クリーニング当日仕上げの料金は？受付時間と対応店舗の探し方を解説

急な出張や冠婚葬祭、週末の大事なデートなど、「明日までにこの服をきれいにしたい」という場面は誰にでも訪れる可能性があります。そんな時に頼りになるのが、クリーニング店の「当日仕上げ（即日仕上げ）」サービスです。朝、汚れた衣類を店舗に持ち込めば、その日の夕方にはピカピカの状態で受け取れるという、非常に便利なサービスです。

しかし、いざ利用しようとすると、「どこのお店でやっているの？」「料金は高くなる？」「何時までに持っていけば間に合う？」といった疑問が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。

この記事では、クリーニングの当日仕上げに関するあらゆる疑問を解消するため、サービスの基本から料金相場、受付時間、対応店舗の探し方、さらには利用する際の注意点まで、網羅的に詳しく解説します。また、店舗に持ち込む時間がない方向けに、急ぎのニーズに対応できる宅配クリーニングの最短サービスについてもご紹介します。

この記事を読めば、クリーニングの当日仕上げをスムーズかつ賢く活用できるようになり、いざという時も慌てずに対処できるようになります。ぜひ最後までご覧いただき、あなたのライフスタイルにお役立てください。

1 クリーニングの当日仕上げ（即日仕上げ）とは
2 クリーニング当日仕上げの料金相場
3 クリーニング当日仕上げの受付時間と受け取り時間
4 当日仕上げに対応しているクリーニング店の探し方
5 当日仕上げができる大手クリーニングチェーン5選
6 クリーニングの当日仕上げを依頼するときの注意点
7 急ぎの時に便利な宅配クリーニングの最短仕上げサービス
8 まとめ

クリーニングの当日仕上げ（即日仕上げ）とは

クリーニングの「当日仕上げ」または「即日仕上げ」とは、その名の通り、午前中に預けた衣類をその日の夕方から夜にかけて受け取ることができるスピーディーなサービスを指します。通常のクリーニングが仕上がりまでに数日かかるのが一般的であるのに対し、このサービスは緊急で衣類をきれいにしたいというニーズに応えるために生まれました。

例えば、「明日の重要な会議で着るスーツにシミをつけてしまった」「週末の結婚式で着る予定のドレスがシワだらけ」「子どもが学校の制服を汚してしまい、明日までに必要」といった、時間的な猶予がない状況で絶大な効果を発揮します。まさに、現代の忙しい生活を送る人々にとっての救世主ともいえるサービスです。

この章では、まず当日仕上げがどのようなサービスなのか、通常のクリーニングとは何が違うのか、その仕組みやメリット・デメリットについて深く掘り下げて解説します。

通常のクリーニングとの違い

当日仕上げと通常のクリーニングは、単に仕上がりスピードが違うだけではありません。その背景には、クリーニングの工程やオペレーションにおける明確な違いが存在します。主な違いを「スピード」「工程」「料金」「対象品」の4つの観点から比較してみましょう。

項目	当日仕上げ（即日仕上げ）	通常のクリーニング
仕上がりスピード	当日中（朝預かり→夕方以降受け取り）	2日～3日後（長い場合は1週間以上）
処理工程・場所	店舗併設または近隣の専用工場で優先処理	セントラル工場（大規模な集中工場）でまとめて処理
料金	通常料金の場合が多い（一部、特急料金あり）	基本料金
対象品	限定的（ワイシャツ、スーツなど一般的な衣類）	ほぼ全ての衣類・アイテムが対象
オプション加工	基本的に不可または別料金・別納期	撥水加工、シミ抜き、防虫加工など幅広く対応

① スピードの違い
最も明白な違いは、衣類が手元に戻ってくるまでの時間です。

当日仕上げ: 原則として「当日中」です。多くの店舗では「午前11時までにお預かり→当日17時にお渡し」のように、具体的な時間を設定しています。
通常のクリーニング: 一般的には2～3日後の仕上がりとなります。特殊な素材の衣類や、シミ抜き、修理など追加の作業が必要な場合は、1週間以上かかることも珍しくありません。

このスピード感の違いが、当日仕上げの最大の価値といえます。

② 工程・オペレーションの違い
なぜ当日仕上げはこれほどスピーディーなのでしょうか。その秘密は、クリーニングの処理体制にあります。

当日仕上げの仕組み:
当日仕上げに対応している店舗の多くは、店舗にクリーニング工場が併設されているか、非常に近い場所に専用の工場を持っています。これにより、預かった衣類を遠くの工場へ運ぶ輸送時間を完全にカットできます。そして、当日仕上げの衣類は他の衣類よりも優先的に、専用のラインで洗浄・乾燥・仕上げの工程が進められます。受付から仕上げまで、一貫してスピーディーな処理が行われるよう、オペレーションが最適化されているのです。
通常のクリーニングの仕組み:
一方、多くのクリーニング店（特にチェーン店）では、「セントラル工場方式」を採用しています。これは、複数の店舗から集められた衣類を、郊外などにある一箇所の「セントラル工場（集中工場）」に集約して大規模に処理する方式です。この方式は、大型の最新設備を導入でき、スケールメリットによって一点あたりのコストを下げられるという利点があります。しかし、各店舗との間で衣類を輸送する時間（往復）が必要になるため、どうしても仕上がりまでに数日のタイムラグが発生してしまうのです。

③ 料金の違い
料金については後の章で詳しく解説しますが、基本的な考え方は以下の通りです。

当日仕上げ: 意外に思われるかもしれませんが、多くの店舗では通常料金のまま当日仕上げサービスを提供しています。これは、顧客満足度を高めるためのサービスの一環と位置づけられているためです。ただし、一部の店舗や、「特急仕上げ」といった名称でサービスを提供している場合は、通常料金の2～5割増しの追加料金が発生することがあります。
通常のクリーニング: こちらは各店舗が定める基本料金が適用されます。

