キッチンリフォームの費用相場をタイプ別に解説 安く抑えるコツ7選

キッチンリフォームの費用相場をタイプ別に解説、費用を安く抑えるコツ

キッチンは毎日使う場所だからこそ、使い勝手やデザインにこだわりたいと考える方は多いでしょう。しかし、リフォームとなると「一体いくらかかるのだろう?」という費用の不安がつきまといます。キッチンリフォームの費用は、選ぶキッチンの種類やグレード、工事の規模によって大きく変動するため、相場が分かりにくいのが実情です。

この記事では、キッチンリフォームにかかる費用の全体像を掴んでいただくために、費用相場を様々な角度から徹底的に解説します。工事内容別、キッチンの種類・グレード別、価格帯別に「何ができるのか」を具体的に示し、リフォーム費用を賢く抑えるための7つのコツや、利用できる補助金制度、失敗しないための注意点まで、網羅的にご紹介します。

これからキッチンリフォームを検討している方が、ご自身の予算に合った最適なプランを見つけ、満足のいく理想のキッチンを実現するための一助となれば幸いです。

キッチンリフォームの費用相場

キッチンリフォームの費用相場は、一般的に50万円~150万円が中心的な価格帯となります。ただし、これはあくまで目安であり、リフォームの内容によって費用は大きく異なります。部分的な設備の交換であれば20万円以下で済むこともありますし、キッチンの位置を移動したり、オーダーメイドのキッチンを導入したりする場合には200万円を超えるケースも珍しくありません。

費用の大部分を占めるのは「キッチン本体の価格」と「工事費用」です。キッチンのグレードをどうするか、どこまで工事を行うかによって、総額が大きく変わることをまずは理解しておきましょう。

価格帯別のリフォーム内容の目安

予算によってどのようなリフォームが可能になるのか、大まかな目安を把握しておくと計画が立てやすくなります。以下に、価格帯別にできるリフォーム内容の目安をまとめました。

価格帯 主なリフォーム内容の目安
50万円未満 ・コンロ、レンジフード、水栓などの部分的な設備交換
・既存と同じ位置に、同サイズのローグレードキッチンを設置(内装工事なし)
50万円~100万円 ・ミドルグレードのシステムキッチンへの交換(I型、L型など)
・キッチンの交換と同時に、壁紙や床材の張り替えなどの内装工事
・ビルトイン食洗機や高機能レンジフードなどのオプション追加
100万円~150万円 ・ハイグレードのシステムキッチンへの交換
・キッチンのレイアウト変更(例:壁付けI型キッチンを対面式のペニンシュラキッチンに変更)
・周辺の収納(カップボードなど)もキッチンと合わせて新設
150万円以上 ・アイランドキッチンなど、大掛かりなレイアウト変更
・海外製キッチンやオーダーメイドキッチンの導入
・キッチンを含むLDK全体の間取り変更を伴う大規模リフォーム

50万円未満の予算では、既存のキッチンを活かしつつ、老朽化した設備のみを新しくする部分リフォームが中心です。例えば、「ガスコンロを最新のIHクッキングヒーターにしたい」「掃除が大変なプロペラファンのレンジフードを、手入れのしやすいシロッコファンにしたい」といった要望を叶えられます。キッチン全体を交換する場合でも、内装工事は行わず、同じ場所にシンプルな機能のローグレード製品を設置する形であれば、この価格帯で収まる可能性があります。

50万円~100万円の価格帯は、最も多くの人が選択するボリュームゾーンです。デザイン性や機能性が向上したミドルグレードのシステムキッチンを選べるようになり、選択肢が大きく広がります。キッチンの交換に合わせて、古くなった壁紙や床を新しくする内装工事もセットで行うことが可能です。これにより、キッチン空間全体が一新され、リフォームの満足度が格段に上がります。人気のビルトイン食洗機を追加するなど、家事を楽にするためのオプションも十分に検討できるでしょう。

100万円~150万円の予算があれば、さらにこだわりのキッチンを実現できます。素材やデザインに優れたハイグレードなキッチンを選んだり、壁付けだったキッチンをリビングが見渡せる対面式に変更したりといった、レイアウトの変更も視野に入ってきます。ただし、レイアウト変更は給排水管やガス管、電気配線の移設工事が必要になるため、費用が高額になりがちです。この価格帯であれば、キッチンの雰囲気に合わせてカップボード(食器棚)をトータルコーディネートで新設することも可能です。

そして150万円以上の予算をかけられる場合は、リフォームの自由度が最大限に高まります。リビングダイニングの中心にアイランドキッチンを設置して、家族や友人と料理を楽しめる開放的な空間を創り出すことができます。また、既製品では満足できない場合は、自分の身長や使い方に合わせて、カウンターの高さや収納の仕様をミリ単位で調整できるオーダーメイドキッチンを選択肢に入れることも可能です。このレベルのリフォームは、キッチンだけでなく、LDK全体の間取りや内装まで含めたトータルな計画が必要になることが多くなります。

このように、予算に応じて実現できるリフォームの範囲は大きく異なります。まずはご自身がキッチンに何を求めているのか、どこを改善したいのかを明確にし、大まかな予算感を掴むことが、理想のキッチンリフォームへの第一歩となります。

キッチンリフォームにかかる費用の内訳

キッチンリフォームの費用は、大きく分けて「キッチン本体の価格」「取り付け・交換の工事費用」「諸経費」の3つで構成されています。見積書を確認する際には、これらの内訳がどのようになっているかを理解しておくことが非常に重要です。それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

キッチン本体の価格

キッチンリフォームの総費用の中で、最も大きな割合を占めるのがキッチン本体の価格です。システムキッチンの価格は、メーカー、グレード、サイズ、レイアウト、扉や天板の素材、搭載する設備のオプションなど、様々な要素によって決まります。一般的に、総費用の約40%~60%を占めることが多いでしょう。

  • グレード
    多くのキッチンメーカーは、商品を「ハイグレード」「ミドルグレード」「ローグレード(スタンダード)」の3つの価格帯に分けて展開しています。

    • ハイグレード(約100万円~): 高級な天然石やセラミックの天板、デザイン性の高い扉材、最新鋭の機能を搭載したコンロや水栓などが採用され、価格も高くなります。オーダーメイドや海外製キッチンもこのカテゴリーに含まれます。
    • ミドルグレード(約50万円~100万円): 各メーカーが最も力を入れている価格帯で、機能、デザイン、価格のバランスが取れています。選択できる素材やカラーのバリエーションも豊富で、多くの人にとって満足度の高い選択肢となります。
    • ローグレード(約20万円~50万円): 基本的な機能を備えたシンプルなキッチンです。デザインや素材の選択肢は限られますが、コストを最優先に考えたい場合に適しています。賃貸住宅などでよく採用されています。
  • 素材
    ワークトップ(天板)や扉の素材も価格を左右する大きな要因です。

