風呂・浴室リフォームの費用相場は?メーカー比較やおしゃれな事例も

風呂・浴室リフォームの費用相場は?、メーカー比較やおしゃれな事例も紹介

一日の疲れを癒し、心身ともにリラックスできるお風呂。しかし、年月の経過とともに汚れやカビが目立ったり、設備が古くなって使いにくさを感じたりすることもあるでしょう。そんな悩みを解決するのが「お風呂・浴室リフォーム」です。

お風呂リフォームを検討する際に、多くの方が最初に気になるのが「費用」ではないでしょうか。「いったい、いくらくらいかかるのだろう?」「できるだけ安く抑えたいけど、どこまでできるの?」といった疑問や不安がつきものです。

この記事では、お風呂・浴室リフォームにかかる費用相場を価格帯別・工事内容別に詳しく解説します。さらに、費用を賢く抑えるコツ、活用できる補助金制度、人気メーカー5社の比較、おしゃれで快適な浴室を実現するためのポイントまで、リフォームを成功させるために必要な情報を網羅的にご紹介します。

これからお風呂リフォームを計画している方はもちろん、将来のために情報を集めている方も、ぜひ最後までご覧いただき、後悔のない理想のバスルーム作りにお役立てください。

お風呂・浴室リフォームの基本

快適性の向上、清掃性の向上、安全性の確保、デザイン性の追求、機能性の追加、省エネ・節水の実現

まずはじめに、お風呂・浴室リフォームの基本的な知識について整理しておきましょう。リフォームの目的や種類を理解することで、ご自身の希望に合ったプランを具体的にイメージしやすくなります。

お風呂・浴室リフォームとは

お風呂・浴室リフォームとは、既存の浴室の設備や内装を新しく改修することを指します。単に古くなった浴槽を交換するだけでなく、壁や床、天井を張り替えたり、シャワーや水栓を最新のものにしたり、浴室暖房乾燥機のような便利な機能を追加したりと、その内容は多岐にわたります。

リフォームを行う目的は家庭によって様々です。

  • 快適性の向上:最新のユニットバスに交換して、保温性の高い浴槽や節水シャワーで快適な入浴時間を実現する。
  • 清掃性の向上:汚れがつきにくく、掃除がしやすい素材の壁や床、排水口に変更して、日々のお手入れの負担を軽減する。
  • 安全性の確保:滑りにくい床材への変更、手すりの設置、段差の解消など、バリアフリー化を行い、高齢者や小さなお子様が安心して使える浴室にする。
  • デザイン性の追求:ホテルのようなおしゃれな空間や、リラックスできるナチュラルな雰囲気など、好みのデザインに一新して、バスタイムをより楽しいものにする。
  • 機能性の追加:浴室暖房乾燥機を設置して、冬場のヒートショック対策や雨の日の洗濯物乾燥に役立てる。
  • 省エネ・節水の実現:高断熱浴槽や節水型シャワーを導入し、光熱費や水道代を削減する。

このように、お風呂リフォームは、日々の暮らしの質を大きく向上させる可能性を秘めています。現状の浴室に対する不満や、将来のライフスタイルを見据えた希望を明確にすることが、満足のいくリフォームへの第一歩となります。

主なリフォームの種類

お風呂のリフォームは、現在の浴室の構造やリフォームの規模によって、いくつかの種類に分けられます。ここでは、代表的な3つのリフォーム方法について、その特徴や費用感、工事期間の目安を解説します。

ユニットバスからユニットバスへの交換

現在、日本の多くの戸建てやマンションで採用されているのが「ユニットバス(システムバス)」です。ユニットバスとは、壁・床・天井・浴槽といったパーツが工場で製造され、現場で組み立てて設置される浴室のことを指します。防水性が高く、工期が短いのが大きな特徴です。

このユニットバスを、新しいユニットバスにまるごと交換するのが最も一般的なリフォーム方法です。
基本的な工事内容は、既存のユニットバスの解体・撤去、給排水管や電気配線の接続、そして新しいユニットバスの搬入・組み立て・設置となります。

  • 費用相場:約70万円~150万円
  • 工事期間の目安:約3日~5日

既存の配管などをそのまま利用できるケースが多いため、後述する在来工法からのリフォームに比べて費用を抑えやすく、工期も短く済む傾向にあります。選ぶユニットバスのグレード(価格帯)によって費用は大きく変動します。シンプルな機能のベーシックモデルであれば費用を抑えられますが、高機能なミドルグレードやハイグレードの製品を選ぶと費用は高くなります。

在来工法の浴室からユニットバスへの交換

「在来工法」とは、現場で防水加工を施した上で、壁や床にタイルを張ったり、モルタルを塗ったりして一つひとつ手作業で作り上げていくオーダーメイドの浴室です。デザインや間取りの自由度が高い反面、防水性の低下による水漏れや、タイルの目地にカビが発生しやすいといったデメリットもあります。

この在来工法の浴室を解体し、新たにユニットバスを設置するリフォームも非常に人気があります。古くなったタイル張りのお風呂が、最新の機能的で清掃性の高い空間に生まれ変わります。

工事内容は、既存の壁や床、浴槽の解体・撤去に加え、土台や柱の状態によっては補修や補強工事、そしてユニットバスを設置するための基礎工事(コンクリート打設など)が必要になる場合があります。このため、ユニットバスからユニットバスへの交換に比べて、費用は高くなり、工期も長くなるのが一般的です。

  • 費用相場:約80万円~200万円
  • 工事期間の目安:約5日~10日

特に注意が必要なのは、解体してみないと分からない追加工事が発生する可能性があることです。壁や床を剥がした際に、土台の木材が腐食していたり、シロアリの被害が見つかったりした場合は、その補修費用が別途必要になります。

部分的なリフォーム(浴槽交換・壁紙・床など)

浴室全体を交換するのではなく、浴槽だけ、シャワーだけ、壁だけといったように、特定の部分のみを交換・補修するリフォームです。全体リフォームに比べて費用を大幅に抑えられるのが最大のメリットです。

  • 浴槽のみの交換:ひび割れや変色が気になる浴槽を新しいものに交換します。在来工法の浴室でよく行われますが、ユニットバスの場合は浴槽と床や壁が一体化していることが多く、浴槽単体での交換は難しいケースがほとんどです。費用相場は約10万円~40万円です。
  • 壁・床・天井の改修:カビや汚れが目立つ壁や床に、浴室用のパネルやシートを上から張る方法があります。タイルの上から施工できる製品もあり、比較的短期間で見た目を一新できます。費用相場は、施工範囲にもよりますが約10万円~30万円です。
  • シャワー・水栓の交換:温度調節がうまくいかない、水漏れするなど、古くなったシャワーや水栓を交換します。節水機能付きのシャワーヘッドや、スタイリッシュなデザインの水栓に交換するだけでも、快適性や満足度は大きく向上します。費用相場は約5万円~15万円です。

部分リフォームは、予算が限られている場合や、特定の箇所の不満だけを解消したい場合に有効な選択肢です。ただし、部分的に新しくすることで、既存部分の古さや汚れが逆に目立ってしまう可能性も考慮しておく必要があります。

【価格帯別】お風呂・浴室リフォームの費用相場

お風呂リフォームの費用は、選ぶ製品のグレードや工事の範囲によって大きく変動します。ここでは、予算に応じてどのようなリフォームが可能になるのか、具体的な費用相場を価格帯別・工事内容別にご紹介します。ご自身の予算と希望を照らし合わせながら、リフォーム計画の参考にしてください。

