トイレリフォームの費用相場は?補助金情報や人気メーカー5選も紹介

トイレリフォームの費用相場は?、補助金情報や人気メーカーも紹介

毎日何度も利用するトイレは、私たちの生活において非常に重要な空間です。清潔で快適なトイレは、日々の暮らしの質を大きく左右するといっても過言ではありません。しかし、長年使用していると、「便器の黄ばみが落ちない」「掃除がしにくい」「水道代が気になる」「もっと快適な機能がほしい」といった悩みが出てくるものです。

このような悩みを解決し、より快適で衛生的な空間を実現するのが「トイレリフォーム」です。最新のトイレは、驚くほど節水性能が向上しているだけでなく、掃除の手間を劇的に減らす機能や、使う人を快適にする様々な機能が搭載されています。

しかし、いざリフォームを検討し始めると、「一体いくらくらいかかるのだろう?」「どんな工事が必要なの?」「費用を安く抑える方法はある?」「どのメーカーのトイレを選べばいいの?」といった疑問が次々と湧いてくるのではないでしょうか。

この記事では、トイレリフォームを検討しているすべての方に向けて、工事内容別の費用相場から、費用の内訳、コストを抑えるための具体的なコツ、活用できる補助金制度、さらには人気メーカーの特徴比較まで、あらゆる情報を網羅的に解説します。

リフォームで失敗しないためのトイレの選び方や、信頼できるリフォーム会社の選定ポイント、工事の流れや注意点まで詳しくご紹介しますので、この記事を読めば、トイレリフォームに関する不安や疑問が解消され、自信を持って計画を進められるようになるでしょう。

この記事を最後まで読めば、あなたの理想のトイレ空間を実現するための具体的な道筋が見えてきます。 さあ、一緒に快適なトイレ空間づくりの第一歩を踏み出しましょう。

【工事内容別】トイレリフォームにかかる費用相場

トイレリフォームの費用は、どのような工事を行うかによって大きく変動します。ここでは、代表的な工事内容ごとに、費用の目安を詳しく解説します。ご自身の希望するリフォームがどのケースに当てはまるかを確認し、予算を立てる際の参考にしてください。

工事内容 費用相場 主な工事内容
トイレ本体の交換のみ 5万円~20万円 既存トイレの撤去・処分、新しいトイレの設置
本体交換+内装リフォーム 10万円~30万円 トイレ本体交換に加え、壁紙・床材の張り替え
和式から洋式へのリフォーム 15万円~50万円 和式便器の解体、床の造作、給排水管工事、洋式トイレ設置
トイレの増設・移設 30万円~80万円以上 新規スペースの確保、壁・床・天井の造作、給排水・電気配線工事
手洗い器の新規設置 5万円~15万円 給排水管工事、手洗い器本体の設置

トイレ本体の交換のみ

現在使用している洋式トイレを、新しい洋式トイレに交換する最もシンプルなリフォームです。費用相場は、5万円から20万円程度が目安となります。この費用には、新しいトイレ本体の価格、既存トイレの撤去・処分費用、そして新しいトイレの設置工事費が含まれています。

費用の幅が広いのは、選ぶトイレ本体のグレードによって価格が大きく異なるためです。基本的な機能のみを備えたタンク式の組み合わせトイレであれば、工事費込みで10万円以下に収まることも珍しくありません。一方で、タンクレストイレや、自動開閉・自動洗浄などの高機能が付いたモデルを選ぶと、費用は20万円を超えることもあります。

このリフォームは、工事自体が比較的簡単なため、工期は半日〜1日程度で完了することがほとんどです。手軽にトイレの性能を向上させたい、古くなった便器を新しくしたいという場合に最適なリフォームと言えるでしょう。ただし、長年同じ場所でトイレを使用している場合、便器を外した床や壁に汚れや跡が残っていることがよくあります。そのため、本体交換のみを行う場合でも、最低限、床材(クッションフロアなど)の張り替えは同時に検討することをおすすめします。

トイレ本体交換と内装リフォーム(壁紙・床)

トイレ本体の交換と同時に、壁紙(クロス)や床材(クッションフロアなど)の張り替えも行うリフォームです。費用相場は、10万円から30万円程度となります。トイレ空間全体の雰囲気を一新できるため、非常に満足度の高いリフォームとして人気があります。

内訳としては、前述のトイレ本体交換費用(5万円〜20万円)に、内装工事の費用が追加されます。内装工事費の目安は、一般的な広さ(約1畳)のトイレで、壁紙と床材の張り替えを合わせて4万円〜6万円程度です。ただし、使用する内装材の種類によって価格は変動します。例えば、壁紙には量産品の安価なものから、デザイン性や消臭・防カビといった機能性を持つ高価なものまで様々です。床材も、クッションフロアが最も一般的で安価ですが、フローリングやタイルを選ぶと費用は上がります。

トイレは狭い空間だからこそ、壁紙や床材のデザインが空間の印象を大きく左右します。思い切って個性的なデザインの壁紙を一面だけアクセントとして使用したり、汚れに強く掃除がしやすい床材を選んだりと、機能性とデザイン性の両面から内装材を選ぶ楽しみがあるのも、このリフォームの魅力です。 工期は1日〜2日程度が一般的です。

和式トイレから洋式トイレへのリフォーム

和式トイレを現代的な洋式トイレに交換するリフォームは、生活の快適性を大きく向上させます。特に、高齢者や足腰に不安のある方にとっては、身体的な負担を軽減するために不可欠なリフォームと言えるでしょう。費用相場は15万円から50万円程度と、通常のトイレ交換よりも高額になります。

費用が高くなる理由は、工事内容が複雑になるためです。主な工事内容は以下の通りです。

  1. 既存の和式便器と周辺の床・タイルの解体・撤去
  2. 給排水管の位置変更・調整工事:和式と洋式では配管の位置が異なるため、移動や延長が必要になります。
  3. 床の造作工事:和式トイレは床に段差があったり、便器が埋め込まれていたりするため、床を解体した後に平らな下地を作り直す必要があります。
  4. 壁や床の内装工事
  5. 新しい洋式トイレの設置
  6. 電気工事:温水洗浄便座などを設置する場合、トイレ内にコンセントがなければ新設する必要があります。

このように、大工工事や水道工事、電気工事といった複数の専門的な作業が必要となるため、費用と工期がかかります。工期の目安は2日〜3日程度です。費用を少しでも抑えたい場合は、便器の周りだけをリフォームする簡易的な工法もありますが、床全体の段差が解消されないなどのデメリットもあります。長期的な快適性やバリアフリーの観点からは、床全体をフラットにする全面的な改修をおすすめします。 この工事は、後述する介護保険の住宅改修や自治体の補助金の対象になることが多いので、積極的に活用を検討しましょう。

トイレの増設・移設

現在トイレがない場所に新たにトイレを設置する「増設」や、既存のトイレを別の場所へ移動させる「移設」は、最も大掛かりで費用も高額になるリフォームです。費用相場は30万円から80万円以上になることもあります。

このリフォームの費用が高額になる理由は、トイレ本体や内装工事に加えて、以下の専門工事が必要不可欠だからです。

  • 給排水管の延長・新設工事:トイレを設置したい場所まで、給水管と排水管を新たに引き込む必要があります。建物の構造や配管の経路によっては、非常に大掛かりな工事になる可能性があります。
  • 電気配線工事:照明や温水洗浄便座用のコンセントを新設します。
  • 壁や床、天井の造作工事:トイレ空間を仕切るための壁やドアを新たに設置します。
  • 換気扇の設置工事:窓がない場所に設置する場合、換気扇と排気ダクトの設置が必須です。

