カーペットクリーニング業者おすすめ7選 料金相場や自分で洗う方法

カーペットクリーニング業者おすすめ7選、料金相場や自分で洗う方法

カーペットは部屋の印象を大きく左右し、足元の快適さを提供してくれるインテリアの重要アイテムです。しかし、日常的に使用するからこそ、食べこぼしや飲み物のシミ、皮脂汚れ、ホコリ、そして目には見えないダニやアレルゲンなどが蓄積しやすい場所でもあります。

「掃除機はかけているけど、なんだか黒ずんできた気がする」「子供がジュースをこぼしてシミになってしまった」「ペットの臭いが気になる」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

カーペットの汚れは、放置すると見た目が悪くなるだけでなく、衛生面でも問題を引き起こす可能性があります。特に小さなお子様やペットがいるご家庭、アレルギー体質の方がいるご家庭では、定期的な徹底したクリーニングが欠かせません。

しかし、大きなカーペットを家庭で丸洗いするのは重労働ですし、素材によっては水洗いができず、かえって傷めてしまうリスクもあります。そこで頼りになるのが、プロのカーペットクリーニング業者です。専門の機材と洗剤を使い、カーペットの奥深くに潜んだ汚れやダニを根こそぎ除去してくれます。

この記事では、カーペットクリーニングを業者に依頼したいと考えている方のために、以下の情報を網羅的に解説します。

  • カーペットクリーニングの依頼先の種類と特徴
  • 種類別の料金相場と料金が決まる仕組み
  • 業者に依頼するメリット・デメリット
  • 失敗しない業者選びの5つのポイント
  • 【2024年最新】おすすめのカーペットクリーニング業者7選
  • クリーニング料金を安く抑えるコツ

さらに、「まずは自分でできる範囲で綺麗にしたい」という方のために、普段のお手入れ方法から、汚れやシミ別の応急処置、やってはいけないNG行動まで、セルフケアの方法も詳しくご紹介します。

この記事を最後まで読めば、あなたのカーペットの状態やライフスタイルに最適なクリーニング方法が見つかり、清潔で快適な空間を取り戻すための具体的な一歩を踏み出せるはずです。

カーペットクリーニングの依頼先は3種類

カーペットクリーニングをプロに依頼しようと考えたとき、選択肢は主に3つあります。「出張クリーニング」「宅配クリーニング」「店舗持ち込み」です。それぞれに特徴があり、メリット・デメリットも異なります。ご自身のカーペットの種類やサイズ、ライフスタイル、そして何を重視するかによって最適な方法は変わってきます。

ここでは、それぞれのサービス内容、料金の傾向、どのような人におすすめなのかを詳しく解説します。自分に合った依頼先を見つけるための参考にしてください。

依頼方法 特徴 メリット デメリット こんな人におすすめ
出張クリーニング スタッフが自宅を訪問し、その場でクリーニングを行う ・敷きっぱなしのカーペットも依頼可能
・家具の移動も任せられる場合がある
・即日仕上がる
・作業中は在宅が必要
・作業スペースの確保が必要
・他の方法より高価な傾向
・敷き込みカーペットや大型カーペット
・家具が多くて自分で動かせない
・すぐにカーペットを使いたい
宅配クリーニング 宅配業者がカーペットを集荷し、工場で洗浄後、自宅へ配送 ・自宅にいながら依頼・受け取りが完結
・専門工場で丁寧に洗浄・乾燥
・保管サービスがある業者も
・仕上がりまでに時間がかかる(1週間~)
・梱包の手間がかかる
・送料がかかる場合がある
・日中忙しくて時間が取れない
・高品質な仕上がりを求める
・シーズンオフのカーペットを保管したい
店舗持ち込み クリーニング店に自分でカーペットを持ち込み、後日引き取る ・3つの方法で最も料金が安い傾向
・自分の都合の良いタイミングで持ち込める
・自分で運搬する必要がある
・大型や重いカーペットは大変
・対応店舗が限られる
・クリーニング費用を最も安く抑えたい
・車を持っていて運搬が苦にならない
・近所に持ち込み対応の店舗がある

出張クリーニング(ハウスクリーニング業者)

出張クリーニングは、ハウスクリーニング業者のスタッフが自宅まで来て、カーペットが敷いてあるその場でクリーニング作業を行ってくれるサービスです。最大のメリットは、敷き込み式のカーペットや、重くて一人では動かせない大きなラグマットでも依頼できる点です。

作業当日は、まずスタッフがカーペットの状態をチェックし、汚れの種類や素材に合った洗剤や機材を選定します。その後、専用の強力なバキュームでホコリを吸い取り、専用洗剤を塗布して汚れを分解。最後に、高温のスチームや専用のリンサー(すすぎ洗い専用の機械)を使って、洗剤成分と汚れを強力に吸引・回収します。この方法により、カーペットの根元から汚れを浮き上がらせ、徹底的に洗浄できます。

家具の移動をサービスに含んでいる業者も多く、作業前の準備の手間が省けるのも嬉しいポイントです。作業時間はカーペットのサイズや汚れ具合によりますが、数時間で完了し、乾燥時間をおけばその日のうちにカーペットを使用できるようになります。

ただし、作業中はスタッフが室内で作業するため、在宅している必要があります。また、機材を置いたり作業したりするためのスペースを確保しなければなりません。料金は、他の方法に比べて人件費や出張費がかかるため、比較的高額になる傾向があります。

出張クリーニングは、部屋全体に敷き詰められたカーペットや、ダイニングテーブルの下にあるような動かすのが困難な大型カーペットのクリーニングをしたい方に最適な方法と言えるでしょう。

宅配クリーニング

宅配クリーニングは、インターネットや電話で申し込みをすると、指定の日時に宅配業者がカーペットの集荷に来てくれるサービスです。集荷されたカーペットは専門のクリーニング工場へ送られ、そこで洗浄・乾燥が行われた後、再び自宅まで届けられます。

最大のメリットは、自宅にいながら依頼から受け取りまで全てが完結する利便性の高さです。日中仕事で忙しい方や、近くにクリーニング店がない方でも気軽に利用できます。

クリーニング工場では、それぞれのカーペットの素材や状態に合わせて、最適な洗浄方法が選択されます。家庭では難しい、大量の水を使った丸洗いや、温度・湿度が管理された専用の乾燥室での乾燥など、専門工場ならではの設備で高品質な仕上がりが期待できます。特に、ウールやシルクといったデリケートな素材のカーペットも安心して任せられるのが強みです。

また、業者によってはクリーニング後のカーペットを次のシーズンまで預かってくれる「保管サービス」を提供している場合があります。クローゼットや押し入れのスペースを有効活用したい方には非常に便利なサービスです。