価格帯別のリフォーム内容と工事範囲

お風呂リフォームの総額は、50万円~150万円が中心的な価格帯となります。以下に、予算ごとに実現可能なリフォーム内容の目安をまとめました。

価格帯 主なリフォーム内容と工事範囲
~50万円 部分的なリフォームや設備の交換が中心。
・浴槽のみの交換
・シャワー、水栓の交換
・壁、床、天井への浴室用シート・パネルの張り付け
・換気扇から浴室暖房乾燥機への交換
・手すりの設置 など
50万円~100万円 ベーシック~ミドルグレードのユニットバスへの交換が可能になる価格帯。
・標準的なサイズのユニットバス(1216サイズなど)への交換
・基本的な機能を備えた製品が中心
・在来工法からのリフォームの場合、追加工事がなければこの範囲で収まる可能性も
100万円~150万円 選択肢が広がり、ミドル~ハイグレードのユニットバスが選べる中心価格帯。
・TOTO「サザナ」、LIXIL「リデア」など人気メーカーの中上位モデルが視野に
・保温浴槽、節水シャワー、ほっカラリ床など、各社の快適機能が標準搭載
・デザイン性の高い壁パネルやオプションの追加も可能
150万円以上 ハイグレードなユニットバスや、こだわりのオーダーメイドリフォームが可能な価格帯。
・TOTO「シンラ」、LIXIL「スパージュ」などの最上位モデル
・肩湯、ジェットバス、調光照明、サウンドシステムなどの豪華なオプション機能
・浴室の拡張や移動を伴う大掛かりな工事
・在来工法での自由設計

~50万円でできること

予算50万円以内では、浴室全体のリフォームではなく、部分的な修繕や設備の交換が主な内容となります。例えば、「浴槽にひびが入ったので交換したい」「シャワーの水圧が弱いので最新のものにしたい」「壁のカビが気になるのでパネルを張りたい」といった、ピンポイントの悩みを解決するのに適した価格帯です。

また、既存の換気扇を浴室暖房乾燥機に交換したり、将来のために手すりを設置したりといった、機能を追加するリフォームも可能です。ユニットバスへの全体交換は難しいですが、工夫次第で浴室の快適性や安全性を大きく向上させることができます

50万円~100万円でできること

この価格帯になると、ユニットバスから新しいユニットバスへの交換が現実的な選択肢に入ってきます。選べるのは、主に各メーカーが提供するベーシックグレードや、一部のミドルグレードの商品です。

機能はシンプルですが、現在の浴室が10年以上前のものであれば、清掃性や保温性、節水性などは格段に向上するでしょう。「最低限の機能でいいから、新しくてきれいなお風呂にしたい」というニーズに最もマッチする価格帯です。マンションで一般的な1216サイズ(120cm×160cm)や1317サイズ(130cm×170cm)のユニットバス交換であれば、工事費込みでこの予算内に収まるケースが多く見られます。

100万円~150万円でできること

お風呂リフォームで最も一般的な価格帯が、この100万円~150万円です。多くの人が選ぶ、人気メーカーのミドルグレードから一部のハイグレードなユニットバスが選択肢となります。

TOTOの「サザナ」やLIXILの「リデア」といった主力商品がこの価格帯に含まれ、高い保温性を誇る浴槽や、冬場でも冷たさを感じにくい床、節水効果の高いシャワーなどが標準装備されていることが多く、満足度の高いリフォームが期待できます。
また、デザイン性の高い壁パネルを選んだり、浴室暖房乾燥機や追い焚き機能といった人気のオプションを追加したりする余裕も生まれます。機能性とデザイン性の両方をバランス良く求める方におすすめの価格帯です。

150万円以上でできること

予算が150万円を超えると、リフォームの自由度は一気に高まります。各メーカーの最上位シリーズであるTOTOの「シンラ」やLIXILの「スパージュ」などが視野に入り、まるでホテルのような上質でリラックスできる空間を実現できます。

肩や首を温める「肩湯」、身体を心地よく刺激する「ジェットバス」、気分に合わせて照明の色や明るさを変えられる「調光システム」、音楽を楽しめる「サウンドシステム」など、日々の疲れを癒すための豪華な機能が満載です。
また、浴室を広くするために間取りを変更したり、窓を新設・交換したりといった、構造に関わる大掛かりなリフォームもこの価格帯で可能になります。

工事内容別の費用目安

リフォーム費用は、具体的にどのような工事を行うかによって決まります。ここでは、主な工事内容ごとの費用目安をまとめました。

工事内容 費用目安 備考
ユニットバスの交換 70万円~150万円 本体価格+基本工事費。本体グレードにより変動。
在来工法からユニットバスへ 80万円~200万円 解体・基礎工事・廃材処分費などが加わるため高額に。
浴槽のみの交換 10万円~40万円 浴槽本体の価格+設置工事費。ユニットバスでは難しい場合が多い。
シャワー・水栓の交換 5万円~15万円 製品価格+交換工事費。
壁・床・天井の張り替え 10万円~30万円 浴室用パネル・シートを使用。施工面積により変動。
浴室暖房乾燥機の設置 10万円~25万円 本体価格+設置工事費。換気扇からの交換か新規設置かで変動。

戸建て・マンション別の費用相場の違い

お風呂リフォームの費用は、お住まいが戸建てかマンションかによっても傾向が異なります。

  • 戸建ての場合
    戸建ての浴室は、1坪(1616サイズ)や1.25坪(1620サイズ)など、マンションに比べて広い傾向があります。浴室が広い分、ユニットバス本体の価格も高くなり、リフォーム費用は全体的に高額になります。また、在来工法の浴室であるケースも多く、その場合は解体や基礎工事でさらに費用がかさむ可能性があります。一方で、搬入経路を確保しやすく、工事の自由度が高いというメリットもあります。
  • マンションの場合
    マンションの浴室は、規格化されたユニットバスが設置されていることがほとんどです。サイズも1216や1317といったコンパクトなものが主流で、戸建てに比べてユニットバス本体の価格が安く、リフォーム費用を抑えやすい傾向にあります。ただし、搬入経路がエレベーターや廊下に限られるため、搬入費が別途かかったり、選べるユニットバスのサイズに制約があったりする点に注意が必要です。また、マンションの管理規約によっては、工事の時間帯や使用できる資材に制限がある場合もあるため、事前に確認が必須です。

リフォーム費用の内訳

リフォーム会社から提示される見積書は、主に「浴室本体の価格」「基本工事費」「追加工事費・諸経費」の3つで構成されています。それぞれの内容を理解しておくことで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

浴室本体の価格

ユニットバスそのものの商品代金です。同じ商品でも、浴槽の素材(FRP、人工大理石など)、壁パネルのデザイン、シャワーや水栓のグレード、オプションの有無などによって価格は大きく変動します。リフォーム費用全体に占める割合が最も大きく、総額の約4割~6割を占めることが一般的です。

基本工事費

既存の浴室を解体し、新しいユニットバスを設置するために最低限必要な工事の費用です。具体的には以下のような項目が含まれます。

  • 養生費:搬入経路や作業スペースの床・壁を保護する費用
  • 解体・撤去工事費:既存の浴室を解体し、運び出す費用
  • 廃材処分費:解体で出た廃材を処分する費用
  • 給排水設備工事費:新しいユニットバスに合わせて給水管・排水管を接続する費用
  • 電気工事費:換気扇や照明の配線を接続する費用
  • 本体組立・設置費:ユニットバスを組み立てて設置する費用
  • ドア枠取付費、入口周りの補修費