特に、排水管には適切な勾配(傾き)を確保する必要があり、設置場所には制約があります。 戸建ての2階に増設する場合や、既存の配管から離れた場所に設置する場合は、費用が高くなる傾向にあります。また、建物の構造によっては増設・移設が物理的に不可能なケースもあります。

家族構成の変化(二世帯住宅化など)でトイレの数を増やしたい、寝室の近くにトイレがほしいといったニーズに応えるリフォームですが、計画段階でリフォーム会社と入念な打ち合わせを行い、技術的な制約や費用について十分に確認することが失敗を避けるための鍵となります。

手洗い器の新規設置

タンクレストイレを設置する場合や、来客時にも使いやすいように独立した手洗い器を設けたいというニーズに応えるリフォームです。費用相場は5万円から15万円程度が目安です。

費用は、設置する手洗い器本体の価格と、給排水工事の費用で構成されます。手洗い器には、壁に直接取り付けるコンパクトなタイプから、収納キャビネットと一体になったカウンタータイプまで様々な種類があり、デザインやサイズによって価格が異なります。

工事のポイントは、給排水管をどこから分岐させるかです。トイレ内の既存の給水管や排水管から比較的簡単に分岐できる場合は工事費を抑えられますが、壁の中や床下で複雑な配管工事が必要になると費用は上がります。

タンクレストイレを選ぶ際は、手洗い器の設置がセットで必要になることを念頭に置いて、トータルの予算を組むことが重要です。 トイレ空間の広さに余裕があれば、収納付きの手洗いカウンターを設置することで、トイレットペーパーや掃除用品の収納スペースも確保でき、よりスッキリとした空間を実現できます。

トイレリフォームの費用内訳

トイレ本体の価格、工事費用、内装材の費用、既存トイレの撤去・処分費用

トイレリフォームの費用は、大きく分けて「トイレ本体の価格」「工事費用」「内装材の費用」「既存トイレの撤去・処分費用」の4つで構成されています。それぞれの項目が全体の費用にどのように影響するのかを理解することで、見積書の内容を正しく読み解き、予算配分を適切に行うことができます。

トイレ本体の価格

リフォーム費用の中で最も大きな割合を占めるのが、トイレ本体の価格です。トイレは、その構造(タイプ)と搭載されている機能によって価格が大きく異なります。

トイレの種類(タンク式・タンクレストイレ)

トイレは大きく「組み合わせトイレ」「一体型トイレ」「タンクレストイレ」の3種類に分けられ、それぞれ価格帯が異なります。

  • 組み合わせトイレ:便器、便座、タンクがそれぞれ独立したパーツで構成されている、最も一般的なタイプです。
    • 価格帯5万円~15万円程度(便座含む)
    • メリット:価格が最も安い。便座部分だけが故障した場合など、部分的な交換が可能。
    • デメリット:パーツの組み合わせ部分に凹凸や隙間が多く、掃除がしにくい。デザインの選択肢が比較的少ない。
  • 一体型トイレ:便器、タンク、温水洗浄便座が一体となっているタイプです。
    • 価格帯10万円~25万円程度
    • メリット:タンクと便器の間に隙間がなく、滑らかなデザインで掃除がしやすい。組み合わせトイレよりデザイン性が高い。
    • デメリット:便座部分だけが故障しても、トイレ全体の交換が必要になる場合がある。
  • タンクレストイレ:水を貯めるタンクがなく、水道から直接水を流して洗浄するタイプです。
    • 価格帯15万円~40万円以上
    • メリット:タンクがないため非常にコンパクトで、トイレ空間を広く使える。デザイン性に優れ、スタイリッシュな空間を演出できる。連続で水を流せる。
    • デメリット:価格が最も高い。設置には一定以上の水圧が必要。停電時に洗浄が困難になるモデルもある。別途手洗い器の設置が必要になることが多い。

どのタイプのトイレを選ぶかが、予算を左右する最初の大きな分岐点となります。

トイレの機能(節水・温水洗浄・自動開閉など)

現在のトイレには、快適性や利便性、清掃性を高めるための様々な機能が搭載されています。当然ながら、機能が多ければ多いほど、トイレ本体の価格は高くなります。

  • 節水機能:近年のトイレの標準機能ですが、その性能は製品によって異なります。15年以上前のトイレ(大洗浄13L)と比較すると、最新のトイレ(大洗浄3.8L~5L程度)は年間で約14,000円以上の水道代を節約できるケースもあります。(参照:TOTO株式会社 公式サイト) 長期的な視点で見れば、初期費用が高くても節水性能の高いモデルを選ぶ方が経済的です。
  • 温水洗浄機能:今や日本のトイレには欠かせない機能です。おしり洗浄の強弱や位置調整、ビデ機能などが基本です。瞬間的にお湯を沸かす「瞬間式」は省エネ性能が高いですが本体価格は高め、内蔵タンクにお湯を貯めておく「貯湯式」は本体価格が安いですが電気代がやや高くなる傾向があります。
  • 清掃性・防汚機能:各メーカーが最も力を入れている分野です。「フチなし形状」や、汚れが付きにくく落ちやすい新素材の便器(TOTOの「セフィオンテクト」、LIXILの「アクアセラミック」など)、自動で除菌水を吹きかける機能(TOTOの「きれい除菌水」)、泡で洗浄する機能(Panasonicの「激落ちバブル」)などがあります。これらの機能は、日々の掃除の手間を大幅に軽減してくれるため、費用対効果が高いと言えます。
  • 快適機能:便座に近づくと自動でフタが開閉する「自動開閉機能」、使用後に自動で洗浄する「自動洗浄機能」、不快なニオイを軽減する「脱臭・消臭機能」、人を感知して自動で点灯する「夜間ライト」など、付加価値を高める機能が多数存在します。これらの機能は生活を豊かにしますが、本当に自分にとって必要かどうかを見極めることが重要です。

工事費用

工事費用は、リフォーム会社に支払う技術料や人件費です。これには、既存トイレの取り外し、新しいトイレの取り付け、給排水管の接続といった基本的な作業が含まれます。

  • 洋式から洋式への交換工事費3万円~6万円程度が相場です。
  • 和式から洋式への交換工事費:前述の通り、床の解体や造作、配管工事などが加わるため、10万円~20万円程度の工事費がかかることもあります。
  • オプション工事費:手すりの設置、コンセントの増設、床の補強など、追加の作業が発生すると、その分の費用が加算されます。例えば、コンセントの増設は1.5万円〜3万円程度が目安です。

見積書では「設置工事費」「配管工事費」「電気工事費」のように項目が分かれているかを確認しましょう。

内装材の費用

トイレ本体の交換と同時に壁や床の内装をリフォームする場合にかかる費用です。費用は「材料費」と「施工費(手間賃)」で構成されます。

  • 壁紙(クロス):一般的な量産品クロスであれば、1平方メートルあたり1,000円~1,500円程度が相場です。消臭や防カビなどの機能性クロスや、デザイン性の高い輸入クロスは価格が上がります。約1畳のトイレの壁4面と天井を張り替える場合、2.5万円~4.5万円程度が目安です。
  • 床材
    • クッションフロア(CFシート):最も一般的で安価な床材です。耐水性に優れ、掃除がしやすいのが特徴。1平方メートルあたり2,500円~4,500円程度が相場で、トイレの床一面の張り替えで1万円~2万円程度です。
    • フローリング:リビングなどと統一感を出せますが、耐水性やアンモニアへの耐性が低いものもあるため、トイレ専用品や表面コーティングが施されたものを選ぶ必要があります。費用はクッションフロアより高くなります。
    • フロアタイル:塩ビ素材の硬質なタイルで、石目調や木目調などデザインが豊富です。耐久性が高く、クッションフロアより高級感があります。費用もクッションフロアより高めです。