デメリットとしては、集荷から手元に戻ってくるまでに1週間から数週間程度の時間がかかること。クリーニングに出している間は代わりのカーペットが必要になるかもしれません。また、送られてくる専用のキットに自分でカーペットを梱包する手間がかかります。

宅配クリーニングは、日中忙しい方や、高品質な仕上がりを求める方、シーズンオフのカーペットの保管場所に困っている方におすすめです。

店舗持ち込み

店舗持ち込みは、街のクリーニング店などに自分でカーペットを持ち込み、クリーニングを依頼する方法です。仕上がったら、再度店舗に引き取りに行きます。

最大のメリットは、料金の安さです。出張費や送料がかからないため、3つの方法の中では最も費用を抑えられる傾向にあります。近所にカーペットクリーニングに対応している店舗があり、自分のタイミングで持ち込み・引き取りに行きたい方にとっては、手軽で便利な選択肢です。

しかし、当然ながらカーペットを自分で運搬しなければなりません。小さなラグマット程度なら問題ありませんが、大きくて重いカーペットの場合、運搬はかなりの重労働になります。車がないと現実的ではないケースも多いでしょう。

また、全てのクリーニング店がカーペットに対応しているわけではありません。特に、特殊な素材のカーペットや高級な段通などは、専門の設備がないと断られる場合もあります。事前に電話などで対応可能か、料金はいくらくらいかを確認しておくとスムーズです。

店舗持ち込みは、とにかく費用を安く済ませたい方、車を持っていて運搬が苦にならない方、比較的小さなサイズのカーペットをクリーニングしたい方に向いている方法と言えます。

【種類別】カーペットクリーニングの料金相場

カーペットクリーニングを業者に依頼する際、最も気になるのが「料金」ではないでしょうか。料金は、前述した「出張」「宅配」「店舗持ち込み」といった依頼方法だけでなく、カーペットのサイズや素材、汚れの状態など、様々な要因によって変動します。

この章では、まずカーペットクリーニングの料金がどのように決まるのか、その仕組みを詳しく解説します。その後、依頼方法別の具体的な料金相場や、追加で発生する可能性のあるオプション料金についてご紹介します。予算を立てる際の参考にしてください。

料金が決まる仕組み

カーペットクリーニングの料金は、主に以下の3つの要素の組み合わせで決まります。見積もりを依頼する前に、これらの要素について把握しておくと、提示された金額が妥当かどうかを判断しやすくなります。

カーペットのサイズ・素材

料金を決定する最も基本的な要素は、カーペットのサイズ(面積)です。一般的に「〇畳あたり〇円」や「〇㎡あたり〇円」といった形で料金が設定されています。当然ながら、サイズが大きくなるほど料金は高くなります。

また、カーペットの素材も料金に影響を与える重要な要素です。一般的な化学繊維(ポリエステル、ナイロンなど)のカーペットは標準的な料金で対応可能な場合がほとんどです。しかし、ウール、シルク、コットンなどの天然繊維や、ペルシャ絨毯に代表される手織りの絨毯(段通)などは、特殊な洗浄技術や専用の洗剤が必要になるため、割増料金が設定されていることが多くあります。これらのデリケートな素材は、縮みや色落ちのリスクがあるため、より慎重な作業が求められるからです。

汚れやシミの状態

通常のホコリや軽い黒ずみ程度であれば基本料金の範囲内ですが、インク、血液、ペットのおしっこ、長年放置された頑固なシミなどがある場合は、特殊なシミ抜き作業が必要となり、追加料金が発生することがあります。

シミ抜きの料金は、シミの種類や大きさ、数によって異なり、「1箇所あたり〇円」と設定されている場合や、全体の汚れ具合を見て「重度の汚れ」として割増料金が適用される場合があります。業者によっては、見積もりの段階でシミの状態を写真で送付し、概算料金を教えてくれることもあります。

オプションの有無

基本的なクリーニングに加えて、より快適な状態を長持ちさせるための様々なオプションが用意されています。代表的なオプションには以下のようなものがあります。

  • 消臭・抗菌加工: ペットの臭いやタバコの臭いが気になる場合に効果的です。
  • 防ダニ加工: アレルギー対策として、ダニの繁殖を抑制します。
  • 防汚・撥水加工: 汚れが付きにくく、水分を弾くようにコーティングし、日常のお手入れを楽にします。
  • 保管サービス(宅配クリーニングの場合): 次のシーズンまで、温度・湿度が管理された環境でカーペットを預かってもらえます。

これらのオプションは、当然ながら追加料金が必要です。料金はオプションの内容やカーペットのサイズによって異なります。

出張クリーニングの料金相場

出張クリーニングは、スタッフの人件費や出張費が含まれるため、他の方法より高めに設定されています。料金体系は「〇畳あたり」で設定されていることがほとんどです。

カーペットのサイズ 料金相場(1枚あたり)
~3畳 8,000円 ~ 15,000円
~6畳 12,000円 ~ 24,000円
~8畳 16,000円 ~ 30,000円
10畳以上 20,000円~(以降、1畳あたり2,000~3,000円追加が目安)

※上記は化学繊維の場合の目安です。ウールなどの天然繊維は25%~50%程度の割増料金がかかる場合があります。
※業者によっては、最低出張料金が設定されていることがあります。(例:合計12,000円以上から対応など)

出張クリーニングは、敷き込みカーペットやオフィスなどの広範囲のクリーニングにも対応しており、その場合は「㎡単価」で計算されることが多く、相場は1㎡あたり1,000円~3,000円程度です。

宅配クリーニングの料金相場

宅配クリーニングは、全国対応の業者が多く、料金体系も比較的明確です。サイズごとに料金が設定されている場合や、「縦と横の合計センチ」で料金を決めるユニークな業者もあります。送料が含まれていることが多いですが、北海道や沖縄、離島などは追加送料がかかる場合があるので確認が必要です。

カーペットのサイズ 料金相場(1枚あたり)
~1.5畳 4,000円 ~ 7,000円
~3畳 6,000円 ~ 12,000円
~6畳 10,000円 ~ 20,000円
~8畳 15,000円 ~ 25,000円

※上記は化学繊維の場合の目安です。ウールなどの天然繊維は割増料金がかかることが一般的です。
※高級なペルシャ絨毯や段通は、専門コースとなり上記よりも高額になります。

多くの宅配クリーニング業者では、シミ抜きは無料で対応してくれる範囲が広いのも特徴ですが、あまりに広範囲、あるいは特殊なシミは別途見積もりとなることがあります。

店舗持ち込みの料金相場

店舗持ち込みは、運搬の手間を自分で行う分、最もリーズナブルな方法です。料金は「㎡単価」で計算されることが多く、持ち込む店舗によって価格差があります。

素材 料金相場(1㎡あたり)
化学繊維(ウィルトン織など) 1,200円 ~ 2,500円
ウール 1,800円 ~ 3,500円
シルク、段通など高級品 3,000円 ~ 8,000円(要見積もり)

