「大切な衣類をクリーニングに出したいけど、料金がいくらかかるか不安」「ワイシャツやスーツ、コートのクリーニング料金の相場はどれくらい?」「どうすればクリーニング代を安く抑えられるの?」
このように、クリーニング料金に関する疑問や悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。クリーニング料金は、衣類の種類や素材、汚れの状態、利用する店舗やサービスによって大きく変動するため、相場が分かりにくいと感じるのも無理はありません。
しかし、料金の相場や決まり方、安く利用するコツを知っておけば、無駄な出費を抑え、賢くクリーニングサービスを活用できます。特に、かさばる冬物アウターや布団などをまとめて出す場合、知っているか知らないかで数千円単位の差がつくことも珍しくありません。
この記事では、クリーニングの料金相場を品目別に詳しく解説します。ワイシャツやスーツといった日常的に利用するものから、ダウンジャケット、着物、布団といった特殊なアイテムまで、料金の目安を一覧でご紹介。さらに、「店舗型」と「宅配型」の違い、料金が決まる仕組み、シミ抜きや撥水加工といったオプション料金についても掘り下げていきます。
加えて、今日から実践できるクリーニング料金を安く抑える7つの具体的なコツや、料金とサービス内容を比較したおすすめの宅配クリーニングサービスも厳選して紹介します。この記事を読めば、クリーニング料金に関するあらゆる疑問が解消され、ご自身のライフスタイルや予算に最適なサービスを選べるようになるでしょう。
目次
【品目別】クリーニング料金の相場一覧
クリーニング料金は、出す衣類の種類によって大きく異なります。これは、アイテムの大きさや素材、洗浄・乾燥・仕上げにかかる手間の違いによるものです。まずは、私たちが日常的によく利用する衣類や特殊なアイテムについて、品目別の料金相場を見ていきましょう。
ここで示す料金はあくまで一般的な目安です。お住まいの地域や利用する店舗、衣類の素材やブランド、汚れの状態によって変動する点にご留意ください。
衣類の種類 | 店舗型クリーニング料金相場(1点あたり) | 宅配クリーニング料金相場(パック料金の場合の1点あたり換算) |
---|---|---|
ワイシャツ(ハンガー仕上げ) | 200円~500円 | 400円~800円 |
スーツ(上下) | 1,500円~3,000円 | 1,000円~2,000円 |
ジャケット | 1,000円~2,000円 | 800円~1,500円 |
スラックス・パンツ | 500円~1,000円 | 600円~1,200円 |
コート(トレンチ・チェスターなど) | 1,500円~3,500円 | 1,200円~2,500円 |
ダウンジャケット | 2,500円~5,000円 | 2,000円~4,000円 |
ワンピース(通常) | 1,200円~2,500円 | 1,000円~2,000円 |
布団(シングル・掛け) | 4,000円~7,000円 | 4,500円~6,000円 |
絨毯・カーペット(1畳あたり) | 2,000円~4,000円 | 2,500円~4,500円 |
宅配クリーニングは、アウターなどの単価が高い衣類をまとめて出す「パック料金」を利用すると、1点あたりの料金が割安になる傾向があります。
ワイシャツ・スーツなどビジネス衣類
ビジネスシーンで着用する衣類は、クリーニングに出す頻度が高いアイテムです。それぞれの料金相場と、価格に影響するポイントを見ていきましょう。
ワイシャツ
ワイシャツのクリーニングは、最も利用頻度が高いサービスの一つです。料金は仕上げ方によって大きく異なります。
- 料金相場:200円~500円
- 仕上げ方の種類と料金
- ハンガー仕上げ(機械仕上げ): 洗濯後、機械でプレスしてハンガーにかけた状態で返却されます。最も一般的で安価なプランです。料金相場は200円~350円程度。多くの店舗で「ワイシャツ〇円」といったセール対象になりやすい品目です。
- たたみ仕上げ: 機械または手でアイロンをかけ、丁寧にたたんで包装されます。出張や旅行などで持ち運ぶ際に便利です。ハンガー仕上げよりも50円~150円ほど高くなるのが一般的です。
- 手仕上げ(高級仕上げ): 職人が手作業で丁寧にアイロンがけを行います。襟やカフスの細部まで美しく仕上がり、着心地も格段に向上します。デリケートな素材や高級ブランドのワイシャツにおすすめです。料金は500円~1,000円程度と高めに設定されています。
また、綿やポリエステル以外の素材(麻など)や、色柄物、デザイン性の高いワイシャツは、通常の料金に加えて追加料金がかかる場合があります。
スーツ(上下)
スーツは上下セットでクリーニングに出すのが基本です。ジャケットとスラックスを別々に洗うと、風合いや色合いに微妙な差が出てしまう可能性があるためです。
- 料金相場(上下セット):1,500円~3,000円
料金は素材によって変動します。ウール100%の標準的なスーツであれば相場の範囲内ですが、カシミヤ混やシルク混といったデリケートな素材や高級インポート生地を使用したスーツは、特殊品扱いとなり3,000円~5,000円程度になることもあります。これは、風合いを損なわないよう、より丁寧な洗浄や手仕上げが必要になるためです。
また、汗を多くかく夏場には、後述する「汗抜き加工」オプションを追加することで、生地の傷みや黄ばみを防ぎ、スーツを長持ちさせられます。
ジャケット
ジャケット単品で出す場合の料金相場です。ブレザーやカジュアルなジャケットもこちらに含まれます。
- 料金相場:1,000円~2,000円
スーツのジャケットと同様に、素材が料金を左右する大きな要因です。リネン(麻)やベロア、ツイードといった特殊素材は追加料金がかかることが多くなります。また、肩パッドの有無や裏地の種類によっても料金が変わる店舗があります。
スラックス・パンツ
スラックスやパンツも単品で出す機会が多いアイテムです。
- 料金相場:500円~1,000円
料金は比較的安価ですが、センタープレス(中央の折り目)を長持ちさせる「折り目加工」などのオプションを追加すると、プラス300円~800円程度の料金がかかります。頻繁に着用するビジネス用のスラックスには、手入れの手間が省けるため人気のオプションです。