    • ワークトップ: 熱や傷に強く、最も標準的なステンレス、カラーバリエーションが豊富でインテリアに合わせやすい人工大理石、高級感と優れた耐久性を持つセラミック天然石(クォーツストーンなど)の順に価格が高くなる傾向があります。
    • 扉材: メラミン化粧板オレフィンシートなどの化粧シート仕上げが最も一般的で安価です。天然木の風合いを楽しめる木製扉(突板・無垢材)や、光沢が美しい塗装扉(UV塗装・ウレタン塗装など)は価格が高くなります。
  • オプション設備
    ビルトイン食洗機、高機能なレンジフード、タッチレス水栓、IHクッキングヒーター、ディスポーザー(生ゴミ処理機)など、追加するオプションによって価格は大きく上乗せされます。便利な機能ほど高価になるため、本当に自分たちのライフスタイルに必要かどうかを慎重に検討することが大切です。

取り付け・交換の工事費用

工事費用は、リフォームの内容によって大きく変動し、総費用の約20%~40%を占めるのが一般的です。主な工事内容と費用の目安は以下の通りです。

工事項目 費用相場の目安 備考
既存キッチンの解体・撤去 3万円~8万円 キッチンのサイズや材質によって変動。
新しいキッチンの組立・設置 5万円~15万円 システムキッチンの組み立てと取り付け。
給排水管工事 3万円~8万円 キッチンの位置を変更しない場合。移動する場合は高額に。
ガス工事 3万円~5万円 ガス管の接続・移設。ガス会社への依頼が必要な場合も。
電気工事 2万円~10万円 IHへの変更や食洗機用の電源新設、コンセント増設など。
内装工事(壁・床) 5万円~20万円 キッチンのサイズや部屋の広さによる。クロス・床材の張り替え。
下地補修工事 3万円~10万円 解体後に壁や床の腐食が見つかった場合などに追加で発生。

特に注意が必要なのは、キッチンのレイアウト(位置)を変更する場合です。壁付けキッチンを対面キッチンにするなどの変更を行うと、給排水管やガス管、電気配線、排気ダクトなどを新しい場所まで延長する工事が必要になります。これに伴い、壁や床を広範囲にわたって解体・補修する必要も出てくるため、工事費用は15万円~50万円以上、追加でかかることもあります。

また、古い木造住宅などでは、既存のキッチンを解体した際に、壁の内部や床下が湿気で腐食していたり、シロアリの被害が見つかったりすることがあります。その場合は、予定外の下地補修工事が必要となり、追加費用が発生します。

諸経費

諸経費は、本体価格や工事費以外にかかる費用の総称で、総費用の約5%~10%を占めます。見積書では「雑費」や「その他経費」としてまとめられていることもありますが、内訳を確認しておくことが重要です。

  • 現場管理費・設計デザイン料: リフォームプランの作成や、工事全体の進行管理に対する費用です。工事費の5%~15%程度が目安です。
  • 養生費: 工事中に他の部屋や共有部分(マンションの廊下など)が傷ついたり汚れたりしないように、シートやボードで保護するための費用です。1万円~3万円程度。
  • 廃材処分費: 解体した古いキッチンや内装材などを処分するための費用です。2万円~5万円程度。
  • 運搬費: 新しいキッチンや資材を現場まで運ぶための費用です。
  • 駐車場代: 工事車両を停めるスペースがない場合に発生する実費です。

これらの費用はリフォーム会社によって項目や金額が異なります。複数の会社から見積もりを取る(相見積もり)際には、総額だけでなく、これらの諸経費を含む詳細な内訳まで比較検討することが、最終的な費用を正確に把握し、予期せぬ出費を防ぐための鍵となります。

【工事内容別】キッチンリフォームの費用相場

キッチンの交換・設置、キッチンの場所を移動、壁紙や床の内装工事、オプション設備の追加

キッチンリフォームの費用は、具体的にどのような工事を行うかによって大きく変動します。ここでは、代表的な工事内容ごとに、どれくらいの費用がかかるのか、その相場とポイントを解説します。

キッチンの交換・設置

最も基本的なリフォームが、既存のキッチンがあった場所と同じ位置に、同程度のサイズの新しいキッチンを設置する工事です。レイアウトを変更しないこのケースが、最も費用を抑えられる方法です。

  • 費用相場:20万円~100万円

この費用には、既存キッチンの解体・撤去、新しいキッチンの組立・設置、そして給排水管やガス管の接続といった基本的な工事が含まれます。費用の幅が広いのは、選ぶキッチンのグレードによって本体価格が大きく異なるためです。

例えば、機能がシンプルなローグレードのI型キッチン(幅255cm程度)であれば、工事費込みで40万円~60万円程度が目安となります。一方、収納力やデザイン性に優れたミドルグレードのキッチンを選ぶと、60万円~100万円程度が中心価格帯となります。この場合、工事内容は同じでも、選ぶ製品によって総額が数十万円単位で変わってくることを理解しておきましょう。

このタイプの工事は、比較的短期間で完了するのもメリットです。内装工事を含まなければ、工事期間は2~4日程度で済むことが多く、日常生活への影響を最小限に抑えられます。

キッチンの場所を移動

キッチンの使い勝手を劇的に改善するために、場所そのものを移動させるリフォームも人気があります。例えば、「壁に面していたキッチンを、リビングを見渡せる対面式にしたい」「独立していたキッチンをLDKの中心に移動させたい」といったケースです。

  • 費用相場:80万円~250万円以上

キッチンの場所を移動させるリフォームは、単純な交換に比べて工事が大掛かりになり、費用も高額になります。その理由は、付帯工事が大幅に増えるからです。

  • 配管・配線工事: 給水管、排水管、ガス管を新しいキッチンの場所まで延長する必要があります。特に排水管は、適切な勾配を確保する必要があるため、床を上げて調整するなどの追加工事が発生することがあります。また、IHクッキングヒーターや食洗機、コンセントのための電気配線も移設・新設しなければなりません。
  • 排気ダクト工事: レンジフードの排気ダクトも、新しい位置から屋外まで繋ぎ直す必要があります。移動距離が長くなると、排気効率が落ちないように太いダクトを使ったり、中間ファンを設置したりする必要が出てくることもあります。
  • 内装・下地工事: 元々キッチンがあった場所の床や壁には、配管の跡が残ったり、色が変わっていたりするため、補修や張り替えが必須です。新しいキッチンを設置する場所も、壁の補強や床の下地調整が必要になる場合があります。

これらの追加工事費用として、単純な交換に比べて30万円~80万円以上が上乗せされると考えておくとよいでしょう。特に、アイランドキッチンのように壁から完全に独立させる場合は、床下や天井裏での大掛かりな配管・配線工事が必要となるため、費用はさらに高くなる傾向があります。

壁紙や床の内装工事

キッチンを新しくすると、その周りの壁や床の汚れや古さがかえって目立ってしまうことがあります。そのため、キッチンの交換と同時に内装工事を行うのが一般的です。

  • 費用相場:5万円~20万円

費用は、工事を行う面積と使用する素材(クロスや床材)のグレードによって決まります。

  • 壁紙(クロス)の張り替え: キッチンスペースの壁と天井を張り替える場合、4万円~8万円が目安です。一般的な量産品クロスであれば安価ですが、汚れ防止、消臭、防カビといった機能性のあるクロスや、デザイン性の高い輸入クロスを選ぶと価格は上がります。
  • 床材の張り替え: 床材はクッションフロアが最も安価で、3万円~6万円程度が目安です。水や油に強く、掃除がしやすいのが特徴です。フローリングに張り替える場合は、5万円~15万円程度かかります。既存の床の上に重ね張り(カバー工法)するか、既存の床を剥がして新しく張るかによっても費用は変わります。