例えば、3畳(約5㎡)の化学繊維カーペットを持ち込んだ場合、6,000円~12,500円程度が目安となります。ただし、これはあくまで目安であり、地域や店舗の規模によって大きく異なります。事前に近隣の店舗に電話で問い合わせて、料金を確認することをおすすめします

オプション料金の相場

基本のクリーニングに加えて、より快適性を高めるためのオプション料金の相場は以下の通りです。こちらもカーペットのサイズによって変動します。

オプション内容 料金相場
消臭・抗菌加工 2,000円 ~ 5,000円
防ダニ加工 2,000円 ~ 5,000円
防汚・撥水加工 3,000円 ~ 7,000円
保管サービス(半年~) 3,000円 ~ 10,000円

これらのオプションを複数組み合わせることで割引が適用される場合もあります。必要なオプションを見極め、トータルの費用を計算することが大切です。

カーペットクリーニングを業者に依頼するメリット・デメリット

専門の機材や洗剤で徹底的に綺麗になる、ダニやアレルゲンを除去できる、手間や時間がかからない

自分で行う掃除と比べて、プロの業者にカーペットクリーニングを依頼することには、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらを両方理解した上で、自分の状況に合った選択をすることが、後悔しないための鍵となります。

業者に依頼するメリット

まずは、専門業者に依頼する大きなメリットを3つご紹介します。「仕上がりの質」「衛生面」「時間と労力の節約」という観点から、その価値を考えてみましょう。

専門の機材や洗剤で徹底的に綺麗になる

プロに依頼する最大のメリットは、家庭では決して真似できないレベルの洗浄力で、カーペットが見違えるほど綺麗になることです。

多くの業者が使用するのが「スチームクリーナー」や「ホットウォーターエクストラクター(リンサー)」と呼ばれる専用機材です。これは、高温の蒸気や温水を高圧で噴射し、カーペットの繊維の奥深くにこびりついた皮脂汚れや泥、食べこぼしのカスなどを強力に分解・浮き上がらせます。そして、浮き上がった汚れを洗剤成分ごと、強力なバキューム機能で一気に吸い取ります。

この「噴射」と「吸引」を同時に行うことで、汚れをカーペット内部に広げることなく、根こそぎ回収できるのです。作業後の汚水を見ると、真っ黒になっていることがほとんどで、どれだけ汚れていたかを実感できます

また、プロは汚れの種類やカーペットの素材に関する専門知識が豊富です。油性のシミ、水性のシミ、インク、血液など、それぞれの汚れの性質を見極め、数十種類の中から最適な洗剤やシミ抜き剤を選択します。素材を傷めず、かつ効果的に汚れを落とすノウハウは、まさにプロの技術と言えるでしょう。

自分では落とせないと諦めていた古いシミや、全体的な黒ずみが解消され、新品の頃のような明るい色合いと、ふかふかの手触りが蘇る可能性も十分にあります。

ダニやアレルゲンを除去できる

カーペットは、ダニやその死骸・フン、花粉、ハウスダストといったアレルゲン(アレルギーの原因物質)の温床になりやすい場所です。これらは非常に小さく、繊維の奥に潜り込んでいるため、家庭用の掃除機だけでは完全に取り除くことが困難です。

プロのクリーニングでは、前述の高温スチームや専用機材による洗浄が、ダニを死滅させ、アレルゲンを徹底的に除去するのに非常に効果的です。多くのダニは50℃以上の熱で死滅すると言われており、100℃近い高温スチームを使用する業者も多いため、高い殺ダニ効果が期待できます。

さらに、強力なバキュームで死骸やフンまでしっかりと吸引・回収するため、アレルギー症状の緩和に繋がります。小さなお子様がいるご家庭や、アレルギー・喘息にお悩みの方がいるご家庭にとって、この衛生面のメリットは非常に大きいと言えるでしょう。クリーニング後の清潔なカーペットの上で、安心して過ごせるようになります。

手間や時間がかからない

大きなカーペットを自分で洗うことを想像してみてください。まず、重いカーペットをベランダやお風呂場まで運び、大量の水と洗剤を使って洗い、何度もすすぎ、そして完全に乾かすまで干し続ける…。これは大変な重労働であり、丸一日かかっても終わらないかもしれません。特に、乾かす工程は難しく、生乾きの状態が続くと雑菌が繁殖し、かえって不衛生な状態になってしまうリスクもあります。

業者に依頼すれば、こうした面倒な作業をすべてプロに任せることができます

  • 出張クリーニングの場合: 自宅で数時間待っているだけで、準備から後片付けまで全て行ってくれます。
  • 宅配クリーニングの場合: 梱包して玄関先で渡すだけで、あとは仕上がりを待つだけです。

自分で掃除するはずだった時間と労力を、仕事や趣味、家族との時間など、他のことに使えるのは大きなメリットです。忙しい現代人にとって、「時間を買う」という視点からも、プロに依頼する価値は十分にあると言えるでしょう。

業者に依頼するデメリット

多くのメリットがある一方で、無視できないデメリットも存在します。主に「費用」と「スケジュール調整」の2点です。

費用がかかる

最も大きなデメリットは、当然ながら費用がかかることです。自分で掃除すれば洗剤代など数百円~数千円で済みますが、業者に依頼すると、前述の通り数万円単位の出費となります。

特に、定期的にクリーニングを行いたい場合、その都度コストがかかるため、家計への負担は小さくありません。この費用を「高い」と感じるか、「仕上がりの質や手間の削減に見合った対価」と捉えるかは、個人の価値観や経済状況によります。

ただし、間違った自己流の掃除で高価なカーペットを傷めてしまい、買い替えることになれば、結果的にクリーニング代よりも高い出費につながる可能性もあります。費用対効果を総合的に判断することが重要です。

業者との日程調整が必要になる

出張クリーニングを依頼する場合、作業当日は自宅にいる必要があります。平日に仕事をしている方であれば、休日に予約を入れるか、有給休暇を取得する必要があるかもしれません。特に、3月~4月の引っ越しシーズンや、11月~12月の大掃除シーズンは予約が混み合い、希望の日時が取りにくいことも考えられます。

宅配クリーニングの場合も、集荷や受け取りの日時を指定する必要があります。在宅の必要はないものの、自分のスケジュールと宅配業者の対応時間を合わせる手間は発生します。

このように、自分の好きなタイミングでいつでも作業できるわけではなく、業者とのスケジュール調整が必要になる点は、デメリットと言えるでしょう。急な来客の予定が入ったからといって、すぐにクリーニングを完了させるのは難しい場合があります。