スカート
スカートの料金は、デザインによって大きく変動するのが特徴です。
- 料金相場:500円~1,500円
- デザインによる料金の違い
- タイトスカート・Aラインスカート: シンプルなデザインのものは、スラックスとほぼ同等の500円~1,000円程度です。
- プリーツスカート・フレアスカート: ひだや布の量が多いデザインは、アイロンがけに手間がかかるため料金が高くなります。料金は1,000円~2,000円程度が目安です。特にひだの数が多いものや、アコーディオンプリーツなどは高額になる傾向があります。
ブラウス
ブラウスも、素材やデザインの多様性から料金の幅が広いアイテムです。
- 料金相場:500円~1,500円
ポリエステルなどの化学繊維でシンプルなデザインのものは安価ですが、シルクやレーヨンといったデリケートな素材、フリルやリボン、ビーズなどの装飾が多いものは、手洗い・手仕上げが必要となるため料金が高くなります。特殊品として2,000円以上になることもあります。
コート・ダウンなどアウター類
冬物のアウターは単価が高く、クリーニング代の負担も大きくなります。シーズンオフにまとめて出すことが多いため、相場を把握しておくことが重要です。
コート
トレンチコート、チェスターコート、ステンカラーコートなど、一般的なコートの料金相場です。
- 料金相場:1,500円~3,500円
料金は、着丈の長さと素材によって決まります。ショート丈よりもロング丈の方が高くなります。また、ウールや綿素材が標準ですが、カシミヤ100%やアンゴラ、アルパカといった高級獣毛素材は、デリケートな洗い方が求められるため、4,000円~7,000円程度の特殊品扱いとなるのが一般的です。
ライナー(取り外し可能な裏地)やベルト、フードなどの付属品も、点数としてカウントされ追加料金がかかる場合があるので、事前に確認しましょう。
ダウンジャケット
ダウンジャケットやダウンコートは、専門的な洗浄・乾燥技術が必要なため、料金が高めに設定されています。
- 料金相場:2,500円~5,000円
ダウンは水鳥の羽毛であり、家庭での洗濯は非常に困難です。クリーニング店では、羽毛の油分を保ちながら汚れを落とし、専用の乾燥機でふっくらと復元させるという手間のかかる工程を経ています。この技術料が価格に反映されています。
モンクレールやカナダグースといった高級ブランドのダウンは、素材や構造が特殊な上、万が一の事故に対する補償のリスクも高いため、8,000円~15,000円程度の別料金が設定されていることがほとんどです。
セーター・カーディガン
秋冬の定番アイテムであるセーターやカーディガンも、素材によって料金が大きく変わります。
- 料金相場:500円~1,500円
アクリルや綿素材のものは比較的安価ですが、ウール、カシミヤ、アンゴラなどの獣毛素材は縮みやすいため、丁寧な扱いが必要となり料金が上がります。特にカシミヤ100%のセーターは1,500円~2,500円程度かかることもあります。ビーズや刺繍などの装飾がある場合も追加料金の対象です。
ワンピース・ドレスなど特別な衣類
パーティーや式典で着用する衣類や、特殊な用途のウェアは、専門的な知識と技術が必要なため「特殊品」として扱われます。
ワンピース
一口にワンピースと言っても、普段着からフォーマルなものまで様々です。
- 料金相場:1,200円~2,500円
普段着用のシンプルなワンピースは相場の範囲内ですが、パーティードレスやフォーマルワンピースは、素材(シルク、レースなど)や装飾(ビーズ、スパンコールなど)によって料金が大きく上がります。複雑なデザインのものは、3,000円~6,000円程度になることも珍しくありません。
ドレス
ウェディングドレスやパーティードレスなど、特別な日のためのドレスは、クリーニング料金も特別です。
- 料金相場:8,000円~30,000円
ドレスは生地をふんだんに使い、繊細なレースやビーズ刺繍などが施されているため、ほぼ完全な手作業でクリーニングが行われます。裾の引きずり汚れや食べこぼしなど、シミ抜きも高度な技術が求められます。料金はドレスのデザインや汚れの状態で大きく変動するため、必ず事前に見積もりを取りましょう。
着物・浴衣
着物は日本の伝統衣装であり、クリーニングには専門の知識が必要です。
- 料金相場
- 着物(振袖、留袖、訪問着など):8,000円~15,000円
- 長襦袢:3,000円~5,000円
- 帯:4,000円~7,000円
- 浴衣:1,000円~2,500円
着物は「丸洗い」と呼ばれる、着物をほどかずに洗うドライクリーニングが基本です。正絹(シルク)でできているため、非常にデリケートな扱いが求められます。一方、木綿や化学繊維でできた浴衣は、比較的安価にクリーニングできます。
スキー・スノーボードウェア
雪山で着用するスキーウェアは、見た目以上に汗や皮脂で汚れています。また、防水・撥水機能の維持が重要です。
- 料金相場(上下セット):3,000円~6,000円
クリーニング店では、汚れをしっかり落とした上で、機能性を回復させるための「撥水加工」を施すのが一般的です。この撥水加工料金が含まれている場合と、オプションの場合があるので、出す前に確認することをおすすめします。シーズンオフにしっかり手入れしておくことで、ウェアの寿命を延ばせます。
布団・カーペットなど衣類以外
かさばって自宅での洗濯が難しい大物も、クリーニングサービスの対象です。
布団・毛布
寝具は、汗や皮脂、ダニなどを除去するために、定期的なクリーニングが推奨されます。
- 料金相場
- 掛け布団(シングル):4,000円~7,000円
- 敷布団(シングル):4,000円~7,000円
- 羽毛布団(シングル):5,000円~8,000円
- 毛布(シングル):1,000円~2,000円
布団クリーニングの最大のメリットは、専用の大型洗濯機と乾燥機で中綿の奥の汚れまで洗い流し、ダニの死骸やフンを徹底的に除去できることです。天日干しだけでは得られない、ふかふかの仕上がりになります。特にアレルギーが気になる方におすすめです。
絨毯・カーペット
絨毯やカーペットも、専門業者によるクリーニングが可能です。