キッチンパネルの設置(費用相場:3万円~6万円)も人気の内装工事です。コンロ周りの壁は油がはねやすく、汚れが付きやすい場所です。ここに、拭き掃除が簡単なキッチンパネルを張ることで、日々の手入れが格段に楽になります。タイルの壁からキッチンパネルに変更するリフォームもよく行われます。

オプション設備の追加

日々の家事を楽にしたり、料理をより楽しむために、便利なオプション設備を追加するリフォームも人気があります。設備本体の価格に加えて、設置工事費がかかります。

ビルトイン食洗機の設置

後片付けの手間を大幅に削減できるビルトイン食洗機は、キッチンリフォームで最も人気の高いオプションの一つです。

  • 費用相場(本体+工事費):15万円~25万円

システムキッチンに後から設置する場合、食洗機を収めるためのキャビネット(収納スペース)の加工や、給排水管の分岐工事、専用の電源回路を設ける電気工事が必要になります。キッチンの交換と同時に設置する方が、工事の手間が少なく、費用を抑えられる傾向にあります。

レンジフードの交換

古いプロペラファンや、掃除がしにくいブーツ型のレンジフードから、最新のスリム型やフラット型に交換するリフォームです。

  • 費用相場(本体+工事費):10万円~20万円

最近のレンジフードは、油汚れが付きにくい素材でできていたり、フィルターの自動洗浄機能が付いていたりと、清掃性が格段に向上しています。換気性能の向上はもちろん、運転音が静かなモデルも多く、快適なキッチン環境を実現できます。プロペラファンからシロッコファンへの交換など、排気方式の変更を伴う場合は、追加のダクト工事が必要になることがあります。

IHクッキングヒーターへの変更

安全性が高く、掃除がしやすいIHクッキングヒーターへの変更も定番のリフォームです。

  • 費用相場(本体+工事費):10万円~25万円

ガスコンロからIHクッキングヒーターに変更する場合、200Vの専用電源回路を分電盤からキッチンまで引き込む電気工事が必須となります。建物の構造や分電盤の位置によっては、工事が複雑になり費用が上乗せされることもあります。また、オール電化住宅でない場合は、ガス管を閉栓するガス工事も必要です。

これらの工事は、単体で行うよりも、キッチン全体の交換と同時に行う方が、効率的で費用も抑えやすいため、リフォーム計画の初期段階から検討しておくことをおすすめします。

【キッチンの種類・グレード別】費用相場

キッチンリフォームの費用を決定づける最大の要因は、どの「種類(レイアウト)」のキッチンを、どの「グレード」で選ぶかです。ここでは、それぞれの選択肢による費用感の違いを詳しく解説します。

キッチンの種類(レイアウト)による費用の違い

キッチンのレイアウトは、作業効率やリビングダイニングとのつながり方、そして価格に大きく影響します。代表的なレイアウトの特徴と費用相場を比較してみましょう。

レイアウト 特徴 本体価格+工事費の相場
I型キッチン ・シンク、コンロ、調理スペースが一直線に並ぶ最もシンプルな形
・省スペースで設置でき、価格も比較的安価
50万円~100万円
L型キッチン ・キッチンがL字型に配置され、作業動線が短く効率的
・コーナー部分がデッドスペースになりやすい点に注意が必要
70万円~120万円
対面キッチン ・アイランド型、ペニンシュラ型など
・開放感があり、家族とコミュニケーションが取りやすい
・設置に広いスペースが必要で、価格は高額になりがち
100万円~250万円以上

I型キッチン

I型キッチンは、シンク、コンロ、調理台が一列に並んだ、最もスタンダードでシンプルなレイアウトです。壁付けで設置されることが多く、限られたスペースでも設置しやすいのが最大のメリットです。構造がシンプルなため、他のレイアウトに比べて本体価格が安く、工事費用も抑えやすい傾向にあります。

費用相場は、ミドルグレードの製品を選んだ場合で50万円~100万円程度です。ただし、キッチンの横幅が長すぎると、シンクとコンロの間の移動距離が長くなり、作業効率が落ちることがあるため、適切なサイズを選ぶことが重要です。

L型キッチン

L型キッチンは、壁のコーナーに合わせて作業スペースをL字型に配置したレイアウトです。シンクとコンロが90度の位置関係になるため、体の向きを変えるだけで両方にアクセスでき、作業動線が短く効率的なのが魅力です。調理スペースを広く確保できる点もメリットと言えます。

費用相場は、I型キッチンよりも少し高くなり、70万円~120万円程度が目安です。注意点として、コーナー部分の収納がデッドスペースになりやすいため、回転式の収納棚などを採用して、スペースを有効活用する工夫が求められます。

対面キッチン(アイランド・ペニンシュラ)

近年非常に人気が高いのが、リビングやダイニングの方を向いて作業ができる対面キッチンです。代表的なものに「アイランドキッチン」と「ペニンシュラキッチン」があります。

  • アイランドキッチン: 「アイランド(島)」の名の通り、壁から完全に独立して設置されるキッチンです。キッチンの周りをぐるりと回遊できるため、複数人での作業がしやすく、開放感は抜群です。リフォーム費用は最も高額で、本体価格と大掛かりな工事費を合わせて150万円~250万円以上かかることも珍しくありません。広い設置スペースと、高額な予算が必要な、まさに憧れのキッチンと言えるでしょう。
  • ペニンシュラキッチン: 「ペニンシュラ(半島)」のように、キッチンの左右どちらかが壁に接しているレイアウトです。アイランドキッチンのような開放感を持ちつつ、片側が壁についている分、設置スペースを抑えられ、排気ダクトの処理もしやすいのがメリットです。費用相場はアイランドキッチンよりは安価ですが、I型やL型よりは高く、100万円~180万円程度が目安となります。

対面キッチンは、家族とのコミュニケーションを重視する方に最適ですが、調理中の音やニオイがリビングに広がりやすいというデメリットもあります。高性能なレンジフードを選んだり、コンロの前に油はね防止のパネルを設置したりするなどの対策を検討しましょう。

キッチンのグレードによる費用の違い

同じレイアウトのキッチンでも、メーカーが設定する「グレード」によって価格は大きく変わります。グレードの違いは主に、天板や扉の素材、搭載されている機能、そしてデザイン性に現れます。

グレード 特徴 本体価格の目安
ハイグレード ・天然石やセラミックの天板、無垢材の扉など高級素材を使用
・最新機能、海外製、オーダーメイドなど選択肢が豊富
100万円~300万円以上
ミドルグレード ・機能、デザイン、価格のバランスが最も良い
・人工大理石の天板、豊富なカラーバリエーションの扉材など
50万円~100万円
ローグレード ・基本的な機能を備えたシンプルな構成
・ステンレスの天板、化粧シートの扉材が中心
20万円~50万円

ハイグレード

ハイグレードキッチンは、まさに「こだわり」を形にするための選択肢です。ワークトップには、熱や傷に非常に強く高級感のあるセラミックやクォーツストーン(天然石)、扉材には重厚な無垢材や美しい光沢の鏡面塗装などが使われます。デザインも洗練されており、海外の高級ブランドキッチンや、自分の使い勝手に合わせてミリ単位で設計できるオーダーメイドキッチンもこのカテゴリーに含まれます。最新のセンサー付き水栓や、スマートフォンと連携するコンロなど、最先端の機能が搭載されていることも特徴です。価格は青天井とも言え、100万円を超えるのは当たり前で、中には300万円以上するものもあります。