カーペットクリーニング業者選びで失敗しない5つのポイント

料金や作業内容が明確か、口コミや実績が豊富か、損害賠償保険に加入しているか、追加料金の有無を事前に確認する、自分に合った依頼方法が選べるか

「いざカーペットクリーニングを頼もう!」と思っても、数多くの業者の中からどこを選べば良いのか迷ってしまいますよね。料金の安さだけで選んでしまうと、「汚れが全然落ちていない」「追加料金を請求された」「カーペットが傷んでしまった」といったトラブルにつながりかねません。

ここでは、安心して任せられる優良な業者を見極めるために、必ずチェックしたい5つのポイントを具体的に解説します。

① 料金や作業内容が明確か

最も重要なのが、料金体系と作業内容の透明性です。信頼できる業者は、公式サイトやパンフレットに、サービスごとの料金を明確に記載しています。

チェックすべき点は以下の通りです。

  • 基本料金に含まれる作業範囲: 「カーペット洗浄」「シミ抜き」「乾燥」など、基本料金でどこまで対応してくれるのかを具体的に確認しましょう。「シミ抜きは別途料金」なのか、ある程度のシミは基本料金内で対応してくれるのかは、業者によって大きく異なります。
  • 料金の算出方法: 「〇畳あたり〇円」「〇㎡あたり〇円」といった基準が明記されているかを確認します。曖昧な表現でしか料金を提示していない業者は注意が必要です。
  • 出張費や駐車料金の有無: 出張クリーニングの場合、出張費が別途必要なのか、料金に含まれているのかは必ず確認しましょう。また、作業車両の駐車スペースがない場合、コインパーキング代をどちらが負担するのかも、事前に明確にしておくべきです。

正式に依頼する前には、必ず「見積もり」を取りましょう。見積書には、作業内容の内訳とそれぞれの金額が詳細に記載されているのが理想です。口頭での説明だけでなく、書面やメールで見積もりを提示してくれる業者を選ぶと、後々の「言った・言わない」のトラブルを防げます。

② 口コミや実績が豊富か

その業者が実際にどのようなサービスを提供しているのかを知る上で、第三者の客観的な評価である「口コミ」や、これまでの「実績」は非常に重要な判断材料になります。

  • 口コミのチェック: 業者の公式サイトに掲載されている「お客様の声」だけでなく、Googleマップのレビューや、SNS、比較サイトなど、様々なプラットフォームの口コミを横断的に確認することをおすすめします。良い評価だけでなく、悪い評価にも目を通し、「なぜその評価になったのか」という具体的な内容を確認しましょう。例えば、「スタッフの対応が丁寧だった」「諦めていたシミが綺麗になった」といったポジティブな内容や、「時間通りに来なかった」「思ったより汚れが落ちなかった」といったネガティブな内容を総合的に見ることで、その業者の長所と短所を客観的に把握できます。
  • 実績の確認: 多くの業者は公式サイトに「年間〇〇件の実績」「創業〇〇年」といった情報を掲載しています。実績が豊富であることは、それだけ多くの顧客から選ばれ、経験を積んできた証と言えます。また、クリーニング前後の写真を掲載している「ビフォーアフター事例」は、その業者の技術力を視覚的に確認できる良い材料になります。ただし、特定の事例だけを鵜呑みにせず、あくまで参考として捉えましょう。

③ 損害賠償保険に加入しているか

プロの業者であっても、万が一の事故が起こる可能性はゼロではありません。例えば、「強力な洗剤でカーペットが変色してしまった」「作業中に家具を傷つけてしまった」といったケースです。

このような不測の事態に備え、信頼できる業者は必ず「損害賠償保険」に加入しています。これは、クリーニング作業が原因で顧客の所有物に損害を与えてしまった場合に、その損害を補償するための保険です。

公式サイトの「会社概要」や「よくある質問」のページに、「損害賠償保険加入済み」といった記載があるかを確認しましょう。もし記載が見当たらない場合は、見積もりや問い合わせの際に「万が一の場合の保証はありますか?」「損害賠償保険には加入していますか?」と直接質問してみてください。この質問に対して明確に回答できない、あるいは加入していない業者は、リスク管理の意識が低い可能性があるため、避けるのが賢明です。安心して大切なカーペットを預けるための、いわば「お守り」のようなものだと考えましょう。

④ 追加料金の有無を事前に確認する

見積もり時の金額と、実際に請求される金額が違うという「追加料金」に関するトラブルは、クリーニングサービスで最も避けたいものの一つです。

優良な業者は、見積もりの段階で、どのような場合に追加料金が発生する可能性があるかを丁寧に説明してくれます。しかし、中には作業当日に「このシミは特殊なので追加料金が必要です」「汚れがひどいので割増になります」などと、事前説明なしに追加料金を請求してくる悪質な業者も存在します。

このようなトラブルを避けるために、見積もりを取る際に「この金額から追加で料金が発生する可能性はありますか?」と必ず確認しましょう。

確認すべき具体的なポイントは以下の通りです。

  • シミ抜きの追加料金: どのようなシミが、どの程度の大きさ・量だと追加料金になるのか。
  • 素材による割増料金: ウールやシルクなど、特殊素材の割増料金の有無と、その金額。
  • 汚れ具合による割増料金: 「重度の汚れ」の基準は何か。

「確定した見積金額から、お客様の承認なく追加料金を請求することはありません」と明言している業者を選ぶと、より安心して依頼できます。

⑤ 自分に合った依頼方法が選べるか

冒頭で解説した通り、カーペットクリーニングには「出張」「宅配」「店舗持ち込み」の3つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを考慮し、自分のライフスタイルやカーペットの状況に最も合った方法を提供している業者を選ぶことが、満足度を高める上で重要です。

  • 敷き込みカーペットや大型ラグの場合: 「出張クリーニング」に対応している業者一択となります。
  • 日中忙しく、手間をかけたくない場合: 「宅配クリーニング」が便利です。保管サービスも利用したいなら、その有無も確認しましょう。
  • とにかく費用を抑えたい、運搬が苦にならない場合: 「店舗持ち込み」が可能な近隣のクリーニング店を探しましょう。

また、業者によっては複数の依頼方法に対応している場合もあります。例えば、大手ハウスクリーニング業者が出張サービスと宅配サービスの両方を展開しているケースなどです。自分のニーズに合わせて柔軟に選べる業者かどうかも、チェックポイントの一つです。

【2024年最新】カーペットクリーニング業者おすすめ7選

ここでは、前述の「業者選びのポイント」を踏まえ、全国的に知名度が高く、実績も豊富なカーペットクリーニング業者を7社厳選してご紹介します。各社の特徴や料金、サービス内容を比較し、自分にぴったりの業者を見つけるための参考にしてください。