- 料金相場(1畳あたり):2,000円~4,000円
料金は素材(ウール、シルク、化学繊維など)や織り方(手織り、機械織りなど)によって大きく異なります。特にペルシャ絨毯などの高級手織り絨毯は、専門の知識を持つ業者に依頼する必要があり、料金も高額になります。
カーテン
カーテンは室内のホコリや窓の結露によるカビ、タバコのヤニなどで意外と汚れています。
- 料金相場(1組2枚・一般的な腰高窓サイズ):2,000円~5,000円
遮光カーテンや防音カーテン、特殊なドレープのあるデザインのものは料金が高くなる傾向があります。クリーニングすることで部屋の空気もきれいになり、明るさが蘇ります。
ぬいぐるみ
思い出の詰まったぬいぐるみも、クリーニングで清潔に保てます。
- 料金相場:1,000円~5,000円(サイズによる)
料金はサイズ(縦+横+高さの合計など)によって決まるのが一般的です。小さなものなら1,000円程度から、大きなものは5,000円以上かかることもあります。機械仕掛けのものやアンティーク品は、対応できない場合があるので事前に相談が必要です。
靴・スニーカー
革靴やスニーカー、ブーツなども専門のクリーニングサービスがあります。
- 料金相場:3,000円~7,000円
専用の洗剤で内外の汚れや臭いを除去し、革製品には栄養補給や補色なども行います。自分では難しいスエード素材の手入れや、カビてしまった革靴の再生なども可能です。
「店舗型」と「宅配型」の料金や特徴を比較
クリーニングサービスは、大きく分けて「店舗型」と「宅配型」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、料金体系も異なります。自分のライフスタイルに合ったサービスを選ぶために、両者の特徴を比較してみましょう。
比較項目 | 店舗型クリーニング | 宅配型クリーニング |
---|---|---|
利用方法 | 店舗に衣類を持ち込み、引き取る | Webやアプリで申し込み、宅配業者が集荷・配達 |
料金体系 | 1点ごとの単品計算が主流 | 複数点をまとめるパック料金が主流(単品もあり) |
料金目安(ワイシャツ) | 安い(200円~) | 割高(パック料金のため単品では不向き) |
料金目安(アウター類) | 単品価格 | パック料金で割安になる傾向 |
仕上がりまでの日数 | 早い(即日~3日程度) | 時間がかかる(5日~10日程度) |
営業時間 | 店舗の営業時間に依存 | 24時間いつでも申し込み可能 |
メリット | ・店員に直接相談できる ・急ぎの依頼に対応しやすい ・シミ抜きなど細かい要望を伝えやすい |
・持ち運びの手間がない ・かさばる衣類も楽に出せる ・料金が分かりやすいパックプランがある |
デメリット | ・持ち運びが大変 ・営業時間に合わせる必要がある ・店舗によって品質に差がある |
・仕上がりまで時間がかかる ・送料がかかる場合がある ・直接相談ができない(メール等での対応) |
店舗型クリーニングの特徴と料金目安
店舗型クリーニングは、昔ながらの街のクリーニング屋さんや、スーパーなどに併設されているチェーン店を指します。最大のメリットは、店員と直接コミュニケーションが取れることです。
例えば、「このシミは落ちますか?」と現物を見せながら相談したり、「急いでいるので明日までに仕上げてほしい」といった要望を伝えたりできます。衣類の状態をその場で確認してもらえるため、トラブルが少なく安心感があります。特に、高価な衣類や複雑なシミがある場合に頼りになります。
また、仕上がりスピードの速さも魅力です。多くの店舗では2~3日で仕上がりますし、「特急仕上げ」や「即日仕上げ」に対応している店舗なら、朝出して夕方受け取ることも可能です。ワイシャツなど、頻繁に利用するアイテムを急いでいる場合には非常に便利です。
料金体系は、1点ごとに料金が設定されている「単品計算」が基本です。ワイシャツなら1枚250円、スーツ上下なら1,800円といった形です。そのため、少量の衣類を出す場合には無駄がありません。特にワイシャツは、多くの店舗がセール対象品として安価に設定しているため、店舗型の方が安く済むケースがほとんどです。
一方で、デメリットも存在します。まず、衣類の持ち運びが手間であることが挙げられます。特に、冬物のコートやダウンジャケット、布団やカーペットといったかさばる大物を複数点持ち込むのは、車がないと一苦労です。また、店舗の営業時間内に持ち込み・引き取りに行かなければならず、仕事で忙しい人にとっては時間的な制約があります。
品質面では、個人経営の店舗の場合、店主の技術力によって仕上がりの質が大きく左右されることがあります。評判の良いお店を見つけることが重要です。
【店舗型クリーニングがおすすめな人】
- ワイシャツなど少量の衣類を頻繁に出したい人
- 急ぎで仕上げてほしい衣類がある人
- 衣類の状態やシミについて、店員に直接相談したい人
- 近所に信頼できるクリーニング店がある人
宅配型クリーニングの特徴と料金目安
宅配型クリーニングは、近年利用者が急増しているサービスです。Webサイトやスマートフォンアプリから24時間いつでも申し込みができ、自宅にいるだけで衣類の集荷から配達まで完結するのが最大の特徴です。
利用方法は簡単で、申し込むと専用の集荷バッグが送られてくるか、手持ちの段ボールに詰めて宅配業者に渡すだけ。クリーニングが終わると、指定した日時に自宅まで届けてくれます。重くてかさばる冬物アウターや布団などを、家から一歩も出ずにクリーニングに出せる手軽さは、宅配型ならではの大きなメリットです。
料金体系は、「パック料金」が主流です。これは「5点で10,000円」「10点で15,000円」のように、点数ごとに料金が決まっているプランです。パック料金のメリットは、1点あたりの単価が分かりやすく、組み合わせ次第で非常にお得になる点にあります。
例えば、10点15,000円のパックに、店舗型なら1点3,000円はするダウンジャケットやコートを詰めれば、1点あたり1,500円でクリーニングできる計算になります。単価の高いアウター類をまとめて出す場合は、店舗型よりも大幅に安くなるケースが多いのです。多くの宅配クリーニングでは、シミ抜きや毛玉取り、ボタンの付け直しといった基本的なメンテナンスを無料オプションとして提供している点も魅力です。