④ 対象品・サービスの範囲の違い
当日仕上げはスピードを最優先するため、対応できる衣類やサービスに制限があるのが一般的です。

当日仕上げの対象品: 主に、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、スカート、スーツ、ネクタイといった、比較的処理が標準化されているビジネスウェアや普段着が中心です。
当日仕上げの対象外となりやすいもの:
- 革・毛皮、和服、ドレスなどの特殊素材
- ダウンジャケットやコートなどの厚手のもの（乾燥に時間がかかるため）
- 複雑な装飾がある衣類
- ひどいシミや汚れがあるもの（特殊なシミ抜き作業が必要なため）
- 撥水加工や折り目加工などのオプションを付ける場合

これらは、特別な技術や追加の工程、長い乾燥時間が必要となるため、当日仕上げの対象外とされることがほとんどです。一方、通常のクリーニングであれば、これらの特殊品やオプション加工にも幅広く対応できます。

このように、当日仕上げは「スピード」という大きなメリットがある反面、「時間や対象品の制約」というデメリットも存在します。自分の状況や衣類の種類に応じて、通常のクリーニングと当日仕上げを賢く使い分けることが重要です。

クリーニング当日仕上げの料金相場

「急ぎでお願いしたいけど、料金はやっぱり高くなるのでは？」と心配になる方は多いでしょう。緊急性が高いサービスであるため、割増料金をイメージするのも無理はありません。しかし、実際には多くのケースで通常料金と変わらずに利用できます。

この章では、クリーニング当日仕上げの料金体系について、「基本的には通常料金と同じ」である理由と、「追加料金がかかる場合」の具体的なケースを詳しく解説していきます。料金で損をしないためにも、ぜひ参考にしてください。

基本的には通常料金と同じ

驚くかもしれませんが、多くのクリーニング店では、当日仕上げを特別な有料オプションではなく、標準サービスの一環として提供しており、追加料金は発生しません。つまり、通常のクリーニングと同じ料金で、その日のうちに仕上げてくれるのです。

なぜ追加料金なしで、このようなスピーディーな対応が可能なのでしょうか。その背景には、クリーニング店側の経営戦略やオペレーションの工夫があります。

顧客満足度の向上とリピーター獲得:
「急いでいる時に助かった」という経験は、顧客にとって非常に強い満足感と信頼感を生み出します。当日仕上げを無料サービスとして提供することで、「困ったときにはあのお店」という印象を与え、リピーターになってもらうことを狙いとしています。これは、価格競争が激しいクリーニング業界において、他店と差別化を図るための重要な戦略の一つです。
効率的なオペレーションによるコスト吸収:
前述の通り、当日仕上げに対応する店舗は、工場併設型や近隣工場との連携により、輸送コストを削減しています。また、当日仕上げの受付時間を午前中に限定することで、午後の作業スケジュールを効率的に組むことができます。こうしたオペレーションの工夫によって、スピードアップにかかる追加コストを吸収し、通常料金でのサービス提供を実現しているのです。
来店頻度の向上:
当日仕上げを利用する顧客は、衣類を「預ける時」と「受け取る時」の2回、その日のうちに来店することになります。これにより、店舗への来店頻度が高まり、ついでに他の衣類も出すといった「ついで買い」を促進する効果も期待できます。

以下は、一般的なクリーニング店における料金の一例です。当日仕上げでも料金が変わらないことがほとんどであることがわかります。

【架空のクリーニング料金表（一例）】

品目	通常料金（税込）	当日仕上げ料金（税込）	備考
ワイシャツ（ハンガー仕上げ）	250円	250円	料金は同じ
スーツ（上下）	1,800円	1,800円	料金は同じ
ジャケット	1,100円	1,100円	料金は同じ
スラックス・パンツ	700円	700円	料金は同じ
ブラウス（シンプル）	650円	650円	料金は同じ
セーター	750円	750円	料金は同じ

このように、基本的には「当日仕上げ＝割増料金」という心配は不要と考えてよいでしょう。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、全ての店舗に当てはまるわけではない点に注意が必要です。

追加料金や特急料金がかかる場合もある

基本は通常料金とはいえ、一部の店舗や特定の条件下では、当日仕上げに追加料金が設定されているケースもあります。知らずに依頼して、会計時に「話が違う」とならないよう、追加料金が発生する代表的なパターンを把握しておきましょう。

パターン1：特急料金・スピード料金が設定されている
店舗によっては、「当日仕上げ」を明確に「特急サービス」と位置づけ、通常料金の20%～50%増しの特急料金を設定している場合があります。特に、高品質や丁寧な仕上げを売りにしている高級クリーニング店や、都心部の一部の店舗で見られることがあります。

例: 通常料金1,000円のジャケットに50%の特急料金がかかる場合、1,000円 × 1.5 = 1,500円となります。

こうした店舗では、料金表に「特急料金」「お急ぎ料金」「スピード仕上げ」といった項目が明記されているはずです。依頼する前に必ず店頭の料金表を確認するか、店員に「当日仕上げにすると、追加料金はかかりますか？」と直接質問するのが最も確実です。

パターン2：会員制度による料金差
クリーニングチェーン店でよく見られるのが、会員制度を利用した料金体系です。

会員: 年会費（300円～500円程度）を払っている会員は、当日仕上げが無料、かつクリーニング料金自体も割引価格が適用される。
非会員（ビジター）: 当日仕上げが利用できない、または追加料金が必要になる。クリーニング料金も通常価格となる。

