な作業となるため、料金は比較的安価に設定されています。
料金の相場は8,000円~14,000円程度です。業者によって価格差がありますが、大手ハウスクリーニング業者ほど料金が高く、地域の個人業者やマッチングサイト経由の業者ほど安くなる傾向が見られます。ただし、安さだけで選ぶとサービスの質に問題がある場合もあるため、料金とサービス内容のバランスを見極めることが重要です。
お掃除機能付きエアコン
フィルターのホコリを自動で掃除し、ダストボックスに溜める機能がついたエアコンです。一見、掃除が不要に思えるかもしれませんが、自動で掃除してくれるのはフィルター表面のホコリのみです。内部の熱交換器やファンには、通常タイプと同様にカビや汚れが溜まっていきます。
お掃除機能付きエアコンは、その自動掃除ユニットが複雑な構造をしており、配線も多く絡んでいます。そのため、クリーニングの際にはこのユニットを慎重に分解・組み立てる必要があり、高度な専門知識と技術が求められます。作業時間も通常タイプに比べて1時間~1.5時間ほど長くかかります。
こうした理由から、料金は通常タイプよりも高く設定されており、相場は13,000円~22,000円程度となります。メーカーや機種によって構造が大きく異なるため、業者によっては対応できない場合や、追加料金が発生することもあるため、予約時に必ず機種名(型番)を正確に伝えることが大切です。
天井埋め込みタイプ
天井に埋め込まれているタイプのエアコンで、「天カセ」とも呼ばれます。主にオフィスや店舗、リビングの広い戸建てなどで使用されています。吹き出し口の数によって、1方向、2方向、4方向といった種類があります。
このタイプは、分解・洗浄作業が高所での作業となる上に、部品も大きく重いため、作業の難易度が高くなります。また、構造も壁掛けタイプより複雑です。そのため、料金は最も高額になり、相場は20,000円~40,000円程度です。吹き出し口の数が増えるほど料金も高くなるのが一般的です。業務用として扱われることが多く、家庭用エアコンクリーニング専門の業者では対応していない場合もあるため、事前に確認が必要です。
オプションメニューの料金相場
基本のクリーニングに加えて、より徹底的な洗浄や、きれいな状態を長持ちさせるための様々なオプションメニューが用意されています。代表的なオプションの料金相場と内容を理解し、自身のニーズに合わせて選択しましょう。
オプションメニュー | 料金相場(1台あたり) | 内容・効果 |
---|---|---|
室外機クリーニング | 3,000円 ~ 8,000円 | 熱交換効率の改善、節電効果、騒音・振動の軽減。 |
消臭・抗菌コート | 2,000円 ~ 5,000円 | カビや雑菌の再繁殖を抑制。効果の持続期間は半年~1年程度。 |
ドレンパンの分解洗浄 | 3,000円 ~ 8,000円 | 水漏れや悪臭の原因となるヘドロ状の汚れを徹底除去。 |
スチーム除菌 | 2,000円 ~ 5,000円 | 高温スチームでカビや雑菌を死滅させる。薬剤不使用で安心。 |
室外機クリーニング
室外機は、部屋の熱を外に逃がす(冷房時)または外の熱を取り込む(暖房時)ための重要な役割を担っています。室外機の背面や側面にある熱交換器(フィン)が砂ボコリや落ち葉などで目詰まりすると、エアコン本体と同様に熱交換の効率が低下し、余計な電気代がかかったり、エアコンに負荷がかかったりする原因になります。
室外機クリーニングの必要性が高いのは、交通量の多い道路沿いや、植え込みの近く、風で砂埃が舞いやすい場所などに設置されている場合です。プロは高圧洗浄機でフィンやファンに詰まった汚れをきれいに除去し、効率を回復させます。料金相場は3,000円~8,000円です。エアコン本体とセットで依頼すると割引になる業者も多くあります。
消臭・抗菌コート
エアコン内部を洗浄した後に、カビや雑菌の繁殖を抑制する効果のある特殊なコーティング剤を熱交換器やドレンパンに噴霧するオプションです。洗浄できれいになった状態をより長くキープする効果が期待できます。
効果の持続期間は業者や使用する薬剤によって異なりますが、一般的には半年から1年程度とされています。アレルギー体質の方や、カビの発生を少しでも抑えたい方におすすめです。料金相場は2,000円~5,000円です。
ドレンパンの分解洗浄
ドレンパンは、結露水の受け皿となるパーツです。常に湿っており、ホコリやカビが溜まりやすいため、ヘドロ状の汚れが発生しやすい場所です。この汚れがドレンホースを詰まらせ、水漏れを引き起こす最大の原因となります。
基本的なクリーニングでは、エアコンに取り付けたままの状態で洗浄しますが、「ドレンパン分解洗浄」オプションでは、ドレンパンを完全に取り外して洗浄します。これにより、裏側や隅々まで徹底的にきれいにすることができ、水漏れや悪臭のリスクを大幅に低減できます。特に、過去に水漏れを起こしたことがあるエアコンや、長年クリーニングしていないエアコンにおすすめです。料金相場は3,000円~8,000円で、お掃除機能付きエアコンの場合は、分解の手間が増えるため料金が高くなることがあります。
スチーム除菌
専用のスチーマーを使い、100℃以上の高温スチームをエアコン内部に噴射して、カビや雑菌を死滅させるオプションです。高圧洗浄と組み合わせることで、より高い除菌効果が期待できます。
薬剤を使用しないため、化学物質に敏感な方や、小さなお子様、ペットがいるご家庭でも安心して依頼できるのが最大のメリットです。料金相場は2,000円~5,000円です。
後悔しない!エアコンクリーニング業者の選び方7つのポイント
エアコンクリーニング業者は数多く存在し、料金やサービス内容も様々です。「どこに頼めば良いか分からない」と悩む方も多いでしょう。安さだけで選んでしまい、作業が雑だったり、故障させられたりといったトラブルも少なくありません。ここでは、安心して任せられる優良な業者を見つけるための7つの重要なチェックポイントを解説します。
① 料金体系は明確か