内装材は、サンプルを取り寄せるなどして、実際の質感や色味を確認してから決めることをおすすめします。

既存トイレの撤去・処分費用

古いトイレを撤去し、それを産業廃棄物として適切に処分するための費用です。通常はリフォーム費用の中に「廃材処分費」「撤去費用」などの項目で含まれています。

費用相場は5,000円~2万円程度ですが、リフォーム会社や地域によって異なります。見積もりにこの項目が含まれているかしっかりと確認しましょう。特に、和式トイレの解体などで大量のコンクリートガラなどが発生する場合は、処分費用が通常より高くなることがあります。

これらの内訳を理解することで、リフォーム会社から提示された見積書が適正な価格であるか、どこを工夫すれば費用を調整できるかが見えてきます。

トイレリフォームの費用を安く抑える7つのコツ

シンプルな機能のトイレを選ぶ、補助金や助成金を活用する、複数のリフォーム会社から相見積もりを取る、ショールームの展示品や型落ち品を狙う、リフォーム会社のキャンペーンを利用する、内装工事の範囲を限定する、トイレ本体を自分で購入する(施主支給)

トイレリフォームは決して安い買い物ではありません。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、費用を賢く抑えることが可能です。ここでは、リフォーム費用を節約するための具体的な7つのコツをご紹介します。

① シンプルな機能のトイレを選ぶ

トイレ本体の価格は、リフォーム費用全体に大きく影響します。最新のトイレには、自動開閉、自動洗浄、スマートフォン連携など、魅力的な機能が数多く搭載されていますが、本当にその機能が自分のライフスタイルに必要かを冷静に考えることが重要です。

例えば、家族構成が大人だけで、こまめに掃除をする習慣があるなら、高価な自動洗浄機能は不要かもしれません。また、トイレのフタの開け閉めが苦にならないのであれば、自動開閉機能も必須ではありません。

費用を抑える最も効果的な方法は、自分や家族にとって本当に必要な機能を見極め、多機能なハイグレードモデルではなく、シンプルな機能のスタンダードモデルを選ぶことです。 多くのメーカーが、基本的な性能(特に節水性能)は確保しつつ、付加機能を絞って価格を抑えたモデルをラインナップしています。まずは「節水性能」と「掃除のしやすさ(フチなし形状など)」を基本に考え、その他の機能は優先順位をつけて検討すると良いでしょう。

② 補助金や助成金を活用する

国や地方自治体は、特定の条件を満たすリフォームに対して補助金や助成金制度を設けています。これらを活用しない手はありません。

  • 介護保険の住宅改修:要支援・要介護認定を受けている方がいる世帯で、手すりの設置や和式から洋式への変更など、バリアフリー化を目的とした工事が対象です。
  • 自治体の助成制度:お住まいの市区町村が独自に設けている制度です。節水型トイレへの交換を対象とする「エコリフォーム補助金」や、三世代同居のためのリフォーム支援など、様々な制度があります。
  • 国の補助金制度:子育て世帯や若者夫婦世帯を対象とした「子育てエコホーム支援事業」などがあります。この事業では、節水型トイレの設置も補助の対象となります。(2024年時点)

これらの制度は、申請期間や予算の上限が定められており、多くの場合「工事着工前」の申請が必要です。リフォームを計画する段階で、利用できる制度がないか、リフォーム会社に相談したり、自治体のホームページで確認したりすることが不可欠です。補助金を活用できれば、数万円単位で負担を軽減できる可能性があります。

③ 複数のリフォーム会社から相見積もりを取る

同じ工事内容であっても、リフォーム会社によって見積もり金額は異なります。これは、会社ごとにトイレ本体の仕入れ値や、利益率、職人の人件費などが違うためです。適正な価格で信頼できる会社に依頼するためには、必ず複数の会社(できれば3社以上)から見積もりを取る「相見積もり」が必須です。

相見積もりを取る際のポイントは以下の通りです。

  • 同じ条件で見積もりを依頼する:選ぶトイレの機種や工事範囲など、各社に伝える条件を統一しないと、価格の比較ができません。
  • 総額だけで比較しない:見積書の内訳を細かくチェックし、どの項目にどれだけの費用がかかっているかを確認します。「工事一式」といった大雑把な見積もりを出す会社は避けましょう。
  • 安さだけで決めない:極端に安い見積もりには注意が必要です。必要な工事が省略されていたり、後から追加費用を請求されたりする可能性があります。担当者の対応や、保証内容、実績なども含めて総合的に判断することが重要です。

相見積もりは手間がかかりますが、数十万円の差が出ることもあるため、納得のいくリフォームを実現するためには欠かせないプロセスです。

④ ショールームの展示品や型落ち品を狙う

メーカーのショールームでは、新製品の発売に伴い、展示されていたトイレが「展示品処分」として格安で販売されることがあります。また、リフォーム会社によっては、モデルチェンジ前の「型落ち品」の在庫を抱えている場合があります。

これらの製品は、新品でありながら定価の半額以下になることもあり、費用を大幅に抑えるチャンスです。

ただし、注意点もあります。

  • 選択肢が限られる:希望の機種や色があるとは限りません。
  • 細かい傷や汚れがある可能性:展示品の場合、多くの人が触れているため、細かな傷がついている可能性があります。購入前に必ず現物を確認しましょう。
  • 保証期間:メーカー保証の開始日が設置日ではなく、製造日やリフォーム会社の仕入れ日になっている場合があります。保証期間については事前にしっかり確認が必要です。

タイミングよく希望の製品が見つかれば、非常に賢い節約方法と言えるでしょう。

⑤ リフォーム会社のキャンペーンを利用する

リフォーム会社によっては、特定の時期やタイミングで独自のキャンペーンを実施していることがあります。

  • 季節のキャンペーン:夏や冬のボーナス時期、年末年始などに合わせてキャンペーンを行う会社があります。
  • 決算期セール:会社の決算期(3月や9月など)には、売上を確保するために通常より値引きをしてくれる可能性があります。
  • 特定製品の割引:メーカーと連携し、特定のトイレ機種を「キャンペーン価格」として安く提供している場合があります。
  • セット割引:トイレと洗面台など、複数の水回りを同時にリフォームすることで割引が適用されることもあります。

リフォーム会社のチラシやホームページをこまめにチェックしたり、見積もり相談の際にキャンペーンの有無を直接尋ねてみたりするのも良いでしょう。

⑥ 内装工事の範囲を限定する

トイレ空間全体を新しくするのは魅力的ですが、予算が限られている場合は、内装工事の範囲を絞るという選択肢もあります。

例えば、「床は汚れが目立つので張り替えるが、壁はまだきれいなのでそのままにする」「壁紙は4面すべてではなく、汚れやすい便器の背面や、アクセントとして1面だけを張り替える」といった方法です。

トイレ本体を交換すると、以前の便器の設置跡が床にくっきりと残ることが多いため、床材の張り替えは優先度が高いと言えます。一方で、壁紙は状態が良ければ既存のものを活かすことで、数万円の費用を節約できます。どこまでリフォームするか、優先順位をつけて検討することが賢明です。

⑦ トイレ本体を自分で購入する(施主支給)