もし、そのクリーニング店を今後も継続的に利用する可能性があるなら、年会費を払って会員になった方が、結果的にお得になるケースが多いです。当日仕上げを利用したい場合は、会員になることも検討してみましょう。

パターン3：衣類の種類や状態で追加料金が発生
これは当日仕上げに限りませんが、シミ抜きや素材による追加料金は考慮しておく必要があります。

特殊なシミ抜き: インクやワイン、血液など、落とすのが困難なシミは、通常のクリーニング工程とは別に特殊な作業が必要になるため、数百円から数千円の「シミ抜き料」が別途かかることがあります。この場合、シミ抜きの作業時間によっては当日仕上げ自体が不可能になることもあります。
デリケート素材: シルクやカシミヤ、アンゴラなどのデリケートな素材は、特別な溶剤や洗浄方法で丁寧に扱う必要があるため、「デリケート料金」「素材別料金」として割増料金が設定されていることがあります。

これらの追加料金は、当日仕上げの特急料金とは別のものです。見積もりの際には、衣類の状態を店員に見てもらい、総額でいくらになるのかをしっかり確認しましょう。

【よくある質問】

Q. なぜお店によって料金体系が違うのですか？
- A. クリーニング店の経営方針、立地、ターゲット顧客層、そして提供するサービスの品質基準が異なるためです。低価格とスピードを重視するチェーン店では当日仕上げを無料の標準サービスにすることが多く、一方で、一点一点の品質を最優先する高級店では、スピード対応を特別な有料サービスと位置づける傾向があります。
Q. 料金の確認はどのタイミングですればいいですか？
- A. 衣類を預ける際に、必ず確認してください。「このジャケットを今日中に仕上げてほしいのですが、料金はいくらになりますか？」と、総額を確認するのが最も安全です。後々のトラブルを避けるためにも、事前の確認は徹底しましょう。

結論として、当日仕上げの料金は「店による」というのが実情です。しかし、多くの場合は通常料金で利用できるため、まずは気軽に近所の店舗に問い合わせてみることをお勧めします。

クリーニング当日仕上げの受付時間と受け取り時間

当日仕上げサービスを確実に利用するためには、料金と並んで「時間」のルールを正確に理解しておくことが不可欠です。「せっかくお店に持って行ったのに、受付時間が過ぎていて断られてしまった」という事態を避けるためにも、受付の締切時間と仕上がり品の受け取り時間について、しっかりと把握しておきましょう。

受付締切時間は午前中が目安

当日仕上げを成功させるための最大の鍵は、受付の締切時間を厳守することです。いくら対応店舗であっても、いつでも受け付けてくれるわけではありません。

一般的に、当日仕上げの受付締切時間は「午前10時から11時頃」に設定されている場合がほとんどです。一部、駅前の店舗などで午前9時が締切という早いケースや、比較的規模の大きい工場併設型店舗で正午（12時）まで受け付けてくれる場合もありますが、基本的には「午前中の早い時間帯に持ち込む」と覚えておくのが確実です。

なぜ受付時間がこれほど早く設定されているのでしょうか。それは、預かった衣類をその日の夕方までに仕上げるために必要な、一連の作業時間を逆算して設定されているからです。クリーニングの工程には、私たちが想像する以上に多くのステップと時間が必要です。

【当日仕上げの主な工程と所要時間の目安】

受付・検品・タグ付け (約30分～): 預かった衣類の状態（汚れ、シミ、ほつれ、ボタンの有無など）を一点ずつチェックし、素材や色に応じて洗い方を分類します。そして、他の人の衣類と混ざらないように、管理用のタグを取り付けます。この初期作業が品質を左右する重要なステップです。
洗浄 (約30分～1時間): 分類された衣類を、ドライクリーニング用や水洗い用の大型洗濯機で洗浄します。衣類の量や汚れの程度によって洗浄時間は変わります。
乾燥 (約30分～2時間): 洗い終わった衣類を乾燥させます。特に、少しでも厚みのある衣類や乾きにくい素材は、ここで時間を要します。生乾きは臭いやカビの原因となるため、完全に乾燥させることが絶対条件です。ダウンジャケットなどが当日仕上げに不向きなのは、この乾燥工程に非常に長い時間がかかるためです。
仕上げ・プレス (約1時間～): 乾燥が終わった衣類に、専門の職人がアイロンやプレス機を使ってシワを伸ばし、形を整えます。特にスーツの立体的なシルエットや、ブラウスの繊細なフリルなどは、高い技術と時間を要する手作業で行われます。これがクリーニングの仕上がりを決定づける最も重要な工程の一つです。
最終検品・包装 (約30分～): 仕上がった衣類にシミの残りやプレス漏れがないかなどを最終チェックし、ビニールのカバーをかけてハンガーに吊るし、お客様ごとにお渡しできる状態にまとめます。

これらの工程をすべて夕方の受け取り時間までに完了させるには、逆算するとどうしても午前中の早い時間に受付を締め切る必要があるのです。

【店舗タイプ別・受付締切時間の目安】

店舗タイプ	受付締切時間の目安	理由
工場併設型の店舗	午前11時～正午	輸送時間がなく、処理能力も高いため、比較的遅くまで対応可能な場合が多い。
駅前・繁華街の小型店	午前9時～10時	店舗スペースが狭く、処理能力に限りがあるため、早めに締め切る傾向がある。
郊外のロードサイド店	午前10時～11時	標準的な締切時間。駐車場の有無など、持ち込みやすさも考慮されている。

重要なのは、これらの時間はあくまで目安であるということです。店舗のその日の混雑状況や、大型連休前などの繁忙期には、締切時間が早まることもあります。利用したい店舗の正確な締切時間は、事前に電話で確認するか、店舗の公式サイトで調べるのが最も確実な方法です。