ミドルグレード

ミドルグレードは、各メーカーが最も力を入れている主力の価格帯であり、ほとんどの人にとって満足のいく選択肢が見つかります。ワークトップは人工大理石が主流となり、扉材のカラーやデザインのバリエーションも一気に増えます。ビルトイン食洗機や掃除のしやすいレンジフードなど、人気のオプションも標準装備、あるいは選択しやすくなっています。収納の使い勝手にも工夫が凝らされており、機能性とデザイン性、そして価格のバランスが最も優れています。本体価格の目安は50万円~100万円程度です。

ローグレード

ローグレード(またはスタンダードグレード)は、コストを最優先に考えた場合の選択肢です。機能は基本的なものに絞られ、デザインやカラーの選択肢も限られます。ワークトップはステンレス、扉材はシンプルな化粧シートが一般的です。賃貸住宅や、あまりキッチンにこだわりがないという場合に適しています。しかし、最近ではローグレードでもデザイン性の高い商品も増えてきており、侮れません。本体価格の目安は20万円~50万円程度です。

どのグレードを選ぶかは、予算と、キッチンに何を求めるかによって決まります。ショールームで実際に各グレードの製品に触れて、素材の質感や使い勝手を比較検討することが、後悔のない選択をするための重要なステップです。

【価格帯別】キッチンリフォームでできること

50万円未満でできるリフォーム、50〜100万円でできるリフォーム、100〜150万円でできるリフォーム、150万円以上でできるリフォーム

これまで解説してきた内容を踏まえ、ここでは具体的な予算別にどのようなキッチンリフォームが実現可能なのかを、より詳しく見ていきましょう。ご自身の予算と照らし合わせながら、リフォーム計画の参考にしてください。

50万円未満でできるリフォーム

予算50万円未満のリフォームは、「部分的な改善」または「最低限の全体交換」が中心となります。今のキッチンのレイアウトや基本的な構造には満足しているものの、古くなった設備を新しくしたい、という場合に最適な価格帯です。

  • 具体的なリフォーム例
    • ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換(約10万~20万円): 掃除が楽になり、火を使わない安心感が得られます。200Vの専用電源工事が必要になります。
    • レンジフードのみの交換(約10万~20万円): 古いプロペラファンから、静かで掃除のしやすいシロッコファンへの交換が人気です。キッチンの印象も新しくなります。
    • 水栓金具の交換(約5万~10万円): 浄水器内蔵型や、手をかざすだけで水が出るタッチレス水栓に交換すると、利便性が大きく向上します。
    • ローグレードのI型キッチンへの交換(約40万~50万円): 最も費用を抑えた全体交換プランです。既存のキッチンと同じサイズ・同じ位置に設置し、内装工事は行わないのが前提です。基本的な機能があれば十分という方に向いています。
    • コンロ周りの壁にキッチンパネルを張る(約3万~6万円): 油汚れが付きやすい壁を手入れのしやすいキッチンパネルに変えるだけで、日々の掃除が格段に楽になります。

この価格帯では、キッチンのレイアウト変更や、グレードの高いキッチンへの交換は難しいと考えましょう。しかし、ピンポイントで不満点を解消するだけでも、キッチンの快適性は大きく向上します。

50〜100万円でできるリフォーム

50万~100万円は、キッチンリフォームで最も一般的な価格帯であり、満足度の高いリフォームが実現可能です。選べるキッチンのグレードやデザインの幅が大きく広がり、内装まで含めたトータルなリニューアルが視野に入ります。

  • 具体的なリフォーム例
    • ミドルグレードのシステムキッチンへの交換(約60万~100万円): 機能性とデザイン性のバランスが取れた、各メーカーの主力商品を自由に選べます。人工大理石のワークトップや、好みのカラーの扉材を選び、自分らしいキッチン空間を演出できます。
    • キッチン交換+内装工事(約70万~100万円): 新しいキッチンに合わせて、壁紙(クロス)や床材(クッションフロア、フローリング)も一新するプランです。キッチン空間全体が生まれ変わり、リフォームの効果を最大限に感じられます。
    • ビルトイン食洗機や高機能レンジフードの導入: 家事の負担を軽減する人気のオプションを追加する余裕も生まれます。特に共働き世帯や子育て世帯には、食洗機の導入がおすすめです。
    • 収納力のあるシステムキッチンへの変更: スライド式のキャビネットや、昇降式の吊戸棚など、収納に工夫が凝らされたキッチンを選ぶことで、調理器具や食器がすっきりと片付きます。

この価格帯では、同じ場所でのキッチン交換を前提に、本体のグレードアップやオプションの追加、内装のリフレッシュを組み合わせるのが賢い選択です。多くの人が「リフォームして良かった」と実感できる、バランスの取れたプランが実現できます。

100〜150万円でできるリフォーム

100万~150万円の予算があれば、キッチンのレイアウト変更という、よりダイナミックなリフォームも可能になります。キッチンの機能性だけでなく、LDK全体の空間設計まで含めて考えたいという方の要望を叶えることができます。

  • 具体的なリフォーム例
    • ハイグレードのシステムキッチンへの交換(約100万~150万円): セラミック天板やデザイン性の高い扉材など、高級感のある素材を選べます。見た目の美しさにもこだわりたい方に最適です。
    • 壁付けキッチンから対面式ペニンシュラキッチンへの変更(約120万~150万円): 閉鎖的だったキッチンを開放的な空間に変える、人気のレイアウト変更です。給排水や電気、排気の移設工事が必要になるため、工事費が高くなりますが、家族とのコミュニケーションが生まれ、LDKに一体感が生まれます。
    • キッチンと揃いのカップボード(食器棚)の新設: キッチン本体だけでなく、背面の収納も同じデザインで統一することで、洗練された美しい空間を創り出せます。収納量が大幅にアップし、家電の置き場所も確保できます。

この価格帯のリフォームは、暮らし方そのものを変える可能性を秘めています。ただし、レイアウト変更は家の構造によっては制約がある場合もあります。リフォーム会社とよく相談し、実現可能かしっかりと確認することが重要です。

150万円以上でできるリフォーム

150万円以上の予算を確保できる場合、既製品の枠にとらわれない、自由な発想のキッチンリフォームが実現します。まさに「理想のキッチン」を追求するための価格帯です。

  • 具体的なリフォーム例
    • アイランドキッチンの導入(約150万~250万円以上): LDKの中心にキッチンを配置し、ホームパーティーが開けるような主役級の空間を創出します。床下からの大掛かりな配管・配線工事が必要となり、費用は高額になります。
    • オーダーメイドキッチンの製作: 自分の身長に合わせたカウンターの高さ、持っている鍋に合わせた引き出しの深さなど、あらゆる要望を反映した世界に一つだけのキッチンを造作します。
    • 海外製高級キッチンの導入: デザイン性に優れたドイツ製やイタリア製のキッチンは、多くの人の憧れです。ただし、日本の規格と異なる場合があるため、設置にはノウハウを持ったリフォーム会社を選ぶ必要があります。
    • キッチンを含むLDK全体の大規模リノベーション: 間仕切り壁を撤去して広々としたLDKを創るなど、間取りの変更を伴うリフォームも可能です。

