毎日使うマットレスは、睡眠中の汗や皮脂、フケ、アカなどを吸収し、見た目以上に汚れています。これらの汚れは、黄ばみやニオイの原因になるだけでなく、ダニやカビが繁殖する温床となり、アレルギーや喘息といった健康被害を引き起こす可能性も否定できません。

しかし、マットレスは大きく重いため、家庭で丸洗いするのは不可能です。そんな時に頼りになるのが、プロのマットレスクリーニング業者です。専門の機材と洗剤を使い、汚れやアレルゲンを根本から除去してくれます。

この記事では、2024年最新情報に基づき、おすすめのマットレスクリーニング業者10社を徹底比較します。料金相場や業者選びで失敗しないためのポイント、プロに依頼するメリット・デメリットまで、マットレスクリーニングに関するあらゆる情報を網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたのニーズに最適な業者を見つけ、清潔で快適な睡眠環境を取り戻すための第一歩を踏み出せるでしょう。

マットレスクリーニングのおすすめ業者10選

マットレスクリーニングを提供している業者は数多く存在し、それぞれに特徴や料金体系が異なります。ここでは、全国的に知名度が高く、実績も豊富な業者を中心に10社を厳選してご紹介します。各社の特徴を比較し、自分に合ったサービスを見つけるための参考にしてください。

業者名	サービス形態	料金の目安（シングル）	特徴
くらしのマーケット	プラットフォーム型	約7,000円～	地域の業者を比較検討できる。口コミが豊富。
カジタク	全国展開型	14,850円～	イオングループの安心感。満足保証付き。
おそうじ本舗	全国展開型	11,000円～	業界最大手。独自開発の洗剤と機材を使用。
ベアーズ	全国展開型	13,090円～	家事代行のノウハウ。高品質なサービス。
ダスキン	全国展開型	14,850円～	知名度抜群。薬剤を使わない高温スチーム洗浄。
あなたの町の水道屋さん	全国展開型	11,000円～	水回りのプロ。マットレスクリーニングも提供。
おそうじ革命	全国展開型	9,900円～	固定料金制で安心。環境に優しいエコ洗剤。
アールクリーニング	関東中心	9,900円～	リーズナブルな価格設定。セット割がお得。
ミツモア	プラットフォーム型	約6,000円～	最大5社から一括見積もり。チャットで相談可能。
ユアマイスター	プラットフォーム型	約7,000円～	職人とのマッチング。故障・破損時の再施工保証。
※料金は2024年6月時点の各社公式サイトに基づく目安です。汚れの状態やオプションによって変動する場合があります。

① くらしのマーケット

くらしのマーケットは、ハウスクリーニングや不用品回収、引越しなど、暮らしに関する様々なサービスを提供するプロと、サービスを利用したいユーザーを繋ぐ国内最大級のプラットフォームです。マットレスクリーニングにおいても、お住まいの地域に対応可能な多数の業者が登録しており、その中から自分に合った業者を選べます。

最大のメリットは、料金、サービス内容、利用者の口コミを一覧で比較検討できる点です。各業者のページには、顔写真や自己紹介、作業実績の写真などが掲載されており、人柄や技術力を事前に確認できます。実際にサービスを利用したユーザーからの評価やコメントが非常に豊富で、「料金が安かった」「対応が丁寧だった」といったポジティブな意見から、「仕上がりに不満が残った」といったネガティブな意見まで、リアルな声を参考に業者選びができます。

料金体系は出店者ごとに異なりますが、競争原理が働くため、比較的リーズナブルな価格設定の業者が多い傾向にあります。予約前にメッセージ機能で業者に直接質問や相談ができるため、汚れの状態を伝えたり、不安な点を解消したりしてから依頼できるのも安心です。万が一のトラブルに備え、独自の損害賠償保証制度も用意されています。
どの業者に頼めば良いか分からないけれど、多くの選択肢の中からじっくり比較して選びたい、という方におすすめのサービスです。

参照：くらしのマーケット公式サイト

② カジタク

カジタクは、イオングループが運営する家事代行・ハウスクリーニングサービスです。全国に広がるネットワークと、大手ならではの安心感が大きな魅力です。

カジタクのマットレスクリーニングは、「満足保証」が付いている点が最大の特徴です。万が一、仕上がりに満足できなかった場合、無料で再作業を依頼できます（作業日から7日以内）。この保証があることで、初めてプロに依頼する方でも安心して利用できます。

クリーニング方法は、専用の機材（スチームクリーナーやリンサー）を使用し、マットレス内部の汚れやダニを徹底的に洗浄します。特に、高温スチームによる除菌・消臭効果は高く評価されています。料金はサイズごとに一律で設定されており、汚れの度合いによる追加料金が発生しない明朗会計も嬉しいポイントです。公式サイトから簡単に予約ができ、全国どこでも安定した品質のサービスを受けられるため、業者選びに時間をかけたくない方や、信頼性を重視する方に適しています。
また、イオングループのサービスなので、WAONポイントが貯まる・使える点も、普段からイオン系列の店舗を利用する方にとっては見逃せないメリットと言えるでしょう。

参照：カジタク公式サイト

③ おそうじ本舗

おそうじ本舗は、全国47都道府県に店舗を展開するハウスクリーニング業界のリーディングカンパニーです。その豊富な実績とノウハウは、マットレスクリーニングにも活かされています。

おそうじ本舗の強みは、独自に開発した専用の機材と、環境や人体への影響が少ない安全な洗剤を使用している点です。まず、強力なバキュームでマットレス表面のホコリやダニの死骸を吸引。その後、専用洗剤を噴霧し、ブラシで丁寧に汚れを分解します。最後に、高温のお湯を噴射しながら汚れと洗剤を強力に吸引する「リンサー」という機材で、内部の汚れを根こそぎ回収します。この一連の工程により、汗ジミや血液、おねしょなどの頑固な汚れにも対応可能です。