※料金やサービス内容は2024年6月時点のものです。最新の情報は各社の公式サイトで必ずご確認ください。

業者名 依頼方法 料金目安(~3畳) 特徴 参照元
おそうじ本舗 出張 13,200円~ ・業界最大手で全国展開
・汚れに応じた専用洗剤を使用
・オプションが豊富
おそうじ本舗 公式サイト
ベアーズ 出張 16,280円~ ・家事代行サービスのノウハウ
・高品質なサービスと丁寧な接客
・他のハウスクリーニングとセット可
ベアーズ 公式サイト
ダスキン 出張 14,080円~ ・知名度と信頼性が高い
・独自の資器材と薬剤で除菌まで
・専門教育を受けたスタッフが対応
ダスキン 公式サイト
カジタク 宅配 7,150円~ ・イオングループで安心感
・パック料金で分かりやすい
・最長9ヶ月の無料保管サービス
カジタク 公式サイト
おそうじ革命 出張 13,200円~ ・低価格と高品質を両立
・固定料金制で追加料金なし
・独自開発の環境配慮型洗剤
おそうじ革命 公式サイト
くらしのマーケット 出張 業者により異なる ・地域の業者を比較・予約できる
・口コミや料金で業者を選べる
・多様な価格帯から探せる
くらしのマーケット 公式サイト
ユアマイスター 出張/宅配 業者により異なる ・職人や業者と繋がるプラットフォーム
・宅配クリーニングの業者も多数掲載
・万が一の際の補償制度あり
ユアマイスター 公式サイト

① おそうじ本舗

「おそうじ本舗」は、全国に店舗を展開するハウスクリーニング業界の最大手です。その豊富な実績とノウハウは、カーペットクリーニングにも活かされています。

最大の特徴は、汚れの種類やカーペットの素材に合わせて、独自開発の専用洗剤を使い分ける点です。シミ抜きに関しても高い技術力を持ち、諦めていた頑固な汚れにも対応してくれます。クリーニング方法は、素材を傷めにくい「シャンプークリーニング」と、強力に洗浄する「スチームクリーニング」から最適な方法を選択。作業後には、アレルギー対策に有効な防ダニ効果が期待できるオプションや、汚れをつきにくくする「汚れ防止コーティング」も用意されています。全国どこでも安定した品質のサービスを受けられる安心感は、大きな魅力です。

  • 参照: おそうじ本舗 公式サイト

② ベアーズ

「ベアーズ」は、家事代行サービスのパイオニアとして知られていますが、専門的なハウスクリーニングサービスも高品質で評価が高い業者です。

特徴は、徹底したスタッフ教育による、技術力の高さとホスピタリティあふれる丁寧な接客です。サービス品質にこだわりたい方におすすめできます。カーペットクリーニングでは、専用の機材(リンサー)を使用し、高温水を噴射しながら汚れと洗剤を強力にバキューム。繊維の根元からリフレッシュさせます。エアコンや水回りなど、他のハウスクリーニングメニューも充実しているため、「大掃除のついでにカーペットも綺麗にしたい」といったニーズにも応えてくれます。

  • 参照: ベアーズ 公式サイト

③ ダスキン

「ダスキン」は、お掃除用品のレンタルやプロのお掃除サービスで抜群の知名度と信頼性を誇る企業です。長年の研究開発に裏打ちされた独自の資器材と薬剤が強みです。

カーペットクリーニングでは、汚れを落とすだけでなく、除菌・消臭まで行うのが特徴。専用の薬剤で汚れを分解し、高温のスチームと強力なバキュームで洗浄・吸引します。これにより、カーペットの見た目だけでなく、衛生面も向上させることができます。作業にあたるのは、専門の研修を受けた「サービスマスター」と呼ばれるスタッフで、常に高い品質のサービスを提供しています。長年の実績に裏打ちされた安心感を求める方には最適な選択肢の一つです。

  • 参照: ダスキン 公式サイト

④ カジタク

「カジタク」は、イオングループが提供する家事の宅配サービスです。カーペットクリーニングは「宅配」専門でサービスを展開しています。

最大の特徴は、分かりやすいパック料金と、最長9ヶ月間の無料保管サービスです。カーペットのサイズごとに料金が決まっており、送料やシミ抜き代(一部除く)も含まれているため、追加料金の心配が少ないのが魅力です。クリーニング後のカーペットは、温度・湿度が管理された専用倉庫で保管してくれるため、シーズンオフのラグなどの収納場所に困っている方には非常に便利なサービスと言えます。集荷も配送も自宅で完結するため、忙しい方や手間をかけたくない方にぴったりです。

  • 参照: カジタク 公式サイト

⑤ おそうじ革命

「おそうじ革命」は、「KIREIを通じて人々の人生をより豊かに。」を理念に掲げ、高品質なサービスを比較的リーズナブルな価格で提供していることで人気のハウスクリーニング業者です。

特徴は、汚れ具合や作業時間に関わらず料金が一定の「固定料金制」を採用している点。見積もり後の追加料金は一切発生しないと明言しており、料金の透明性が非常に高いです。また、人体や環境への負荷が少ない独自開発のエコ洗剤を使用しているのもポイント。小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して依頼できます。技術力にも定評があり、コストパフォーマンスを重視する方におすすめの業者です。

  • 参照: おそうじ革命 公式サイト

⑥ くらしのマーケット

「くらしのマーケット」は、ハウスクリーニングや不用品回収など、暮らしに関する様々なサービスのプロ(個人事業主や中小企業)を探して、オンラインで予約できるプラットフォームです。

最大の特徴は、多数の出店者の中から、料金、サービス内容、口コミ評価を比較して、自分に合った業者を自由に選べることです。業者ごとのページには、顔写真や自己紹介、作業実績の写真などが掲載されており、人柄や技術力を事前に確認できます。料金も業者によって様々で、大手よりも安価な業者が見つかることも少なくありません。一方で、サービスの質は業者ごとに異なるため、口コミをしっかりと読み込み、信頼できる業者を見極めることが重要になります。

  • 参照: くらしのマーケット 公式サイト

⑦ ユアマイスター

「ユアマイスター」も、「くらしのマーケット」と同様に、様々なジャンルの職人や専門業者とユーザーを繋ぐプラットフォームです。

特徴は、出張クリーニングだけでなく、宅配クリーニングの業者も多数掲載されている点です。全国のクリーニング専門工場の中から、料金や納期、オプションなどを比較検討できます。また、「おまかせマイスター」という機能を使えば、希望の条件を入力するだけで、ユアマイスターが最適なプロを選んでくれるため、業者選びの手間を省きたい方にも便利です。万が一の作業トラブルに備えた「安心補償」も用意されており、プラットフォームとしての信頼性も高いです。

  • 参照: ユアマイスター 公式サイト

クリーニング料金を安く抑える3つのコツ

複数の業者から見積もりを取る、キャンペーンや割引を利用する、他のクリーニングとセットで依頼する

プロのクリーニングは効果が高い分、どうしても費用がかかります。しかし、いくつかの工夫をすることで、その負担を少しでも軽減することが可能です。ここでは、クリーニング料金を賢く節約するための3つのコツをご紹介します。