料金に関するトラブルを避けるために、まずチェックすべきは料金体系の明確さです。ウェブサイトや広告に表示されている料金が、実際に支払う総額とは限らないケースがあります。
チェックすべきポイント
- 基本料金に含まれる作業内容: 表示されている料金で、どこまで清掃してくれるのか(分解範囲、洗浄箇所など)を具体的に確認しましょう。
- 追加料金の有無: 以下の項目について、追加料金が発生する可能性があるか、事前に必ず確認することが重要です。
- 出張費・駐車場代: 対応エリア内でも、特定の地域は出張費が別途必要になる場合があります。また、作業車両の駐車スペースがない場合、コインパーキング代を請求されることが一般的です。その負担がどちらにあるのかを確認しましょう。
- 機種による割増料金: お掃除機能付きエアコンの料金が明確に記載されているか。また、特定のメーカーや古い機種で追加料金がかからないか確認しましょう。
- 汚れ具合による追加料金: 「汚れがひどい場合は追加料金」といった曖昧な記載がある業者は注意が必要です。優良な業者の多くは、汚れ具合で料金を変えることはありません。
- 見積もりの発行: 正式な依頼の前に、必ず総額が記載された見積もりを提示してもらいましょう。口頭での説明だけでなく、書面やメールで残る形で確認することがトラブル防止に繋がります。
料金体系がウェブサイトに分かりやすく記載されており、追加料金についても明瞭に説明している業者は、信頼性が高いと言えます。
② 損害賠償保険に加入しているか
エアコンクリーニングは、水を使い、精密な機械を分解・洗浄する作業です。どれだけ熟練した作業員でも、万が一の事故が起こる可能性はゼロではありません。
- 作業中に部品を破損させてしまった
- 洗浄水が飛んで壁紙や家財を汚してしまった
- 作業後にエアコンが正常に動かなくなった
- 電装部分の養生が不十分で、ショート・火災に繋がった
こうした万が一の事態に備え、「損害賠償責任保険」に加入しているかどうかは、業者選びの絶対条件です。この保険に加入していれば、作業が原因で発生した故障や破損に対して、修理費用や弁償費用が保険から支払われます。
多くの優良業者は、自社のウェブサイトに「損害賠償保険加入済み」と明記しています。記載がない場合は、必ず事前に問い合わせて確認しましょう。保険に加入していない業者に依頼するのは、非常にリスクが高いため避けるべきです。
③ 口コミや評判は良いか
実際にその業者を利用した人の声は、サービスの質を知るための貴重な情報源です。公式サイトに掲載されている「お客様の声」は良い内容に偏りがちなので、より客観的な評価が分かる外部のプラットフォームを活用しましょう。
口コミをチェックする際のポイント
- チェックするサイト:
- くらしのマーケット、ユアマイスター: 多くの個人・中小業者が登録しており、実際に利用したユーザーのみが評価を投稿できるため、信頼性が高いです。
- Googleマップ: 店舗名で検索すると表示される口コミ。手軽に確認できます。
- X(旧Twitter)や各種ブログ: 「(業者名) 評判」などで検索すると、個人のリアルな感想が見つかることがあります。
- 見るべき内容:
- 総合評価と件数: 星の数だけでなく、十分なレビュー件数があるかを確認します。件数が多ければ多いほど、評価の信頼性は高まります。
- 具体的なコメント内容: 「安かった」だけでなく、「作業が丁寧だった」「説明が分かりやすかった」「時間通りに来てくれた」といった具体的な作業内容やスタッフの対応に関するコメントを重視します。
- 低評価の口コミ: 良い口コミだけでなく、悪い口コミにも目を通しましょう。どのような点に不満を感じた人がいるのか(例:連絡が遅い、養生が雑だったなど)を把握し、自分にとって許容できる範囲か、頻発している問題ではないかを確認します。
複数の情報源から総合的に判断することが、客観的な業者評価に繋がります。
④ 対応エリア内か
依頼したい業者が決まったら、自宅がその業者のサービス対応エリアに含まれているかを確認しましょう。大手業者は全国展開していることが多いですが、地域密着型の業者も数多く存在します。
ウェブサイトの「対応エリア」や「営業エリア」のページを確認するのが最も確実です。郵便番号を入力して検索できる機能があると便利です。
エリア外の場合でも、追加の出張費を支払えば対応してくれる業者もありますが、割高になる可能性があります。基本的には、自宅が通常対応エリアに含まれている業者を選ぶのが最も経済的です。また、対応エリアの境界に近い場合は、出張費の有無を念のため確認しておくと安心です。
⑤ 専門知識や実績は豊富か
エアコンクリーニングは、見た目をきれいにするだけでなく、機械の構造を理解した上で安全に行う必要があります。特に、複雑な構造を持つお掃除機能付きエアコンや、設置状況が特殊なエアコンの場合、業者の知識と経験が作業の質を大きく左右します。
実績や専門性を判断するポイント
- ウェブサイトの情報: これまでの施工実績(件数や写真など)が豊富に掲載されているか。作業内容について、専門用語を交えながらも分かりやすく解説しているか。
- 保有資格: 「第二種電気工事士」などの国家資格を持つスタッフが在籍している場合、電装部分に関する知識が豊富で、より安心して任せられます。必須ではありませんが、一つの判断材料になります。
- 対応機種の明記: お掃除機能付きエアコンのメーカー・機種別の対応可否や、古い機種(製造後10年以上など)の取り扱い方針が明確に記載されているか。曖昧な場合は、専門性が低い可能性があります。
- 問い合わせ時の対応: 電話やメールで問い合わせた際に、こちらの質問(例:「この型番のお掃除機能付きは対応できますか?」)に対して、的確で分かりやすい回答が返ってくるかも、知識レベルを測る重要な指標です。
豊富な実績と専門知識を持つ業者は、様々な状況に柔軟に対応できるため、トラブルのリスクが低く、質の高いサービスが期待できます。
⑥ 予約は取りやすいか