これらの費用は、リフォーム会社によって「一式」として計上されることもあります。

追加工事費・諸経費

浴室の状況や、施主の希望によって追加で発生する工事費用です。代表的なものには以下があります。

  • 土台・柱の補修工事:在来工法の浴室を解体した際に、腐食やシロアリ被害が見つかった場合の補修費用。
  • 基礎工事:在来工法からユニットバスにする際に必要な、床下のコンクリート打設費用。
  • 窓の交換・新設工事:既存の窓を交換したり、新しく窓を設置したりする場合の費用。
  • 給湯器の交換費用:追い焚き機能を追加する場合など、給湯器の交換が必要になった際の費用。
  • 脱衣所(洗面所)の内装工事:浴室リフォームに伴い、隣接する脱衣所の壁紙や床を張り替える場合の費用。

諸経費としては、現場管理費や駐車場代、リフォーム会社の利益などが含まれます。追加工事は見積もり段階では予測できないケースもあるため、予算にはある程度の余裕を持たせておくことが重要です。

お風呂リフォームの費用を安く抑える5つのコツ

補助金や助成金を活用する、複数のリフォーム会社から相見積もりを取る、設備のグレードやオプションを見直す、工事内容を必要なものに絞る、リフォーム会社のキャンペーン時期を狙う

理想のお風呂を実現したいけれど、費用はできるだけ抑えたい、というのが本音でしょう。ここでは、リフォーム費用を賢く節約するための5つの具体的なコツをご紹介します。少しの工夫で、数十万円単位のコストダウンにつながる可能性もあります。

① 補助金や助成金を活用する

国や地方自治体は、住宅の省エネ化やバリアフリー化などを促進するため、リフォームに関する様々な補助金・助成金制度を用意しています。お風呂リフォームも、一定の要件を満たすことでこれらの制度の対象となる場合があります。

例えば、高断熱浴槽の設置や節水型水栓への交換は「省エネ」、手すりの設置や段差の解消は「バリアフリー」に関連する補助金の対象になる可能性があります。利用できる制度や申請条件、金額は年度や自治体によって異なるため、リフォームを計画する段階で、まずは利用できる制度がないか確認することが非常に重要です。

後の章で詳しく解説しますが、「子育てエコホーム支援事業」や「長期優良住宅化リフォーム推進事業」、介護保険などが代表的です。これらの制度をうまく活用すれば、工事費用の負担を大幅に軽減できます

② 複数のリフォーム会社から相見積もりを取る

リフォーム費用は、依頼する会社によって大きく異なります。同じ工事内容、同じユニットバス製品で見積もりを依頼しても、提示される金額に10万円以上の差が出ることも珍しくありません。

そのため、必ず3社以上のリフォーム会社から見積もり(相見積もり)を取得し、比較検討することが、費用を抑えるための鉄則です。相見積もりを取ることで、以下のメリットが得られます。

  • 適正な価格相場がわかる:複数の見積もりを比較することで、そのリフォーム内容におけるおおよその費用相場を把握できます。
  • 価格交渉の材料になる:他社の見積もりを提示することで、価格交渉を有利に進められる可能性があります。
  • 悪徳業者を避けられる:極端に安い、あるいは高すぎる見積もりを提示する業者を見分けることができます。
  • 工事内容や提案力を比較できる:各社の提案内容や担当者の対応を比較し、最も信頼できる会社を選ぶことができます。

手間はかかりますが、この一手間が適正価格で質の高いリフォームを実現するための鍵となります。

③ 設備のグレードやオプションを見直す

お風呂リフォームの費用を大きく左右するのが、ユニットバス本体の価格です。そして、その価格は浴槽や壁パネルの素材、搭載する機能(オプション)のグレードによって決まります。

費用を抑えたい場合は、まず「本当にそのグレードや機能が必要か?」を冷静に見直してみましょう。

  • 浴槽の素材:一般的に、FRP(繊維強化プラスチック)→人工大理石→ホーローの順に価格が高くなります。デザイン性や質感に強いこだわりがなければ、標準的なFRPや人工大理石でも十分な品質を備えています。
  • 壁パネル:壁は4面ありますが、全ての壁をハイグレードなパネルにするのではなく、アクセントとして1面だけデザイン性の高いパネルを選び、残りの3面は標準的なものにするだけでも、コストを抑えつつおしゃれな空間を演出できます。
  • オプション機能:ジェットバスや浴室テレビ、サウンドシステムなどは、あると嬉しい機能ですが、本当に頻繁に使うでしょうか。「あったらいいな」レベルの機能は思い切って削ることで、大幅なコストダウンが可能です。一方で、浴室暖房乾燥機や手すりなど、日々の快適性や安全性に直結する機能は優先的に検討することをおすすめします。

ショールームなどで実物を見ると、つい高機能なものに目が行きがちですが、自分たちのライフスタイルに本当に必要なものを見極めることが大切です。

④ 工事内容を必要なものに絞る

リフォームの範囲を広げれば広げるほど、当然費用は高くなります。費用を抑えるためには、工事の範囲を必要最低限に絞ることも有効な手段です。

例えば、在来工法の浴室からユニットバスへのリフォームを検討している場合、浴室の拡張や窓の交換なども同時に行いたくなるかもしれません。しかし、これらは大掛かりな工事となり、費用も一気に跳ね上がります。

まずは「ユニットバスの交換」という最も優先順位の高い工事に集中し、他の工事は今回は見送る、という判断も時には必要です。また、浴室リフォームと同時に洗面脱衣室の内装も新しくしたいと考える方は多いですが、予算が厳しい場合は、浴室リフォームだけを先に行い、洗面脱衣室は後日、DIYで壁紙を張り替えるといった方法も考えられます。

どこまでの工事を今回行うのか、優先順位を明確にすることが、予算オーバーを防ぐポイントです。

⑤ リフォーム会社のキャンペーン時期を狙う

リフォーム会社や住宅設備メーカーは、特定の時期にキャンペーンを実施することがあります。例えば、決算期(3月、9月)や、年末年始、あるいは需要が落ち着く夏場(7月~8月)などは、通常よりもお得な価格でリフォームできるチャンスです。

キャンペーンの内容は、「特定のユニットバス製品が割引価格になる」「オプション機能を無料でプレゼント」「工事費を割引」など様々です。リフォームを急いでいない場合は、こうしたキャンペーンの時期を狙って契約することで、同じ内容のリフォームをより安く行える可能性があります。

リフォーム会社のウェブサイトをチェックしたり、チラシに目を通したりして、お得な情報を見逃さないようにしましょう。

お風呂リフォームで利用できる補助金・助成金制度

お風呂リフォームは決して安い買い物ではありませんが、国の政策や自治体の取り組みによって、費用負担を軽減できる補助金・助成金制度が存在します。これらの制度を賢く利用することで、ワンランク上の設備を導入したり、予算を他のリフォームに回したりすることも可能になります。ここでは、お風呂リフォームで活用できる代表的な制度をご紹介します。

(注意)補助金制度は、予算の上限に達し次第、申請受付が終了となる場合があります。また、制度内容は変更される可能性があるため、必ず各制度の公式サイトで最新の情報を確認してください。

子育てエコホーム支援事業

「子育てエコホーム支援事業」は、エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネリフォーム等に対して支援することを目的とした国土交通省の事業です。

お風呂リフォームにおいては、以下の対象工事を行うことで補助金を受けられます。

対象工事 補助額
高断熱浴槽の設置 30,000円 / 戸
節水型水栓の設置 5,000円 / 台
手すりの設置 5,000円 / 戸
浴室乾燥機の設置 23,000円 / 戸
段差解消 7,000円 / 戸
廊下幅等の拡張 28,000円 / 戸

(参照:子育てエコホーム支援事業 公式サイト)

これらの工事のうち、いずれか一つは必須となります。例えば、高断熱浴槽(30,000円)と節水型水栓(5,000円)、手すり(5,000円)を設置した場合、合計で40,000円の補助が受けられます。