インターネット通販やホームセンターなどでトイレ本体を安く購入し、リフォーム会社には設置工事だけを依頼する方法を「施主支給」といいます。うまくいけば、リフォーム会社経由で購入するよりも本体価格を安く抑えられる可能性があります。

しかし、施主支給には多くのデメリットやリスクが伴うため、慎重な判断が必要です。

  • リフォーム会社に断られる可能性:会社によっては施主支給に対応していない場合があります。事前に必ず確認が必要です。
  • 製品適合の責任:自宅の排水管の位置や方式(床排水・壁排水)に適合する製品を、すべて自己責任で選ばなければなりません。間違った製品を購入して設置できなかった場合、製品は無駄になってしまいます。
  • 保証の問題:工事後に不具合が発生した際、その原因が「製品の初期不良」なのか「工事のミス」なのかの切り分けが難しく、責任の所在が曖昧になるリスクがあります。リフォーム会社は工事部分の保証しかしてくれません。
  • 工事費が割高になる可能性:施主支給の場合、通常の工事費よりも高い料金を設定している会社もあります。

基本的には、製品の選定から工事、保証までを一貫してリフォーム会社に任せる方が、安心で手間もかかりません。 施主支給は、製品知識が豊富で、リスクを十分に理解した上で検討すべき上級者向けの選択肢と言えるでしょう。

トイレリフォームで使える補助金・助成金制度

介護保険の住宅改修、自治体のリフォーム助成制度、国の補助金制度(子育てエコホーム支援事業)

トイレリフォームは、一定の要件を満たすことで国や自治体の補助金・助成金制度を利用できる場合があります。これらの制度をうまく活用することで、リフォームにかかる自己負担額を大きく軽減できます。ここでは、代表的な制度について詳しく解説します。

介護保険の住宅改修

高齢化社会に対応するため、介護保険制度には「住宅改修費の支給」という制度が設けられています。これは、要支援または要介護の認定を受けている方が、自宅での生活をより安全・快適に送るための小規模なリフォームに対して費用の一部を補助するものです。

  • 対象者:介護保険の要支援1・2、要介護1〜5のいずれかの認定を受けている方で、その方が居住する住宅(住民票のある住所)のリフォームが対象です。
  • 対象となる工事
    1. 手すりの取付け
    2. 段差の解消
    3. 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
    4. 引き戸等への扉の取替え
    5. 洋式便器等への便器の取替え
    6. その他、これらの各工事に付帯して必要となる住宅改修

    トイレリフォームにおいては、和式トイレから洋式トイレへの交換や、立ち座りを補助するための手すりの設置が主な対象となります。

  • 支給限度基準額:支給の対象となる工事費用の上限は、一人あたり20万円です。この範囲内であれば、複数回に分けて利用することも可能です。
  • 自己負担割合:費用の原則1割(一定以上の所得がある場合は2割または3割)が自己負担となります。つまり、20万円の工事を行った場合、自己負担は2万円(1割負担の場合)となり、残りの18万円が介護保険から支給されます。
  • 注意点必ず工事を始める前に、ケアマネジャー等に相談の上、市区町村への事前申請が必要です。 工事完了後の申請は認められないため、計画段階での相談が不可欠です。

参照:厚生労働省 「介護保険における住宅改修」

自治体のリフォーム助成制度

お住まいの市区町村が独自に実施しているリフォーム関連の助成制度も多く存在します。制度の名称や内容は自治体によって多種多様ですが、トイレリフォームで活用できる可能性のある代表的な例は以下の通りです。

  • エコリフォーム・省エネリフォーム関連の補助金
    地球環境への配慮を目的として、節水型トイレの設置を補助対象とする制度です。一定の節水基準を満たした製品への交換に対して、1万円〜3万円程度の補助金が支給されるケースが多く見られます。
  • バリアフリーリフォーム関連の補助金
    介護保険の対象とならない方(例:障害者手帳をお持ちの方、65歳以上の高齢者など)向けに、自治体独自のバリアフリー改修支援制度を設けている場合があります。和式から洋式への交換や手すりの設置が対象となることが多いです。
  • 三世代同居・近居支援事業
    子育て世帯と親世帯の同居や近居を促進するために、住宅のリフォーム費用を補助する制度です。この中で、トイレの増設などが対象工事に含まれることがあります。
  • 地域経済活性化のためのリフォーム補助金
    市内の施工業者を利用してリフォームを行うことを条件に、費用の一部を補助する制度です。工事内容に特定の指定はなく、幅広いリフォームに利用できる場合があります。

これらの制度は、年度ごとに予算が決められており、申請期間も限定されています。 募集開始後すぐに予算上限に達して受付を終了することも珍しくありません。リフォームを検討し始めたら、まずは「〇〇市(お住まいの自治体名) トイレリフォーム 補助金」といったキーワードで検索し、自治体の公式ホームページで最新の情報を確認することが重要です。

国の補助金制度(子育てエコホーム支援事業など)

国が主導する大規模な補助金事業も、トイレリフォームで活用できるチャンスがあります。2024年においては、「子育てエコホーム支援事業」が代表的な制度です。

  • 事業の目的:エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図ることを目的としています。
  • 補助対象
    • 必須工事:開口部(窓・ドア)の断熱改修、外壁・屋根・天井または床の断熱改修、エコ住宅設備の設置(節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器など)のうち、いずれかを行う必要があります。
    • トイレリフォームにおける対象工事
      • 節水型トイレの設置:掃除しやすい機能を有するもの。1か所あたり22,000円の補助が受けられます。(2024年6月時点の情報)
      • 手すりの設置:1か所あたり5,000円の補助。
  • 補助上限額:実施する工事内容や世帯の属性に応じて上限額が設定されています(例:子育て世帯・若者夫婦世帯のリフォームは最大30万円)。
  • 注意点:この事業は、国に登録された「子育てエコホーム支援事業者」(リフォーム会社など)を通じて申請する必要があります。 施主が直接国に申請することはできません。

参照:子育てエコホーム支援事業 公式サイト

補助金・助成金を申請する際の注意点

補助金制度を確実に活用するためには、以下の点に注意が必要です。

  1. 必ず工事着工前に申請する:ほとんどの制度で、事前の申請・交付決定が必須条件です。契約・着工済みの工事は対象外となります。
  2. 申請期間と予算を確認する:公募期間が短かったり、先着順で予算がなくなり次第終了したりすることが多いです。早めに情報収集し、準備を進めましょう。
  3. 他の制度との併用:国の補助金と自治体の補助金など、併用が認められない場合があります。どちらを利用するのが最もメリットが大きいか、リフォーム会社と相談して検討しましょう。
  4. 必要書類を準備する:申請書、工事見積書、対象製品のカタログ、施工前の写真など、多くの書類が必要になります。不備があると受理されないため、慎重に準備しましょう。多くの場合、リフォーム会社が申請手続きをサポートしてくれます。

補助金の活用は、情報収集とタイミングが鍵となります。 計画段階からアンテナを高く張り、利用できる制度は漏れなく活用して、賢くリフォームを実現しましょう。

トイレリフォームの人気メーカー比較5選

トイレを選ぶ際、どのメーカーの製品を選べば良いか迷う方も多いでしょう。日本の主要な住宅設備メーカーは、それぞれ独自の技術やデザインで魅力的なトイレを開発しています。ここでは、特に人気の高い5つのメーカーの特徴を比較し、ご紹介します。