特に、エアコンの使用頻度が高まる夏場の繁忙期(6月~8月)は、人気の業者ほど予約が殺到し、数週間先まで埋まっていることも珍しくありません。
予約のしやすさを確認するポイント
- オンライン予約システムの有無: 24時間いつでも空き状況を確認し、その場で予約を完了できるオンラインシステムがあると非常に便利です。
- 予約の空き状況: 業者のウェブサイトで、直近の予約カレンダーが公開されているか確認しましょう。どのくらい先まで予約が埋まっているかで、人気度や対応キャパシティを推測できます。
- 対応の早さ: 問い合わせフォームや電話での連絡に対して、返信が早いかどうかも重要です。スムーズに日程調整ができる業者は、その後のやり取りも円滑に進む可能性が高いです。
希望する時期にクリーニングを実施するためにも、特に繁忙期は1ヶ月以上前から余裕を持って探し始め、早めに予約を押さえることをおすすめします。
⑦ オプションメニューが充実しているか
基本的な内部洗浄だけでなく、より快適な環境を求めるなら、オプションメニューの充実度もチェックしましょう。
- 室外機クリーニング: 節電効果を高めたい場合。
- 消臭・抗菌コート: カビの再発を予防し、クリーンな状態を長持ちさせたい場合。
- ドレンパン分解洗浄: 水漏れリスクを徹底的に排除したい場合。
- スチーム除菌: 小さなお子様がいて、薬剤を使わない方法を希望する場合。
自分の家のエアコンの状態や、家族構成、ライフスタイルに合わせて、必要なオプションを提供している業者を選ぶことで、クリーニングの効果を最大限に高め、満足度を向上させることができます。基本料金だけでなく、オプションを含めた総額で比較検討することが重要です。
【2024年】エアコンクリーニング業者おすすめ15選を徹底比較
数あるエアコンクリーニング業者の中から、信頼性、料金、サービスの質などを総合的に評価し、おすすめできる15社を厳選しました。大手ハウスクリーニング専門業者から、価格比較が容易なプラットフォーム、家電量販店系のサービスまで幅広く紹介します。各社の特徴を比較し、ご自身のニーズに最適な業者を見つけてください。
※料金は2024年5月時点の公式サイト情報を基にした税込価格です。キャンペーン等で変動する可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
業者名 | 壁掛け(通常) | お掃除機能付き | 特徴 | 損害賠償保険 |
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① くらしのマーケット | 8,000円~ | 13,000円~ | 個人・中小業者を比較検討できる。料金が安く、口コミが豊富。 | ○ (業者毎) |
② ユアマイスター | 8,000円~ | 14,000円~ | 故障・破損時の再施工保証あり。プロの職人を比較して選べる。 | ○ (業者毎+独自) |
③ おそうじ本舗 | 12,100円 | 19,800円 | 業界最大手。独自の洗剤と高圧洗浄で徹底洗浄。全国対応。 | ○ |
④ ダスキン | 14,300円 | 25,300円 | 高い知名度と信頼性。厳しい研修を受けた専門スタッフが対応。 | ○ |
⑤ カジタク | 13,200円 | 21,450円 | イオングループ。満足保証付き。花王と共同開発の洗剤を使用。 | ○ |
⑥ ベアーズ | 12,980円 | 19,910円 | 家事代行のノウハウ。高品質なサービスと丁寧な接客が魅力。 | ○ |
⑦ ハウスクリーニングのオン | 11,000円 | 17,600円 | 関東中心。環境に配慮したエコ洗剤を使用。防カビ抗菌コートが無料。 | ○ |
⑧ 東京ガスのハウスクリーニング | 12,100円 | 20,900円 | 首都圏中心。ガス会社の信頼性。丁寧な作業と高品質な仕上がり。 | ○ |
⑨ ハートクリーニング | 10,780円 | 11,880円~ | 2台目以降の割引率が高い。抗菌コートが標準で付属。 | ○ |
⑩ エディオン | 11,000円~ | 19,800円~ | 家電のプロによる安心感。独自の長期保証サービスも。 | ○ |
⑪ ヤマダ電機 | 11,000円 | 18,700円 | 全国展開。ヤマダポイントが貯まる・使える。 | ○ |
⑫ ビックカメラ | 12,980円~ | 21,780円~ | 提携専門業者による高品質な作業。ビックポイントが利用可能。 | ○ |
⑬ コジマ | 12,980円~ | 21,780円~ | ビックカメラグループ。丁寧なサービスとポイント利用が魅力。 | ○ |
⑭ ケーズデンキ | 11,000円~ | 17,600円~ | 提携業者によるサービス。店舗での申し込みで安心。 | ○ |
⑮ ハウスクリーニング110番 | 9,800円~ | 15,000円~ | 24時間365日受付。全国の加盟店から迅速に派遣。 | ○ |
① くらしのマーケット
特徴: 全国の多数の個人・中小業者が登録する、日本最大級のサービス比較・予約サイトです。最大の魅力は、利用者が業者の料金、サービス内容、口コミを一覧で比較し、自分に合った業者を直接選べる点です。価格競争が働くため、相場より安い料金で依頼できることが多く、コストを重視する方におすすめです。実際に利用したユーザーの顔写真付き口コミが豊富なため、信頼性を判断しやすいのも大きなメリットです。
参照:くらしのマーケット公式サイト
② ユアマイスター
特徴: くらしのマーケットと同様に、全国のプロの職人(マイスター)を探せるプラットフォームです。「故障・破損に対する再施工保証」など、独自の保証制度が充実しており、万が一のトラブル時も安心です。プロのこだわりや技術を詳細なプロフィールで確認できるため、価格だけでなく質にもこだわりたい方に適しています。
参照:ユアマイスター公式サイト
③ おそうじ本舗