① 複数の業者から見積もりを取る

料金を安く抑えるための最も基本的で効果的な方法は、「相見積もり」を取ることです。同じサイズのカーペットでも、業者によって料金設定は大きく異なります。1社だけの見積もりで決めてしまうと、その金額が相場と比べて高いのか安いのか判断できません。

最低でも2~3社の業者から見積もりを取り寄せ、料金を比較検討しましょう。その際、単純な総額だけでなく、料金に含まれるサービス内容を細かくチェックすることが重要です。

  • 基本料金は安いが、出張費やシミ抜き代が別途高額にかかるケース
  • 基本料金は少し高いが、出張費や簡単なシミ抜きが全て含まれているケース

このように、トータルでかかる費用を比較しなければ、本当にお得な業者は見つかりません。また、他社の見積もりを提示することで、価格交渉に応じてくれる業者もいるかもしれません。手間はかかりますが、数千円から一万円以上の差が出ることもあるため、ぜひ実践したいコツです。

② キャンペーンや割引を利用する

多くのハウスクリーニング業者では、顧客獲得のために様々なキャンペーンや割引制度を実施しています。これらをうまく活用することで、通常よりもお得にサービスを利用できます。

  • 初回限定割引: 初めてその業者を利用する顧客を対象に、料金を10%OFFや数千円引きにしてくれるキャンペーンです。
  • 季節のキャンペーン: 引っ越しシーズンの春や大掃除シーズンの年末に、特定のサービスを割引価格で提供することがあります。「水回りセット割」などと合わせてカーペットクリーニングも対象になる場合があります。
  • Web割引: 電話ではなく、公式サイトの専用フォームから申し込むだけで適用される割引です。
  • リピーター割引: 一度利用した顧客が再度依頼する場合に、割引が適用される制度です。

これらのキャンペーン情報は、各社の公式サイトのトップページやキャンペーン情報ページに掲載されていることがほとんどです。依頼を検討している業者のサイトは、定期的にチェックしてみることをおすすめします。

③ 他のクリーニングとセットで依頼する

カーペットクリーニングだけでなく、エアコンや換気扇、浴室など、他の場所のクリーニングも検討している場合は、セットで依頼すると大幅に割引されることがあります。

多くの業者では、「水回り3点セット」「エアコン+浴室セット」のようなパックプランを用意しており、個別に頼むよりも割安な価格設定になっています。これらのセットプランに、オプションとしてカーペットクリーニングを追加できるか、あるいはカーペットを含む複数箇所のクリーニングで割引が適用されるかを確認してみましょう。

業者側としても、一度の訪問で複数の作業ができると効率が良いため、セット割引を提供しやすいのです。大掃除や引っ越しのタイミングで、家中の気になるところをまとめて綺麗にしたいと考えている場合には、特におすすめの方法です。これにより、個別に依頼する手間が省ける上に、トータルの費用も抑えられるという一石二鳥の効果が期待できます。

自分でできるカーペットの掃除方法

カーペット全体に重曹をまんべんなく振りかける、ゴム手袋やブラシで毛の根元になじませる、数時間から一晩放置し汚れと臭いを吸着させる、掃除機で重曹の粉をゆっくり丁寧に吸い取る

プロのクリーニングは効果絶大ですが、費用の問題もあり、頻繁に依頼するのは難しいかもしれません。そこで重要になるのが、日々のセルフケアです。普段からこまめにお手入れをし、定期的に少し念入りな掃除を行うことで、カーペットを清潔に保ち、プロに依頼する回数を減らすことができます。

ここでは、自分でできるカーペットの基本的な掃除方法を「普段のお手入れ」と「定期的な念入り掃除」に分けてご紹介します。

普段のお手入れ

毎日の生活で発生するホコリや髪の毛、食べこぼしのカスなどを溜め込まないようにするための、基本的なお手入れ方法です。理想は2~3日に1回、少なくとも週に1回は行いましょう。

掃除機をかける

カーペット掃除の基本中の基本は、掃除機をかけることです。しかし、ただやみくもにかけるだけでは、表面のゴミしか取れません。効果を最大化するためには、ちょっとしたコツがあります。

  1. ゆっくりとかける: 1つのストロークに5~6秒かけるくらいのゆっくりとしたスピードで動かします。これにより、掃除機の吸引力がカーペットの根元まで届き、奥に入り込んだホコリやダニの死骸などをしっかりと吸い込むことができます。
  2. 毛並みと逆方向にかける: カーペットの毛を起こすように、毛並みとは逆の方向に掃除機をかけます。こうすることで、寝てしまった毛の根元にあるゴミをかき出しやすくなります。
  3. 縦・横・斜めにかける: 一方向からだけでなく、縦方向、横方向、可能であれば斜め方向と、様々な角度から掃除機をかけることで、あらゆる向きの繊維に入り込んだゴミを取りこぼしなく吸引できます。

この3つのポイントを意識するだけで、掃除機がけの効果は格段にアップします。

粘着カーペットクリーナーを使う

「コロコロ」の愛称で親しまれている粘着カーペットクリーナーは、掃除機では取りきれない髪の毛やペットの毛、糸くずなどを手軽に除去できる便利なアイテムです。

掃除機をかけた後の仕上げとして使うのが効果的です。ただし、注意点として、粘着力が強すぎる製品はカーペットの繊維を傷めたり、抜け毛を誘発したりする可能性があります。特にデリケートな素材のカーペットには、衣類用の粘着力が弱いタイプを選ぶか、使用を避けるのが無難です。また、強くゴシゴシと押し付けるのではなく、軽く転がすように使いましょう。

定期的な念入り掃除

普段のお手入れに加えて、月に1回程度、少し時間をかけて行う念入りな掃除です。皮脂汚れや軽い黒ずみ、臭いなどをリフレッシュさせる効果があります。

重曹を使った掃除

重曹には、皮脂などの酸性の汚れを中和して落とす効果と、湿気や臭いを吸収する消臭効果があります。食品にも使われる安全な素材なので、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して使えます。

  1. カーペット全体に重曹の粉をまんべんなく振りかけます。
  2. ゴム手袋をした手や、柔らかいブラシで、重曹をカーペットの毛の根元に優しくなじませるように擦り込みます。
  3. そのまま2~3時間、できれば一晩放置します。この間に重曹が汚れと臭いを吸着します。
  4. 最後に、重曹の粉を吸い残しがないように、掃除機でゆっくりと丁寧に吸い取ります。