この価格帯のリフォームは、もはや単なる設備の交換ではなく、「空間を創造する」というレベルのプロジェクトになります。設計力や施工技術の高い、信頼できるリフォーム会社をパートナーに選ぶことが成功の絶対条件となります。

キッチンリフォームの費用を安く抑える7つのコツ

補助金や助成金制度を活用する、キッチンのグレードや機能を見直す、キッチンのレイアウトは変更しない、複数のリフォーム会社から相見積もりを取る、他のリフォームとまとめて依頼する、リフォーム会社のキャンペーンやセール時期を狙う、地元の工務店やリフォーム会社に依頼する

理想のキッチンを思い描くと、ついつい予算が膨らみがちです。しかし、いくつかのポイントを押さえるだけで、リフォームの満足度を下げずに費用を賢く抑えることが可能です。ここでは、今日から実践できる7つのコツをご紹介します。

① 補助金や助成金制度を活用する

国や地方自治体は、省エネ性能の向上やバリアフリー化、子育て支援などを目的としたリフォームに対して、補助金や助成金制度を設けています。条件に合致すれば、数十万円単位で費用の補助を受けられる可能性があります。

例えば、エコな設備(高効率給湯器、節水型水栓など)を導入するリフォームや、子育て世帯が行うリフォームなどが対象となることが多いです。利用できる制度は年度や自治体によって変わるため、リフォームを計画する段階で、国やお住まいの市区町村のホームページを確認することが不可欠です。後の章で代表的な制度を詳しく解説しますが、まずは「使える制度がないか調べる」という意識を持つことが重要です。

② キッチンのグレードや機能を見直す

リフォーム費用の中で最も大きな割合を占めるのがキッチン本体の価格です。そのため、キッチンのグレードや機能を見直すことが、最も効果的なコストダウンにつながります。

  • グレードを一段階下げる: ハイグレードを検討していたならミドルグレードに、ミドルグレードを検討していたならローグレードの一部も視野に入れてみましょう。最近のミドルグレードやローグレードはデザイン性も機能性も向上しており、比較してみると「これで十分」と思えることも少なくありません。
  • 素材を見直す: 憧れの天然石やセラミックの天板は高価です。見た目が似ている人工大理石や、プロの厨房でも使われる機能的なステンレスも優れた選択肢です。扉材も、無垢材や塗装仕上げにこだわらなければ、木目調の化粧シートなどで十分に好みの雰囲気を演出できます。
  • オプション機能を厳選する: ビルトイン食洗機、タッチレス水栓、自動洗浄機能付きレンジフードなど、便利な機能は魅力的ですが、本当に自分たちのライフスタイルに必要か冷静に考えてみましょう。「あれば便利」程度の機能は、思い切って削ることで数十万円のコスト削減につながることもあります。

ショールームで夢が膨らむのは自然なことですが、「絶対に譲れない機能」と「あれば嬉しい機能」をリストアップし、優先順位をつけることが賢い選択の第一歩です。

③ キッチンのレイアウトは変更しない

「壁付けから対面キッチンへ」といったレイアウト変更は、見た目も使い勝手も大きく変わるため魅力的ですが、費用を抑えたいのであれば最も避けるべき工事です。

前述の通り、キッチンの位置を移動させると、給排水管、ガス管、電気配線、排気ダクトの移設・延長工事が必ず発生します。これに伴い、床や壁を広範囲にわたって解体・補修する必要も出てくるため、工事費が数十万円単位で跳ね上がります。

現在のキッチンの位置に大きな不満がないのであれば、「既存のレイアウトのまま、新しいキッチンに交換する」という選択が、コストを抑える上で最も確実で効果的な方法です。

④ 複数のリフォーム会社から相見積もりを取る

同じリフォーム内容であっても、依頼する会社によって見積金額は大きく異なります。これは、会社ごとにキッチンメーカーからの仕入れ値が違ったり、得意な工事や利益率の設定が異なったりするためです。

そこで不可欠なのが、少なくとも3社以上のリフォーム会社から見積もりを取る「相見積もり」です。相見積もりには、以下のようなメリットがあります。

  • 適正価格の把握: 複数の見積もりを比較することで、そのリフォーム内容の適正な価格相場が分かります。一社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。
  • 価格交渉の材料: 他社の見積もりを提示することで、価格交渉がしやすくなる場合があります。
  • 提案内容の比較: 会社によって提案してくるキッチンの種類や工事の進め方が違うこともあります。自分では思いつかなかったような、より良いプランに出会える可能性もあります。

ただし、単純に総額が一番安い会社を選ぶのは危険です。見積書の項目に抜けがないか、「一式」などの曖昧な表現が多くないか、保証内容はどうかなど、内訳を詳細に比較検討することが重要です。

⑤ 他のリフォームとまとめて依頼する

もし、キッチン以外にも浴室やトイレ、洗面所など、他にリフォームを検討している場所があるなら、まとめて同じ会社に依頼することでトータルの費用を抑えられる可能性があります。

なぜなら、リフォーム工事では、職人さんの人件費、資材の運搬費、現場の養生費、廃材の処分費といった共通の経費が必ず発生するからです。工事を別々のタイミングで行うと、これらの経費がその都度かかってしまいますが、一度にまとめてしまえば、一回分で済む部分が多くなります。

特に、キッチン、浴室、トイレといった水回りは、給排水工事を伴う点で共通しています。「水回りパック」のようなセットプランを用意しているリフォーム会社も多く、個別に依頼するよりも割安になるケースが一般的です。

⑥ リフォーム会社のキャンペーンやセール時期を狙う

リフォーム会社や住宅設備メーカーも、売上を伸ばすために様々なキャンペーンを実施します。こうした時期を狙うのも、費用を抑える賢い方法です。

  • 決算期(3月、8~9月): 多くの会社が決算前に売上目標を達成しようと、値引き交渉に応じやすくなったり、お得なキャンペーンを打ち出したりする傾向があります。
  • 年末年始: 年内に工事を完了させたいという需要が落ち着いた後、閑散期対策としてセールを行うことがあります。
  • メーカーのモデルチェンジ時期: 新商品が発売される前後は、旧モデル(型落ち品)が在庫処分として安く提供されることがあります。最新機能にこだわらなければ、高性能な製品を格安で手に入れるチャンスです。

リフォーム会社のウェブサイトやチラシをこまめにチェックしたり、担当者にキャンペーンの予定がないか尋ねてみたりするのも良いでしょう。

⑦ 地元の工務店やリフォーム会社に依頼する

テレビCMを放映しているような大手リフォーム会社は、知名度や安心感がある一方、広告宣伝費や立派なショールームの維持費などが工事費に上乗せされているため、価格が高めになる傾向があります。

対照的に、地域に根差した地元の工務店やリフォーム会社は、こうした経費が少ない分、比較的安価に工事を請け負ってくれることがあります。また、何かトラブルがあった際に迅速に対応してくれるフットワークの軽さも魅力です。

ただし、会社によって技術力やデザイン提案力に差があるのも事実です。過去の施工事例を見せてもらったり、口コミを調べたりして、信頼できる会社かどうかをしっかりと見極める必要があります。相見積もりを取る際には、大手だけでなく、地元の優良な会社も候補に加えることをおすすめします。