オプションメニューも充実しており、アレルギーが気になる方向けの「防ダニアレルゲンコート」や、ニオイ対策に効果的な「消臭・除菌」などを追加できます。全国に約1,900店舗（2024年時点）という広範なネットワークを活かし、スピーディーな対応が期待できるのも魅力です。見積もりは無料なので、まずは気軽に相談してみるのがおすすめです。

参照：おそうじ本舗公式サイト

④ ベアーズ

ベアーズは、高品質な家事代行サービスで知られる企業ですが、専門的なハウスクリーニングサービスも提供しており、マットレスクリーニングもその一つです。長年にわたって培われた「おもてなし」の心と、徹底したスタッフ教育による質の高いサービスが特徴です。

ベアーズのマットレスクリーニングは、顧客満足度を追求した丁寧な作業プロセスに定評があります。作業前には、マットレスの状態や汚れの種類、気になる点を細かくヒアリングし、最適なクリーニング方法を提案してくれます。使用する洗剤は、赤ちゃんやペットがいる家庭でも安心な、安全性を考慮したものです。

作業は、掃除機での表面のゴミ除去から始まり、シミ抜き、専用機材による洗浄・すすぎ、そして乾燥という流れで進められます。特にシミ抜きには力を入れており、汚れの種類に応じた専門的なアプローチで対応します。また、作業後のアフターフォローも手厚く、万が一のトラブルにも迅速に対応してくれる体制が整っています。料金は他社と比較するとやや高めの設定ですが、それに見合うだけの高品質なサービスと安心感を求める方には最適な選択肢と言えるでしょう。

参照：ベアーズ公式サイト

⑤ ダスキン

ダスキンは、清掃・衛生用品のレンタルやハウスクリーニングで圧倒的な知名度と信頼を誇る企業です。そのサービスメニューの一つとして、マットレスクリーニングも提供しています。

ダスキンの最大の特徴は、薬剤を極力使用せず、約100℃の高温スチームでダニを死滅させ、除菌するという手法です。化学物質に敏感な方や、小さなお子様、ペットがいるご家庭にとって、この方法は非常に安心感が高いと言えます。スチームで浮き上がらせた汚れは、専用の機材で強力に吸引し、マットレスの内部からスッキリさせます。

ただし、この方法は主にダニ対策や除菌に特化しているため、古いシミや広範囲の黄ばみなどを完全に除去するのは難しい場合があります。シミ抜きはオプション対応となることが多く、汚れの状態によっては対応できないケースもあるため、事前に相談が必要です。
ダニやアレルゲンを徹底的に除去したい、薬剤を使わない安全な方法でクリーニングしたいというニーズに最も応えてくれるのがダスキンです。長年の実績に裏打ちされた安心と信頼のブランドで、快適な睡眠環境を手に入れたい方におすすめです。

参照：ダスキン公式サイト

⑥ あなたの町の水道屋さん

「あなたの町の水道屋さん」は、水回りのトラブル対応で知られるサービスですが、その専門知識を活かしてハウスクリーニング事業も展開しており、マットレスクリーニングも手掛けています。全国に拠点があり、最短で即日対応も可能なスピーディーさが強みです。

マットレスクリーニングでは、プロ仕様のリンサーを使用し、水と洗剤で汚れを浮かせて強力に吸引する「湿式洗浄」が基本となります。おねしょや飲みこぼしといった水溶性のシミや、汗による全体の黄ばみなどに高い効果を発揮します。24時間365日受付対応しているため、急なトラブル、例えば子供が夜中におねしょをしてしまった、といった緊急時にも相談しやすいのが大きなメリットです。

料金体系も分かりやすく、サイズ別の基本料金に、必要に応じてシミ抜きや消臭などのオプションを追加する形です。水回りのプロならではの視点で、湿気によるカビ対策などについてもアドバイスをもらえるかもしれません。緊急性が高く、すぐにでも対応してほしいという状況で非常に頼りになる業者です。

参照：あなたの町の水道屋さん公式サイト

⑦ おそうじ革命

「おそうじ革命」は、”KIREIを通じて人々の人生をより豊かに。”を理念に掲げるハウスクリーニング業者です。リーズナブルな価格設定と、顧客満足度の高さで近年急速に店舗数を増やしています。

おそうじ革命のマットレスクリーニングは、汚れの度合いにかかわらず一律の「固定料金制」を採用している点が大きな特徴です。これにより、「当日になって追加料金を請求された」といったトラブルの心配がなく、安心して依頼できます。使用する洗剤は、植物由来の成分を中心とした環境にも人体にも優しいエコ洗剤で、安全性を重視する方にもおすすめです。

作業方法はおそうじ本舗などと同様、専用のリンサーを用いた本格的な洗浄です。長年の使用で蓄積された汗や皮脂汚れをしっかりと洗い流し、清潔な状態に戻します。さらに、万が一仕上がりに満足できなかった場合には、作業後3日以内であれば無料で再作業を行う「仕上がり満足保証」も導入しており、品質への自信がうかがえます。コストパフォーマンスと安心感の両方を重視したい方にぴったりの選択肢です。

参照：おそうじ革命公式サイト

⑧ アールクリーニング

アールクリーニングは、関東エリアを中心にサービスを展開するハウスクリーニング専門業者です。テレビCMなどでも知られており、手頃な価格設定で人気を集めています。

アールクリーニングのマットレスクリーニングは、業界でもトップクラスの低価格が魅力です。シングルサイズであれば1万円を切る価格から依頼が可能で、プロのクリーニングを気軽に試してみたいという方に最適です。価格は安いですが、サービス内容は本格的。高温スチームと専用リンサーを使用し、ダニの駆除から皮脂汚れの洗浄までしっかりと対応します。

また、エアコンや浴室など、他のクリーニングメニューとの「セット割引」が充実しているのも特徴です。引越しや大掃除のタイミングで、家中の気になる箇所をまとめてお得にきれいにしたい場合に非常に便利です。対応エリアは関東1都6県と限定されますが、エリア内にお住まいの方にとっては、非常に有力な選択肢となるでしょう。安さだけでなく、年間実績の豊富さや顧客満足度の高さも、安心して依頼できるポイントです。