受け取り時間は夕方以降が一般的

無事に午前中に衣類を預けることができたら、次は受け取りです。仕上がり品の受け取り時間は、一般的に「当日の夕方17時以降」に設定されていることがほとんどです。

この時間設定には、以下のような理由があります。

作業時間の確保: 前述の通り、洗浄から仕上げまでの全工程を完了させるためには、最低でも5～6時間程度の作業時間が必要です。午前11時に預かった場合、単純計算でも仕上がりは17時頃になります。
顧客の利便性への配慮: 多くの人は日中、仕事や学校に行っています。そのため、仕事や学校が終わった後に立ち寄れるよう、夕方から夜にかけての時間帯を受け取り時間に設定しているのです。多くの店舗では、閉店時間（19時～20時頃）まで受け取りが可能です。

【一般的な時間設定の例】

「午前11時までにお預かり → 当日17時にお渡し」
「午前10時までにお預かり → 当日18時にお渡し」

受け取りに行く際の注意点

預かり票（伝票）を忘れずに持参する: 衣類を預けた際に受け取る「預かり票」は、受け取り時の引換券です。スムーズな受け渡しのために、必ず持参しましょう。万が一紛失した場合は、身分証明書の提示を求められることがあります。
仕上がりをその場で確認する: 可能な限り、受け取ったその場でビニールカバーを少し外し、仕上がり状態を確認することをおすすめします。特に気になっていたシミが落ちているか、プレスはきれいか、ボタンなどの付属品が取れていないかなどをチェックしましょう。もし何か問題があれば、その場で店員に伝えるのが最もスムーズです。
当日中に受け取れなかった場合: 急な残業などで、当日の営業時間内に受け取りに行けなかった場合でも、衣類がなくなるわけではありません。翌日以降、店舗の営業時間内であればいつでも受け取れます。追加料金がかかることは通常ありませんが、店舗の保管スペースには限りがあるため、できるだけ早めに受け取りに行くのがマナーです。

【よくある質問】

Q. 受付締切時間に1分でも遅れたらダメですか？
- A. 原則として、締切時間は厳守です。1分遅れたことで、その日の仕上げ工程の便に乗せられなくなる可能性があります。ただし、店舗の混雑状況や店員さんの裁量によっては、数分程度なら融通を利かせてくれる可能性もゼロではありません。しかし、それを期待するのは禁物です。必ず時間に余裕を持って持ち込みましょう。
Q. 受け取り時間を早めてもらうことはできますか？
- A. 基本的に困難です。クリーニング工程は多くの衣類を順番に処理していくため、特定の一つだけを急いで仕上げるのはオペレーション上、非常に難しいからです。指定された受け取り時間より早く仕上がることは稀だと考えましょう。

結論として、「当日仕上げ」を確実に利用するためには、利用したい店舗の「受付締切時間」と「受け取り可能時間」を事前に正確に把握し、その時間に合わせて行動することが何よりも重要です。

当日仕上げに対応しているクリーニング店の探し方

店舗の看板やのぼりで確認する、ネットで「地域名＋当日仕上げ」と検索、大手チェーン店の公式サイトで店舗検索、店舗に直接電話で問い合わせる

「いざ、当日仕上げを利用したい！」と思っても、どの店が対応しているのか分からなければ始まりません。特に、引っ越したばかりの土地や、出張先など不慣れな場所では見つけるのが大変です。ここでは、当日仕上げに対応しているクリーニング店を効率的かつ確実に見つけ出すための、具体的な方法を4つご紹介します。

店舗の看板やのぼりで確認する

最も手軽で原始的な方法ですが、意外と効果的なのが、日常生活の中で意識的にクリーニング店の店構えをチェックすることです。通勤・通学路や、近所の商店街などを歩く際に少し注意して見てみましょう。

当日仕上げサービスを実施している店舗は、それを強力なアピールポイントとしているため、店頭に「当日仕上げ」「即日仕上げ」「スピード仕上げ」といった文言を大きく掲げていることがほとんどです。

チェックポイント:
- のぼり: 赤や黄色など、目立つ色ののぼりに「即日仕上げ承ります！」といった文字が書かれていることが多いです。風になびいて目に入りやすいので、非常に有効な目印となります。
- 看板やウィンドウサイン: 店舗の入り口のガラス扉や壁、看板などに、「AM11:00までのお預かりでPM5:00お渡し」のように、具体的な時間が書かれたポスターやステッカーが貼られている場合があります。
- 電光掲示板: 駅前の店舗などでは、電光掲示板で「本日も即日仕上げ受付中！」といったメッセージを流していることもあります。

この方法のメリットは、特別な手間をかけずに、自分の生活圏内で利用しやすい店舗を見つけられる点です。普段から「あの角のクリーニング店は、のぼりが出ていたな」と記憶しておくだけで、いざという時にすぐに行動できます。デメリットとしては、自分の行動範囲外の店舗は見つけられないことや、たまたまその日にのぼりが出ていないと見逃してしまう可能性があることです。

インターネットで「地域名＋クリーニング当日仕上げ」と検索する

現代において最も効率的で確実な方法が、GoogleやYahoo!といった検索エンジンを活用することです。スマートフォンやパソコンから、いくつかのキーワードを組み合わせて検索するだけで、膨大な情報の中から候補となる店舗を素早く見つけ出すことができます。

効果的な検索キーワードの例:
- 「（市区町村名）クリーニング当日仕上げ」（例: 「渋谷区クリーニング当日仕上げ」）
- 「（最寄り駅名）クリーニング即日」（例: 「新宿駅クリーニング即日」）
- 「近くのクリーニング当日仕上げ」（スマートフォンの位置情報サービスをONにして検索）