キッチンリフォームで使える補助金・助成金制度

国が実施している補助金制度、地方自治体が実施している補助金制度、介護保険・高齢者住宅改修費用助成制度

キッチンリフォームは決して安い買い物ではありません。しかし、特定の条件を満たすことで、国や地方自治体が実施している補助金・助成金制度を活用でき、費用の負担を軽減できる可能性があります。ここでは、代表的な制度をご紹介します。制度の内容は年度によって変更されるため、必ず公式の一次情報源で最新の情報を確認してください。

国が実施している補助金制度

国が主導する補助金は、全国どこに住んでいても利用できる可能性があります。主に、省エネ性能の向上や子育て支援を目的としたものが中心です。

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業は、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図ることを目的とした事業です。

  • 対象者: 子育て世帯(18歳未満の子を有する世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下の世帯)。その他の世帯もリフォームの内容によっては対象となります。
  • 対象となる主なキッチンリフォーム:
    • 掃除しやすいレンジフードへの交換: 13,000円/戸
    • ビルトイン食洗機への交換: 21,000円/戸
    • 水栓を節湯水栓へ交換: 5,000円/戸
    • ビルトイン自動調理対応コンロの設置: 14,000円/戸
  • 補助上限額: 子育て世帯・若者夫婦世帯は最大30万円。その他の世帯は最大20万円。(※リフォームの内容によって上限は変動します)
  • 注意点: 合計補助額が5万円以上にならないと申請できません。そのため、上記のキッチンリフォーム単体ではなく、断熱改修や高効率給湯器の設置など、他の対象工事と組み合わせて申請するのが一般的です。

参照:国土交通省 子育てエコホーム支援事業 公式サイト

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の性能向上や子育てしやすい環境の整備を目的としたリフォームを支援する制度です。質の高い住宅ストックの形成を目指しています。

  • 対象となる工事:
    • 住宅の性能を向上させる必須工事(劣化対策、耐震性、省エネ対策など)
    • 上記に加えて行う、三世代同居対応改修工事、子育て世帯向け改修工事、防災性・レジリエンス性の向上改修工事など。
  • キッチンの改修: この制度では、キッチン単体のリフォームは直接の補助対象ではありません。しかし、「三世代同居対応改修工事」として、親世帯と子世帯が共有する部分(リビング、ダイニング、キッチンなど)の面積を増やす工事や、「子育て世帯向け改修工事」として、対面キッチンへの改修などが補助対象に含まれる場合があります。
  • 補助率・補助限度額: リフォーム工事費用の3分の1を補助。上限額は住宅の性能に応じて変動しますが、一戸あたり最大100万円~250万円と、非常に高額な補助が受けられる可能性があります。
  • 注意点: 補助を受けるには、リフォーム後の住宅が一定の性能基準を満たす必要があります。専門的な知識が求められるため、この制度の利用実績が豊富なリフォーム会社に相談することが不可欠です。

参照:国土交通省 長期優良住宅化リフォーム推進事業 公式サイト

地方自治体が実施している補助金制度

国だけでなく、お住まいの都道府県や市区町村が独自にリフォーム補助金制度を設けている場合があります。

  • 制度の例:
    • 地域産材の利用促進: 地元の木材を使用してリフォームした場合に補助。
    • 同居・近居支援: 親世帯と子世帯が同居・近居するために住宅をリフォームした場合に補助。
    • 空き家活用支援: 空き家をリフォームして住む場合に補助。
    • 耐震化リフォーム支援: 住宅の耐震化と同時に行うリフォームに補助。

これらの制度は、自治体によって内容、条件、予算、申請期間が大きく異なります。また、予算がなくなり次第終了となることも多いため、「(お住まいの市区町村名) リフォーム 補助金」といったキーワードで検索し、早めに情報を集めることが重要です。リフォーム会社の担当者が詳しい場合もあるので、相談してみるのも良いでしょう。

介護保険・高齢者住宅改修費用助成制度

要支援・要介護認定を受けている方が、自宅で安全に暮らし続けられるようにするためのバリアフリーリフォームに対して、介護保険から費用の一部が支給される制度です。

  • 対象者: 要支援1・2、または要介護1~5の認定を受けており、かつ被保険者証に記載されている住所の住宅に住んでいる方。
  • 対象となる主な工事:
    • 手すりの取り付け
    • 段差の解消
    • 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
    • 引き戸等への扉の取替え
    • 洋式便器等への便器の取替え
  • キッチンでの活用例: 直接キッチンを交換する費用は対象外ですが、例えば、車椅子でもスムーズにキッチンに入れるように床の段差を解消したり、立ち座りの補助として壁に手すりを設置したりする工事は対象となる可能性があります。
  • 支給限度額: 支給限度基準額は20万円です。そのうち、所得に応じて費用の7割~9割が払い戻されます(自己負担は1割~3割)。つまり、最大で18万円の支給が受けられます。
  • 注意点: 必ず工事の着工前に、市区町村の介護保険担当窓口への事前申請が必要です。ケアマネジャーに相談し、必要な手続きを進めるのが一般的です。

参照:厚生労働省 介護保険における住宅改修

これらの補助金制度は、知っているかどうかでリフォーム費用に大きな差が生まれる可能性があります。面倒くさがらずに情報収集を行い、活用できる制度は積極的に利用することを強くおすすめします。

失敗しないためのリフォーム会社の選び方

キッチンリフォームの実績が豊富か確認する、保証やアフターサービスが充実しているか確認する、担当者との相性や対応の良さを見極める

キッチンリフォームの成否は、どのリフォーム会社に依頼するかで8割が決まると言っても過言ではありません。価格が安いというだけで選んでしまうと、「仕上がりがイメージと違う」「すぐに不具合が出た」といった後悔につながりかねません。ここでは、信頼できるパートナーとなるリフォーム会社を見極めるための3つのポイントを解説します。

キッチンリフォームの実績が豊富か確認する

リフォームと一言で言っても、外壁塗装が得意な会社、内装デザインが得意な会社、水回り全般が得意な会社など、会社によって得意分野は異なります。キッチンリフォームを成功させるためには、キッチン工事に関する専門知識と経験が豊富な会社を選ぶことが絶対条件です。

  • 確認するポイント:
    • 施工事例の数と質: 会社のウェブサイトやパンフレットに掲載されている施工事例を確認しましょう。単純な数だけでなく、自分たちが希望するテイスト(モダン、ナチュラル、シンプルなど)やレイアウト(対面式、I型など)の事例が豊富にあるかどうかが重要です。様々なパターンのキッチンリフォームを手掛けている会社は、提案の引き出しも多いと考えられます。
    • 写真のビフォーアフター: リフォーム前の課題を、リフォーム後どのように解決したのかが具体的に分かる事例が掲載されていると、その会社の提案力や問題解決能力を推し量ることができます。
    • 得意な工事内容: 「デザイン性の高い造作キッチンが得意」「マンションリフォームに特化している」「バリアフリー改修の実績が豊富」など、会社の強みが明記されているかを確認しましょう。自分たちの要望と会社の強みがマッチしていると、より満足度の高いリフォームが期待できます。