参照：アールクリーニング公式サイト

⑨ ミツモア

ミツモアは、「くらしのマーケット」と同様に、地域のプロとユーザーを繋ぐマッチングプラットフォームです。簡単な質問にいくつか答えるだけで、最大5社のプロから無料で見積もりが届くというシステムが最大の特徴です。

複数の業者から具体的な見積もりが一度に届くため、個別に問い合わせる手間が省け、効率的に料金やサービス内容を比較できます。各社の提案内容や料金、過去の実績、口コミなどをじっくり見比べた上で、最も条件に合う業者を選べるのが大きなメリットです。

また、業者とのやり取りは専用のチャットで行うため、電話番号などの個人情報をいきなり伝える必要がなく、気軽に相談を始められます。マットレスのサイズや汚れの状況、写真などを送って、より正確な見積もりやアドバイスをもらうことも可能です。「相見積もりを取って、最もコストパフォーマンスの高い業者に頼みたい」「まずは複数の業者の話を聞いてみたい」と考えている方には最適なサービスです。万が一のトラブルに備えた損害賠償保険も完備されています。

参照：ミツモア公式サイト

⑩ ユアマイスター

ユアマイスターは、「大切なものを、もっと大切に」をコンセプトに、様々なモノの修理・クリーニングのプロ（職人）とユーザーを繋ぐプラットフォームです。ハウスクリーニングだけでなく、靴やバッグの修理など、幅広いジャンルのプロが登録しています。

マットレスクリーニングにおいても、全国の専門業者が多数登録しており、料金や口コミを比較して選ぶことができます。ユアマイスターの特筆すべき点は、充実した保証制度です。全てのサービスに「満足保証」が付いており、仕上がりに満足できなければ再施工や返金対応が受けられます。さらに、作業が原因で故障や破損が生じた場合には、最大30万円まで補償される「あんしん補償」も付帯します。

この手厚い保証があるため、プラットフォーム型サービスに不安を感じる方でも、安心して依頼しやすいのが大きな魅力です。また、職人一人ひとりのプロフィールやこだわり、得意な作業などが詳しく紹介されており、技術力や人柄を重視して選びたい方にも向いています。大切なマットレスを、信頼できるプロに任せたいという想いに応えてくれるサービスです。

参照：ユアマイスター公式サイト

マットレスクリーニングの料金相場

プロにマットレスクリーニングを依頼する際、最も気になるのが料金でしょう。料金は主に「マットレスのサイズ」と「追加するオプション」によって決まります。ここでは、それぞれの料金相場について詳しく解説します。事前に相場を把握しておくことで、業者から提示された見積もりが適正かどうかを判断する基準になります。

サイズ別の料金相場

マットレスクリーニングの基本料金は、作業範囲の広さに比例するため、サイズが大きくなるほど高くなるのが一般的です。以下に、一般的なマットレスサイズごとの料金相場をまとめました。

マットレスサイズ	料金相場	特徴・注意点
ベビー	7,000円～10,000円	サイズが小さいため安価。おねしょや吐き戻しによる依頼が多い。
シングル	9,000円～15,000円	最も一般的なサイズ。多くの業者がこのサイズを基準に料金設定。
セミダブル	11,000円～17,000円	シングルより1,000円～3,000円程度高くなるのが一般的。
ダブル	13,000円～20,000円	作業範囲が広がるため、料金も一段階上がる。
クイーン・キング	15,000円～25,000円	特殊サイズとして扱われ、業者によっては割増料金や対応不可の場合も。

※上記はあくまで片面クリーニングの相場です。両面クリーニングを依頼する場合は、片面料金の1.5倍～2倍程度の費用がかかるのが一般的です。

シングル

シングルサイズ（幅約100cm）は、一人暮らしの方や子供部屋で最もよく使われるサイズです。マットレスクリーニングの料金設定の基本となるサイズであり、多くの業者が公式サイトでシングルサイズの料金を明記しています。相場は9,000円から15,000円程度です。プラットフォーム型の業者ではこれより安く、大手ハウスクリーニング業者では高めの傾向があります。初めてクリーニングを依頼する方は、まずこのシングルサイズの料金を基準に各社を比較すると良いでしょう。

セミダブル

セミダブルサイズ（幅約120cm）は、シングルよりも少しゆったりと眠りたい方に人気のサイズです。クリーニング料金は、シングルサイズにプラス1,000円から3,000円程度上乗せされるのが一般的で、相場は11,000円から17,000円程度となります。業者によってはシングルと同じ料金区分に含まれる場合もありますが、ほとんどの場合は別料金が設定されています。見積もりを取る際は、必ずサイズを正確に伝えましょう。

ダブル

ダブルサイズ（幅約140cm）は、二人で寝ることもできるサイズで、作業面積がシングルサイズの約1.4倍になります。そのため、料金もそれに比例して高くなり、相場は13,000円から20,000円程度です。作業時間もシングルサイズより長くなる傾向があります。夫婦の寝室などで使用されている場合、2台同時に依頼すると「2台目割引」などが適用されることもあるため、確認してみる価値はあります。

クイーン・キング

クイーンサイズ（幅約160cm～）やキングサイズ（幅約180cm～）は、大型のマットレスです。クリーニング料金も最も高額になり、相場は15,000円から25,000円程度が目安です。業者によっては、これらのサイズを「特殊サイズ」として扱い、別途見積もりが必要になるケースや、そもそも対応していない場合もあります。大型マットレスのクリーニングを希望する場合は、予約前に必ず対応可能かどうかを確認する必要があります。