  • 対象者:リフォームを行う住宅の所有者等。世帯の属性(子育て世帯・若者夫婦世帯か、それ以外か)によって補助上限額が異なります。
  • 注意点:申請は工事を行う事業者が行います。個人での申請はできませんので、この制度の利用を検討している場合は、契約前にリフォーム会社が事業者登録をしているか必ず確認しましょう。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

この事業は、既存住宅の性能向上や子育てしやすい環境等の整備を目的としたリフォームを支援する制度です。質の高い住宅ストックの形成を目指しており、比較的規模の大きなリフォームが対象となります。

お風呂リフォーム単体での利用は難しい場合がありますが、耐震改修や省エネ改修など、住宅全体の性能を向上させるリフォームと併せて行う場合に活用できます。補助対象となる工事メニューは多岐にわたり、浴室のバリアフリー改修(手すりの設置、段差解消など)や、高効率給湯器への交換などが含まれます。

  • 補助額:リフォーム工事費用の1/3(上限額は住宅の性能や工事内容によって変動)
  • 特徴リフォーム後の住宅が一定の基準(インスペクションの実施、特定の性能項目の基準を満たすことなど)を満たす必要があり、専門的な知識が求められます。
  • 注意点:申請手続きが複雑なため、この制度の利用実績が豊富なリフォーム会社に相談することが不可欠です。

(参照:長期優良住宅化リフォーム推進事業 公式サイト)

介護保険による住宅改修

要支援または要介護認定を受けている方が、自宅で安全に生活できるようにするための住宅改修に対して、費用の一部が支給される制度です。お風呂リフォームにおいては、転倒防止や自立支援を目的とした工事が対象となります。

対象となる工事内容 備考
手すりの取り付け 浴室内での立ち座りや移動を補助するため
段差の解消 浴室出入口の敷居の撤去、すのこの設置による床のかさ上げなど
滑りの防止及び移動の円滑化等のための床材の変更 滑りにくい床材への変更
扉の取替え 開き戸から引き戸や折れ戸への交換など
その他これらの工事に付帯して必要となる工事 給排水設備工事、下地補強など
  • 支給上限額:要支援・要介護度にかかわらず、支給限度基準額は20万円。そのうち、所得に応じて1割~3割が自己負担となります。つまり、最大で18万円(自己負担1割の場合)が支給されます。
  • 注意点必ず工事着工前に、担当のケアマネージャーに相談し、市区町村への事前申請が必要です。工事後の申請は認められないため、注意しましょう。この20万円の枠は、原則として一人一回ですが、転居した場合や要介護度が著しく高くなった場合には、再度利用できることがあります。

(参照:厚生労働省「介護保険における住宅改修」)

自治体独自の補助金・助成金

国が主体となる制度の他に、各市区町村が独自にリフォームに関する補助金・助成金制度を設けている場合があります。

内容は自治体によって様々で、「三世代同居・近居支援」「省エネ設備導入支援」「バリアフリー改修支援」など、その地域の特性に合わせた制度が用意されています。また、地元の産業振興を目的として、「市内のリフォーム業者を利用すること」を条件としているケースも多く見られます。

お住まいの市区町村のウェブサイトで「住宅 リフォーム 補助金」といったキーワードで検索するか、役所の担当窓口に問い合わせてみましょう。国の制度と併用できる場合もあるため、見逃さずにチェックすることをおすすめします。

補助金利用の注意点

補助金制度は非常に魅力的ですが、利用にあたってはいくつか注意すべき点があります。

  • 申請期間と予算:ほとんどの補助金には申請期間が定められており、期間内であっても国や自治体の予算が上限に達した時点で受付が終了してしまいます。人気の制度は早々に締め切られることもあるため、早めの情報収集と準備が肝心です。
  • 工事着工前の申請が原則:多くの制度では、リフォーム工事の契約前や着工前に申請が必要です。工事が終わってからでは申請できないため、計画段階でリフォーム会社に「補助金を利用したい」と明確に伝え、手続きの段取りを確認しましょう。
  • 対象工事・製品の確認:補助の対象となる工事内容や、使用できる製品(高断熱浴槽の型番など)が細かく定められている場合があります。基準を満たさない工事を行ってしまうと、補助金が受けられなくなるため、仕様の最終確認は慎重に行う必要があります。

補助金の手続きは煩雑に感じられるかもしれませんが、リフォーム会社が申請をサポートしてくれる場合がほとんどです。まずは信頼できるリフォーム会社に相談し、利用できる制度がないか一緒に確認してもらうことから始めましょう。

人気お風呂メーカー5社の特徴を徹底比較

ユニットバスは、一度設置すると15年~20年は使い続けるものです。だからこそ、メーカーごとの特徴をよく理解し、ご自身のライフスタイルやこだわりに合った製品を選ぶことが、リフォームの満足度を大きく左右します。ここでは、国内で高いシェアを誇る人気メーカー5社(TOTO、LIXIL、Panasonic、タカラスタンダード、トクラス)について、その強みや代表的な商品シリーズを徹底比較します。

① TOTO

言わずと知れた水まわり製品のリーディングカンパニーであるTOTO。「清潔」と「快適」を追求した技術力に定評があり、多くのユーザーから絶大な信頼を得ています。

特徴

TOTOの浴室の最大の魅力は、独自のクリーン技術と、入浴の快適性を高める革新的な機能にあります。

  • ほっカラリ床:TOTOの代名詞ともいえる機能。床の内側にクッション層があり、畳のようなやわらかい踏み心地を実現しています。同時に、断熱材の役割も果たすため、冬場の一歩目でもヒヤッとしません。W断熱構造で室温とほぼ同じ温度を保ちます。また、表面に施された特殊処理により、水はけが良く、翌朝にはカラリと乾き、カビの発生を抑えます。
  • 魔法びん浴槽:浴槽を断熱材で覆うことで、お湯の温度が下がりにくい構造になっています。4時間後の温度低下をわずか2.5℃以内に抑える性能を誇り(※JIS高断熱浴槽の基準に基づく)、追い焚きの回数を減らせるため、省エネ・節約に大きく貢献します。
  • お掃除ラクラク人大浴槽:表面にはっ水・はつ油成分を配合した素材で、水も皮脂も弾き、汚れの付着を防ぎます。普段のお手入れはスポンジで軽くこするだけで、きれいな状態を保てます。
  • 床ワイパー洗浄(きれい除菌水):スイッチひとつで、水道水から作られる「きれい除菌水」を床面に噴霧。カビやピンク汚れの原因となる菌を除菌し、床のきれいを長持ちさせます。

代表的な商品シリーズと価格帯

シリーズ名 グレード 特徴 メーカー希望小売価格(税抜)
シンラ ハイグレード 「楽湯(肩湯・腰湯)」「ファーストクラス浴槽」など、上質でリラックスできる機能が満載の最上位モデル。 約121万円~
サザナ ミドルグレード 「ほっカラリ床」「魔法びん浴槽」を標準搭載した、TOTOの主力商品。機能と価格のバランスが良く、最も人気が高い。 約70万円~
WYシリーズ マンションリモデル用 マンション特有の梁や柱に対応しやすい構造。限られたスペースでもひろびろとした入浴感を実現する工夫がされている。 約75万円~

(参照:TOTO株式会社 公式サイト)

TOTOは、日々の掃除の手間を減らしたい方、小さなお子様や高齢のご家族がいて床の安全性や断熱性を重視する方、そして省エネに関心が高い方におすすめのメーカーです。

② LIXIL(リクシル)

INAXやTOSTEMなどが統合して誕生したLIXILは、浴室だけでなく、キッチン、トイレ、窓、エクステリアまで幅広く手掛ける総合住生活企業です。デザイン性の高さと、使う人の視点に立った多彩な機能が魅力です。