相談の際には、「私たちの希望に近い施工事例はありますか?」と直接尋ねてみましょう。その場で具体的な事例をすぐに見せてくれる会社は、経験が豊富である証拠と言えます。

保証やアフターサービスが充実しているか確認する

リフォームは工事が完了したら終わりではありません。万が一、工事後に不具合が発生した場合に、きちんと対応してくれるかどうかが非常に重要です。契約前に、保証やアフターサービスの内容を書面で確認しておきましょう。

  • 確認するポイント:
    • 工事の保証(アフターサービス保証): リフォーム会社が独自に設けている保証です。「工事完了後〇年間は、工事が原因の不具合は無償で修理します」といった内容です。保証期間は会社によって異なり、1年、5年、10年など様々です。保証の対象範囲(どこまでの不具合を保証してくれるか)も必ず確認しましょう。
    • リフォーム瑕疵(かし)保険: これは、リフォーム工事に欠陥が見つかった場合に、その補修費用を保険金でカバーできる制度です。もしリフォーム会社が倒産してしまっても、保険法人から直接保険金が支払われます。この保険に加入している会社は、第三者機関の検査を受けているため、施工品質に対する信頼性が高いと言えます。加入しているかどうかは、見積もりや契約の段階で確認できます。
    • 定期点検の有無: 「引き渡し後、1年後、5年後に定期点検に伺います」といったサービスがあるかどうかもチェックポイントです。定期的に様子を見に来てくれる会社は、長期的な視点で顧客との関係を大切にしている証拠です。

「何かあったらすぐに対応します」といった口約束だけでなく、保証期間や内容が明記された保証書を発行してくれるかどうかが、信頼できる会社を見分ける一つの基準になります。

担当者との相性や対応の良さを見極める

リフォームは、担当者と二人三脚で進めていくプロジェクトです。打ち合わせから工事完了まで、数週間にわたって密にコミュニケーションを取ることになります。そのため、担当者との相性や、その対応の質がリフォームの満足度を大きく左右します。

  • 見極めるポイント:
    • コミュニケーションのしやすさ: こちらの要望や悩みを親身になって聞いてくれるか。専門用語を多用せず、分かりやすい言葉で説明してくれるか。小さな疑問や不安にも、面倒くさがらずに丁寧に答えてくれるか、といった点は非常に重要です。話しやすい雰囲気の担当者であれば、リフォームの要望も伝えやすくなります。
    • 提案力: こちらの要望をただ聞くだけでなく、プロの視点から「こういう方法もありますよ」「将来のことを考えると、こちらの機能の方がおすすめです」といった、より良い提案をしてくれるかどうかも重要です。自分たちのライフスタイルを理解した上で、潜在的なニーズまで汲み取った提案をしてくれる担当者は、頼れるパートナーになります。
    • レスポンスの速さ: 質問や依頼に対する返答が早いかどうかも、信頼性を測るバロメーターです。レスポンスが遅いと、工事が始まってからも不安な思いをすることになりかねません。

複数の会社と打ち合わせをする中で、「この人になら安心して任せられる」と直感的に思えるかどうか、という感覚も大切にしましょう。価格やプラン内容だけでなく、「人」で選ぶ視点を持つことが、後悔しないリフォーム会社選びの秘訣です。

キッチンリフォームの一般的な流れと期間

近隣への挨拶、養生、解体・撤去、設備工事、内装・下地工事、キッチン組立・設置、接続・仕上げ、クリーニング

「リフォームを始めたいけど、何から手をつけていいか分からない」「工事にはどれくらいの日数がかかるの?」といった疑問は、多くの方が抱くものです。ここでは、リフォームの相談から完成・引き渡しまでの一般的な流れと、必要となる期間の目安を解説します。全体像を把握しておくことで、スムーズに計画を進めることができます。

リフォームの相談・現地調査

すべてはここから始まります。リフォーム会社のウェブサイトや電話で問い合わせをし、相談の日程を決めます。最初の打ち合わせでは、現在のキッチンの不満点、新しいキッチンへの要望、大まかな予算などを伝えます。
その後、担当者が実際に自宅を訪問し、現地調査を行います。

  • 現地調査で確認すること:
    • 既存のキッチンの寸法、設置状況
    • 床下や壁の構造、下地の状態
    • 給排水管、ガス管、電気配線、換気ダクトの位置
    • 搬入経路(玄関や廊下の幅など)の確認

この現地調査で得られた情報が、正確なプランニングと見積もりの基礎となります。現状を正確に把握してもらうためにも、立ち会いのもとで気になる点はすべて伝えましょう。

プラン提案・見積もり

現地調査の結果と、ヒアリングした要望をもとに、リフォーム会社が具体的なリフォームプランと見積書を作成します。通常、相談から1~2週間程度で提出されます。

  • 提案内容:
    • キッチンのレイアウト図、完成イメージパース
    • 提案するシステムキッチンのカタログや仕様書
    • 工事内容の詳細な説明
  • 見積書:
    • キッチン本体の価格、工事費、諸経費などの詳細な内訳
    • 使用する製品の品番や数量

この段階で、複数の会社から提案と見積もりを取り寄せ(相見積もり)、内容をじっくり比較検討します。プランや金額に不明な点があれば、納得がいくまで質問することが重要です。

契約

比較検討の結果、依頼するリフォーム会社を1社に絞り込み、最終的なプランと金額を確定させたら、工事請負契約を結びます。

  • 契約書で確認すべき主な項目:
    • 工事内容、工事金額、支払い条件(着手金、中間金、最終金など)
    • 工期(着工日と完成予定日)
    • 使用する部材や設備の品番
    • 保証内容、アフターサービス
    • 遅延や事故発生時の対応(遅延損害金など)
    • クーリング・オフに関する記載

契約書は非常に重要な書類です。内容を隅々まで確認し、少しでも疑問があればその場で担当者に確認しましょう。安易にサインせず、納得した上で契約することがトラブルを防ぐための鍵です。

着工・工事

契約後、キッチンメーカーへの製品発注や、職人の手配などが行われます。製品の納期は通常2週間~1ヶ月程度です。すべての準備が整ったら、いよいよ工事開始(着工)です。

  • 工事の主な流れ:
    1. 近隣への挨拶、養生: 工事の騒音などで迷惑をかける可能性があるため、リフォーム会社が近隣住民へ挨拶回りを行います。また、工事箇所周辺や搬入経路をシートで保護します。
    2. 解体・撤去: 既存のキッチンを解体し、運び出します。
    3. 設備工事: 必要に応じて、給排水管、ガス管、電気配線などの移設・新設工事を行います。
    4. 内装・下地工事: 壁や床の補修、クロスや床材の張り替えなどを行います。
    5. キッチン組立・設置: 新しいシステムキッチンを組み立て、設置します。
    6. 接続・仕上げ: 各設備を配管・配線に接続し、動作確認を行います。
    7. クリーニング: 工事で汚れた箇所を清掃します。

工事期間中は、キッチンが使えなくなります。外食や中食で対応できるよう、事前に計画を立てておきましょう。

完成・引き渡し

工事がすべて完了したら、リフォーム会社の担当者と一緒に、契約書や設計図通りに仕上がっているか、傷や汚れがないか、設備は正常に動作するかなどを厳しくチェックします(完了検査)。