オプションメニューの料金相場

基本のクリーニングに加えて、特定の悩みや要望に応えるためのオプションメニューが用意されていることがほとんどです。代表的なオプションの料金相場を見ていきましょう。

特殊なシミ抜き

基本クリーニングでは落としきれない、古い血液のシミ、ワインのシミ、油性のシミ（化粧品など）に対して行われる作業です。

• 料金相場：2,000円～5,000円（1箇所あたり）

特殊な溶剤や機材を使用するため、追加料金が発生します。料金はシミの大きさや種類、古さによって変動します。全てのシミが完全に落ちるわけではないという点は理解しておく必要があります。特に、時間が経過して繊維の奥深くまで浸透・変色してしまったシミは、薄くはなっても完全に消すのは困難な場合があります。依頼する際は、どの程度の効果が見込めるか、事前に業者に確認しましょう。

消臭・防臭加工

汗や皮脂、おねしょ、ペットの粗相などが原因の強いニオイを除去し、新たなニオイの発生を抑えるための加工です。

• 料金相場：2,000円～4,000円

専用の消臭剤や抗菌剤をマットレスに噴霧・塗布します。特に、ペットを飼っているご家庭や、体臭が気になる方におすすめのオプションです。クリーニングで汚れの元を除去した上でこの加工を施すことで、効果が長持ちし、より快適な状態を維持できます。業者によっては、銀イオンや光触媒など、高性能な薬剤を使用している場合もあります。

防ダニ加工

クリーニングでダニを除去した後に、ダニが再び繁殖しにくい環境を作るための加工です。

• 料金相場：2,000円～4,000円

ダニの忌避効果（ダニを寄せ付けない効果）がある専用の薬剤をマットレス全体に施工します。効果の持続期間は半年から1年程度が一般的です。アレルギーや喘息の症状に悩む方、小さなお子様がいるご家庭には特におすすめです。クリーニングで一旦リセットした状態を長く保つために、非常に有効なオプションと言えるでしょう。使用される薬剤の安全性について、事前に確認しておくとより安心です。

失敗しないマットレスクリーニング業者の選び方

数ある業者の中から、自分に合った信頼できる一社を見つけることは、クリーニングの満足度を大きく左右します。ここでは、業者選びで失敗しないためにチェックすべき5つの重要なポイントを解説します。

料金体系が明確か

まず最初に確認すべきは、料金体系の分かりやすさです。優良な業者は、公式サイトや見積書で料金の内訳を明確に提示しています。

チェックすべき項目は以下の通りです。

• 基本料金に含まれる作業内容: サイズ別の料金に、どこまでの作業（例：シミ抜き、除菌など）が含まれているかを確認します。
• 追加料金の有無: 「汚れがひどい場合」などの曖昧な理由で、当日に追加料金を請求される可能性がないかを確認しましょう。「固定料金制」や「汚れ具合による追加料金なし」と明記している業者は安心です。
• オプション料金: 消臭加工や防ダニ加工など、オプションを希望する場合の料金が明記されているか。
• 出張費・駐車料金: 業者によっては、基本料金とは別に出張費や、作業車両の駐車料金（実費）が必要になる場合があります。これらの費用が無料なのか、あるいはいくらかかるのかを事前に必ず確認してください。

複数の業者から見積もりを取り、総額でいくらかかるのかを比較検討することが、後々のトラブルを防ぐ上で非常に重要です。

口コミや実績が豊富か

業者の信頼性を測る上で、過去の実績や利用者からの口コミは非常に価値のある情報源です。公式サイトに掲載されている「お客様の声」だけでなく、第三者が運営する口コミサイトや、Googleマップのレビュー、SNSなども参考にしましょう。

口コミをチェックする際のポイントは以下の通りです。

• 良い口コミの内容: ただ「良かった」だけでなく、「スタッフの対応が丁寧だった」「諦めていたシミが綺麗になった」など、具体的に何が評価されているのかを確認します。
• 悪い口コミの内容: クレームの内容が、自分にとって許容できる範囲のものかを見極めます。「時間に遅れてきた」という指摘は改善されているかもしれませんが、「仕上がりが雑だった」「連絡が取れなくなった」といった根本的な問題は避けるべきサインです。
• 口コミの量と新しさ: 口コミの数が多く、かつ直近の投稿が多ければ、現在も活発に営業しており、多くの人に選ばれている証拠です。
• ビフォーアフターの写真: 業者のサイトやSNSに、実際の作業前後の写真が多数掲載されていれば、その技術力や実績を視覚的に判断する材料になります。

これらの情報を総合的に判断し、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。

対応エリア内か

意外と見落としがちなのが、業者の対応エリアです。全国展開している大手業者であっても、一部地域（特に離島や山間部）はサービス対象外となっている場合があります。また、地域密着型の優良業者も多数存在します。

まずは、自分の住んでいる住所が、その業者の出張対応エリアに含まれているかを公式サイトで確認しましょう。プラットフォーム型のサービス（くらしのマーケット、ミツモアなど）を利用する場合は、郵便番号を入力するだけで対応可能な業者を絞り込めるので便利です。

エリア外であっても、追加の出張費を支払えば対応してくれるケースもありますが、割高になる可能性が高いです。基本的には、無理なく対応してくれるエリア内の業者から選ぶのが賢明です。

損害賠償保険に加入しているか

プロの業者であっても、万が一という事態は起こり得ます。例えば、「作業中に高価なマットレスを傷つけてしまった」「薬剤が床や壁に飛んでシミになった」といったトラブルです。

このような万が一の事態に備え、ほとんどの優良業者は「損害賠償保険」に加入しています。この保険に加入している業者であれば、作業が原因で発生した物損事故に対して、保険の範囲内で補償してくれます。

公式サイトの会社概要や「よくある質問」のページに、保険加入の有無が記載されていることが多いです。もし記載が見当たらない場合は、見積もりや問い合わせの際に「損害賠償保険には加入していますか？」と直接確認しましょう。保険未加入の業者は、トラブル発生時のリスクが高いため、避けるのが無難です。保険加入の有無は、その業者の信頼性と責任感を示す重要な指標です。