掃除後は、カーペットがさっぱりとし、嫌な臭いも軽減されているはずです。

中性洗剤を使った拭き掃除

全体的な黒ずみや汚れが気になる場合は、薄めた中性洗剤を使った拭き掃除が効果的です。

  1. バケツにぬるま湯を入れ、食器用などの中性洗剤を数滴溶かして洗浄液を作ります。(洗剤を入れすぎないのがポイントです)
  2. 綺麗な雑巾を洗浄液に浸し、固く、固く絞ります。水が滴らないくらいが目安です。
  3. カーペットの毛並みに沿って、優しく拭いていきます。ゴシゴシ擦ると毛が傷むので注意してください。
  4. 次に、水だけで濡らして固く絞った雑巾で、洗剤成分を拭き取ります。これを2~3回繰り返します。
  5. 最後に、乾いたタオルで水分をできるだけ吸い取り、窓を開けたり扇風機を当てたりして、しっかりと乾燥させます。

作業前に、必ずカーペットの目立たない部分で色落ちしないかテストしてから行ってください。

スチームクリーナーを使った掃除

家庭用のスチームクリーナーをお持ちであれば、定期的な掃除に活用できます。高温のスチームは、皮脂汚れを浮かせる効果や、ダニ対策、除菌・消臭効果が期待できます

  1. まずはカーペットに掃除機をかけ、大きなゴミやホコリを取り除きます。
  2. スチームクリーナーの取扱説明書に従い、適切な設定(温度やスチーム量)にします。
  3. ゆっくりとスチームを当てていきます。一箇所に長く当てすぎると、カーペットを傷めたり、水分が残りすぎたりする原因になるので注意が必要です。
  4. 掃除後は、窓を開けるなどして、カーペットが完全に乾くまでしっかりと換気します。

ただし、ウールやシルクなどの天然繊維や、熱に弱い素材のカーペットには使用できない場合があります。必ずカーペットの洗濯表示や取扱説明書を確認してから使用してください。

【汚れ・シミ別】自分でできる応急処置

乾いた布で水分を優しく吸い取る、中性洗剤をつけた布で軽く叩く、水拭きで洗剤をしっかり拭き取る、乾いた布で水分を取り自然乾燥

カーペットにコーヒーをこぼしてしまった、子供がクレヨンで落書きしてしまった…。そんな「うっかり」はつきものです。シミは、時間が経つほど繊維の奥に染み込み、落としにくくなってしまいます。重要なのは、シミができてしまったらすぐに、正しい方法で応急処置をすることです。

ここでは、家庭でよくあるシミの種類別に、自分でできる応急処置の方法をステップバイステップで解説します。

掃除を始める前に準備するもの

いざという時に慌てないよう、以下のものを「シミ抜きセット」としてまとめておくと便利です。

  • 乾いた布 or キッチンペーパー: 汚れや水分を吸い取るために複数枚用意します。
  • 綺麗な雑巾 or タオル: 水拭きや洗剤拭きに使います。
  • 中性洗剤(食器用など): 水性・油性どちらのシミにも比較的使いやすいです。
  • 消毒用エタノール: 油性ペンやボールペンのシミに有効です。
  • クエン酸 or お酢: 血液やペットのおしっこのシミに効果的です。
  • 歯ブラシ or 綿棒: 細かい部分の汚れを叩き出すのに使います。
  • ゴム手袋: 手荒れを防ぎます。
  • スプレーボトル: 洗浄液を作るのに便利です。

注意: 作業を始める前に、必ずカーペットの目立たない隅などで、これから使う洗剤や薬品が色落ちや変色を引き起こさないか「パッチテスト」を行ってください。

水性のシミ(コーヒー、ジュースなど)

こぼした直後であれば、比較的落としやすいシミです。

  1. 水分を吸い取る: まず、乾いた布やキッチンペーパーをシミの上に置き、上から優しく押さえて、できるだけ多くの水分を吸い取ります。決して擦らないでください。擦るとシミが広がってしまいます。
  2. 洗浄液で叩く: ぬるま湯で薄めた中性洗剤を別の布に少量つけ、シミの外側から中心に向かって、ポンポンと軽く叩くように汚れを移し取ります。
  3. すすぐ: 水で濡らして固く絞った布で、洗剤成分が残らないように、何度も叩き拭きを繰り返します。
  4. 乾燥させる: 最後に乾いた布で水分をしっかりと吸い取り、自然乾燥させます。

油性のシミ(食べこぼし、化粧品など)

油性のシミは水だけでは落ちません。油を分解する力が必要です。

  1. 固形物を取り除く: 食べこぼしなどの固形物があれば、ティッシュなどでつまみ取ります。
  2. 油分を移す: ベンジンや消毒用エタノールを布に少量含ませ、シミの部分を軽く叩きます。油分が布に移りますので、布の綺麗な面を使いながら繰り返します。※ベンジンなどを使用する際は、必ず換気を行ってください。
  3. 中性洗剤で仕上げる: それでも残る場合は、薄めた中性洗剤をつけた布で叩き、水拭き、乾拭きという手順で仕上げます。

血液のシミ

血液のシミに絶対に使ってはいけないのが「お湯」です。血液中のタンパク質が熱で固まってしまい、非常に落ちにくくなります。必ず水かぬるま湯を使用してください。

  1. 水で叩く: シミがついてすぐであれば、水で濡らした布で叩くだけでも落ちることがあります。
  2. クエン酸水を使う: それでも落ちない場合は、水200mlにクエン酸小さじ1を溶かした「クエン酸水」をスプレーし、布で叩き拭きします。
  3. すすぐ: 最後に水で固く絞った布で、クエン酸が残らないようによく拭き取ります。

ペットのおしっこ

ペットのおしっこは、シミだけでなく強い臭いが問題になります。

  1. 水分を吸い取る: まずはキッチンペーパーなどで、できるだけ多くの尿を吸い取ります。
  2. クエン酸水で中和する: おしっこのアンモニア臭はアルカリ性なので、酸性のクエン酸が効果的です。クエン酸水をシミの部分にスプレーし、しばらく放置します。
  3. 拭き取る: 乾いた布で水分と汚れを吸い取り、その後、水で固く絞った布で何度も拭き取ります。
  4. 乾燥と消臭: 最後に重曹を振りかけて一晩置き、掃除機で吸い取ると、残った臭いも軽減できます。

泥汚れ

泥汚れは、濡れているうちに触ると汚れが繊維の奥に入り込んでしまいます。

  1. 完全に乾かす: 焦って拭き取ろうとせず、まずは泥を完全に乾燥させることが最大のポイントです。
  2. 叩いて落とす: 泥が乾いたら、ブラシや歯ブラシで優しく叩いたり、擦ったりして、固まった土や砂をできるだけかき出します。
  3. 掃除機で吸う: 浮き上がった土埃を掃除機で丁寧に吸い取ります。
  4. 残ったシミを拭く: それでも残った黒ずみは、薄めた中性洗剤をつけた布で叩き拭きし、水拭き、乾拭きで仕上げます。