特徴: 全国47都道府県に1,900店舗以上を展開する、業界最大手のハウスクリーニング業者です。完全分解洗浄や、独自開発したファインバブル洗浄など、高い技術力が強み。全メーカー・全機種に対応可能で、研修を受けた専門スタッフが丁寧なサービスを提供します。知名度と実績を重視し、安心して任せたい方におすすめです。
参照:おそうじ本舗公式サイト
④ ダスキン
特徴: 「お掃除のプロ」として抜群の知名度と信頼性を誇る企業です。エアコンクリーニングにおいても、厳しい研修をクリアした専門スタッフが2人1組で訪問し、丁寧かつ確実な作業を行います。独自開発の資器材と薬剤を使用し、エアコン内部のすみずみまで徹底的に洗浄します。料金はやや高めですが、その分、安心と高品質を求める方から絶大な支持を得ています。
参照:ダスキン公式サイト
⑤ カジタク
特徴: イオングループが運営する家事代行サービスで、エアコンクリーニングも提供しています。仕上がりに満足できなかった場合に無料でやり直してくれる「満足保証」が付いているのが大きな特徴。花王と共同開発した専用洗剤を使用し、環境にも配慮しています。全国のイオングループ店舗で申し込める手軽さも魅力です。
参照:カジタク公式サイト
⑥ ベアーズ
特徴: 家事代行サービスのリーディングカンパニーとして知られ、そのノウハウを活かした高品質なハウスクリーニングを提供しています。徹底したスタッフ教育による、丁寧な接客とマナーの良さに定評があります。エアコンクリーニングにおいても、隅々まで配慮の行き届いたサービスが期待できます。
参照:ベアーズ公式サイト
⑦ ハウスクリーニングのオン
特徴: 関東エリアを中心にサービスを展開する専門業者です。植物由来の成分を主としたエコ洗剤を使用しており、小さなお子様やペットがいる家庭、化学物質に敏感な方でも安心して依頼できます。また、防カビ・抗菌コートが標準料金に含まれているため、コストパフォーマンスが高い点も魅力です。
参照:ハウスクリーニングのオン公式サイト
⑧ 東京ガスのハウスクリーニング
特徴: 首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)で展開するサービスです。ガス会社のブランドイメージ通り、信頼性と安全性を重視した高品質なサービスが特徴。研修を受けたプロが、丁寧な作業でエアコンを隅々まできれいにしてくれます。料金は相場通りですが、確かな品質を求める方におすすめです。
参照:東京ガスのハウスクリーニング公式サイト
⑨ ハートクリーニング
特徴: 全国展開しているハウスクリーニング業者で、特に複数台割引の割引率が高いことで知られています。2台目、3台目とまとめて依頼するほどお得になるため、複数のエアコンを一度にきれいにしたい家庭に最適です。防カビ・抗菌コートが標準で付いてくるのも嬉しいポイントです。
参照:ハートクリーニング公式サイト
⑩ エディオン
特徴: 大手家電量販店のエディオンが提供するサービスです。購入した家電を知り尽くしたプロの視点で、安心してクリーニングを任せられます。クリーニング後の万が一の不具合に対応する保証が充実している点が強み。お近くの店舗で気軽に相談・申し込みが可能です。
参照:エディオン公式サイト
⑪ ヤマダ電機
特徴: 全国に店舗網を持つヤマダ電機も、エアコンクリーニングサービスを提供しています。作業料金に応じてヤマダポイントが貯まる・使えるのが大きなメリットで、普段からヤマダ電機を利用する方には特におすすめです。提携する専門業者が作業を行うため、品質も安心です。
参照:ヤマダ電機公式サイト
⑫ ビックカメラ
特徴: ビックカメラグループが提供するサービスで、高い技術力を持つ提携専門業者が作業を担当します。ビックポイントを使って支払いができたり、貯めたりできるのが魅力です。ウェブサイトからの申し込みだけでなく、各店舗のカウンターでも相談・依頼が可能です。
参照:ビックカメラ公式サイト
⑬ コジマ
特徴: ビックカメラグループの一員で、同様のエアコンクリーニングサービスを提供しています。基本的なサービス内容や料金体系はビックカメラに準じており、コジマポイントの利用も可能です。地域に密着した店舗での丁寧な対応が期待できます。
参照:コジマ公式サイト
⑭ ケーズデンキ
特徴: 「新製品が安い」でおなじみのケーズデンキも、エアコンクリーニングを手掛けています。提携する専門業者が訪問し、クリーニングを実施します。全国の店舗で申し込みができるため、対面で相談しながら依頼したい方に安心感があります。
参照:ケーズデンキ公式サイト
⑮ ハウスクリーニング110番
特徴: 日本全国の加盟店と提携し、24時間365日電話受付対応しているのが特徴のサービスです。「今すぐ相談したい」「急いで予約したい」といったニーズに迅速に対応してくれます。料金も比較的リーズナブルな設定で、手軽に依頼しやすい業者です。
参照:ハウスクリーニング110番公式サイト
エアコンクリーニングを安く頼む3つのコツ
プロによるエアコンクリーニングは、快適な環境を手に入れるための投資ですが、できることなら費用は抑えたいものです。実は、いくつかのコツを知っておくだけで、通常よりもお得にサービスを利用できます。ここでは、賢くエアコンクリーニングを依頼するための3つの具体的な方法をご紹介します。
① 複数台まとめて依頼して割引を適用する
ほとんどのエアコンクリーニング業者では、「複数台割引」の制度を設けています。これは、同じ日に同じ家で2台以上のエアコンをクリーニングする場合、2台目以降の料金が割引になるというものです。
複数台割引の仕組みとメリット
- 割引額: 業者によって異なりますが、一般的に2台目以降は1台あたり1,000円~3,000円程度の割引が適用されます。例えば、1台12,000円のクリーニングで2台目以降2,000円割引の場合、2台依頼すると22,000円(1台あたり11,000円)、3台依頼すると32,000円(1台あたり約10,667円)となり、台数が増えるほど1台あたりの単価が安くなります。