この方法で検索すると、以下のような情報が検索結果に表示されます。

大手クリーニングチェーンの公式サイト: 各チェーンの店舗検索ページがヒットし、サービス内容から当日仕上げ対応の店舗を絞り込める場合があります。
地域密着型のクリーニング店のウェブサイト: 独自のウェブサイトを持っている店舗であれば、サービス内容として当日仕上げについて詳しく説明しているページが見つかります。
Googleマップ: 検索キーワードに連動して、地図上にクリーニング店の場所が表示されます。各店舗のピンをタップすると、住所、電話番号、営業時間、そしてユーザーによる口コミや評価を確認できます。口コミの中に「当日仕上げで助かりました」といった書き込みがあれば、有力な情報となります。
地域の情報サイトやブログ: 地域のポータルサイトや個人のブログで、「〇〇駅周辺の即日対応クリーニング店まとめ」といった記事が見つかることもあります。

インターネット検索の注意点:
インターネット上の情報は、必ずしも最新であるとは限りません。特に、個人ブログやまとめサイトの情報は、更新が止まっている可能性があります。サービス内容が変更されたり、店舗が閉店していたりすることも考えられます。そのため、ネットで見つけた情報を鵜呑みにせず、次のステップである「公式サイトでの確認」や「電話での問い合わせ」を必ず行うようにしましょう。

大手チェーン店の公式サイトで店舗検索する

ホワイト急便やポニークリーニングといった全国展開・広域展開している大手チェーン店を利用する場合は、各社の公式サイトに搭載されている「店舗検索機能」を活用するのが最も確実で便利です。

多くの公式サイトでは、単に店舗の場所を探せるだけでなく、提供しているサービス内容で店舗を絞り込むことができます。

具体的な検索手順:
1. 利用したい大手クリーニングチェーンの公式サイトにアクセスします。
2. メニューから「店舗検索」や「お店を探す」といったページに進みます。
3. 検索方法を選択します（例: 「住所から探す」「駅名から探す」など）。
4. お住まいの地域や最寄り駅を入力します。
5. 「こだわり条件」「サービス内容で絞り込む」といった項目があれば、それをクリックします。
6. 絞り込み条件の中に「当日仕上げ」「即日仕上げ」「お急ぎ対応」といったチェックボックスがあれば、それにチェックを入れて検索を実行します。

この手順を踏むことで、あなたの希望するエリア内で、当日仕上げに公式に対応している店舗だけをリストアップできます。各店舗の詳細ページでは、住所、地図、電話番号、営業時間、そして当日仕上げの具体的な受付時間や料金体系が明記されていることも多いです。

店舗に直接電話で問い合わせる

上記の方法で候補の店舗を見つけた後、あるいは近所に気になるクリーニング店がある場合に、最終確認として最も確実な方法が、店舗に直接電話をして問い合わせることです。

電話で問い合わせることで、インターネットには載っていないリアルタイムな情報を得ることができます。

電話で確認すべき5つの重要項目:
1. 当日仕上げの可否: 「本日、クリーニングの当日仕上げをお願いすることは可能でしょうか？」
2. 対象品の確認: 「〇〇（例: スーツ、ワンピースなど）は当日仕上げの対象になりますか？」
3. 受付締切時間: 「今日お願いする場合、何時までに持ち込めば間に合いますか？」
4. 受け取り時間: 「仕上がりは何時頃になりますか？」
5. 料金: 「追加料金や特急料金はかかりますか？」

また、電話のメリットは、その日の混雑状況を確認できることにもあります。「今日は混み合っていますか？」と一言尋ねることで、「今日は依頼が集中しているので、早めにお持ちいただいた方が確実です」といった、有益なアドバイスをもらえる可能性もあります。

特に、衣替えのシーズンや連休前などの繁忙期には、当日仕上げの受付を一時的に停止している場合も考えられます。店舗へ向かう前に一本電話を入れておけば、無駄足になるのを防ぐことができます。

これらの4つの方法を状況に応じて組み合わせることで、あなたに最適な当日仕上げ対応のクリーニング店がきっと見つかるはずです。

当日仕上げができる大手クリーニングチェーン5選

当日仕上げに対応しているクリーニング店は、地域密着型の個人店から全国展開する大手チェーンまで様々です。ここでは、特に店舗数が多く、利用しやすい代表的な大手クリーニングチェーン5社をピックアップし、それぞれの当日仕上げサービスの対応状況や特徴について解説します。

【注意】
以下に示すサービス内容（料金、受付・受け取り時間など）は、一般的な傾向や公式サイトで公表されている情報を基にしたものです。実際のサービス内容は、店舗の立地（駅前、郊外など）や運営形態（直営、フランチャイズなど）、地域によって異なる場合があります。ご利用の際は、必ず最寄りの店舗に直接ご確認いただくか、各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。

① ホワイト急便

「ホワイト急便」は、日本全国に店舗網を持つ業界最大手の一つです。その知名度と店舗数の多さから、多くの方が一度は看板を目にしたことがあるのではないでしょうか。「愛情仕上げ」をモットーに、リーズナブルな価格設定で普段使いしやすいのが特徴です。

当日仕上げへの対応:
多くの店舗で当日仕上げ（即日仕上げ）に対応しています。特に、クリーニング工場が併設されている店舗では、輸送時間がかからないため、スピーディーな対応が可能です。店頭に「即日仕上げ」ののぼりやポスターが出ている店舗は、対応している可能性が非常に高いです。
料金・時間:
料金は基本的に通常料金で、追加料金はかからない場合がほとんどです。受付時間は店舗によって異なりますが、午前10時～11時頃までに持ち込めば、当日の夕方17時～18時頃に受け取れるのが一般的なパターンです。
探し方:
公式サイトの店舗検索では、残念ながら「当日仕上げ」の条件で絞り込む機能は備わっていません（2024年5月時点）。そのため、お近くの店舗を検索した上で、店舗詳細ページに記載されている電話番号に直接問い合わせて確認するのが最も確実です。