ただし、デメリットもあります。まず、仕上がりまでに時間がかかること。集荷から手元に戻るまで、早くても5日~1週間、長いと2週間程度かかることもあります。そのため、「明日着るスーツを」といった急ぎの依頼には対応できません。また、送料が別途かかるサービスや、北海道・沖縄・離島などは追加送料が必要な場合があるため、事前に確認が必要です。
もう一つの注意点は、パック料金の仕組みです。ワイシャツやブラウスといった単価の安い衣類ばかりをパックに入れてしまうと、かえって割高になる可能性があります。パック料金を最大限活用するには、どの衣類を出すか戦略的に考えることが重要です。
【宅配型クリーニングがおすすめな人】
- 共働きや子育てで、店舗に足を運ぶ時間がない人
- コートやダウン、布団など、かさばるものをまとめて出したい人
- クリーニング代を節約するため、パック料金を賢く利用したい人
- 長期保管サービスを利用して、クローゼットをすっきりさせたい人
クリーニングの料金が決まる仕組み
クリーニング料金は、単に「洗う」という作業だけでなく、様々な要素を組み合わせて算出されています。料金がどのように決まるのか、その内訳を知ることで、なぜこの価格になるのかを納得でき、不要なコストを避けるヒントにもなります。
基本料金(アイテムの種類や大きさ)
クリーニング料金の土台となるのが「基本料金」です。これは、衣類の種類(品目)、大きさ、そして基本的な素材によって決まります。
- アイテムの種類(品目): ワイシャツ、スーツ、コート、ワンピースといったアイテムごとの分類です。これは、それぞれのアイテムに最適な洗い方、乾燥方法、仕上げ(プレス)の工程が異なるためです。例えば、ワイシャツは高温・高圧のプレス機で一気に仕上げることができますが、複雑なデザインのワンピースは手作業でのアイロンがけが必要になります。この仕上げにかかる手間の違いが、基本料金の差に直結します。
- 大きさ(サイズ): コートのショート丈とロング丈で料金が違うように、衣類の大きさも料金に影響します。単純に生地の面積が広いほど、使用する溶剤の量や乾燥スペース、プレスにかかる時間が増えるためです。布団やカーペットといった大物は、専用の大型機械が必要になるため、さらに料金が高く設定されています。
- 基本的な素材: 綿やポリエステル、ウールといった一般的な素材は、基本料金の範囲内で扱われます。これらの素材はクリーニングのノウハウが確立されており、比較的効率的に作業を進めることができるためです。
つまり、基本料金とは「標準的な洗浄・仕上げ工程で対応できる範囲」に対して設定された価格と考えることができます。スーパーで売られている野菜や肉に、種類や部位、グラム数によって値段が決まっているのと同じようなイメージです。この基本料金をベースに、次で説明するような様々な要因が加わって、最終的なクリーニング料金が決定されます。
追加料金が発生する主なケース
基本料金だけでは対応できない、特別な手間やコストがかかる場合に「追加料金」が発生します。これが、同じアイテムでも人によって料金が違う理由です。
特殊な素材(カシミヤ、シルクなど)
カシミヤ、アンゴラ、シルク、麻(リネン)、ベロア、合成皮革といった素材は「特殊素材」として扱われ、追加料金がかかるのが一般的です。その理由は、以下の通りです。
- デリケートな洗浄が必要: これらの素材は、通常のドライクリーニングで使う溶剤や洗い方では、縮み、型崩れ、風合いの劣化、色落ちなどを起こすリスクが非常に高いです。そのため、よりマイルドな溶剤を使用したり、一点ずつネットに入れて洗ったり、洗浄時間を短くしたりと、細心の注意を払う必要があります。
- 自然乾燥や低温乾燥: 通常の衣類のように高温で一気に乾燥させることができません。型崩れを防ぐために自然乾燥に近い形で時間をかけて乾かしたり、静止乾燥機と呼ばれる特殊な機械で低温でじっくり乾燥させたりする必要があります。これにより、乾燥工程に時間とコストがかかります。
- 手仕上げによるプレス: プレス機による高温・高圧の仕上げは生地を傷める原因になります。そのため、職人がアイロンを生地から少し浮かせて蒸気(スチーム)を当てながら形を整える「浮かしアイロン」など、高度な手仕上げ技術が求められます。
このように、特殊素材はクリーニングの全工程において、特別な手間と時間、そして専門技術が必要となるため、その分のコストが追加料金として上乗せされるのです。追加料金の目安は、基本料金の50%~100%増しが一般的です。
装飾品や複雑なデザイン
ビーズ、スパンコール、ラメ、刺繍、レース、フリル、プリーツなどが付いている衣類も、追加料金の対象となります。
- 装飾品の保護: ビーズやスパンコールは、洗浄中の衝撃で取れたり、溶剤で溶けたり、他の衣類を傷つけたりする恐れがあります。そのため、一点ずつアルミホイルや専用のカバーで保護してから洗うという、非常に手間のかかる前処理が必要です。
- デザインの維持: プリーツやフリルが多いデザインは、機械でのプレスができません。一つ一つのひだやドレープを、職人が手作業で丁寧にアイロンがけして元の形に復元する必要があります。この作業には熟練の技術と長い時間が必要なため、料金が高くなります。特にプリーツスカートは、ひだの数によって料金が細かく設定されている店舗もあるほどです。
これらの衣類は、いわば「手作業料」が追加されていると考えると分かりやすいでしょう。
シミ抜きなどのオプション加工
通常のクリーニング工程(ドライクリーニング)は、油性の汚れ(皮脂、ファンデーションなど)を落とすのは得意ですが、水溶性の汚れ(汗、飲み物など)や特殊なシミ(インク、血液、ワインなど)を完全に落とすことはできません。
そこで、これらの頑固な汚れを落とすために提供されているのが「シミ抜き」や「汗抜き」といったオプション加工です。これらは基本のクリーニングとは別の専門的な作業であり、汚れの種類に応じた専門の薬剤や機材、そして職人の技術が必要になるため、別料金となっています。
例えば、シミ抜きでは、シミの種類を見極め、数十種類もの薬品の中から最適なものを使い、生地を傷めないように少しずつ汚れを分解していきます。これは非常に根気のいる作業であり、その技術料が料金に反映されます。オプション加工の種類と料金については、次の章で詳しく解説します。