汚れの種類に対応しているか

マットレスの汚れには、汗ジミ、血液、おねしょ、カビ、食べこぼしなど、様々な種類があります。そして、汚れの種類によって効果的な洗浄方法や薬剤は異なります。

自分のマットレスの主な汚れが何なのかを把握し、その汚れに対応できる業者を選ぶことが重要です。

• ダニやアレルゲンが気になる場合: 高温スチーム洗浄を得意とする業者（例：ダスキン）が効果的です。
• おねしょやジュースなどの水溶性のシミが広範囲にある場合: 専用のリンサーで丸洗いする方式の業者（例：おそうじ本舗、カジタクなど）が適しています。
• 古いシミや特殊なシミがある場合: シミ抜きの実績が豊富で、オプションとして「特殊シミ抜き」を提供している業者を選び、事前に写真などで相談するのが良いでしょう。
• カビが発生している場合: カビ除去に対応しているか、専用の殺菌剤を使用するかなどを確認する必要があります。カビの根が深い場合、完全な除去は難しいこともあります。

業者の公式サイトで、どのような汚れに対応可能か、どのような洗浄方法を用いるのかを確認し、自分のマットレスの状態に最も合った技術を持つ業者を選びましょう。

マットレスクリーニングをプロに依頼する3つのメリット

自分でマットレスの掃除をするのとは違い、プロに依頼することには大きなメリットがあります。費用をかけてでもプロに頼む価値はどこにあるのか、主な3つのメリットを詳しく解説します。

① 汚れやニオイを根本から除去できる

家庭用の掃除機や市販のクリーナーでは、マットレスの表面的なホコリや軽い汚れしか取り除くことができません。しかし、マットレスの汚れやニオイの本当の原因は、繊維の奥深くに染み込んだ汗、皮脂、そしてそれらをエサに繁殖した雑菌です。

プロのクリーニング業者は、「スチームクリーナー」や「リンサー（湿式洗浄機）」といった専門の機材を使用します。

• スチームクリーナー: 約100℃の高温スチームを噴射することで、熱に弱いダニや雑菌を死滅させ、皮脂汚れなどを浮かび上がらせます。
• リンサー: 洗剤を含んだお湯を高圧で噴射し、汚れを分解・浮き上がらせた後、その汚れた水分を強力なバキュームで一気に吸い取ります。

このプロセスにより、マットレス内部に蓄積された長年の汚れやアレルゲンを、洗剤成分もろとも根こそぎ回収することができます。作業後の汚水を見せてもらうと、その黒さに驚く人がほとんどです。
自分で掃除した場合、濡れたタオルで拭くとかえって汚れを奥に押し込んでしまったり、洗剤が残って新たな肌トラブルの原因になったりするリスクがありますが、プロに任せればそのような心配はありません。目に見えない内部の汚れまで一掃し、ニオイの元を断つことができるのが、最大のメリットです。

② ダニやアレルゲンを徹底的に除去できる

マットレスは、人間のフケやアカをエサにするチリダニにとって、絶好の繁殖場所です。ダニの死骸やフンは、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎などを引き起こす主要なアレルゲン（アレルギーの原因物質）として知られています。

家庭での対策として、掃除機で吸ったり、布団乾燥機を使ったりする方法がありますが、これだけでは不十分です。掃除機では表面のダニしか吸い取れず、布団乾燥機では熱が内部まで届きにくいことがあります。

一方、プロのクリーニングは、アレルゲン対策として非常に効果的です。

• 高温スチーム: ダニは50℃以上の熱で死滅すると言われています。プロが使用する100℃近い高温スチームは、マットレスの内部まで熱を伝え、生きたダニを確実に死滅させることができます。
• 強力な吸引（バキューム）: リンサーや専用の強力な掃除機は、家庭用とは比較にならない吸引力で、死滅したダニの死骸やフン、卵といったアレルゲン物質を繊維の奥から徹底的に吸引・除去します。

さらに、オプションで防ダニ加工を施せば、クリーニング後の清潔な状態を長期間維持できます。特に、アレルギー体質の方や小さなお子様がいるご家庭にとって、プロによる定期的なダニ・アレルゲン除去は、健康的な生活環境を維持するために不可欠と言えるでしょう。

③ マットレスが長持ちする

高価なマットレスであっても、手入れを怠れば寿命は縮んでしまいます。汗や皮脂に含まれる塩分や酸は、マットレスのスプリング（コイル）を錆びさせたり、ウレタンフォームなどの素材を劣化させたりする原因になります。また、湿気が溜まった状態が続くとカビが発生し、一度深く根を張ってしまうと完全な除去は困難になり、マットレス自体を買い替えなければならないケースもあります。

プロによる定期的なクリーニングは、人間でいうところの「健康診断」や「人間ドック」のようなものです。

• 汚れと湿気の除去: 内部に蓄積した汚れや湿気を定期的にリセットすることで、素材の劣化を促進する要因を取り除き、マットレス本来の性能を長く保つことができます。
• カビの予防: 湿気をしっかり取り除くことで、カビの発生を未然に防ぎます。カビによる健康被害やマットレスのダメージを防ぐことは、結果的に長く快適に使い続けることに繋がります。

クリーニングには数万円の費用がかかりますが、数十万円することもある高価なマットレスの買い替え時期を延ばせると考えれば、長期的な視点で見ると非常に経済的です。大切なマットレスへの投資として、定期的なプロのメンテナンスを取り入れることは、賢い選択と言えるでしょう。

マットレスクリーニングをプロに依頼するデメリット

多くのメリットがある一方で、プロのマットレスクリーニングにはいくつかのデメリットも存在します。依頼する前にこれらを理解し、納得した上で判断することが大切です。

費用がかかる

最も大きなデメリットは、やはり費用がかかることです。前述の通り、シングルサイズのマットレス1枚でも、1万円から2万円程度の費用が発生します。家族全員分のマットレスを依頼するとなると、数万円単位の出費になることも珍しくありません。