（参照：ホワイト急便公式サイト）

② ポニークリーニング

首都圏を中心に店舗を展開する「ポニークリーニング」は、特にワイシャツの仕上がりの白さに定評があり、ビジネスパーソンからの支持が厚いチェーンです。特許取得の「ひのきの香り健康ワイシャツ」など、独自のサービスも魅力です。

当日仕上げへの対応:
多くの店舗で当日仕上げに対応しており、サービスとしても積極的にアピールしています。公式サイトの店舗検索では、「サービス内容」の項目で「お急ぎ（当日）仕上げ」にチェックを入れて対応店舗を絞り込むことが可能で、非常に探しやすいのが強みです。
料金・時間:
料金は通常料金で対応している店舗が多いです。「朝10時までのお預かりで、夕方6時お渡し」といったように、時間を明確に提示している店舗が多く、利用者にとって分かりやすいのが特徴です。一部、有料の「特急仕上げ」サービスを提供している場合もあります。
特徴:
会員制度（ポニークラブ）が充実しており、会員になるとクリーニング料金が割引になるほか、様々な特典を受けられます。当日仕上げを頻繁に利用する可能性があるなら、入会を検討する価値があるでしょう。

（参照：ポニークリーニング公式サイト）

③ 白洋舎

創業100年以上の歴史を誇る「白洋舎」は、クリーニング業界のパイオニアであり、高品質なサービスで知られる老舗です。デリケートな素材や高級ブランドの衣類も安心して任せられる、信頼性の高さが最大の魅力です。

当日仕上げへの対応:
白洋舎は、スピードよりも一点一点の衣類に最適なケアを施す「品質」を最優先する方針のため、当日仕上げに標準で対応している店舗は限定的です。サービスとしては「特急サービス」という名称で提供されており、対応可能な店舗も限られています。
料金・時間:
特急サービスを利用する場合、クリーニング料金の5割増し（50%増）の特急料金が別途必要となります。対応可能な店舗や受付時間、対象となる品目は店舗ごとに異なるため、利用を希望する場合は、必ず事前に最寄りの店舗へ電話で確認することが必須です。
特徴:
料金は高めですが、その分、他店では難しいとされる衣類のケアや、細部まで行き届いた美しい仕上がりを期待できます。「絶対に失敗したくない、大切な一着」を急いでクリーニングしたい場合には、検討の価値があるでしょう。

（参照：白洋舎公式サイト）

④ うさちゃんクリーニング

宮城県を拠点に、東北・関東地方を中心に店舗を展開する「うさちゃんクリーニング」。親しみやすいキャラクターと、充実した会員サービスが特徴です。

当日仕上げへの対応:
「当日仕上げサービス」を多くの店舗で実施しています。公式サイトでもサービスの一つとして紹介されており、積極的に取り組んでいることがうかがえます。
料金・時間:
料金は通常料金で利用できることが多いようです。時間は「午前11時までのお預かりで、夕方5時にお渡し」を基本パターンとしています。ただし、これも店舗の状況によって異なる場合があるため、事前の確認が推奨されます。
特徴:
「うさちゃんメンバー」という会員制度があり、会員になると料金割引やポイント還元、誕生日割引など、様々な特典が受けられます。当日仕上げサービスも、会員向けの特典として位置づけられている場合があります。

（参照：うさちゃんクリーニング公式サイト）

⑤ クリーニングのきょくとう

関西エリアを地盤とする大手クリーニングチェーンが「クリーニングのきょくとう」です。特に、他店で断られたシミでも落とすという「復元加工」など、高度なシミ抜き技術に定評があります。

当日仕上げへの対応:
多くの店舗で「即日仕上げ」に対応しています。公式サイトや店頭でも「即日仕上げ AM11:00まで→PM6:00お渡し」と時間を明記してアピールしており、利用者にとって非常に分かりやすくなっています。
料金・時間:
料金は通常料金で対応。受付締切は午前11時、受け取りは夕方6時が基本パターンです。店舗に工場が併設されていることが多く、スピーディーな対応が可能な体制が整っています。
特徴:
高い技術力を持ちながら、当日仕上げという利便性の高いサービスを両立させているのが強みです。急ぎで、かつシミなどの汚れが気になる衣類がある場合に、特に頼りになる存在でしょう。

（参照：クリーニングのきょくとう公式サイト）

ここで紹介した5社以外にも、地域に根ざした優れたクリーニングチェーンは数多く存在します。最終的には、ご自身の生活圏にある店舗のサービス内容を、公式サイトや電話で直接確認し、比較検討することが最も重要です。

クリーニングの当日仕上げを依頼するときの注意点

革・毛皮・和服などの特殊素材、ダウンジャケット・コートなどの厚手の衣類、ビーズなど装飾が多い衣類、ひどい汚れや広範囲のシミがある場合、撥水加工などのオプションを付ける場合、店舗が混雑している繁忙期や定休日前後

「朝出せば、どんな服でも夕方にはきれいになる」と思っていると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。当日仕上げは非常に便利なサービスですが、万能ではありません。スピードを優先するがゆえに、対応できない衣類や状況が存在します。

ここでは、依頼してから「できなかった」と後悔しないために、事前に知っておくべき重要な注意点を「当日仕上げができない衣類」と「当日仕上げができないケース」の2つの側面から詳しく解説します。