特徴

LIXILの浴室は、「キレイ」と「リラックス」をテーマにした機能と、豊富なバリエーションから選べるデザイン性の高さが際立っています。

  • キレイサーモフロア:床の汚れの原因となる皮脂汚れに着目し、特殊な表面処理で油分が固着しにくい構造になっています。スポンジで軽くこするだけで汚れが落とせ、お掃除が簡単です。また、独自の断熱層により、足裏から奪われる熱を少なくし、冷たさを感じにくくしています。
  • サーモバスS:TOTOの魔法びん浴槽と同様の、高い保温性能を持つ浴槽です。浴槽と風呂フタのダブル保温構造で、4時間後の湯温低下を2.5℃以下に抑えます。
  • くるりんポイ排水口:浴槽のお湯を排水する際に渦を発生させ、その力で髪の毛やゴミをまとめてくれる機能です。ゴミが自然にまとまるので、ポイっと簡単に捨てられます。
  • スパージュ:最上位シリーズ「スパージュ」に搭載されている「アクアフィール(肩湯)」や「アクアタワー(打たse湯)」は、ホテルのスパのような贅沢な入浴体験を提供します。

代表的な商品シリーズと価格帯

シリーズ名 グレード 特徴 メーカー希望小売価格(税抜)
スパージュ ハイグレード 肩湯や打たせ湯など、多彩なリラクゼーション機能で「湯を、愉しむ。時を、味わう。」をコンセプトにした最上位モデル。 約107万円~
リデア ミドルグレード 多様な入浴スタイルに合わせて浴槽やカウンターのタイプを選べる、LIXILの主力商品。デザインのバリエーションも豊富。 約69万円~
リノビオV マンションリフォーム用 マンションの限られた空間を最大限に活用するための工夫が満載。キレイ機能も標準装備している。 約73万円~

(参照:株式会社LIXIL 公式サイト)

LIXILは、ホテルのような高級感のあるデザインを求める方、排水口の掃除を楽にしたい方、そして自分の好みに合わせて細かくカスタマイズしたい方におすすめのメーカーです。

③ Panasonic(パナソニック)

家電メーカーとしての強みを活かし、独自の視点から「美容」や「健康」、「快適」を追求した浴室を提案するのがPanasonicです。他のメーカーにはないユニークな機能が注目を集めています。

特徴

Panasonicの浴室は、美容家電の技術を応用した「ビューティ・リラックス」機能と、有機ガラス系人造大理石「スゴピカ素材」による清掃性の高さが大きな特徴です。

  • スゴピカ素材(有機ガラス系):航空機の窓や水族館の水槽にも使われる強度の高い素材。はっ水・はつ油性に優れ、水アカや皮脂汚れがつきにくいため、きれいな状態が長持ちします。浴槽やカウンター、水栓などに採用されています。
  • 酸素美泡湯(さんそびほうゆ):酸素を含んだミクロの泡が、お湯を白くやわらかくする機能です。肌のうるおいを保ち、湯冷めしにくい効果が期待でき、まるで温泉に入っているかのようなリラックス感を得られます。
  • カビシャット暖房換気乾燥機:浴室の温度と湿度をセンサーで検知し、自動で運転を制御。浴室全体を効率よく乾燥させ、カビの発生を抑制します。
  • オイルヴェール酸素美泡湯:専用のオイルをセットすると、酸素美泡湯の泡にオイルが混ざり、全身をヴェールのように包み込み、入浴後の肌のうるおいがさらに長持ちします。

代表的な商品シリーズと価格帯

シリーズ名 グレード 特徴 メーカー希望小売価格(税抜)
L-CLASS(エルクラス) ハイグレード 「スゴピカ素材」を随所に採用し、天然石の風合いを再現したカウンターなど、素材とデザインにこだわった最上位モデル。 約111万円~
BEVAS(ビバス) ミドルグレード デザインと機能を自由に組み合わせられる、Panasonicの主力商品。「自分らしい空間」をコンセプトに、多彩なスタイルを提案。 約82万円~
オフローラ ベーシックグレード 「酸素美泡湯」や「スゴピカ素材」など、Panasonicならではの機能を搭載しながら、コストパフォーマンスに優れたシリーズ。 約70万円~

(参照:パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社 公式サイト)

Panasonicは、入浴中に美容ケアをしたい方、デザインだけでなく素材の質感にもこだわりたい方、そして家電連携など先進的な機能に興味がある方におすすめのメーカーです。

④ タカラスタンダード

システムキッチンのパイオニアとして知られるタカラスタンダードは、その代名詞である「高品位ホーロー」を浴室にも展開。耐久性と清掃性に優れた、独自性の高い製品を提供しています。

特徴

タカラスタンダードの浴室の最大の特徴は、鉄の強さとガラスの美しさを併せ持つ「高品位ホーロー」を壁パネルや床に採用している点です。

  • ホーロークリーン浴室パネル:表面がガラス質のため、汚れが染み込まず、カビも発生しにくいのが最大のメリット。油性ペンで書いても水拭きで簡単に落とせるほど清掃性が高く、日々のお手入れが非常に楽になります。また、ベースが金属なので、マグネットを使った収納(シャンプーラックやタオル掛けなど)を好きな場所に自由に設置できます。
  • キープクリーンフロア:硬いブラシでこすっても傷つきにくい磁器タイルを採用した床。タイルの表面には特殊なコーティングが施されており、皮脂汚れも簡単に落とせます。
  • パーフェクト保温:浴槽だけでなく、壁・天井・床に至るまで、浴室全体をぐるりと断熱材で覆う「パーフェクト保温」が標準仕様。冬場でも暖かさを逃さず、快適なバスタイムを実現します。
  • 耐震システムバス:震度6強相当の揺れにも耐える頑丈なフレーム架台構造を採用。万が一の地震の際にも、浴室の変形を抑え、家族の安全を守ります。

代表的な商品シリーズと価格帯

シリーズ名 グレード 特徴 メーカー希望小売価格(税抜)
プレデンシア ハイグレード 浴槽に鋳物ホーローを採用した最上位モデル。なめらかな肌触りと重厚な質感が、格別の入浴体験を提供する。 約97万円~
グランスパ ミドルグレード 「高品位ホーロー」の魅力を存分に活かしつつ、デザイン性も高めた主力シリーズ。多彩なレイアウトに対応する。 約79万円~
伸びの美浴室 ベーシックグレード 浴室のサイズを2.5cm刻みでオーダーできる「ぴったりサイズシステムバス」が特徴。無駄なスペースなくリフォームが可能。 約69万円~

(参照:タカラスタンダード株式会社 公式サイト)

タカラスタンダードは、何よりも掃除のしやすさを最優先したい方、マグネット収納で壁をすっきりさせたい方、そして浴室の耐久性や耐震性を重視する方におすすめのメーカーです。

⑤ トクラス

楽器メーカーであるヤマハのDNAを受け継ぐトクラスは、人造大理石の開発・製造において長年の歴史と高い技術力を誇ります。質感の高さと、使う人の心に響くような心地よさを追求した製品が特徴です。