- 業者のメリット: 業者側にとっても、1つの家庭で複数台作業できれば、移動時間や交通費、準備・片付けの手間といったコストを1回で済ませることができます。その効率化分を料金に還元しているのが、この割引の仕組みです。
もしご家庭にエアコンが複数台ある場合は、1台ずつ別々の時期に依頼するのではなく、まとめて一度に依頼するのが最も経済的です。リビングのエアコンだけでなく、寝室や子供部屋のエアコンも、同じタイミングでクリーニングを検討してみてはいかがでしょうか。業者によっては、3台以上でさらに割引率がアップするキャンペーンを行っている場合もあるため、各社の割引制度を比較してみることをおすすめします。
② 閑散期(春・秋)を狙う
エアコンクリーニングの需要には、明確な繁忙期と閑散期が存在します。
- 繁忙期: 冷房を本格的に使い始める6月~8月。この時期は予約が殺到し、数週間~1ヶ月待ちになることも珍しくありません。料金も通常価格か、場合によっては割高になることもあります。
- 閑散期: エアコンをあまり使わない春(4月~5月)と秋(9月~10月)。この時期は業者のスケジュールに余裕があるため、予約が取りやすいのが特徴です。
この閑散期を狙って依頼することには、2つの大きなメリットがあります。
- 割引キャンペーンの実施: 業者は仕事が少なくなる閑散期に顧客を確保するため、「早期割引キャンペーン」や「期間限定割引」などを実施することが多くあります。通常料金よりも10%~20%安く依頼できるケースもあり、非常にお得です。
- 予約の柔軟性: 繁忙期のように予約が詰まっていないため、こちらの希望する日時で予約を入れやすいです。土日祝日でも比較的スムーズに日程調整ができる可能性が高まります。
最も賢いタイミングは、本格的なシーズンが始まる直前の春か、シーズンが終わった直後の秋です。きれいな状態で夏や冬を迎えることができる上に、料金も安く抑えられるため、一石二鳥と言えるでしょう。計画的に閑散期を狙うことが、コストを抑える最大のコツです。
③ クーポンやキャンペーンを活用する
各社が提供するクーポンやキャンペーンをうまく活用することも、費用を抑えるための有効な手段です。これらの情報は、少し探すだけで見つかることがよくあります。
クーポン・キャンペーン情報の探し方
- 公式サイトのチェック: 多くの業者が公式サイトのトップページやキャンペーンページで、期間限定の割引情報を告知しています。「初回限定割引」「WEB申込限定割引」など、特定の条件で利用できるクーポンが用意されていることもあります。
- 比較サイト(くらしのマーケット、ユアマイスターなど): これらのプラットフォームでは、登録業者が独自にクーポンを発行している場合があります。業者一覧ページで「クーポンあり」の絞り込み検索をしてみましょう。
- チラシやDM: 新聞の折り込みチラシや、過去に利用したことがある業者からのダイレクトメールに、お得なクーポンが付いていることがあります。
- 福利厚生サービスの活用: 会社員の方であれば、ご自身が加入している福利厚生サービス(ベネフィット・ステーション、リロクラブなど)の提携メニューに、エアコンクリーニングの割引が含まれている場合があります。一度確認してみる価値はあります。
これらの割引は、前述の「複数台割引」や「閑散期割引」と併用できる場合もあります。予約をする前に、利用できる割引がないかをくまなくチェックする習慣をつけるだけで、数千円単位で費用を節約できる可能性があります。
エアコンクリーニングに最適な時期と頻度の目安
エアコンクリーニングをいつ、どのくらいの頻度で行うべきかは、多くの人が悩むポイントです。適切なタイミングでメンテナンスを行うことで、クリーニングの効果を最大化し、常に快適な状態を保つことができます。ここでは、おすすめの時期と理想的な頻度の目安について詳しく解説します。
おすすめの時期は4月~5月と9月~10月
エアコンクリーニングを依頼するのに最もおすすめの時期は、春(4月~5月)と秋(9月~10月)です。この時期が最適である理由は、大きく3つあります。
- 本格的なシーズン前の準備ができる:
- 春(4月~5月): 夏の冷房シーズンが始まる前にクリーニングしておくことで、梅雨から夏にかけて、カビやホコリのないクリーンな冷風で快適に過ごせます。夏本番に「いざ使おうとしたらカビ臭い!」という事態を避けられます。
- 秋(9月~10月): 冷房シーズン中に溜まったカビや汚れを、暖房を使い始める前にリセットできます。夏に繁殖したカビを放置したまま暖房運転をすると、温風と共にカビ胞子が部屋中に拡散されてしまうため、秋のクリーニングは健康面でも非常に重要です。
- 予約が取りやすく、料金もお得:
前述の「安く頼むコツ」でも触れた通り、春と秋はエアコンクリーニングの閑散期にあたります。そのため、夏の繁忙期(6月~8月)のように予約が殺到することがなく、希望の日時でスムーズに予約を取りやすいという大きなメリットがあります。さらに、業者が「閑散期割引」や「早期割引キャンペーン」を実施していることが多く、通常よりもお得な料金で依頼できる可能性が高いです。 - エアコンを長時間停止させても問題ない:
エアコンクリーニング中は、1~3時間ほどエアコンを停止させる必要があります。真夏や真冬に作業を行うと、その間、部屋の温度管理ができず不快な思いをするかもしれません。その点、気候が穏やかな春や秋であれば、エアコンを止めても快適に過ごせるため、作業を依頼する側にとってもストレスが少ない時期と言えます。
これらの理由から、計画的に春か秋にクリーニングを依頼するのが、最も賢明で快適な選択と言えるでしょう。
クリーニングの理想的な頻度は1~2年に1回
エアコンクリーニングの適切な頻度は、エアコンの使用状況や設置環境によって異なりますが、一般的な家庭での目安は「1~2年に1回」です。
全くクリーニングをしないのは論外ですが、毎年必ず行う必要があるかというと、そうではない場合もあります。一方で、特定の条件下では、1年に1回以上のクリーニングが推奨されることもあります。ご自身の状況と照らし合わせて、最適な頻度を判断しましょう。