当日仕上げができない衣類もある

当日仕上げサービスは、基本的にワイシャツやスーツ、ブラウスといった、クリーニング工程がある程度標準化されていて、比較的短時間で処理できる衣類を対象としています。そのため、特殊なケアや長い時間を要する特定の素材・デザインの衣類は、対象外となることがほとんどです。

革・毛皮・和服などの特殊素材

これらの素材は、一般的なクリーニング方法である「ドライクリーニング」や「ランドリー（水洗い）」では処理できません。専門的な知識と技術、そして特殊な設備が必要となるため、当日中の仕上げは不可能です。

理由:
- 革・毛皮製品（レザージャケット、ファーコートなど）: 水や溶剤に非常に弱く、専門の工場で色落ちや硬化を防ぎながら、手作業で丁寧に汚れを落とす必要があります。工程が複雑で、通常でも2週間～1ヶ月程度の納期がかかります。
- 和服（着物、浴衣、帯など）: 生地が非常にデリケートで、縫製も特殊です。多くの場合、一度ほどいてから洗浄する「洗い張り」や、専用の溶剤で洗うなど、特別な手入れが求められます。これも専門業者に委託されるため、納期は数週間以上かかります。
- ポリウレタンコーティングされた衣類: 時間の経過と共に劣化する素材であり、クリーニングによって剥離やベタつきが生じるリスクがあります。慎重な扱いが必要なため、急ぎの対応は断られることが多いです。

これらの特殊素材の衣類を無理に急いで処理しようとすると、取り返しのつかないダメージ（縮み、変色、硬化など）を与えてしまうため、クリーニング店側も安全を最優先し、当日仕上げは受け付けません。

ダウンジャケット・コートなどの厚手の衣類

冬に活躍するダウンジャケットや厚手の中綿コート、ウールのロングコートなども、当日仕上げの対象外となる代表的なアイテムです。

理由:
最大の理由は「乾燥に非常に長い時間がかかる」からです。これらの衣類は、見た目以上に水分を多く含みます。特にダウンやフェザー（羽毛）は、内部まで完全に乾燥させないと、生乾きの嫌な臭いが発生したり、湿気でカビが繁殖したり、羽毛がダマになって偏ってしまい、保温性が著しく低下する原因となります。
専用の大型乾燥機で、時間をかけて中までしっかりと乾かす必要があるため、数時間で仕上げる当日仕上げのタイムスケジュールには乗りません。通常でも3日～1週間程度の納期が設定されているのが一般的です。布団や毛布、こたつ布団などの寝具類も同様の理由で対象外となります。

ビーズやスパンコールなどの装飾が多い衣類

パーティードレスやデザイン性の高いブラウス、セーターなどに見られる、ビーズ、スパンコール、ラインストーン、刺繍といった繊細な装飾が施された衣類も、当日仕上げは困難です。

理由:
- 洗浄時の破損リスク: 洗濯機の機械力によって、装飾が取れたり、欠けたり、他の衣類に引っかかって傷つけたりするリスクが非常に高いです。
- 特別な洗浄方法が必要: こうした衣類は、装飾部分を保護するネットに入れたり、裏返して洗ったり、あるいは一点ずつ手洗いするなど、非常に慎重な扱いが求められ、時間がかかります。
- 仕上げ（プレス）の困難さ: 装飾が邪魔になり、アイロンやプレス機を均一にかけることができません。装飾を避けながら手作業で丁寧に仕上げる必要があり、これもまた時間を要します。

これらの理由から、デザインが複雑でデリケートな扱いの必要な衣類は、品質を保証できないため当日仕上げを断られるのが普通です。

当日仕上げができないケース

衣類の種類だけでなく、その時の「状態」や「状況」によっても、当日仕上げサービスを受けられない場合があります。

ひどい汚れや広範囲のシミがある場合

通常のクリーニング工程で落ちないような、頑固な汚れや特殊なシミが付着している場合、当日仕上げは難しくなります。

理由:
ワイン、インク、血液、油性ペン、ペンキといったシミは、通常の洗浄の前に「シミ抜き」という特別な前処理が必要になります。シミの種類を正確に見極め、最適な薬品や機材を使って、生地を傷めないように慎重に汚れを分解・除去していく作業には、相応の時間と専門技術が必要です。場合によっては、一度で落としきれずに複数回の処理を試みることもあります。
このシミ抜き作業の時間が読めないため、当日中の仕上げを約束することができないのです。シミがある場合は、正直に店員に申し出て、当日仕上げが可能かどうか、またシミが落ちる可能性があるかなどを相談しましょう。

撥水加工や防虫加工などのオプションを付ける場合

クリーニングと同時に、撥水加工や防カビ加工、折り目加工（シロセット加工）といったオプションサービスを希望する場合も、当日仕上げはできません。

理由:
これらの加工は、洗浄・乾燥が終わった後の衣類に対して、さらに追加の工程として行われます。例えば、撥水加工であれば、加工剤を衣類に均一にスプレーまたは浸透させ、その効果を定着させるために再度熱処理や乾燥を行う必要があります。この追加工程に数時間以上かかるため、当日仕上げの納期には間に合いません。
オプション加工を希望する場合は、通常納期（2～3日後）に加えて、さらに1～2日余分に時間がかかると考えておきましょう。

店舗が混雑している繁忙期や定休日前後

衣類やオプションに問題がなくても、店舗側の事情で断られるケースもあります。

理由:
クリーニング店には、物理的な処理能力の限界があります。衣替えのシーズンである春（4～5月）や秋（10～11月）、ゴールデンウィークや年末年始などの大型連休前、そして店舗の定休日の翌日などは、依頼が殺到して工場がフル稼働状態になります。
このような繁忙期には、当日仕上げの受付件数を制限したり、サービス自体を一時的に停止したりすることがあります。これは、無理に受注して品質を落としたり、納期遅延などのトラブルを起こしたりするのを防ぐためです。