メーカー 主な特徴 代表的なシリーズ 価格帯の目安(本体) こんな人におすすめ
TOTO 業界をリードする清潔技術(きれい除菌水、セフィオンテクト)、「ウォシュレット」のブランド力 ネオレスト、ピュアレスト、GG 中~高価格帯 最新の清潔機能や圧倒的なブランドの安心感を重視する人
LIXIL 汚れがつきにくい素材(アクアセラミック)、デザイン性の高さ、パワフルな洗浄力 サティス、アメージュ、リフォレ 中~高価格帯 スタイリッシュなデザインと掃除のしやすさを両立させたい人
Panasonic 独自の自動洗浄機能(激落ちバブル)、有機ガラス系新素材(スゴピカ素材) アラウーノ 中~高価格帯 掃除の手間を極限まで減らしたい、家事の負担を軽減したい人
ジャニス工業 優れたコストパフォーマンス、清掃性に配慮した「フロントスリム」形状 スマートクリン、バリュークリン 低~中価格帯 予算を抑えつつも、基本的な性能や清掃性は確保したい人
アサヒ衛陶 業界トップクラスの低価格、シンプルで飽きのこないデザイン エディ、サンヴァリエ 低価格帯 とにかくコストを最優先したい、賃貸物件やセカンドトイレ向け

① TOTO

言わずと知れた水まわり製品のトップメーカーであり、「ウォシュレット」の生みの親でもあります。トイレ業界を牽引する存在として、常に最先端の技術を開発・搭載しており、特に「清潔性」へのこだわりは他社の追随を許しません。

  • 代表的な技術・特徴
    • きれい除菌水:水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる除菌成分(次亜塩素酸)を含む水。使用前後に便器内に吹きかけることで、見えない菌や汚れを分解・除菌し、黒ずみの発生を抑えます。
    • セフィオンテクト:陶器表面の凹凸を100万分の1mmのナノレベルで滑らかにした独自の加工技術。汚れが付きにくく、落ちやすいため、掃除が格段に楽になります。
    • トルネード洗浄:渦を巻くような水流で、少ない水量でも便器全体を効率的かつ静かに洗浄します。
  • 代表的なシリーズ
    • ネオレスト:TOTOの技術を結集した最高級タンクレストイレ。
    • GG/GG-800:タンク式でありながらローシルエットなデザインが特徴の一体型トイレ。
    • ピュアレスト (EX/QR/MR):TOTOの主力となる組み合わせトイレ。高いコストパフォーマンスを誇ります。
  • こんな人におすすめ「とにかくトイレは清潔第一」と考える方、最新のテクノロジーを体感したい方、そしてトップブランドならではの安心感と信頼性を求める方に最適です。

参照:TOTO株式会社 公式サイト

② LIXIL(リクシル)

INAXとTOSTEMなどが統合して誕生した、住宅設備・建材の総合メーカーです。TOTOと並ぶ二大巨頭として、トイレ市場でも高いシェアを誇ります。LIXILのトイレは、先進的な機能性に加え、空間に調和するデザイン性の高さも大きな魅力です。

  • 代表的な技術・特徴
    • アクアセラミック:頑固な水アカや汚物の付着を防ぐ、衛生陶器のための画期的な新素材。「100年クリーン」を謳うほど、新品の時の輝きが続くとされています。
    • パワーストリーム洗浄:強力な水流で便器内の隅々までしっかりと洗い流します。
    • フチレス形状:便器のフチを丸ごとなくした形状で、サッとひと拭きで掃除が完了します。
    • シャワートイレ:LIXILの温水洗浄便座のブランド名。多彩な洗浄メニューや快適機能が揃っています。
  • 代表的なシリーズ
    • サティス (S/G):デザイン性の高いタンクレストイレの代表格。
    • アメージュ:豊富なラインナップを誇る主力シリーズ。シャワートイレ一体型や組み合わせ型があります。
    • リフォレ:便器の後ろにキャビネットを設け、給水管や掃除道具を隠せる収納一体型トイレ。
  • こんな人におすすめ掃除の手間を省きたいけれど、トイレ空間のデザインにもこだわりたいという方。特にアクアセラミックの防汚性能は高く評価されており、日々のメンテナンスを楽にしたい方に強くおすすめできます。

参照:株式会社LIXIL 公式サイト

③ Panasonic(パナソニック)

家電メーカーとしての知見を活かし、他社とは一線を画すユニークな機能で人気のメーカーです。最大の特徴は、トイレ自身が自動で掃除してくれる「アラウーノ」シリーズです。

  • 代表的な技術・特徴
    • 激落ちバブル:水を流すたびに、ミリバブル(直径約5mm)とマイクロバブル(直径約60μm)の2種類の泡が発生し、便器内をパワフルに洗浄します。
    • スゴピカ素材(有機ガラス系):陶器ではなく、水族館の水槽や航空機の窓にも使われる有機ガラス系の新素材を採用。撥水性が高く、水アカが固着しにくいため、汚れが付きにくいのが特徴です。
    • トリプル汚れガード:便器のフチから泡が垂れるのを防ぐ「ハネガード」、フチの立ち上がりで外への飛び出しを抑える「タレガード」、便座と便器の隙間からの漏れを防ぐ「モレガード」で、トイレ空間全体の清潔を保ちます。
  • 代表的なシリーズ
    • アラウーノ L150シリーズ / S160シリーズ:パナソニックの代名詞ともいえる全自動おそうじトイレ。
  • こんな人におすすめ「トイレ掃除はできるだけしたくない」「家事の負担を少しでも減らしたい」と考える方に、まさにうってつけのトイレです。洗剤タンクに市販の台所用中性洗剤をセットしておくだけで、流すたびに洗浄してくれる手軽さは、共働き世帯や忙しい毎日を送る方々の強い味方となるでしょう。

参照:パナソニック株式会社 公式サイト

④ ジャニス工業

TOTOやLIXILほどの知名度はありませんが、1935年創業の歴史ある衛生陶器メーカーです。最大の魅力は、品質を維持しつつも価格を抑えた、優れたコストパフォーマンスにあります。

  • 代表的な技術・特徴
    • フロントスリム:便器手前のフチを限界まで薄くすることで、フチ裏への汚れの侵入をブロックし、掃除をしやすくした形状です。
    • Gコート:陶器表面に特殊なガラス層を焼き付け、滑らかにすることで汚れが付きにくく、落ちやすくする表面加工技術です。
    • サイクロン洗浄:左右から渦を巻くような水流で、効率的に洗浄します。
  • 代表的なシリーズ
    • スマートクリン:タンクレストイレながら、比較的リーズナブルな価格設定が魅力のシリーズ。
    • バリュークリン:組み合わせトイレの主力シリーズで、高いコストパフォーマンスを誇ります。
  • こんな人におすすめ有名ブランドにはこだわらず、予算を抑えながらも、掃除のしやすさなど基本的な性能はしっかりと確保したいという堅実な考えの方におすすめです。

参照:ジャニス工業株式会社 公式サイト

⑤ アサヒ衛陶

こちらも1950年創業の衛生陶器専門メーカーで、特に「低価格」という点において非常に強い競争力を持っています。

  • 代表的な技術・特徴
    • トイレコート:陶器表面にコーティングを施し、汚れをつきにくくする防汚技術です。
    • 水キレイ:渦を巻く水流で、すみずみまで洗浄する節水洗浄方式。
    • シンプルな構造:機能を絞り、シンプルな構造にすることで、低価格とメンテナンスのしやすさを実現しています。
  • 代表的なシリーズ
    • エディ:アサヒ衛陶の主力となる組み合わせトイレ。非常にリーズナブルな価格設定です。
    • サンヴァリエ:和式からのリフォームに適した便器など、特殊なニーズにも対応しています。
  • こんな人におすすめとにかく初期費用を安く抑えたい方、賃貸アパートやセカンドトイレなど、最低限の機能で十分という場合に最適な選択肢となります。