特急仕上げ(お急ぎ便)
「明日までに必要」といった急ぎの要望に応えるのが「特急仕上げ(お急ぎ便)」サービスです。これを利用すると追加料金がかかりますが、その理由は明確です。
- 工程の優先処理: 通常、クリーニング工場では多くの衣類を効率よく順番に処理していきます。特急仕上げの品は、この通常の流れから外し、最優先で取り扱う必要があります。
- 人員の追加配置: 特定の衣類を急いで仕上げるために、専任のスタッフを配置したり、他のスタッフが残業したりする必要が生じることがあります。
- 非効率な稼働: 本来はまとめて洗う方が効率的なところを、急ぎの品のために少量で機械を動かすなど、工場全体の生産性が低下します。
これらの追加の人件費や、生産性を犠牲にするコストをカバーするために、追加料金(基本料金の30%~50%増しが目安)が設定されているのです。
知っておきたい主なオプション加工の種類と料金相場
クリーニングのオプション加工を上手に活用すれば、衣類をより美しく、より長持ちさせられます。しかし、何でも付ければ良いというわけではありません。それぞれの加工内容と効果を理解し、衣類の状態や用途に合わせて選ぶことが大切です。ここでは、代表的なオプション加工の種類と料金相場を解説します。
オプション加工の種類 | 料金相場(1点あたり) | 主な効果とおすすめの衣類 |
---|---|---|
シミ抜き加工 | 500円~数千円(シミの種類・大きさによる) | 食べこぼし、インク、血液など通常の洗濯で落ちないシミが付いた衣類全般 |
汗抜き加工(Wウォッシュなど) | 300円~1,000円 | スーツ、学生服、夏物の衣類など、汗を多く吸った衣類 |
撥水加工(はっすいかこう) | 600円~1,500円 | コート、ダウンジャケット、スーツ、スキーウェア、ネクタイなど |
折り目加工(リントラク加工など) | 500円~1,000円 | ビジネス用のスラックス、学生服のズボンなど |
防虫・防カビ加工 | 300円~800円 | ウールやカシミヤのコート・セーターなど、長期保管する衣類 |
保管サービス | パック料金に含まれる場合が多い(1点あたり月額換算で100円~500円程度) | 冬物アウター、布団、礼服など、次のシーズンまで使わない衣類 |
シミ抜き加工
通常のドライクリーニングやランドリー(水洗い)では落としきれない、頑固なシミを専門的な技術で除去する加工です。
- 料金相場:500円~数千円
- 内容と効果:
クリーニング店に持ち込まれるシミは、大きく分けて「油性(皮脂、ファンデーション、油汚れなど)」「水溶性(汗、ジュース、醤油など)」「不溶性(泥、墨汁など)」そして、これらが混ざった混合性のシミがあります。シミ抜きの専門家は、シミの種類を正確に見極め、生地の素材や色を考慮しながら、数十種類もの薬品を使い分けてシミを少しずつ分解していきます。生地を傷めないよう、非常に繊細な技術が求められます。
料金は、シミの大きさや古さ、種類の複雑さによって変動します。小さなシミなら500円程度ですが、広範囲に及ぶものや、インク、ワイン、血液といった難易度の高いシミは数千円かかることもあります。時間が経てば経つほどシミは酸化して落ちにくくなるため、付けてしまったら何もせず、できるだけ早くプロに相談するのが鉄則です。
汗抜き加工
ドライクリーニングの弱点を補う、非常に重要なオプションです。
- 料金相場:300円~1,000円
- 内容と効果:
ドライクリーニングは油性の汚れには強いですが、水が主成分である「汗」の汚れ(塩分、アンモニアなど)を完全に落とすことはできません。衣類に残った汗の成分は、黄ばみ、変色、ゴワつき、悪臭の原因となり、生地を傷めることにも繋がります。
汗抜き加工は、この汗の汚れをすっきり洗い流すための加工です。代表的な方法に「Wウォッシュ(ダブルウォッシュ)」があり、これはドライクリーニングで油性汚れを落とした後、さらに特殊な洗剤と水を使って水溶性の汚れも洗い流す二度洗いの技術です。これにより、衣類がさっぱりと軽くなり、着心地が改善されるだけでなく、来シーズンの黄ばみ予防に絶大な効果を発揮します。特に、夏場に着用したスーツやジャケット、学生服、ブラウスなどには必須の加工と言えるでしょう。
撥水加工
衣類を水や油の汚れから守る、ガード加工の一種です。
- 料金相場:600円~1,500円
- 内容と効果:
クリーニング後の清潔な衣類に、フッ素系の樹脂をコーティングする加工です。生地の表面に目に見えない無数の突起を作り、水滴を玉のように弾きます。これにより、雨や雪はもちろん、食べこぼしや飲みこぼしといった汚れも付きにくくなります。もし汚れても、さっと拭き取るだけでシミになりにくいのが大きなメリットです。
通気性は損なわれないため、蒸れる心配はありません。コート、ダウンジャケット、スーツ、ネクタイ、スキーウェアなどにおすすめです。特に、新品の時にあった撥水効果が洗濯で落ちてしまった衣類に施すと、機能性が復活します。効果は永久ではなく、着用や洗濯の摩擦で徐々に薄れていきます。
折り目加工
スラックスやズボンのセンタープレス(中央の折り目)を、シャープなまま長持ちさせる加工です。
- 料金相場:500円~1,000円
- 内容と効果:
「シロセット加工」や「リントラク加工」といった名称で提供されています。ズボンの折り目に特殊な樹脂を塗布し、熱を加えて定着させることで、雨に濡れたり、繰り返し着用したりしても折り目が消えにくくなります。アイロンがけの手間が大幅に省けるため、毎日スーツを着るビジネスパーソンや、制服を着用する学生に非常に人気があります。
一度加工すると、クリーニングを数回繰り返しても効果が持続します。新品のスラックスを購入した際や、衣替えでクリーニングに出すタイミングで加工しておくのがおすすめです。
防虫・防カビ加工
ウールやカシミヤなどの天然繊維を、害虫や湿気から守るための加工です。
- 料金相場:300円~800円
- 内容と効果:
クリーニングで衣類を清潔にした後、繊維に虫が嫌う成分(防虫剤)や、カビの発生を抑える成分(抗菌・防カビ剤)を固着させます。市販の防虫剤と併用することで、より高い効果が期待できます。