急いでいる時こそ、まずは一呼吸おいて、依頼したい衣類の状態をよく確認しましょう。そして、迷ったら自己判断せず、店舗に持ち込んでプロの店員に相談することが、確実で安心な方法です。

急ぎの時に便利な宅配クリーニングの最短仕上げサービス

自宅で全て完結する圧倒的な利便性、専門工場による高品質な仕上がり、クローゼットがスッキリする長期保管サービス、コートもお得な分かりやすいパック料金

「急いでいるけれど、平日は忙しくてクリーニング店に持ち込む時間がない」「近所に当日仕上げに対応している店舗が見つからない」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。店舗型のクリーニング店が利用しにくい状況で、もう一つの有力な選択肢となるのが「宅配クリーニング」です。

宅配クリーニングは、物理的な輸送時間があるため店舗のような「当日仕上げ」は不可能ですが、サービスによっては最短2～3日で仕上げてくれるスピーディーなプランを用意しています。ここでは、宅配クリーニングのメリットと、急ぎのニーズに応えてくれる代表的なサービスをご紹介します。

宅配クリーニングのメリット

宅配クリーニングは、店舗型にはない独自のメリットで多くの利用者を獲得しています。

圧倒的な利便性:
最大のメリットは、クリーニングの全ての工程が自宅で完結することです。24時間いつでも好きな時にスマートフォンやパソコンから注文し、あとは指定した日時に宅配業者が衣類の集荷に来てくれるのを待つだけ。仕上がった衣類ももちろん自宅に届けてくれます。重いコートやかさばる布団などを運ぶ手間や、店舗の営業時間を気にする必要が一切ありません。
高品質な仕上がり:
多くの宅配クリーニングサービスは、最新鋭の設備を備えた大規模な集中工場でクリーニングを行っています。アパレルメーカーが検品に使うような高性能な機械や、豊富な知識を持つ専門スタッフが在籍していることが多く、一点一点の衣類に最適な方法で、高品質なケアが期待できます。無料のシミ抜きや毛玉取り、ボタンの付け直しといったサービスが標準で付帯していることも少なくありません。
便利な保管サービス:
多くの利用者に支持されているのが、長期保管サービスです。冬物のコートやダウンジャケットなど、シーズンオフの衣類をクリーニング後、次のシーズンまで温度・湿度が管理された専用の倉庫で預かってくれるサービスです。これにより、自宅のクローゼットのスペースを有効活用できます。
分かりやすい料金体系:
「5点で〇〇円」「10点で〇〇円」といった、枚数単位の「パック料金」を採用しているサービスが多いのも特徴です。コートやダウンジャケットなどの単価が高い衣類も、ワイシャツなどと同じ「1点」としてカウントされることが多く、組み合わせ次第では店舗型よりお得になるケースもあります。

一方で、デメリットとしては、前述の通り「当日仕上げ」はできないこと、そして1～2点だけを単品で頼むと送料などで割高になりがちな点が挙げられます。「数日間の猶予はあるが、とにかく手間をかけたくない」という場合に最適なサービスといえるでしょう。

まとめ

今回は、クリーニングの「当日仕上げ（即日仕上げ）」について、その基本から料金、受付時間、店舗の探し方、注意点、そして代替案となる宅配クリーニングまで、幅広く掘り下げて解説しました。

最後に、この記事の重要なポイントを改めて整理します。

当日仕上げとは
- 朝（主に午前中）に預けた衣類を、その日の夕方以降に受け取れるスピーディーなサービスです。
- 通常のクリーニング（セントラル工場方式）とは異なり、店舗併設または近隣の工場で優先的に処理されることで実現しています。
料金と時間について
- 料金は追加料金なしの「通常料金」であることが多いですが、一部「特急料金」がかかる店舗や、会員限定のサービスの場合もあります。必ず事前に確認しましょう。
- 受付の締切時間は「午前10時～11時頃」が一般的です。この時間を逃すと当日仕上げはできません。
- 受け取り時間は「夕方17時以降」が目安です。仕事帰りなどに受け取れるよう設定されています。
利用する際のポイント
1. 店舗を探す: 「看板やのぼり」「ネット検索」「公式サイトの店舗検索」を活用し、最後は「電話」で最終確認するのが最も確実です。
2. 衣類を選ぶ: 革・毛皮・和服などの特殊素材、ダウンなどの厚手の衣類、複雑な装飾のある衣類は対象外となることがほとんどです。
3. 状態を確認する: ひどいシミがある場合や、撥水加工などのオプションを付ける場合は、当日仕上げはできません。
4. 時期を考慮する: 衣替えなどの繁忙期は、サービスを停止・制限している場合があるため注意が必要です。
代替案としての宅配クリーニング
- 店舗に行く時間がない場合や、近所に対応店がない場合は、宅配クリーニングが便利です。
- 「当日」は不可能ですが、「リネット」のように最短2日で届くサービスもあり、数日間の猶予がある急ぎのニーズには十分対応できます。

「クリーニングの当日仕上げ」は、急な予定やアクシデントに見舞われた際の、まさに“駆け込み寺”のような存在です。その仕組みとルールを正しく理解し、注意点をしっかり押さえておくことで、いざという時に慌てず、スマートに活用できます。

最も重要なのは、思い込みで判断せず、利用したい店舗に直接確認することです。この記事で得た知識を基に、あなたにとって最適なクリーニング方法を見つけ、大切な衣類をいつでもベストな状態で着こなしてください。

クリーニング当日仕上げの料金は？受付時間と対応店舗の探し方を解説