参照:アサヒ衛陶株式会社 公式サイト

失敗しないトイレの選び方

トイレのタイプで選ぶ、機能性で選ぶ、設置スペースで選ぶ

数多くの製品の中から、自分の家やライフスタイルに最適な一台を選ぶのは簡単なことではありません。リフォーム後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、トイレを選ぶ際に押さえておくべき3つの重要なポイントを解説します。

トイレのタイプで選ぶ

トイレは大きく分けて「組み合わせトイレ」「一体型トイレ」「タンクレストイレ」の3つのタイプがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、予算や使い方に合ったタイプを選びましょう。

組み合わせトイレ

便器・タンク・便座(ウォシュレットなど)がそれぞれ独立したパーツで構成されており、これらを自由に組み合わせて設置するタイプです。

  • メリット
    • 価格が安い:3つのタイプの中で最も安価で、リフォーム費用を抑えたい場合に第一の選択肢となります。
    • 部分的な交換が可能:便座部分だけが故障した場合、便座のみを交換できます。将来、より高機能な便座に交換することも可能です。
    • 水圧の心配が少ない:タンクに貯めた水で流すため、築年数が古い住宅など、水圧が低い場所でも問題なく設置できます。
  • デメリット
    • 掃除がしにくい:便器とタンク、便座の間に隙間や凹凸が多く、ホコリや汚れが溜まりやすいです。
    • デザイン性の制約:一体型やタンクレストイレに比べると、デザインはオーソドックスなものが中心です。

【こんな人におすすめ】とにかく初期費用を抑えたい方、将来的に便座だけの交換も視野に入れている方。

一体型トイレ

便器とタンク、そして温水洗浄機能付きの便座が、文字通り一体となってデザインされているトイレです。

  • メリット
    • 掃除がしやすい:タンクと便器の継ぎ目がない滑らかなデザインなので、サッとひと拭きで掃除が完了します。
    • デザイン性が高い:スッキリとした見た目で、組み合わせトイレよりもスタイリッシュな印象を与えます。
    • 機能と価格のバランス:組み合わせトイレよりは高価ですが、タンクレストイレよりは安価で、デザイン性と機能性のバランスが取れています。
  • デメリット
    • 部分的な交換が難しい:便座部分が故障した場合、修理が困難であったり、メーカーによってはトイレ全体の交換が必要になったりするケースがあります。
    • 機能の選択肢が少ない:便座がセットになっているため、組み合わせトイレのように自由に便座の機能を選ぶことはできません。

【こんな人におすすめ】掃除のしやすさとデザイン性を重視しつつ、タンクレストイレほどの予算はないという方。

タンクレストイレ

水を貯めるためのタンクがなく、水道管と直結して、水道水の圧力で直接洗浄する最新タイプのトイレです。

  • メリット
    • 省スペースで空間が広々:タンクがない分、奥行きが非常にコンパクトです。狭いトイレ空間でも圧迫感がなく、広く使えます。
    • 卓越したデザイン性:ミニマルで洗練されたデザインは、ホテルのような上質な空間を演出します。
    • 連続洗浄が可能:タンクに水が貯まるのを待つ必要がないため、家族が続けて使用する場合でもすぐに流せます。
  • デメリット
    • 価格が高い:3つのタイプの中で最も高価です。
    • 水圧の制約:設置には一定以上の水道水圧が必要です。マンションの高層階や古い戸建てでは、水圧が足りずに設置できない場合があります(ブースター付きの製品で対応可能な場合もあります)。
    • 手洗い器が別途必要:タンク上の手洗いがないため、トイレ内に手洗い場がなければ、新たに設置する必要があります。
    • 停電時の対応:多くのモデルは電磁弁で水を流すため、停電すると洗浄操作ができなくなることがあります(手動で流せる機能が付いているモデルも多いです)。

【こんな人におすすめ】トイレ空間を広く、スタイリッシュに見せたい方、デザイン性を最優先する方、掃除の手間を極力減らしたい方。

機能性で選ぶ

現代のトイレは、単に用を足すだけの場所ではなく、快適性と衛生性を追求した多機能な家電製品でもあります。数ある機能の中から、自分にとって本当に価値のある機能は何かを見極めましょう。

節水・節電機能

トイレリフォームを検討する上で、節水性能は最も重要なチェックポイントの一つです。 15年〜20年ほど前のトイレでは、1回の洗浄に13Lもの水を使用していましたが、現在の節水型トイレでは、大洗浄でも3.8L〜5L程度と、半分以下の水量で洗浄できます。これは、4人家族の場合、年間で浴槽約200杯分以上、金額にして約14,000円以上の水道代節約に繋がります。(参照:TOTO株式会社 公式サイト)

また、温水洗浄便座の電気代を抑える節電機能も重要です。使用しない時間帯の便座の温度を自動で下げる「タイマー節電」や、人の出入りを感知して使う時だけ素早く便座を温める「瞬間暖房便座」などの機能があります。

清掃性・防汚機能

「トイレ掃除をいかに楽にするか」は、各メーカーが最も力を入れている開発テーマです。

  • 便器の素材:TOTOの「セフィオンテクト」やLIXILの「アクアセラミック」のように、汚れが付きにくく、落ちやすい特殊な表面加工が施された陶器、Panasonicの「スゴピカ素材」のような有機ガラス系新素材など、メーカー独自の技術に注目しましょう。
  • 便器の形状:フチ裏の掃除が不要な「フチなし(フチレス)形状」は、今やスタンダードな機能です。
  • 自動洗浄機能:Panasonicの「激落ちバブル」や、TOTOの「きれい除菌水」など、トイレ自身が清潔を保ってくれる機能は、掃除の頻度を劇的に減らしてくれます。
  • リフトアップ機能:便座部分が持ち上がり、便器と便座の隙間を楽に掃除できる機能も、見落としがちですが非常に便利です。

快適機能(暖房便座・脱臭など)

日々のトイレタイムをより快適にするための機能です。

  • 暖房便座・温水洗浄:冬場でも快適に使用するための基本機能です。
  • 脱臭・消臭機能:使用中に自動でファンが作動し、気になるニオイを吸引・脱臭します。次の人が使う時にも配慮できます。
  • 自動開閉・自動洗浄:便器に近づくとフタが自動で開き、離れると閉じてから自動で洗浄する機能。腰をかがめる動作が不要で、流し忘れも防げるため、高齢者や小さなお子様がいるご家庭で特に重宝されます。
  • 夜間ライト(ほのかライト):夜中にトイレに行く際、まぶしい照明をつけなくても、便器周りがほのかに光って足元を照らしてくれます。

すべての機能を搭載したモデルは高価になります。自分の家族構成やライフスタイルを考え、どの機能に価値を感じるか、優先順位をつけて選ぶことが賢明です。

設置スペースで選ぶ

トイレ本体のデザインや機能ばかりに目が行きがちですが、自宅のトイレ空間に問題なく設置できるかを確認することは、最も基本的ながら非常に重要なポイントです。

  • トイレ空間の寸法:トイレの幅と奥行きを正確に測りましょう。特にタンクレストイレはコンパクトですが、ドアの開閉や、立ち座りのためのスペース(便器の先端からドアまで最低40cm〜50cmは必要)を考慮する必要があります。
  • 排水管の位置:トイレの排水には、床に向かって排水管が伸びている「床排水」と、壁に向かって排水管が伸びている「壁排水」の2種類があります。自宅のトイレがどちらのタイプかを確認し、適合する製品を選ばなければなりません。多くの戸建ては床排水ですが、マンションなどでは壁排水の場合もあります。リフォーム会社に現地調査をしてもらえば確実に判断できます。
  • コンセントの有無:温水洗浄便座を使用するには、トイレ内にコンセントが必要です。もし無い場合は、リフォーム時に増設工事が必要になります。