問題がなければ、リフォーム会社から設備機器の取扱説明書や保証書を受け取り、引渡確認書にサインをします。この時点で、残金の支払いを行い、リフォームはすべて完了となります。

リフォームにかかる期間の目安

リフォームを検討し始めてから、実際に新しいキッチンが使えるようになるまでの期間は、リフォームの内容によって大きく異なります。

工程 期間の目安
① 情報収集・リフォーム会社探し 2週間~1ヶ月
② 相談・現地調査・プラン提案・見積もり 2週間~1ヶ月
③ 契約・製品発注 1週間~(製品納期:2週間~1ヶ月)
④ 工事期間 2日~1週間程度(※)
合計期間 1.5ヶ月~3ヶ月程度

(※)工事期間は内容により大きく変動します。

  • 既存キッチンとの交換のみ(内装工事なし): 2~3日
  • キッチン交換+内装工事: 4~7日
  • レイアウト変更を伴う工事: 1週間~2週間以上

リフォームは思い立ってすぐにできるものではありません。特に、補助金の申請やショールームでの実物確認などを含めると、さらに時間が必要になります。余裕を持ったスケジュールを立て、じっくりと計画を進めることが、満足のいくリフォームにつながります。

キッチンリフォームで後悔しないための注意点

ショールームで実物を確認する、追加費用が発生する可能性を理解しておく、マンションの場合は管理規約を確認する、収納スペースを十分に確保する

多額の費用と時間をかけて行うキッチンリフォーム。せっかくなら「やってよかった」と心から思えるものにしたいはずです。ここでは、よくある失敗例をもとに、後悔しないために事前に知っておくべき4つの注意点を解説します。

ショールームで実物を確認する

カタログやウェブサイトの写真だけでキッチンを選んでしまうのは、失敗の元です。必ずメーカーのショールームに足を運び、実物を見て、触れて、体験することを強くおすすめします。

  • ショールームで確認すべきポイント:
    • 色と質感: カタログの色は印刷のため、実際の色味とは微妙に異なります。また、扉材やワークトップの質感、光沢の具合などは、実物を見なければ分かりません。自宅の床材や建具のサンプルを持参すると、全体の色の調和を確認しやすくなります。
    • 高さと奥行き: キッチンのワークトップの高さは、「身長 ÷ 2 + 5cm」が使いやすい高さの目安とされています。ショールームで実際に立ってみて、腰に負担がかからないか、調理や洗い物がしやすいかを確認しましょう。また、奥行きも重要です。奥行きが広いと作業スペースは増えますが、その分通路が狭くなる可能性もあります。
    • 収納の使い勝手: 引き出しの滑らかさ、扉の開け閉めのしやすさ、収納内部の構造などを実際に試してみましょう。デッドスペースになりがちなコーナー収納や、高い場所にある吊戸棚の使い勝手は特に重要です。
    • 動線の確認: ショールームでは、シンク、コンロ、冷蔵庫(を置く予定の場所)を結ぶワークトライアングルを意識して、実際に動いてみることが大切です。調理の一連の流れをシミュレーションし、動きに無理がないか、通路幅は十分かを確認しましょう。

ショールームに行くことで、カタログだけでは気づかなかった発見や、新たなアイデアが生まれることも少なくありません。面倒くさがらずに、時間を確保して訪問しましょう。

追加費用が発生する可能性を理解しておく

リフォームでは、見積もり時点では予測できなかった問題が、工事を始めてから発覚することがあります。特に、既存のキッチンを解体した後に、床下や壁の内部に問題が見つかるケースは珍しくありません。

  • 追加費用が発生する主なケース:
    • 下地の腐食やシロアリ被害: 長年の水漏れなどで、キッチンの床下の木材が腐っていたり、シロアリの被害に遭っていたりする場合があります。この場合、構造を補強するための追加工事が必須となります。
    • 配管の劣化: 見えない部分の給排水管が老朽化しており、交換が必要になるケース。
    • アスベスト(石綿)の含有: 2006年以前に建てられた住宅では、壁や床の下地材にアスベストが含まれている可能性があります。その場合、専門業者による除去作業が必要となり、高額な追加費用がかかります。

こうした不測の事態に備え、契約金額の10%~20%程度を予備費として準備しておくと安心です。また、契約前に「追加工事が発生する可能性があるとすれば、どのようなケースですか?その場合の費用はどれくらいですか?」とリフォーム会社に確認しておくことも重要です。

マンションの場合は管理規約を確認する

戸建てと違い、マンションのリフォームには様々な制約があります。管理組合が定めた「管理規約」を事前に確認し、ルールを守って工事を進める必要があります。確認を怠ると、工事の中断や、原状回復を求められるといった最悪の事態になりかねません。

  • マンションで特に確認すべき規約:
    • 工事可能な曜日・時間帯: 平日の日中のみ、などと定められていることがほとんどです。
    • 床材の遮音等級(L値): 下の階への音漏れを防ぐため、フローリングなどの床材には一定以上の遮音性能(L-45やL-40など)が求められます。規約で定められた等級をクリアする床材しか使用できません。
    • 電気容量: IHクッキングヒーターや食洗機など、消費電力の大きい機器を導入する場合、マンション全体の電気容量の上限を超えてしまうことがあります。事前に管理組合や電力会社への確認が必要です。
    • ガス工事: ガスコンロの交換や移設は、ガス会社への届け出が必要な場合があります。また、規約でガス管の移設が禁止されていることもあります。
    • 搬入経路・養生: 資材の搬入に使うエレベーターや廊下など、共用部分の使用ルールや養生の方法が細かく定められています。

リフォーム会社に管理規約のコピーを渡し、規約を遵守したプランを提案してもらうことがトラブル回避の鍵です。マンションリフォームの実績が豊富な会社を選ぶと、これらの手続きもスムーズに進めてくれます。

収納スペースを十分に確保する

新しいキッチンはデザインを優先してしまいがちですが、最も後悔につながりやすいのが「収納」の問題です。「見た目はスッキリしたけれど、以前より物が入らなくなった」「調理器具や食器が収まりきらず、結局キッチンがごちゃごちゃしてしまった」という失敗は後を絶ちません。

  • 収納計画で考えるべきこと:
    • 現状の持ち物量の把握: まずは、今キッチンにあるものをすべてリストアップし、必要なものと不要なものを仕分けしましょう。これにより、新しいキッチンに必要な収納量を正確に把握できます。
    • 将来の増減を考慮: 家族構成の変化や、ライフスタイルの変化によって、持ち物は増減します。少し余裕を持たせた収納計画を立てることが大切です。
    • 「どこに」「何を」収納するか: 調理器具、食器、食材ストック、ゴミ箱、家電など、それぞれの定位置をあらかじめシミュレーションしておきましょう。例えば、コンロ下には鍋やフライパン、シンク下にはザルやボウル、といったように、使う場所の近くに収納するのが基本です。
    • デッドスペースの活用: L型キッチンのコーナー部分や、吊戸棚の上部など、デッドスペースになりがちな場所を有効活用できる収納オプション(回転棚、昇降式ラックなど)を検討しましょう。

デザインの開放感を求めて吊戸棚をなくす場合は、その分の収納量を確保できるカップボードやパントリー(食品庫)を設けるなど、代替案を必ずセットで考えることが、使いやすく美しいキッチンを長く維持するための秘訣です。