カーペット掃除でやってはいけないNG行動

汚れをゴシゴシ擦る、熱いお湯を使う、塩素系漂白剤を使う

良かれと思ってやった掃除が、かえってカーペットを傷めたり、シミを悪化させたりすることがあります。大切なカーペットを長持ちさせるために、絶対に避けるべき3つのNG行動を覚えておきましょう。

汚れをゴシゴシ擦る

シミを見つけたとき、つい慌てて雑巾などで力任せにゴシゴシと擦ってしまいたくなりますが、これは最もやってはいけない行動です。

ゴシゴシ擦ると、汚れがカーペットの繊維のさらに奥深くに浸透し、シミが広がってしまいます。また、強い摩擦によってカーペットの繊維が傷つき、毛羽立ったり、その部分だけ質感が変わってしまったりする「毛倒れ」の原因にもなります。

シミ抜きや拭き掃除の基本は、「叩く」ことです。綺麗な布に洗剤や水をつけ、汚れを布に移し取るようなイメージで、優しくポンポンと叩きましょう。この時も、シミの外側から中心に向かって作業することで、汚れの拡散を防ぐことができます。

熱いお湯を使う

汚れは温かい方が落ちやすいイメージがあるため、熱湯を使いたくなるかもしれませんが、これも危険な行為です。

特に、ウールやシルクなどの天然繊維は熱に非常に弱く、熱いお湯をかけると縮んだり、硬くなったり、変色したりする可能性があります。また、前述の通り、血液のシミにお湯を使うとタンパク質が凝固してしまい、プロでも落とせない頑固なシミになってしまいます。

掃除に使う水の温度は、基本的に水か、30~40℃程度のぬるま湯にしましょう。スチームクリーナーを使用する際も、カーペットの素材が熱に対応しているかを必ず確認することが重要です。

塩素系漂白剤を使う

衣類のシミ抜きに使う塩素系漂白剤(「混ぜるな危険」と表示されているもの)は、漂白力が非常に強力ですが、カーペットへの使用は絶対に避けてください。

塩素系漂白剤を使用すると、カーペットの色柄まで脱色してしまい、その部分だけ白く色が抜けてしまいます。一度色が抜けてしまったものは、元に戻すことはできません。

もし漂白剤を使いたい場合は、必ず「酸素系漂白剤」を選びましょう。酸素系漂白剤は、色柄物にも使える比較的穏やかなタイプです。しかし、それでも素材によっては変色のリスクがあるため、必ず使用前に目立たない場所でパッチテストを行い、問題がないことを確認してから使用するようにしてください。基本的には、シミ抜きは中性洗剤から試すのが最も安全な方法です。

カーペットクリーニングに関するよくある質問

カーペットクリーニングの適切な頻度は?、作業時間はどれくらいかかる?、作業中に家にいる必要はある?、ダニやアレルゲンは除去できる?、賃貸でも依頼できる?

最後に、カーペットクリーニングを検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問や不安を解消し、安心してサービスを利用するための参考にしてください。

カーペットクリーニングの適切な頻度は?

カーペットを清潔に保つためのクリーニング頻度は、家族構成やライフスタイルによって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 小さなお子様やペットがいるご家庭、アレルギー体質の方がいるご家庭: 半年に1回~1年に1回がおすすめです。ダニやアレルゲンを定期的に除去することで、衛生的で健康的な環境を維持できます。
  • 上記に当てはまらない一般的なご家庭: 1年~2年に1回のクリーニングが目安です。見た目は綺麗でも、繊維の奥には皮脂汚れやホコリが蓄積しています。定期的なリフレッシュで、カーペットを長持ちさせることができます。

もちろん、これはあくまで目安です。目立つシミができてしまったり、臭いが気になったりした場合は、その都度クリーニングを検討するのが良いでしょう。

作業時間はどれくらいかかる?

作業時間は、依頼方法やカーペットのサイズ、汚れ具合によって異なります。

  • 出張クリーニングの場合: 一般的なリビングサイズのカーペット(6畳程度)で、およそ1.5時間~3時間が目安です。家具の移動や、頑固なシミ抜き作業がある場合は、さらに時間がかかることがあります。作業後の乾燥時間は、季節や室温にもよりますが、数時間から半日程度見ておくと良いでしょう。
  • 宅配クリーニングの場合: 依頼から手元に戻ってくるまでの期間は、1週間~3週間程度が一般的です。工場での洗浄・乾燥工程に時間がかかるためです。保管サービスを利用する場合は、指定した時期まで預かってもらえます。
  • 店舗持ち込みの場合: 仕上がりまでの期間は店舗によりますが、数日~1週間程度が目安です。

作業中に家にいる必要はある?

  • 出張クリーニングの場合: 原則として、作業開始時と終了時には在宅している必要があります。作業開始時には、スタッフがカーペットの状態を確認し、作業内容や料金の最終確認を行うためです。作業終了時には、仕上がりを一緒に確認し、支払いを済ませます。作業中の在宅については業者の方針によりますが、貴重品の管理などの観点からも、在宅しておく方が安心です。外出を希望する場合は、事前に業者に相談してみましょう。
  • 宅配・店舗持ち込みの場合: 作業は自宅外で行われるため、当然ながら作業中に在宅している必要はありません。

ダニやアレルゲンは除去できる?

はい、プロのクリーニングはダニやアレルゲンの除去に非常に効果的です

多くの業者が使用する高温スチームや専用機材による洗浄は、ダニを死滅させる効果があります。さらに、洗浄後の強力なバキューム(吸引)によって、ダニの死骸やフン、花粉といったアレルゲン物質をカーペットの根元から徹底的に吸い取ることができます。

業者によっては、オプションで「防ダニ加工」を追加することも可能です。これは、ダニが嫌がる成分でカーペットをコーティングし、ダニの繁殖を抑制する効果が持続するものです。アレルギー対策を重視する方には、ぜひ検討をおすすめしたいオプションです。

賃貸でも依頼できる?

はい、賃貸住宅にお住まいの場合でも、問題なくカーペットクリーニングを依頼できます

特に、備え付けのカーペットがある物件の場合、退去時の原状回復でクリーニング費用を請求されることがあります。自分で信頼できる業者に依頼して綺麗にしておくことで、敷金の返還額が変わってくる可能性もあります。

ただし、出張クリーニングを依頼する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 作業音: クリーニング機材は掃除機よりも大きな音が出ることがあります。トラブルを避けるため、事前に両隣や階下のお宅に「〇日の〇時頃、クリーニング作業で少し音がします」と一声かけておくと、より丁寧で安心です。
  • 共有部分の使用: マンションの場合、作業車両の駐車場所や、機材の搬入経路について、管理規約を確認しておくとスムーズです。