ショールームに行く際やリフォーム会社に相談する際には、自宅のトイレの寸法を測った簡単な見取り図や写真を持っていくと、話がスムーズに進みます。

トイレリフォームの基本的な流れと手順

情報収集・リフォーム会社の選定、現地調査・見積もり依頼、プランの決定・契約、近隣への挨拶、工事開始、引き渡し・支払い

トイレリフォームを思い立ってから、実際に工事が完了するまでには、いくつかのステップがあります。全体像を把握しておくことで、スムーズに計画を進めることができます。

情報収集・リフォーム会社の選定

まずは、どのようなトイレリフォームをしたいのか、イメージを具体化させるところから始めます。

  1. 情報収集:インターネットで施工事例を見たり、メーカーのカタログを取り寄せたり、ショールームに足を運んで実物を見たりして、最新のトイレの機能やデザイン、おおよその価格帯を把握します。
  2. リフォーム会社の選定:情報収集と並行して、リフォームを依頼する会社の候補を探します。地元の工務店、水まわり専門のリフォーム会社、大手リフォーム会社など、様々な選択肢があります。会社のホームページで施工実績を確認したり、口コミサイトを参考にしたりして、信頼できそうな会社を3社程度リストアップしましょう。この段階では、1社に絞り込む必要はありません。

現地調査・見積もり依頼

リフォーム会社の候補が決まったら、実際に連絡を取り、現地調査と見積もりを依頼します。

  1. 現地調査:リフォーム会社の担当者が自宅を訪問し、現在のトイレの状況(広さ、排水管の位置、コンセントの有無、床や壁の状態など)を詳しく確認します。この調査に基づいて、正確な工事内容と費用が算出されます。
  2. ヒアリング:担当者から、どのようなリフォームを希望しているか(どのトイレにしたいか、内装はどうするか、予算はいくらかなど)を詳しく聞かれます。事前に集めた情報や要望をしっかりと伝えましょう。
  3. 見積もり依頼:現地調査とヒアリングの内容をもとに、正式な見積書の作成を依頼します。前述の通り、必ず複数の会社に同じ条件で見積もりを依頼する「相見積もり」を行いましょう。

プランの決定・契約

複数のリフォーム会社から見積書が提出されたら、内容を比較検討し、依頼する1社を決定します。

  1. 見積書の比較検討:総額だけでなく、工事内容や使用する製品、諸経費などの内訳を細かく比較します。不明な点があれば、遠慮なく担当者に質問し、納得できるまで説明を求めましょう。
  2. 最終プランの決定:依頼する会社が決まったら、担当者と最終的な打ち合わせを行い、トイレの機種、壁紙や床材の色・柄など、リフォームの仕様をすべて確定させます。
  3. 契約:工事内容、金額、工期、支払い条件、保証内容などが明記された契約書を隅々まで確認し、署名・捺印します。契約書は非常に重要な書類です。安易にサインせず、内容を十分に理解してから契約しましょう。

近隣への挨拶

リフォーム工事では、作業員の出入りや、解体作業などで騒音・振動が発生します。工事が始まる前に、両隣や上下階の住民の方へ、工事の期間や内容を伝えて挨拶回りをしておくのがマナーです。 これを怠ると、後々の近所付き合いに影響が出る可能性もあります。通常はリフォーム会社の担当者も同行してくれます。

工事開始

契約内容に基づき、いよいよ工事が始まります。

  1. 養生:工事当日は、まず作業スペース周辺の廊下や壁などが汚れたり傷ついたりしないように、シートやボードで保護する「養生」から始まります。
  2. 解体・撤去:既存のトイレを撤去します。和式から洋式へのリフォームなどでは、床や壁の解体も行います。
  3. 設備・内装工事:給排水管や電気の配線工事、壁紙や床材の張り替え、下地の造作などを行います。
  4. トイレ設置:新しいトイレを設置し、給排水管を接続します。
  5. 試運転・清掃:正常に水が流れるか、水漏れはないかなどを確認し、最後に周辺を清掃して作業完了です。

引き渡し・支払い

工事がすべて完了したら、最終確認を行います。

  1. 完了確認(立ち会い):リフォーム会社の担当者と一緒に、注文通りの仕上がりになっているか、傷や汚れはないか、トイレは正常に作動するかなどを細かくチェックします。
  2. 取り扱い説明:新しいトイレの操作方法や、日常のお手入れについて説明を受けます。保証書や取扱説明書もこの時に受け取ります。
  3. 引き渡し・支払い:すべてに問題がなければ、工事完了の確認書にサインをして、引き渡しとなります。その後、契約時に定められた方法で工事代金を支払います。

この一連の流れを理解しておくことで、今自分がどの段階にいるのかを把握でき、安心してリフォームを進めることができます。

トイレリフォームにかかる期間・工期の目安

トイレ本体の交換のみ:半日〜1日、内装工事も含む場合:1日〜2日、和式から洋式へのリフォーム:2日〜3日

リフォームを計画する上で、「工事の間、どれくらいトイレが使えないのか」は非常に気になるところです。工事期間は、その内容によって大きく異なります。ここでは、一般的な工期の目安をご紹介します。

トイレ本体の交換のみ:半日〜1日

現在設置されている洋式トイレを、新しい洋式トイレに交換するだけといった、最もシンプルな工事の場合です。作業は、既存の便器の撤去、新しい便器の設置、給排水管の接続が中心となります。

朝から作業を開始すれば、その日の午後か夕方には完了し、夜には新しいトイレが使えるようになることがほとんどです。 比較的、日常生活への影響が少ないリフォームと言えます。ただし、床下の配管に問題が見つかるなど、予期せぬトラブルがあった場合は、工期が少し伸びる可能性もあります。

内装工事も含む場合:1日〜2日

トイレ本体の交換に加えて、壁紙(クロス)や床材(クッションフロアなど)の張り替えも行う場合、工期は少し長くなります。

1日目に既存トイレの撤去と壁紙・床材の張り替えを行い、2日目に新しいトイレを設置するというスケジュールが一般的です。ただし、トイレ空間の広さや内装工事の範囲、職人の手配状況によっては、1日で完了する場合もあります。 例えば、午前中にトイレの撤去と内装工事を済ませ、午後に新しいトイレを設置するという段取りです。

リフォーム会社との打ち合わせの際に、具体的な作業スケジュールを確認しておくと安心です。

和式から洋式へのリフォーム:2日〜3日

和式トイレから洋式トイレへのリフォームは、最も工期がかかります。これは、単に便器を交換するだけでなく、床の解体や給排水管の移設、床の造作といった大掛かりな工事が必要になるためです。

  • 1日目:養生、既存の和式便器の解体・撤去、床や壁の解体、給排水管の移設工事
  • 2日目:床の下地造作、壁・床の内装工事(パテ処理、クロス・CF貼りなど)
  • 3日目:新しい洋式トイレの設置、試運転、清掃、引き渡し

上記はあくまで一例であり、現場の状況によって作業内容は前後します。特に、コンクリートの床を解体・補修する場合や、下地の乾燥に時間が必要な場合は、工期がさらに1日程度延びることも考えられます。