【1年に1回、またはそれ以上の頻度が推奨されるケース】
- ペット(犬や猫など)を飼っている家庭: ペットの毛やフケがホコリと共に吸い込まれ、フィルターや内部が汚れやすくなります。臭いの原因にもなりがちです。
- 喫煙者がいる家庭: タバコのヤニは粘着性が高く、内部に付着するとホコリを吸着し、頑固な汚れや強い臭いの原因となります。
- リビングやキッチンに近い場所に設置されているエアコン: 料理中の油煙を吸い込みやすく、内部がベタベタの油汚れになりがちです。油汚れはカビの栄養源にもなります。
- アレルギー体質の方や小さなお子様がいる家庭: 健康への影響を考慮し、常にクリーンな状態を保つために、こまめなクリーニングが推奨されます。
- 使用頻度が非常に高い家庭: ほぼ一年中エアコンを稼働させている場合、その分汚れも早く蓄積します。
【2年に1回程度でも問題ない可能性のあるケース】
- 寝室やあまり使わない部屋のエアコン: 使用時間が短いため、汚れの蓄積スピードが比較的緩やかです。
- ペットや喫煙者がいない家庭: 汚れの主な原因が生活ホコリに限られるため。
セルフチェックで頻度を判断する
最終的には、エアコンの状態を実際に見て判断するのが最も確実です。以下のサインが見られたら、クリーニングを検討する時期です。
- 吹き出し口から中を覗くと、黒い点々(カビ)が見える
- 運転開始時に、酸っぱいようなカビ臭い臭いがする
- 冷暖房の効きが以前より悪くなったと感じる
- エアコンの風量を上げると、ホコリっぽいものが出てくることがある
これらのサインは、内部がかなり汚れている証拠です。「1~2年に1回」という目安を基本としつつ、ご自身の家庭環境やエアコンのサインに応じて柔軟に頻度を調整することが、コストと快適性のバランスを取る上で重要です。
業者と自分でやる場合の違いは?市販スプレーで十分?
「プロに頼むと高いから、市販のエアコン洗浄スプレーで済ませたい」と考える方は多いでしょう。手軽で安価な市販スプレーは魅力的ですが、プロのクリーニングとは洗浄効果や安全性において大きな違いがあります。ここでは、自分でできる掃除の範囲とその限界、そしてなぜプロに依頼した方が良いのかを具体的に比較・解説します。
自分で掃除できる範囲と限界
市販の洗浄スプレーなどを使って、個人が安全に掃除できるのは、エアコンのごく表面的な部分に限られます。
【自分で安全に掃除できる範囲】
- エアコン本体のカバー: 濡らした布で拭き掃除ができます。
- フィルター: 取り外して掃除機でホコリを吸い取るか、水洗いが可能です。最も手軽で、かつ効果的なセルフメンテナンスです。2週間に1回程度の掃除が推奨されます。
- 吹き出し口(ルーバー): 手の届く範囲のホコリやカビを、布や綿棒で拭き取ることができます。
【自分で掃除する際の限界とリスク】
市販のエアコン洗浄スプレーは、主に熱交換器(アルミフィン)の洗浄を目的としていますが、これには大きな限界とリスクが伴います。
- 洗浄範囲の限界: スプレーの噴射圧は弱く、ノズルも短いため、洗浄できるのは熱交換器の「手前の表面」だけです。汚れの温床である熱交換器の奥や、カビが密集する送風ファンには洗浄液が届きません。
- 汚れが内部に残る: 表面の汚れを浮かせることはできても、プロの高圧洗浄のように洗い流す力はありません。中途半端に浮いた汚れや洗剤成分が内部に残り、かえってカビの栄養源になったり、ドレンホースを詰まらせたりする原因になることがあります。
- 故障や火災のリスク: 最も危険なのが、洗浄液が電装部分(モーター、基盤など)にかかってしまうことです。これにより、トラッキング現象が起きてショートし、故障や最悪の場合は火災に繋がる恐れがあります。プロは作業前にこの電装部分を徹底的に養生しますが、素人が完璧に行うのは困難です。
結論として、市販スプレーによるDIYクリーニングは、根本的な汚れの解決にはならず、むしろリスクを伴う行為であると認識しておく必要があります。フィルター掃除などの日常的な手入れは重要ですが、内部の本格的な洗浄はプロの領域だと考えるのが賢明です。
比較項目 | 自分で掃除(市販スプレー) | プロの業者 |
---|---|---|
洗浄範囲 | フィルター、表面のフィン、吹き出し口のみ | 内部の奥深く(フィン、ファン、ドレンパン)まで全て |
洗浄効果 | 表面の軽い汚れのみ。根本解決は不可。 | カビやホコリ、悪臭の原因を根こそぎ除去 |
安全性 | 電装部分への液体付着による故障・火災リスクあり | 専門知識と養生により、安全性が確保されている |
使用機材 | 市販のスプレー缶、ブラシ | 高圧洗浄機、専用洗剤、特殊工具 |
作業時間 | 1~2時間(準備・後片付け含む) | 1~3時間(機種による) |
手間 | 準備、作業、後片付け全て自分で行う必要あり | 全てお任せできる |
費用 | 500円~2,000円程度 | 8,000円~22,000円程度 |
業者に依頼した方が良い理由
上記の比較からも分かる通り、費用面以外のあらゆる点でプロのクリーニングはDIYを上回ります。業者に依頼すべき具体的な理由を3つのポイントに絞って解説します。
専門的な道具で内部の奥まで洗浄できる
プロの業者は、家庭にはない専門的な機材を駆使してクリーニングを行います。
その象徴が「高圧洗浄機」です。市販スプレーとは比較にならない強力な水圧で、熱交換器のフィンの隙間や、送風ファンの羽一枚一枚にこびりついた頑固なカビや汚れを叩き出し、洗い流します。
また、業者が使用する「専用洗剤」は、カビや油汚れに対する洗浄力が高いだけでなく、環境や人体への安全性も考慮されています。洗浄後は、大量の水(お湯を使う業者も多い)で洗剤成分が残らないように徹底的にすすぎを行うため、安心です。
この「分解 → 養生 → 専用洗剤での洗浄 → 大量の水でのすすぎ」という一連のプロセスこそが、汚れを根本からリセットし、エアコン本来の性能を取り戻す唯一の方法なのです。