ウール、カシミヤ、シルクといった動物性たんぱく質を主成分とする天然繊維は、衣類害虫(ヒメカツオブシムシなど)の大好物です。シーズンオフでクローゼットに長期間しまい込む前にこの加工を施しておくことで、大切な衣類を虫食いの被害から守ることができます。礼服や喪服など、着用頻度は低いけれど長期間保管する大切な衣類にも最適な加工です。
保管サービス
クリーニング後の衣類を、次のシーズンまで専門の環境で預かってくれるサービスです。
- 料金相場:パック料金に含まれる場合が多い。有料の場合は1点あたり月額100円~500円程度
- 内容と効果:
特に宅配クリーニングで人気の高いサービスです。春に冬物のコートやダウンをクリーニングに出し、そのまま秋まで預かってもらう、といった使い方ができます。
最大のメリットは、自宅のクローゼットや収納スペースを大幅に節約できることです。かさばる冬物衣料がないだけで、収納に大きなゆとりが生まれます。さらに、クリーニング会社は温度・湿度が24時間管理された衣類にとって最適な環境(遮光、防虫、防カビ)で保管してくれるため、自宅で保管するよりもカビや虫食いのリスクを格段に減らせます。
料金は、数ヶ月の保管料がクリーニング料金に無料で含まれているプランや、有料オプションとして提供される場合があります。衣替えの手間と収納スペースの悩みを一挙に解決できる、非常に便利なサービスです。
クリーニング料金を安く抑える7つのコツ
クリーニングは生活に欠かせないサービスですが、積み重なると家計の負担になります。ここでは、少しの工夫でクリーニング料金を賢く節約するための7つの具体的なコツを紹介します。
① セールやキャンペーンを利用する
多くの店舗型クリーニング店では、定期的にお得なセールやキャンペーンを実施しています。これらを狙って利用するのが、節約の基本中の基本です。
- 狙い目の時期:
- 衣替えシーズン(春・秋): 冬物や夏物をまとめて出す人が増える3月~5月、9月~11月は、クリーニング店の繁忙期であると同時に、「コート・ダウン30%オフ」「まとめて出すと〇点目から割引」といったキャンペーンが最も多く打たれる時期です。
- 閑散期(梅雨・真夏・真冬): 逆に利用者が減る6月~8月や1月~2月には、「閑散期割引」として特定の品目を安くするキャンペーンを行うことがあります。
- 曜日限定セール:
スーパーの特売日のように、「水曜日はワイシャツ100円引き」「週末はスーツセット割引」など、特定の曜日に割引を行う店舗も少なくありません。 - 情報収集の方法:
店舗のチラシ、公式サイト、公式LINEアカウント、店頭のポスターなどをこまめにチェックする習慣をつけましょう。
セールを上手に活用するだけで、年間数千円から一万円以上の節約につながることもあります。
② 会員割引やクーポンを活用する
ほとんどのクリーニングチェーン店では、会員制度を設けています。入会金(数百円程度)や年会費がかかる場合もありますが、それ以上に得られるメリットが大きいことが多いです。
- 会員特典の例:
- 常時5%~10%割引: 会員はいつでも通常料金から割引が適用されます。
- 誕生日特典: 誕生月には30%~50%オフといった大幅な割引クーポンがもらえることがあります。
- ポイント還元: 利用金額に応じてポイントが貯まり、次回以降の支払いに使えます。
- 限定セールの案内: 会員だけに先行してセール情報が届くこともあります。
年会費がかかる場合でも、年に数回以上クリーニングを利用するなら、元が取れるケースがほとんどです。また、新聞の折り込みチラシや公式サイト、アプリなどで配布されるクーポンも積極的に活用しましょう。「初回利用限定クーポン」や「〇〇円以上で使える500円引きクーポン」など、見逃せない特典が見つかるはずです。
③ 複数の衣類をまとめて出す
1点ずつこまめに出すよりも、ある程度たまってからまとめて出す方がお得になる 경우가多いです。
- まとめ出し割引:
「3点以上で10%オフ」「5点以上で20%オフ」のように、一度に出す点数に応じて割引率がアップするサービスです。家族の衣類を一緒に持っていくなど、工夫次第で利用しやすくなります。 - セット割引:
「スーツ上下セット」「ワイシャツ3枚セット」など、特定の組み合わせで出すと割引になるプランです。
特に、店舗に持ち込む手間や時間を考えると、一度にまとめて出すことは時間的なコストの節約にもつながります。ただし、割引を狙うあまり、不要なものまでクリーニングに出さないように注意は必要です。
④ 宅配クリーニングのパックプランを検討する
コートやダウンジャケットといった単価の高い冬物衣料をクリーニングに出す際は、宅配クリーニングのパックプランが店舗型よりも圧倒的に安くなる可能性があります。
- パックプランの仕組み:
前述の通り、「5点で〇円」「10点で〇円」という料金体系です。例えば、店舗で出すと1点3,000円のダウンジャケットと1点2,500円のコートを5点、10点16,000円のパックに出したとします。この場合、1点あたりの平均単価は1,600円となり、店舗で個別に出すよりもはるかに安く済みます。 - 活用法:
衣替えのタイミングで、家族全員の冬物アウター(ダウン、コート)、厚手のセーター、スキーウェアなど、クリーニング単価が高いアイテムだけを厳選してパックに詰めるのが最も賢い使い方です。逆に、ワイシャツやTシャツといった単価の安いものをパックに入れると割高になるため、これらは店舗型のセールを利用するなど、使い分けるのがポイントです。
⑤ 不要なオプション加工を見直す
クリーニング店で「シミ抜きはいかがですか?」「撥水加工もおすすめですよ」と勧められると、つい何でも付けてしまいがちですが、本当に必要か一度立ち止まって考えましょう。
- 見直しのポイント:
- シミ: 目立たない場所の小さなシミであれば、無理に有料のシミ抜きを依頼する必要はないかもしれません。
- 撥水加工: 雨の日に着る機会がほとんどない屋内で着るジャケットや、そもそも撥水性が必要ない衣類に毎回付ける必要はありません。
- たたみ仕上げ: 自宅のクローゼットにかけるだけなら、料金の高い「たたみ仕上げ」ではなく、安価な「ハンガー仕上げ」で十分です。