この費用を「高い」と感じるか「妥当」と感じるかは、個人の価値観や経済状況によります。しかし、考えてみてほしいのは、その費用対効果です。

• 健康への投資: ダニやカビによるアレルギー症状が改善されれば、通院費や薬代が節約できるかもしれません。
• 時間と労力の節約: 自分で掃除する手間や時間を考えれば、プロに任せることで得られる時間の価値は大きいです。
• マットレスの延命: 高価なマットレスを買い替える費用と比較すれば、定期的なメンテナンス費用は安価と言えます。

とはいえ、家計への負担であることは事実です。キャンペーンや複数台割引などを上手に活用したり、プラットフォーム型サービスで価格を比較したりして、少しでも費用を抑える工夫をすることをおすすめします。

業者選びに手間がかかる

「失敗しないマットレスクリーニング業者の選び方」で解説したように、信頼できる優良な業者を見つけるためには、ある程度の時間と手間が必要です。

• 複数の業者の公式サイトをチェックする
• 料金体系やサービス内容を比較する
• 口コミや評判を調べる
• 対応エリアや保険の有無を確認する
• 必要であれば相見積もりを取る

これらの作業を面倒に感じ、「どこでもいいや」と適当に選んでしまうと、「思ったほど綺麗にならなかった」「高額な追加料金を請求された」といった失敗に繋がる可能性があります。

しかし、この業者選びの手間は、満足のいくサービスを受けるための重要なプロセスです。この記事で紹介したような比較サイトやプラットフォームを上手に活用すれば、その手間を大幅に軽減できます。一度信頼できる業者を見つけてしまえば、次回以降はスムーズに依頼できるでしょう。最初の業者選びだけは、少し時間をかけて慎重に行うことをお勧めします。

マットレスクリーニングとは？

マットレスクリーニングとは、専門の業者が出張訪問し、専用の機材や洗剤を用いて、家庭では掃除できないマットレスの内部に蓄積した汚れやダニ、アレルゲンなどを除去するサービスのことです。ここでは、どのような状態になったらクリーニングを検討すべきか、その具体的な「サイン」について解説します。

マットレスクリーニングが必要なサイン

毎日使っていると、マットレスの汚れや劣化に気づきにくいものです。以下のようなサインが見られたら、プロのクリーニングを検討するタイミングかもしれません。

汗や皮脂による黄ばみ

マットレスの表面、特に頭や背中が当たる部分に、地図のような黄ばみや茶色っぽいシミが浮き出てきたら、それは長年蓄積された汗や皮脂が酸化したものです。これは見た目が悪いだけでなく、雑菌が繁殖している証拠でもあります。放置するとニオイの原因にもなりますし、一度定着すると家庭での掃除で落とすのは非常に困難です。プロの洗浄であれば、これらの頑固な黄ばみを大幅に改善できる可能性があります。

ダニやハウスダスト

「朝起きると鼻がムズムズする」「くしゃみや目のかゆみが続く」「体に赤い発疹ができることがある」といった症状がある場合、マットレスに潜むダニやハウスダストが原因かもしれません。ダニの死骸やフンは非常に軽い微粒子で、寝返りを打つたびに空気中に舞い上がり、就寝中に吸い込んでしまいます。アレルギー症状に心当たりがある方は、症状が悪化する前に、専門のクリーニングでアレルゲンを根本から除去することをおすすめします。

カビや嫌なニオイ

寝室がジメジメしていたり、マットレスを敷きっぱなしにしていたりすると、湿気が溜まってカビが発生することがあります。マットレスの表面や裏側に黒い点々としたシミを見つけたら、それはカビです。カビは胞子を放出して広がり、吸い込むと呼吸器系の疾患を引き起こすなど、健康に深刻な影響を与える可能性があります。また、汗臭い、酸っぱい、カビ臭いといった不快なニオイがするのも、雑菌やカビが繁殖しているサインです。これらの問題は、プロの除菌・消臭クリーニングで解決できる場合があります。

子どものおねしょやペットの粗相

子どものおねしょやペットの粗相は、多くの家庭で起こりうるトラブルです。水分を拭き取っても、尿の成分はマットレスの奥深くまで浸透してしまいます。尿に含まれるアンモニアは強いニオイの原因になるだけでなく、放置すると雑菌が繁殖し、衛生的に非常に悪い状態になります。時間が経つほどシミやニオイは定着してしまうため、このようなトラブルがあった場合は、できるだけ早くプロに相談するのが最善の策です。

飲み物や食べ物のシミ

ベッドの上で飲み物を飲んだり、食事をしたりする習慣がある場合、うっかりこぼしてシミを作ってしまうことがあります。特に、ジュースやコーヒー、ワインといった色の濃い液体は、目立つシミになりやすいです。これらの水溶性のシミは、早めに対処すればプロのクリーニングで綺麗に落とせる可能性が高いです。放置せずに、専門業者に依頼することを検討しましょう。

マットレスクリーニングを依頼する流れ

プロのマットレスクリーニングを初めて依頼する方のために、一般的な依頼から作業完了までの流れを4つのステップで解説します。全体の流れを把握しておけば、スムーズに準備を進めることができます。

業者を探して見積もりを依頼する

まずは、自分の希望に合った業者を探すことから始めます。この記事で紹介した業者や、プラットフォーム型のサービスを参考に、いくつかの候補をリストアップしましょう。

候補が決まったら、各社の公式サイトの問い合わせフォームや電話、またはプラットフォームのシステムを通じて見積もりを依頼します。その際に伝えるべき情報は以下の通りです。

• マットレスの種類とサイズ: （例：ポケットコイルマットレスのダブルサイズ）
• 汚れの状態: （例：全体的に黄ばみがある、子供がおねしょをした、カビらしき黒い点がある、など）可能であれば、スマートフォンのカメラで撮影した写真を送ると、より正確な見積もりが出やすくなります。
• 希望するオプション: （例：防ダニ加工、消臭加工など）
• 住所と駐車場の有無: 出張費の計算や、作業車両をどこに停めるかの確認のために必要です。