特徴

トクラスの浴室は、自社開発の人造大理石「うつくし浴槽STARON(スタロン)」の高い品質と、人間工学に基づいた心地よいデザインが魅力です。

  • うつくし浴槽STARON(スタロン):肌に触れたときのなめらかさ、温かみのある質感が特徴の人造大理石。厚みのある無垢材なので、表面に細かな傷がついても、研磨することで美しさを再生できます。長く使い続けられるサステナブルな素材です。
  • うるおい浴+(プラス):専用の保湿成分(セラミド配合)を浴槽水に溶け込ませることで、入浴後の肌の水分蒸発を抑え、全身をしっとりと保湿します。
  • サウンドシャワーe:浴室の天井にスピーカーを内蔵し、スマートフォンなどと接続して音楽を楽しめる機能。音のプロであるヤマハの技術を活かし、浴室内に心地よい音響空間を創り出します。
  • うつくしミラー:鏡の表面に特殊なコーティングを施し、水滴をなじませることで、曇りにくく、水アカの付着を抑えます。

代表的な商品シリーズと価格帯

シリーズ名 グレード 特徴 メーカー希望小売価格(税抜)
YUNO(ユーノ) ミドルグレード 人造大理石の質感と、人間工学に基づいた心地よいデザインを追求した主力シリーズ。洗い場の使いやすさにも定評がある。 約86万円~
every(エブリィ) ベーシックグレード コンパクトながらも、バスタブも洗い場もゆったり使える設計。トクラス品質をより身近に感じられるシリーズ。 約69万円~

(参照:トクラス株式会社 公式サイト)

トクラスは、バスタブの質感や肌触りにこだわりたい方、音楽を聴きながらリラックスしたバスタイムを過ごしたい方、そして一つのものを長く大切に使いたいと考える方におすすめのメーカーです。

おしゃれで快適な浴室にするためのポイント

デザインやレイアウトの選び方、カラーコーディネートのコツ、付けておきたい人気のオプション機能

せっかくリフォームするなら、ただ新しくするだけでなく、毎日入るのが楽しみになるような、おしゃれで快適な空間にしたいものです。ここでは、理想の浴室を実現するためのデザイン選びのポイントや、人気のオプション機能について解説します。

デザインやレイアウトの選び方

浴室のデザインは、壁パネルの色や柄、浴槽の形状、照明など、様々な要素の組み合わせで決まります。まずは、ご自身がどんな雰囲気の浴室にしたいのか、「なりたい空間」のコンセプトを明確にすることから始めましょう。

  • モダン:モノトーン(白・黒・グレー)を基調とし、直線的でシンプルなデザイン。ガラスのドアやスクエアな形状の浴槽、スタイリッシュな水栓などを組み合わせると、洗練された都会的な空間になります。
  • ナチュラル:木目調やアースカラー(ベージュ、アイボリー、グリーンなど)を取り入れた、温かみのある優しい雰囲気。心からリラックスできる、癒やしの空間を演出します。観葉植物などを置くのもおすすめです。
  • ラグジュアリー:大理石調の壁パネルや、光沢のある素材、ゴールドやブロンズカラーの水栓などを使い、ホテルのような高級感を演出。間接照明などを取り入れると、より非日常的な空間になります。
  • ミニマル:余計な装飾を排し、白を基調とした清潔感あふれるシンプルなデザイン。物を少なく保つことで、空間を広く見せる効果もあります。

レイアウトについては、ユニットバスの場合、浴槽や洗い場の位置は基本的に決まっていますが、カウンターの形状や収納の配置によって使い勝手は大きく変わります。
例えば、洗い場を広く使いたい場合は、カウンターを取り外せるタイプや、壁際にすっきりと収まるスリムなタイプを選ぶと良いでしょう。また、シャンプーボトルなどをカウンターに置きたくない場合は、マグネット収納や壁付けのラックを活用すると、掃除がしやすく見た目もすっきりします。

カラーコーディネートのコツ

色は空間の印象を大きく左右する重要な要素です。カラーコーディネートで失敗しないための基本的なコツを押さえておきましょう。

  • ベースカラーを明るい色にする:床、壁、天井といった面積の広い部分(ベースカラー)には、白やアイボリー、ベージュなどの明るい色を選ぶのが基本です。空間全体が広く、明るく感じられる効果があります。
  • アクセントカラーを効果的に使う:壁の1面だけを濃い色や柄物にする「アクセントウォール」は、手軽におしゃれな空間を演出できる人気のテクニックです。浴槽の正面の壁や、シャワー側の壁など、視線が集まる場所にアクセントカラーを取り入れると、空間にメリハリが生まれます。
  • 色の数は3色以内に抑える:空間に使う色は、ベースカラー、メインカラー(浴槽やカウンターなど)、アクセントカラーの3色程度にまとめると、統一感が出てすっきりとまとまりのある印象になります。多くの色を使いすぎると、ごちゃごちゃして落ち着かない空間になってしまうので注意が必要です。
  • 濃い色は下に、明るい色は上に:床に濃い色を使い、壁や天井に向かって明るい色にしていくと、重心が低くなり、空間に安定感が生まれます。逆に、天井に暗い色を使うと圧迫感が出てしまうため、避けた方が無難です。

ショールームの展示やメーカーのカタログ、ウェブサイトの施工事例などを参考に、色の組み合わせをシミュレーションしてみるのがおすすめです。

付けておきたい人気のオプション機能

最近のユニットバスには、快適性や利便性を高めるための様々なオプション機能が用意されています。ここでは、特に人気が高く、満足度につながりやすいオプションを5つご紹介します。

浴室暖房乾燥機

冬場の寒い浴室と暖かいリビングとの温度差によって起こる「ヒートショック」は、高齢者にとって大きなリスクです。浴室暖房機能は、入浴前に浴室を暖めておくことで、このヒートショックのリスクを大幅に軽減します。また、梅雨の時期や花粉の季節には、洗濯物を乾かす衣類乾燥機能が非常に役立ちます。換気機能でカビの発生を抑える効果もあり、今や必須ともいえる人気の設備です。

追い焚き機能

家族の入浴時間がバラバラなご家庭では、必須の機能といえるでしょう。いつでも温かいお風呂に入れるため、入浴の満足度を大きく高めます。追い焚き機能を追加するには、対応する給湯器への交換が必要になる場合が多いため、リフォーム時に併せて検討するのが一般的です。

ジェットバス・肩湯

一日の疲れを癒すリラクゼーション機能を重視する方に人気なのが、ジェットバスや肩湯です。ジェットバスは、浴槽の側面から噴出する気泡を含んだ水流で、体を心地よくマッサージします。肩湯は、首から肩にかけてお湯を流し続けることで、血行を促進し、肩こりの緩和が期待できます。TOTOの「楽湯」やLIXILの「アクアフィール」などが代表的で、最上位モデルの象徴的な機能となっています。

保温性の高い浴槽

TOTOの「魔法びん浴槽」やLIXILの「サーモバスS」に代表される高断熱浴槽は、追い焚きの回数を減らし、光熱費の節約に直結するため、非常に人気が高いオプションです。今や多くのメーカーでミドルグレード以上の製品に標準搭載されていますが、ベーシックなモデルではオプション扱いの場合もあります。長期的な視点で見れば、初期費用が多少上がっても採用する価値は十分にあるでしょう。

手入れがしやすい床・壁・排水口

リフォームで後悔しないために、デザイン性だけでなく「掃除のしやすさ」も非常に重要なポイントです。

  • :TOTOの「ほっカラリ床」やLIXILの「キレイサーモフロア」のように、水はけが良く、汚れが落としやすい素材を選ぶと、日々の掃除が格段に楽になります。
  • :タカラスタンダードの「ホーロークリーン浴室パネル」のように、汚れが染み込まず、カビに強い素材がおすすめです。
  • 排水口:LIXILの「くるりんポイ排水口」のように、髪の毛がまとまりやすく、捨てやすい構造になっていると、面倒な排水口掃除のストレスを軽減できます。