もちろん、汗をかいたスーツへの汗抜き加工や、長期保管するウールコートへの防虫加工など、必要なオプションは積極的に利用すべきです。衣類の用途や状態を考え、メリハリをつけてオプションを選ぶことが節約につながります。
⑥ 繁忙期を避けて出す
クリーニング店の繁忙期(3月~5月、9月~11月)は、工場がフル稼働状態になります。この時期をあえて避けて出すことで、料金面や品質面でメリットがある場合があります。
- 閑散期割引: 前述の通り、利用者が減る時期に割引キャンペーンを行う店舗があります。
- 丁寧な仕上がり: 繁忙期は大量の衣類を効率よくさばくことが優先されがちですが、閑散期は工場にも余裕があります。そのため、一点一点により時間をかけて丁寧に仕上げてもらえる可能性が期待できます。大切な衣類やデリケートな衣類は、あえて時期をずらして出すのも一つの手です。
衣替えの時期を少し前倒し、あるいは少し後ろ倒しにするだけで、お得に、そして質の高いサービスを受けられるかもしれません。
⑦ 自宅で洗えるか洗濯表示を確認する
そもそも、すべての衣類をクリーニングに出す必要はありません。クリーニングに出す前に、衣類のタグに付いている「洗濯表示(ケアラベル)」を確認する習慣をつけましょう。
- 確認すべきマーク:
- 「桶に×」のマーク(家庭洗濯禁止): このマークがあるものは、家庭での水洗いができません。基本的にはクリーニングに出す必要があります。
- 「P」「F」のマーク(ドライクリーニング可): 石油系溶剤やパークロロエチレンでのドライクリーニングができるという意味です。
- 「W」のマーク(ウェットクリーニング可): クリーニング店によるプロの水洗いが可能という意味です。
- 桶のマーク(家庭洗濯可): このマークがあれば、自宅の洗濯機や手洗いで洗えます。数字は水の温度の上限、下の線は洗濯の強さ(線が多いほど優しく洗う)を示します。
意外と多くのセーターやパンツ、ブラウスなどが家庭で洗えることに気づくはずです。おしゃれ着用の洗剤を使い、洗濯ネットに入れてドライコースや手洗いコースで洗うなど、少し手間をかければ、クリーニング代を大幅に節約できます。
料金が安いおすすめ宅配クリーニング5選
ここでは、料金の安さやコストパフォーマンスの高さで定評のある、おすすめの宅配クリーニングサービスを5つ厳選して紹介します。各サービスの特徴や料金プランを比較し、自分に合ったものを見つけてみましょう。
(※料金やサービス内容は変更される可能性があるため、ご利用の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。)
サービス名 | 料金プラン(一例) | 送料 | 最短納期 | 特徴 | 参照元 |
---|---|---|---|---|---|
リネット | プレミアム会員:ワイシャツ264円~、スーツ上下1,496円~(税込) | プレミアム会員は往復送料無料(3,300円以上利用時) | 最短2日後 | ・単品から注文可能で普段使いしやすい ・プレミアム会員の特典が豊富 ・朝イチ/夜イチ便など利便性が高い |
株式会社リネットジャパン公式サイト |
リナビス | 衣類5点コース:10,780円~(税込) (1点あたり2,156円~) |
送料無料(一部地域除く) | 最短5日後 | ・8大おせっかい無料加工付き(シミ抜き、毛玉取り等) ・熟練職人による高品質な手仕上げ ・最大12ヶ月の無料保管サービス |
東田ドライ株式会社(リナビス)公式サイト |
カジタク | 保管付衣類クリーニング(6点パック):11,000円(税込) (1点あたり約1,833円) |
送料無料(一部地域除く) | 最短9日後(保管なしの場合) | ・イオングループの安心感 ・パック料金が分かりやすい ・最大9ヶ月の保管サービスが人気 |
株式会社カジタク公式サイト |
せんたく便 | 最速5パック:9,878円(税込) (1点あたり1,975円) |
送料無料(一部地域除く) | 最短5営業日後 | ・パック料金のパイオニア的存在 ・シンプルな料金体系 ・オプションが豊富(撥水加工など) |
株式会社ヨシハラ(せんたく便)公式サイト |
ホワイト急便(宅配) | 衣類5点パック:7,590円~(税込) (1点あたり1,518円~) |
送料無料(一部地域除く) | 最短5日後 | ・全国展開する大手ならではの安心感と価格 ・保管コースもリーズナブル ・衣類のリフォームにも対応 |
株式会社日本さわやかグループ(ホワイト急便)公式サイト |
① リネット
普段使いのしやすさと利便性で選ぶならリネットがおすすめです。多くの宅配クリーニングがパック料金制の中、リネットは1点から注文できる「単品注文」が基本。ワイシャツ1枚、スーツ1着といった出し方ができるため、店舗型クリーニングと同じような感覚で利用できます。
特に注目すべきは「プレミアム会員」制度(月額または年額プラン)。会員になると、クリーニング料金が割引になるだけでなく、3,300円以上の利用で往復送料が無料になります。さらに、毛玉取りやシミ抜きが無料、最短2日後にお届けといった特典も豊富です。朝早くや夜遅くに集荷・配達してくれる「朝イチ・夜イチ便」は、忙しいビジネスパーソンや共働き世帯にとって非常に便利なサービスと言えるでしょう。(参照:株式会社リネットジャパン公式サイト)
② リナビス
「おせっかい品質」を掲げ、クリーニングの質と無料サービスの充実度で高い評価を得ているのがリナビスです。料金はパック制で、5点、10点、20点のコースがあります。一見すると他社より高めに見えるかもしれませんが、その価値は無料サービスにあります。
送料、シミ抜き、毛玉取り、毛取り、ボタン修理、再仕上げ、そして最大12ヶ月の衣類保管がすべて無料で付いてきます。特に、他社では有料オプションとなることが多い高度なシミ抜きや、手間のかかる毛玉取りが標準サービスなのは大きな魅力です。熟練の職人が一点一点手仕上げで行うため、大切な衣類を安心して任せたい方や、冬物衣料を次のシーズンまで預かってほしい方に最適です。(参照:東田ドライ株式会社(リナビス)公式サイト)
③ カジタク