複数の業者から相見積もりを取ることを強く推奨します。料金だけでなく、対応の丁寧さや返信の速さなども比較し、最も信頼できると感じた業者を選びましょう。

予約する

見積もりの内容に納得できたら、正式に予約を入れます。希望の作業日時を第3希望くらいまで伝えると、日程調整がスムーズに進みます。土日祝日や、引越しシーズンの3月〜4月、大掃除シーズンの年末は予約が混み合う傾向があるため、早めに連絡するのがおすすめです。

予約が確定すると、業者から当日の作業内容や注意事項、準備しておくことなどについて連絡があります。不明な点があれば、この時点で全て確認しておきましょう。

クリーニング作業当日

作業当日は、まずスタッフが訪問し、作業内容の最終確認とマットレスの状態チェックを行います。汚れの原因や範囲、どのような仕上がりが期待できるか、作業時間などを改めて説明してくれます。

その後、作業スペースの確保と養生（床や周辺の家具が汚れないようにシートで保護すること）を行い、クリーニング作業を開始します。作業中は、大きな音（掃除機やリンサーの作動音）が出ることがあります。近隣への配慮が必要な場合は、事前に業者に相談しておくと良いでしょう。

作業が完了したら、仕上がりを一緒に確認します。この時に、綺麗になった部分だけでなく、落としきれなかったシミや、今後の手入れに関するアドバイスなども説明してくれます。気になる点があれば、遠慮せずにその場で質問しましょう。

支払い

仕上がりに問題がないことを確認したら、料金を支払います。支払い方法は業者によって異なり、主に以下のような方法があります。

• 現金払い: 作業完了後に、その場でスタッフに現金で支払う。
• クレジットカード決済: 専用の端末を使ってその場で決済するか、事前にオンラインで決済する。
• 銀行振込: 後日、指定された口座に振り込む。

どの支払い方法に対応しているかは、予約時に必ず確認しておきましょう。領収書が必要な場合も、事前に伝えておくとスムーズです。

マットレスクリーニングを依頼するおすすめの頻度

マットレスクリーニングの適切な頻度は、ライフスタイルや家族構成、個人の体質などによって異なります。ここでは、一般的な目安となる頻度をご紹介します。

基本的には1年に1回が目安

特に目立った汚れやアレルギー症状がない場合でも、一般的には1年に1回程度のクリーニングが推奨されています。人間は一晩でコップ1杯分（約200ml）の汗をかくと言われており、1年間では約73リットルもの汗がマットレスに吸収されている計算になります。

この汗や皮脂が蓄積し、ダニや雑菌が繁殖するのに十分な期間が、おおよそ1年と考えられています。そのため、1年に1回、定期的にプロのクリーニングで内部の汚れをリセットすることが、マットレスを衛生的に保ち、長持ちさせるための理想的なサイクルです。例えば、「毎年、梅雨が明けた夏の時期に行う」「年末の大掃除と合わせて行う」など、自分なりのルールを決めておくと忘れずに続けやすいでしょう。

汚れやアレルギーが気になる場合は半年に1回

以下のようなケースに当てはまる場合は、より頻繁なクリーニングがおすすめです。半年に1回（6ヶ月に1回）を目安に検討しましょう。

• アレルギー体質の方: 喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状をお持ちの方は、アレルゲンの原因となるダニの死骸やフンをこまめに除去することが症状の緩和に繋がります。
• 小さなお子様がいるご家庭: お子様は汗をかきやすく、おねしょなどのトラブルも起こりがちです。免疫力が未熟な子供を雑菌やアレルゲンから守るためにも、清潔な環境を保つことが重要です。
• ペットと一緒に寝ているご家庭: ペットの毛やフケ、皮脂などもダニのエサになります。また、粗相によるニオイや汚れも気になるところです。衛生管理のため、より頻繁なクリーニングが望ましいです。
• 汗をかきやすい方: 新陳代謝が活発な方や、スポーツをする習慣がある方は、マットレスに吸収される汗の量が多くなります。その分、汚れやニオイが蓄積しやすいため、クリーニングの頻度を上げると快適さを保てます。

自分の健康状態や生活環境に合わせて、最適なクリーニング頻度を見つけることが大切です。

プロに頼む前に自分でできるマットレスの掃除方法

プロのクリーニングは効果的ですが、日々のセルフケアもマットレスを清潔に保つためには欠かせません。ここでは、普段からできるお手入れ方法と、シミができてしまった際の応急処置について解説します。

普段のお手入れ方法

習慣にすることで、プロのクリーニング効果を長持ちさせることができます。

• シーツや敷きパッドをこまめに洗濯する: 最低でも週に1回は洗濯しましょう。マットレスに直接汚れが付着するのを防ぐ最も基本的な対策です。
• マットレスを乾燥させる: 起床後、掛け布団をすぐにかけず、1時間ほどめくったままにしておき、マットレスにこもった湿気を逃がしましょう。
• 部屋の換気とマットレスの陰干し: 天気の良い日には窓を開けて部屋の空気を入れ替えましょう。月に1回程度、壁に立てかけるなどしてマットレスの裏側にも風を当てる（陰干し）と、カビ予防に効果的です。直射日光は素材を傷める原因になるため避けてください。
• 掃除機をかける: 2週間に1回程度、シーツを外した状態でマットレスの表面に掃除機をかけます。ホコリ、髪の毛、フケ、ダニの死骸などを除去できます。ブラシ付きのノズルを使い、ゆっくりと時間をかけて吸い取るのがコツです。

シミの種類別の応急処置

シミができてしまったら、時間が経つほど落としにくくなります。できるだけ早く、以下の方法で応急処置を行いましょう。ただし、強くこすると汚れが広がったり、繊維を傷めたりするので注意が必要です。