これらの機能は、各メーカーが独自技術を競い合っている部分でもあります。ショールームで実際に触れて、その効果を確かめてみることをお勧めします。

お風呂リフォームの期間と流れ

お風呂リフォームを考え始めたとき、費用と並んで気になるのが「工事にどれくらいの時間がかかるのか」「その間、お風呂はどうするのか」といった点でしょう。ここでは、リフォームにかかる日数の目安と、相談から工事完了までの一般的な流れを解説します。

工事にかかる日数の目安

工事期間は、現在の浴室の状況とリフォームの内容によって大きく異なります。

リフォーム内容 工事期間の目安
ユニットバス → ユニットバス 3日 ~ 5日
在来工法 → ユニットバス 5日 ~ 10日
浴槽のみの交換 1日 ~ 2日
シャワー・水栓の交換 半日 ~ 1日
壁・床へのパネル/シート施工 1日 ~ 3日

最も一般的な「ユニットバスからユニットバスへの交換」の場合、おおよそ4日前後で完了することが多いです。一方、「在来工法からユニットバスへの交換」では、既存浴室の解体やコンクリートの基礎工事、乾燥時間などが必要になるため、工期は長くなります。また、解体後に土台の腐食など予期せぬ問題が見つかった場合は、補修のためにさらに工期が延びる可能性もあります。

相談から工事完了までの6ステップ

リフォームを思い立ってから、新しいお風呂が完成するまでには、いくつかのステップを踏む必要があります。全体の流れを把握しておくと、スムーズに計画を進めることができます。

① 情報収集・リフォーム会社への相談

まずは、インターネットやカタログで情報収集を始めましょう。どんなメーカーや商品があるのか、費用相場はどれくらいか、理想の浴室のイメージなどを固めていきます。
ある程度イメージが固まったら、リフォーム会社に相談します。ウェブサイトの施工実績を見たり、一括見積もりサイトを利用したりして、2~3社に候補を絞るのがおすすめです。

② 現地調査・プランの提案

リフォーム会社の担当者が実際に自宅を訪問し、浴室の寸法や構造、配管の位置、搬入経路などを確認します。この「現地調査」は、正確な見積もりを作成するために不可欠です。
現地調査の際には、現状の不満点やリフォームへの希望をできるだけ具体的に伝えましょう。担当者はその内容と調査結果を基に、最適な商品や工事プランを提案してくれます。

③ 見積もり取得・比較検討

プランが決まったら、リフォーム会社から正式な見積書が提出されます。この時、必ず複数の会社から見積もりを取り(相見積もり)、内容をじっくり比較検討しましょう。
単に総額の安さだけで決めるのではなく、「どのような工事が含まれているか」「使用する製品の型番は明記されているか」「追加費用の可能性について説明があるか」などを細かくチェックすることが重要です。不明な点があれば、遠慮なく質問して解消しておきましょう。

④ 契約

見積もり内容、プラン、費用、そして担当者の対応などを総合的に判断し、依頼するリフォーム会社を1社に決定します。契約時には、工事請負契約書の内容(工事期間、支払い条件、保証内容など)を隅々まで確認し、納得した上で署名・捺印します。ショールームで商品の色や仕様の最終確認を行うのもこのタイミングです。

⑤ 着工・施工

契約内容に基づき、いよいよ工事が始まります。工事前には、職人さんが作業しやすいように、洗面所周りの荷物を片付けておくとスムーズです。
工事中は、騒音や人の出入りがあるため、生活に多少の影響が出ます。工事の進捗状況について、担当者から定期的に報告を受けるようにし、気になる点があればその都度確認しましょう。

⑥ 引き渡し・アフターフォロー

工事が完了したら、リフォーム会社の担当者と一緒に仕上がりをチェックします。傷や汚れがないか、設備は正常に作動するかなどを確認し、問題がなければ「工事完了確認書」にサインして引き渡しとなります。
この時、新しい設備の取扱説明書や保証書を必ず受け取りましょう。多くのリフォーム会社では、工事後も定期的な点検やメンテナンスといったアフターフォローを提供しています。

工事中に注意すべきこと

リフォーム期間中は、普段通りの生活ができない場面も出てきます。事前に知っておくべき注意点をまとめました。

リフォーム中にお風呂は使えるか

結論から言うと、工事期間中(解体から設置完了まで)は自宅のお風呂は使えません。
ユニットバスからユニットバスへの交換で3~5日間、在来工法からのリフォームでは1週間以上、お風呂に入れない期間が発生します。
その間の対策としては、以下のような方法が考えられます。

  • 近所の銭湯やスーパー銭湯を利用する
  • スポーツジムのシャワーを利用する
  • 実家や親戚の家でお風呂を借りる

事前にどこを利用するか家族で話し合っておくと、慌てずに済みます。銭湯の場所や料金を調べておくなど、準備をしておきましょう。

近隣への挨拶

リフォーム工事では、車両の出入りや資材の搬入、解体作業などで、どうしても騒音や振動が発生します。トラブルを避けるためにも、工事が始まる前に、両隣と上下階の住民の方へ挨拶に伺うのがマナーです。
リフォーム会社の担当者が一緒に挨拶回りをしてくれる場合も多いので、事前に相談してみましょう。工事の期間や時間帯を伝えた上で、「ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」と一言添えるだけで、近隣の方の心証は大きく変わります。

失敗しないリフォーム業者の選び方

お風呂リフォームの成否は、どのリフォーム業者に依頼するかで決まるといっても過言ではありません。技術力や提案力はもちろん、信頼して任せられるパートナーを見つけることが重要です。ここでは、主な依頼先の特徴と、優良な業者を見極めるためのポイントを解説します。

主な依頼先とその特徴

お風呂リフォームを依頼できる業者は、主に「地域密着型の工務店」「大手リフォーム会社」「住宅設備メーカーのショールーム」の3つに分けられます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った依頼先を選びましょう。

依頼先の種類 メリット デメリット
地域密着型の工務店 ・地域での評判を大切にしているため、対応が丁寧
・フットワークが軽く、柔軟な対応が期待できる
・中間マージンが少なく、費用を抑えやすい傾向
・デザイン提案力や扱えるメーカーに限りがある場合も
・会社によって技術力や品質に差が出やすい
・保証やアフターサービスの内容が会社ごとに異なる
大手リフォーム会社 ・施工実績が豊富で、様々なケースに対応可能
・メーカーとの繋がりが強く、商品を安く仕入れられることも
・保証やアフターサービスが体系化されていて安心
・広告宣伝費や人件費が価格に上乗せされ、高めになる傾向
・下請け業者が施工する場合が多く、担当者との連携が重要
・マニュアル通りの対応で、柔軟性に欠ける場合も
住宅設備メーカーのショールーム ・自社製品に関する知識が豊富で、的確なアドバイスがもらえる
・商品の特徴を最大限に活かしたプランニングが期待できる
・ショールームで実物を確認しながら打ち合わせができる
・扱えるのは基本的に自社製品のみで、選択肢が限られる
・工事は提携している下請け業者が行う
・他社製品との比較検討ができない

優良な業者を見極めるポイント

数あるリフォーム業者の中から、信頼できる一社を見つけ出すためには、いくつかのチェックポイントがあります。見積もりを依頼する際や、担当者と話す際に、以下の点に注目してみましょう。

施工実績が豊富か

お風呂リフォームの経験が豊富な業者は、様々な現場でのノウハウを蓄積しています。特に、自宅と似たような条件(マンション、戸建て、在来工法など)での施工実績が多ければ、より安心して任せることができます。
会社のウェブサイトに掲載されている施工事例を確認するのはもちろん、具体的な事例について写真を見せてもらいながら説明を求めると、その会社の技術力や提案力を測ることができます。