故障や火災のリスクがない
前述の通り、DIYクリーニングには常に故障や火災のリスクが付きまといます。エアコンは精密な電気製品であり、内部構造は複雑です。どこが電装部分で、どこまでなら水をかけて良いのかを正確に理解していないと、取り返しのつかない事態になりかねません。
プロの作業員は、エアコンの構造を熟知しています。作業前に行う「養生」は、その専門知識の表れです。基盤やモーターといった絶対に濡らしてはいけない部分を、ビニールやテープで寸分の隙間なく保護します。この丁寧な下準備があるからこそ、強力な高圧洗浄を安全に行うことができるのです。
さらに、万が一の事態に備えて「損害賠償責任保険」に加入しているため、作業が原因で故障した際も保証が受けられます。この安心感は、DIYにはない最大のメリットと言えるでしょう。
手間と時間がかからない
自分でエアコンを掃除しようとすると、想像以上に手間と時間がかかります。掃除方法を調べ、道具を買い揃え、家具を移動させて養生し、慣れない体勢で作業を行い、最後には汚れた水の後片付け…と、全てを終える頃には半日仕事になってしまうこともあります。
一方、プロに依頼すれば、予約した日時に来てもらい、あとは全てお任せです。作業時間は機種にもよりますが1~3時間程度。その間、他の家事をしたり、リラックスして過ごしたりと、時間を有効に使うことができます。
費用はかかりますが、「確実な洗浄効果」「安全性」「自分の時間と労力」を総合的に考えれば、プロに依頼することは非常にコストパフォーマンスの高い選択だと言えるでしょう。
エアコンクリーニング依頼から作業完了までの流れ
初めてエアコンクリーニングを依頼する方にとっては、「どんなことをするのだろう」「準備は必要?」といった不安があるかもしれません。ここでは、業者を選んでから作業が完了するまでの一般的な流れを6つのステップに分けて解説します。事前に流れを把握しておくことで、当日に慌てることなく、スムーズにサービスを受けることができます。
業者を選んで予約する
まずは、この記事の「選び方」や「おすすめ業者」を参考に、自分に合った業者を選びます。業者が決まったら、電話またはウェブサイトの予約フォームから申し込みます。
予約時に伝える・確認する情報
- 氏名、住所、連絡先
- クリーニングを希望するエアコンの台数
- 各エアコンの機種(メーカーと型番): 特にお掃除機能の有無は料金に関わるため、正確に伝えましょう。型番はエアコン本体の下側や側面にあるシールに記載されています。
- 希望の日時(第3希望くらいまで)
- オプションの希望(室外機洗浄、抗菌コートなど)
- 駐車スペースの有無
- 料金の総額と支払い方法の確認
ウェブ予約の場合は、これらの情報をフォームに入力します。後日、業者から日程確定の連絡が来て、予約完了となります。
作業前の動作確認
作業日当日、スタッフが訪問したら、まずはクリーニングを始める前に、お客様立ち会いのもとでエアコンの動作確認を行います。
リモコンを使って、冷房や暖房が正常に作動するか、異音や異常がないか、風向ルーバーはスムーズに動くかなどをチェックします。これは、「作業前から存在した不具合」と「作業によって発生した不具合」を明確に切り分けるための非常に重要な工程です。この時点で何らかの不具合が見つかった場合は、クリーニング作業を中止するか、リスクを説明した上でお客様の同意を得てから作業に進むことになります。
周辺の養生
動作確認が終わると、作業スペースの確保と養生に入ります。エアコンの真下にある家具や家電は、お客様に移動をお願いするか、スタッフが移動を手伝ってくれます。
その後、洗浄中の水や洗剤が周囲に飛び散らないように、専用のビニールシートを使ってエアコンの周りの壁や床、近くにある家具などを徹底的に保護します。この養生作業の丁寧さが、業者の品質を見極める一つのポイントにもなります。安心して作業を任せられる業者は、この養生を非常に慎重に行います。
エアコンの分解と内部洗浄
養生が完了したら、いよいよエアコン本体の作業に入ります。
まず、前面カバー、フィルター、風向ルーバーなどの取り外せる部品を分解していきます。お掃除機能付きの場合は、さらに複雑な電装ユニットも慎重に取り外します。
次に、エアコン本体に専用のカバーを被せ、高圧洗浄機で内部を洗浄していきます。最初にアルカリ性の専用洗剤などを熱交換器や送風ファンにまんべんなく噴霧し、カビや油汚れを浮き上がらせます。そして、高圧の水流で、浮き上がった汚れと洗剤を洗い流します。この時、カバーの下に置かれたバケツには、長年蓄積されたホコリやカビで真っ黒になった汚水が溜まっていきます。この汚水を見ることで、クリーニングの効果を視覚的に実感できるでしょう。
部品の洗浄と組み立て
本体の洗浄と並行して、取り外したカバーやフィルター、その他の部品を洗浄します。多くの場合、浴室やベランダの水道を借りて、ブラシなどを使って一つひとつ丁寧に手洗いします。
本体内部と全部品の洗浄が終わったら、濡れた箇所をタオルで拭き上げ、乾燥させます。その後、分解した時と逆の手順で、部品を正確に元の位置へ組み立てていきます。お掃除機能付きの複雑な配線なども、専門知識を基に確実に接続します。
最終チェックと支払い
組み立てが完了したら、最初に行ったのと同様に、お客様立ち会いのもとで最終的な動作確認を行います。
正常に運転すること、異音や水漏れがないこと、洗浄前との風の違いなどを確認します。問題がなければ、作業は完了です。
最後に、養生を撤去し、作業場所の簡単な清掃を行います。そして、事前に確認した料金を支払い、領収書を受け取って全工程が終了となります。支払い方法は、現金、クレジットカード、電子マネーなど業者によって異なるため、予約時に確認しておきましょう。
エアコンクリーニングに関するよくある質問
エアコンクリーニングを依頼するにあたって、多くの方が抱く疑問や不安にお答えします。事前に知っておくことで、より安心してサービスを利用できます。
作業時間はどれくらいかかりますか?