イオングループが運営する家事代行サービス「カジタク」の宅配クリーニングは、大手ならではの安心感と分かりやすい料金体系が特徴です。料金プランは点数制のパックが中心で、特に人気なのが「保管付衣類クリーニング」です。
クリーニング後に、最大9ヶ月間、温度・湿度が管理された専用倉庫で保管してもらえます。料金も比較的リーズナブルで、例えば6点パックなら11,000円(税込)と、1点あたり約1,833円でクリーニングと長期保管が可能です。ダウンジャケットやコートなどのかさばる冬物を預ければ、自宅のクローゼットがすっきり片付きます。仕上がりに満足できなかった場合の「満足保証」が付いている点も、信頼できるポイントです。(参照:株式会社カジタク公式サイト)
④ せんたく便
「せんたく便」は、宅配クリーニングのパック料金をいち早く導入した、業界のパイオニア的存在です。その特徴は、なんといってもシンプルで分かりやすい料金プラン。「最速パック(保管なし)」と「保管パック」の2種類を基本に、点数(5点または10点)を選ぶだけです。
料金もリーズナブルで、コートやダウンなどを入れても均一料金のため、組み合わせ次第で非常にお得になります。シミ抜きやボタン付け、毛玉取りも無料で対応。さらに、有料オプションとして撥水加工や花粉防止加工、防虫・防カビ加工なども選べるため、衣類の状態に合わせてカスタマイズが可能です。長年の実績と安定した品質で、初めて宅配クリーニングを利用する方にもおすすめです。(参照:株式会社ヨシハラ(せんたく便)公式サイト)
⑤ ホワイト急便(宅配)
全国に店舗を展開する大手クリーニングチェーン「ホワイト急便」も、宅配サービスを提供しています。店舗運営で培ったノウハウと、大規模工場による効率化で、リーズナブルな価格設定を実現しているのが最大の強みです。
料金はパック制で、5点パックが7,590円(税込)からと、業界でもトップクラスの安さを誇ります。もちろん、保管付きのパックも用意されており、こちらもお得な価格設定です。安さだけでなく、プラチナ加工(撥水・防虫・リンス効果)といった高品質なオプションや、衣類の寸法直しなどのリフォームサービスに対応しているのも大手ならでは。コストを抑えつつ、安心感も求めたいという方にぴったりのサービスです。(参照:株式会社日本さわやかグループ(ホワイト急便)公式サイト)
クリーニング料金に関するQ&A
ここでは、クリーニング料金に関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。
高級ブランド品を出すと料金は高くなりますか?
はい、ほとんどの場合、高級ブランド品は通常より高い料金設定になります。これは「ぼったくり」ではなく、明確な理由があります。
- 素材やデザインの特殊性:
グッチやシャネル、モンクレールといった高級ブランドの衣類は、カシミヤ、シルク、上質なダウンなど最高級の素材を使用していることが多く、デザインも非常に凝っています。前述の通り、これらの特殊な素材や装飾は、クリーニングに特別な技術と手間を要するため、追加料金が発生します。 - 賠償リスクの高さ:
クリーニング業界には「クリーニング事故賠償基準」というものがあり、万が一、クリーニング中に衣類を破損・紛失してしまった場合、業者はその衣類の時価額に基づいて賠償する責任を負います。購入価格が数十万円するような高級ブランド品は、この賠償リスクが非常に高くなります。このリスクヘッジの費用が、あらかじめクリーニング料金に上乗せされているのです。 - 専門技術者の対応:
高級ブランド品は、通常のラインではなく、特に技術力の高い熟練の職人が専属で担当することがほとんどです。そのための特別な人件費も料金に含まれています。
大切な高級ブランド品をクリーニングに出す際は、料金の安さだけで選ばず、ブランド品の取り扱い実績が豊富で、補償制度がしっかりしている信頼できるお店を選ぶことが何よりも重要です。
仕上がりを早くしてもらうと追加料金はかかりますか?
はい、通常よりも仕上がりを早くしてもらう「特急仕上げ」や「お急ぎ便」は、追加料金がかかるのが一般的です。
店舗型クリーニングの場合、当日仕上げや翌日仕上げに対応しているお店が多く、追加料金は通常料金の30%~50%増しが相場です。例えば、通常1,000円のジャケットなら、1,300円~1,500円程度になります。
これは、通常のクリーニング工程の流れに割り込んで、その衣類を最優先で処理するために、特別な人員配置や非効率な機械の稼働が必要になるためです。そのための追加コストが料金に反映されています。
一方、宅配クリーニングは、輸送に時間がかかるため、基本的に即日や翌日といった特急仕上げには対応していません。ただし、サービスによっては「お急ぎ便」のようなオプションがあり、通常より早く(例えば、通常1週間のところを5日で)届けてくれる場合がありますが、こちらも追加料金が必要になることがあります。急ぎの衣類は店舗型、時間に余裕があるものは宅配型、と使い分けるのが賢明です。
まとめ
本記事では、クリーニング料金の相場から、料金が決まる仕組み、安く抑えるコツまで、幅広く解説してきました。
最後に、重要なポイントを改めて整理します。
- クリーニング料金は「品目」「素材」「デザイン」「汚れの状態」「オプション」など様々な要素で決まる。
- ワイシャツやスーツは店舗型、コートやダウンなどのかさばる冬物衣料は宅配型のパック料金、という使い分けが賢い節約術。
- 料金の仕組みを理解し、セールや会員割引、まとめ出しなどを活用すれば、クリーニング代は大幅に抑えられる。
- 汗抜き加工や保管サービスなど、必要なオプションを適切に選ぶことで、衣類をより長持ちさせられる。
- 宅配クリーニングは、料金だけでなく、無料オプションや保管サービスの有無なども比較して選ぶことが重要。
クリーニングは、単に衣類をきれいにするだけでなく、お気に入りの一着を大切に長く着続けるための重要なメンテナンスです。料金の相場や仕組みを正しく理解することで、不安なく、そして納得してサービスを利用できるようになります。
最終的に最も大切なのは、ご自身のライフスタイル(忙しさ、衣類の種類、保管スペースなど)や価値観(価格重視か、品質重視か)に合わせて、最適なクリーニング店やサービスを選択することです。この記事で得た知識を活用し、ぜひ賢いクリーニングライフを実践してみてください。