担当者との相性や対応は良いか

リフォームは、担当者との二人三脚で進めていくプロジェクトです。こちらの要望を親身になって聞いてくれるか、専門用語ばかりでなく分かりやすい言葉で説明してくれるか、質問へのレスポンスは早いかなど、コミュニケーションの取りやすさは非常に重要です。
どんなに会社の評判が良くても、担当者との相性が合わなければ、打ち合わせがストレスになったり、要望がうまく伝わらなかったりする可能性があります。「この人になら安心して任せられる」と思えるかどうか、自分の感覚を大切にしましょう。

見積書の内容が詳細で明確か

優良な業者の見積書は、項目が細かく分けられており、「何にいくらかかるのか」が一目瞭然です。使用するユニットバスのメーカー名・商品名・型番はもちろん、工事内容についても「解体工事」「設備工事」「内装工事」などと詳細に記載されています。
逆に、「リフォーム工事一式」といった大雑把な記載しかない見積書は要注意です。後から「これは追加費用です」と言われるトラブルの原因になりかねません。不明な項目があれば、その内容を納得いくまで確認しましょう。

保証やアフターサービスが充実しているか

リフォーム工事には、万が一の不具合がつきものです。工事後に何か問題が発生した際に、どのような保証があるのかを事前に確認しておくことは非常に重要です。
多くの業者では、工事内容に対する独自の保証(例:工事保証5年)と、製品に対するメーカー保証の両方を提供しています。保証期間や保証の範囲、そして定期点検などのアフターサービスの有無と内容を契約前に必ず書面で確認しましょう。保証体制がしっかりしている会社ほど、自社の施工品質に自信を持っている証拠といえます。

見積もりを比較する際の注意点

複数の業者から見積もりを取った後、それらを比較検討する際には、単に総額だけを見て判断しないように注意が必要です。

  • 工事範囲と仕様は同じか:A社とB社の見積もりを比較する場合、提案されているユニットバスのグレードやオプション、工事の範囲が同じ条件になっているかを確認します。条件が異なれば、金額に差が出るのは当然です。
  • 「諸経費」の内訳は何か:見積もりには「諸経費」や「現場管理費」といった項目が含まれていることがほとんどです。この金額があまりに高額な場合は、何が含まれているのか内訳を確認しましょう。
  • 安すぎる見積もりには注意:相場よりも極端に安い見積もりには裏がある可能性があります。必要な工事が項目から抜けていて後から追加請求されたり、質の低い材料を使われたり、経験の浅い職人が担当したりするケースが考えられます。安さには必ず理由があることを念頭に置き、慎重に判断することが大切です。

お風呂リフォームで後悔しないための注意点

浴室の正確なサイズを把握する、ショールームで実物を確認する、追加費用が発生するケースを理解しておく、将来を見据えたバリアフリー設計を検討する、掃除のしやすさも考慮する

多額の費用と時間をかけて行うお風呂リフォーム。だからこそ、「こうすればよかった…」という後悔はしたくないものです。最後に、リフォームを成功に導き、長く満足して使い続けるための重要な注意点を5つご紹介します。

浴室の正確なサイズを把握する

ユニットバスは規格化された製品であり、設置できるサイズが決まっています。リフォームで最もよくある失敗の一つが、「気に入ったユニットバスが見つかったのに、家の浴室にはサイズが合わなくて設置できなかった」というケースです。
浴室のサイズは「1216(イチニーイチロク)」や「1616(イチロクイチロク)」のように、短辺と長辺の長さをセンチメートル単位で表します(例:1216=120cm×160cm)。このサイズは、壁の内側の寸法(内法)です。
リフォーム会社による現地調査で正確な採寸は行われますが、事前に自宅の浴室のおおよそのサイズを把握しておくことで、商品選びがスムーズに進みます。特にマンションの場合は、梁(はり)や柱の位置によって設置できる商品が限られることもあるため、注意が必要です。

ショールームで実物を確認する

カタログやウェブサイトの写真だけで商品を決めてしまうのは禁物です。色味や素材の質感、浴槽の深さやまたぎやすさ、洗い場の広さといった感覚的な部分は、実物を見て、触れてみないと分かりません。
必ずメーカーのショールームに足を運び、実物を確認しましょう。ショールームでは、浴槽に実際に入ってみたり、床の感触を確かめたり、収納の使い勝手を確認したりできます。アドバイザーから専門的な話を聞くこともでき、リフォーム後のイメージを具体的に膨らませることができます。家族全員で訪れて、それぞれの意見を出し合うのも良いでしょう。

追加費用が発生するケースを理解しておく

見積もり金額=最終的な支払い金額とは限らないのが、リフォームの難しいところです。特に、在来工法の浴室をリフォームする場合、解体してみて初めて分かる問題が発生することがあります。

  • 土台や柱の腐食・シロアリ被害:壁や床を剥がした際に、湿気によって木材が腐っていたり、シロアリの被害が見つかったりするケース。補修・補強のための追加工事が必要になります。
  • 配管の劣化・アスベストの含有:古い配管が錆びていて交換が必要になったり、解体した建材にアスベストが含まれていて、特別な撤去費用が必要になったりする場合があります。

こうした予期せぬ事態に備え、見積もり金額の10%~20%程度を予備費として考えておくと、万が一の時にも慌てずに対処できます。事前にリフォーム会社に「どのような場合に追加費用が発生する可能性があるか」を確認しておくことも重要です。

将来を見据えたバリアフリー設計を検討する

今は健康でも、10年後、20年後には身体の状況が変わっているかもしれません。お風呂は家の中でも事故が起こりやすい場所だからこそ、リフォームを機に、将来を見据えたバリアフリー設計を取り入れることを強くおすすめします。

  • 手すりの設置:浴槽の横や洗い場での立ち座りを補助するために設置します。今は必要なくても、後から設置できるように壁に下地補強だけしておく、という方法もあります。
  • 段差の解消:浴室の出入口の段差をなくすことで、つまずきによる転倒を防ぎます。
  • 引き戸・折れ戸の採用:開き戸は開閉スペースが必要で、中で人が倒れた場合に開けられなくなるリスクがあります。省スペースで開閉できる引き戸や折れ戸がおすすめです。
  • 滑りにくい床材:各メーカーが提供している、滑りにくく、かつ水はけの良い床材を選びましょう。

これらのバリアフリー改修は、補助金の対象となる場合も多いため、費用負担を抑えながら安全性を高めることができます。

掃除のしやすさも考慮する

「デザインに惹かれて選んだけど、実際使ってみると掃除が大変…」というのも、よくある後悔の一つです。美しい浴室を長く維持するためには、日々のメンテナンス性、つまり「掃除のしやすさ」を設計段階で十分に考慮することが不可欠です。

  • カウンター:カウンターの下や裏側は、カビや水アカが発生しやすい場所です。カウンター自体を取り外して丸洗いできるタイプや、壁から離して設置され、スポンジが入りやすいデザインのものを選びましょう。
  • 排水口:髪の毛やゴミが絡まりにくい構造で、簡単に掃除できるタイプが理想です。
  • :水アカがつきにくいコーティングが施された鏡を選ぶと、きれいな状態を保ちやすくなります。
  • 収納:シャンプーボトルなどを床やカウンターに直置きすると、ぬめりの原因になります。水切れの良いラックや、マグネットで壁に付けられる収納を活用し、物を浮かせる工夫をしましょう。

リフォームの成功とは、単に新しくきれいな浴室を手に入れることではありません。これからの10年、20年の暮らしをより快適で、安全で、豊かなものにすることです。
この記事でご紹介した情報を参考に、ご自身の家族にとって最高のバスルームとは何かをじっくりと考え、信頼できるパートナーと共に、後悔のないお風呂リフォームを実現してください。