作業時間は、エアコンの機種や汚れ具合、作業員の人数によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 壁掛けタイプ(通常): 1台あたり 約1時間~1時間30分
- お掃除機能付きエアコン: 1台あたり 約2時間~3時間
お掃除機能付きエアコンは、内部の構造が複雑で、分解・組み立てに時間がかかるため、通常タイプよりも長い時間が必要です。また、複数台を同時に依頼する場合は、単純に台数分の時間がかかるわけではなく、2台目以降は準備や片付けが効率化されるため、少し短縮される傾向にあります。
あくまで目安ですので、当日のスケジュールには余裕を持っておくことをおすすめします。
当日までに準備しておくことはありますか?
スムーズに作業を開始できるよう、事前にいくつか準備しておくと親切です。
- エアコン下のスペース確保: エアコンの真下に脚立を置いて作業するため、最低でも畳1畳分くらいのスペースを空けておくと作業がしやすくなります。ソファやベッド、テレビ台などの動かせない大きな家具がある場合は、そのままでも作業可能な場合が多いですが、事前に業者に伝えておくと安心です。
- 貴重品や濡れて困るものの移動: 万が一に備え、エアコン周辺にあるパソコンなどの電子機器、大切な置物、濡れると困る書類などは、別の場所に移動させておきましょう。
- 駐車スペースの確保: 業者は車で訪問することがほとんどです。自宅に駐車スペースがある場合は、事前に伝えておくとスムーズです。ない場合は、近くのコインパーキングを利用することになりますが、その料金がお客様負担となる場合が多いので、予約時に確認しておきましょう。
- 部品洗浄場所の確保: 取り外した部品を洗浄するために、浴室またはベランダの水道を使用させてもらうことが一般的です。事前にその場所を片付けておくと、作業が円滑に進みます。
作業中は家にいる必要はありますか?
はい、基本的には在宅していただく必要があります。
特に、作業開始前の「事前の動作確認」と、作業完了後の「最終チェック」は、お客様に立ち会っていただくことが必須となります。これは、作業前後の状態を一緒に確認し、トラブルを防ぐために非常に重要です。
作業中の1~3時間については、必ずしもずっとそばで見ている必要はありません。別の部屋で過ごしたり、家事をしたりしていても問題ありません。ただし、外出は避けるのがマナーです。何か確認事項が発生した場合や、作業完了時にすぐに対応できるよう、在宅していることが求められます。
古いエアコンでもクリーニングできますか?
多くの業者では、製造から10年以上経過したエアコンについては、クリーニングを断るか、作業による故障のリスクについて同意書へのサインを求められる場合があります。
その理由は以下の通りです。
- 部品の経年劣化: プラスチック部品が硬化してもろくなっており、分解・組み立ての際に破損するリスクが高い。
- 補修部品の供給終了: 万が一故障した場合でも、メーカーが補修用の部品を保有していない(通常、製造終了後約10年で供給停止)ため、修理が不可能になる。
- 補償の対象外: 損害賠償保険の補償対象外となるケースが多い。
依頼したいエアコンが古い場合は、必ず予約時に製造年と型番を伝え、対応可能かどうかを事前に確認しましょう。無理に作業を受けてくれる業者よりも、リスクを正直に説明してくれる業者の方が信頼できると言えます。
追加料金が発生することはありますか?
優良な業者は、見積もり時に提示した金額から、お客様の了承なく追加料金を請求することはありません。しかし、以下のようなケースでは、事前に説明の上で追加料金が発生する可能性があります。
- 駐車料金: 事前に確認した上で、コインパーキング代が実費で請求される場合。
- 出張費: 対応エリアの境界付近など、特定の地域で出張費が別途設定されている場合。
- 特殊な設置状況: 高所(3m以上など)に設置されている、壁との隙間が極端に狭いなど、作業に特殊な技術や機材が必要な場合。
- 機種の申告間違い: 「通常タイプ」と申告していたものが、当日「お掃除機能付き」だったと判明した場合など。
このようなトラブルを避けるためにも、予約時の情報伝達は正確に行い、見積もり段階で「これ以上追加料金はかかりませんか?」と念を押して確認しておくことが大切です。
ペットがいても大丈夫ですか?
多くの業者では、ペットがいるご家庭でも問題なく作業してくれます。ただし、安全かつスムーズに作業を進めるために、いくつか注意点があります。
- 別室への移動: 作業中は人の出入りや物音、高圧洗浄機の音などがあるため、ペットが興奮したり、ストレスを感じたりすることがあります。可能であれば、作業中は別の部屋やケージに移動させておくと、ペットにとっても作業員にとっても安全です。
- 洗剤への配慮: 業者が使用する洗剤は、基本的には安全性が確認されたものですが、アレルギーなどが心配な場合は、事前に業者に相談しましょう。中には、植物由来のエコ洗剤を使用する業者や、薬剤を使わないスチーム洗浄のオプションがある業者もいます。
予約時に「犬(猫)がいます」と一言伝えておくと、業者側も心構えができ、よりスムーズな対応が期待できます。