水溶性のシミ（ジュースなど）

1. 乾いた布やキッチンペーパーで、シミの水分をできるだけ吸い取ります。
2. 水で濡らして固く絞った布に、中性洗剤を少量つけます。
3. シミの外側から中心に向かって、軽くトントンと叩くようにして汚れを布に移し取ります。
4. きれいな水で濡らして固く絞った布で、洗剤成分を拭き取ります。
5. 最後に乾いた布で水分をしっかり吸い取り、ドライヤーの冷風や扇風機でよく乾かします。

油溶性のシミ（化粧品など）

1. ベンジンやクレンジングオイルなどを布に少量含ませます。
2. シミの部分を軽く叩き、油分を布に移します。
3. その後、水溶性のシミと同様に、中性洗剤を使って輪ジミが残らないように処理します。
   ※素材によっては変色する可能性があるため、必ず目立たない場所で試してから行ってください。

血液のシミ

血液はタンパク質なので、お湯を使うと固まってしまい、絶対に落ちなくなります。必ず「水」を使いましょう。

1. 水で濡らして固く絞った布で、シミを叩いて汚れを移します。
2. それでも落ちない場合は、酸素系漂白剤（液体タイプ）を水で薄めたものを布につけ、同様に叩きます。
3. 最後に、水拭きと乾拭きで仕上げます。

おねしょのシミ

1. 乾いた布でおしっこをできるだけ吸い取ります。
2. クエン酸を水に溶かした「クエン酸水」（水200mlにクエン酸小さじ1杯程度）をスプレーし、アンモニア臭を中和させます。
3. 乾いた布で水分を叩きながら吸い取り、重曹の粉末をシミの部分に振りかけてしばらく放置します。重曹が水分とニオイを吸収してくれます。
4. 数時間後、掃除機で重曹を吸い取り、よく乾燥させます。

これらの方法はあくまで応急処置です。完全に汚れやニオイが取れない場合は、無理せずプロに相談しましょう。

マットレスクリーニングに関するよくある質問

最後に、マットレスクリーニングを依頼する際によくある質問とその回答をまとめました。不安や疑問を解消し、安心してサービスを利用するための参考にしてください。

作業時間はどのくらい？

作業時間は、マットレスのサイズや汚れの度合い、作業内容によって異なりますが、一般的には1枚あたり1.5時間～3時間程度が目安です。

• シングルサイズ（片面）：約1.5時間～2時間
• ダブルサイズ（片面）：約2時間～2.5時間
• シミ抜きやオプション加工を追加する場合：プラス30分～1時間程度

当日は、作業時間に加えて、準備や片付け、作業内容の説明・確認の時間も必要になるため、少し余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。

クリーニング後、すぐにマットレスは使える？

クリーニング方法（特にリンサーを使用する湿式洗浄）によりますが、作業直後はマットレスが湿った状態のため、すぐには使用できません。

乾燥にかかる時間は、季節や室内の湿度、風通しの良さによって大きく変わりますが、目安としては半日～1日（6時間～24時間）程度です。夏場の晴れた日なら比較的早く乾きますが、冬場や梅雨時期は乾燥に時間がかかる傾向があります。

作業後は、エアコンの除湿機能や扇風機、サーキュレーターなどを使って部屋の空気を循環させると、乾燥時間を短縮できます。業者によっては、乾燥を早めるためのブロワー（送風機）を貸してくれる場合もあります。作業当日の夜にそのマットレスで寝たい場合は、できるだけ午前中の早い時間帯に作業を依頼するのがおすすめです。

どんな汚れでも完全に落とせる？

プロの技術は非常に高いですが、残念ながら全ての汚れやシミを100%完全に落とせるとは限りません。特に、以下のようなケースでは、汚れが残ってしまう可能性があります。

• 非常に古いシミ: 時間が経過し、繊維が変色・変質してしまったシミ。
• インクやペンキ、マニキュアなどの特殊なシミ: 完全に除去するのが困難な薬品。
• カビによる変色: カビ菌自体は殺菌できても、カビが作り出した色素によって黒ずんでしまった部分は残ることが多いです。
• 日焼けや経年劣化による黄ばみ・変色: 汚れではなく素材自体の変化のため、クリーニングでは元に戻りません。

優良な業者は、作業前に「このシミは薄くはなりますが、完全には消えない可能性があります」といったように、正直に限界を伝えてくれます。過度な期待はせず、どこまで改善が見込めるかを事前に確認しておくことが大切です。

クリーニングできないマットレスはある？

ほとんどのマットレスはクリーニング可能ですが、一部、素材の特性上クリーニングができない、または推奨されないものがあります。

• 低反発・高反発ウレタン素材の一部: 水分を大量に含むと加水分解を起こしてボロボロになったり、乾燥に非常に長い時間がかかったりするため、湿式洗浄を断られることがあります。
• シルクや真綿など、水に弱い天然素材を使用した高級マットレス: 素材を傷めるリスクが高いため、専門的な知識を持つ業者でないと対応が難しいです。
• ノンコイルマットレス（エアウィーヴなど）の一部: カバーは洗えても、中のファイバー素材はメーカーが水洗いを推奨していない場合があります。

自分のマットレスがクリーニング可能か不安な場合は、メーカーや型番を業者に伝え、事前に相談しましょう。

作業当日に準備しておくことはある？

スムーズに作業を進めてもらうために、いくつか準備しておくと良いことがあります。

• 作業スペースの確保: マットレスの周りに、人が一人通れるくらいのスペース（最低でも50cm以上）を確保しておきましょう。周辺の家具などは、可能であれば移動しておくと親切です。
• 貴重品の移動: トラブル防止のため、作業スペース周辺にある貴重品や壊れやすいものは、別の部屋に移動させておきましょう。
• 電源と水道の使用許可: クリーニング機材の電源としてコンセントを、また洗浄や手洗いのために水道（洗面所やお風呂場）を使用します。
• 駐車スペースの確認: 車で訪問する業者がほとんどです。自宅に駐車スペースがない場合は、近くのコインパーキングの場所などを事前に伝えておくとスムーズです。

これらの準備をしておくことで、業者は作業に集中でき、より質の高いサービスを提供することに繋がります。