工事期間中は自宅のトイレが一切使用できなくなるため、その間のトイレをどうするか、事前に計画しておく必要があります。 近所のコンビニやスーパー、公園などの公共トイレの場所を確認しておいたり、状況によっては仮設トイレの設置をリフォーム会社に相談したりすることも検討しましょう。

信頼できるリフォーム会社の選び方

水回りリフォームの実績が豊富か確認、見積書の内容が詳細で分かりやすいか確認、保証やアフターサービスが充実しているか確認

トイレリフォームの成否は、どのリフォーム会社に依頼するかで決まるといっても過言ではありません。技術力が高く、誠実な対応をしてくれる会社を選ぶために、以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。

水回りリフォームの実績が豊富か確認する

リフォーム会社には、それぞれ得意な分野があります。外壁塗装が専門の会社もあれば、内装デザインを得意とする会社もあります。トイレリフォームは、給排水管の接続という専門的な知識と技術を要する「水まわり工事」です。

会社のホームページで、トイレをはじめとする水まわりリフォームの施工事例が豊富に掲載されているかを確認しましょう。 多くの事例をこなしている会社は、様々な現場状況に対応できるノウハウを蓄積しており、トラブル発生時の対応力も期待できます。

また、「建設業許可」や「給水装置工事主任技術者」「排水設備工事責任技術者」といった、水道工事に関する公的な資格を保有しているかどうかも、技術力を判断する上での一つの目安になります。これらの情報は、会社のウェブサイトやパンフレットで確認できることが多いです。

見積書の内容が詳細で分かりやすいか確認する

複数の会社から見積もりを取った際、その内容を比較することが重要ですが、チェックすべきは単なる総額の安さだけではありません。見積書の「詳細さ」と「分かりやすさ」が、その会社の信頼性を測るバロメーターになります。

  • 良い見積書の例
    • 「トイレ本体」「便器設置工事費」「既存便器撤去・処分費」「壁クロス張り替え」「床CF張り替え」のように、項目ごとに単価と数量が明記されている。
    • 使用するトイレのメーカー名、品番、定価、割引率などが具体的に記載されている。
    • 「諸経費」や「雑費」といった項目がある場合、その内訳(現場管理費、運搬費など)が説明されているか、質問に対して明確な回答がある。
  • 注意すべき見積書の例
    • 「トイレリフォーム工事 一式 〇〇円」のように、内訳がほとんど書かれていない。
    • どの製品を使うのか、どのような工事を行うのかが不明確。
    • 他社と比べて極端に安いが、その理由がはっきりしない。

詳細な見積書を作成してくれる会社は、一つ一つの作業を丁寧に見積もっており、顧客に対して誠実な姿勢である可能性が高いです。逆に、どんぶり勘定の見積もりを出す会社は、工事も雑であったり、後から「これは見積もりに含まれていない」と追加費用を請求してきたりするリスクがあります。

保証やアフターサービスが充実しているか確認する

リフォームは、工事が終わればすべて完了というわけではありません。万が一、工事後に水漏れや取り付けの不具合などが発生した場合に、迅速かつ誠実に対応してくれるかどうかが非常に重要です。

契約前に、以下の2種類の保証について必ず確認しましょう。

  1. 製品保証(メーカー保証)
    トイレ本体や便座など、製品そのものに対するメーカーの保証です。通常1〜2年程度の保証期間が設けられています。
  2. 工事保証(自社保証)
    リフォーム会社が、自社で行った工事部分(配管の接続ミスや設置の不備など)に対して独自に設けている保証です。保証期間は会社によって異なり、1年〜10年と幅があります。 「どの範囲の不具合が」「どれくらいの期間」保証されるのか、書面で確認することが不可欠です。

さらに、「リフォーム瑕疵(かし)保険」に加入している会社であれば、より安心です。これは、リフォーム工事に欠陥が見つかった場合に、その補修費用を保険金でカバーできる制度です。万が一、リフォーム会社が倒産してしまった後でも、保険法人から直接保険金を受け取ることができます。

充実したアフターサービス体制を整えている会社は、自社の工事品質に自信を持っている証拠です。 「何かあったらすぐ駆けつけます」といった口約束だけでなく、具体的な保証内容を書面で提示してくれる会社を選びましょう。

トイレリフォームで知っておきたい注意点

マンションでのリフォームの確認事項、戸建てでのリフォームの確認事項、排水方式(床排水・壁排水)の確認、追加費用が発生する可能性のあるケース

スムーズにリフォームを進め、後々のトラブルを防ぐために、事前に知っておくべきいくつかの注意点があります。特に、お住まいがマンションか戸建てかによって確認事項が異なります。

マンションでリフォームする場合の確認事項

マンションは共同住宅であるため、リフォームを行う際には戸建てにはない特有のルールや制約があります。

  • 管理規約の確認
    リフォームを計画する上で最も重要なのが、マンションの「管理規約」を確認することです。 管理規約には、リフォームに関するルールが細かく定められています。

    • 工事可能な範囲:壁や床の構造部分(コンクリート)に手を入れることは基本的にできません。
    • 床材の制限:下の階への音漏れを防ぐため、床材の遮音等級(L値)が定められている場合があります。カーペットからフローリングへの変更が禁止されていることもあります。
    • 工事時間の制限:平日の日中のみなど、工事ができる曜日や時間帯が決められています。
  • 管理組合への届け出
    リフォームを行う際には、事前に管理組合へ「リフォーム工事申請書」などの書類を提出し、承認を得る必要があります。必要な書類や手続きの流れは管理規約に記載されているので、必ず確認しましょう。
  • 水圧の確認
    タンクレストイレの設置を検討している場合は、特に注意が必要です。 マンションの高層階では、給水方式によっては水圧が低く、タンクレストイレの設置基準を満たせないことがあります。事前にリフォーム会社に水圧を測定してもらい、設置可能かを確認してもらう必要があります。
  • 搬入経路の確認
    新しいトイレや内装材を共用廊下やエレベーターを使って搬入します。その際に共用部を傷つけないよう、養生を徹底することが求められます。

戸建てでリフォームする場合の確認事項

戸建てはマンションに比べてリフォームの自由度が高いですが、建物の構造に関わる注意点があります。

  • 建物の構造
    トイレの移設や増設を検討する場合、柱や梁、筋交いといった建物の構造上重要な部分を移動・撤去することはできません。希望の場所に設置できるか、建築士や経験豊富なリフォーム会社の担当者によく確認してもらう必要があります。
  • 電気容量の確認
    温水洗浄便座は比較的大きな電力を消費します。特に、瞬間的にお湯を沸かす「瞬間式」の便座や、暖房機能、乾燥機能などを同時に使うと、ブレーカーが落ちやすくなることがあります。トイレ専用の回路がない場合は、電気工事が必要になることもあります。
  • 床下の状態
    長年使用しているトイレでは、見えないところで水漏れが発生し、床下の木材が腐食したり、シロアリの被害に遭っていたりする可能性があります。これは便器を撤去して初めてわかるケースが多く、もし問題が見つかった場合は、床の補強や修繕のための追加費用が発生します。
  • 建築確認申請
    トイレの増設などで床面積が増える場合や、建物の構造に関わる大規模なリフォームを行う場合、自治体への「建築確認申請」が必要になることがあります。

排水方式(床排水・壁排水)の確認を忘れない

これはマンション・戸建て共通の非常に重要な確認事項です。トイレの排水管には、便器の真下から床に抜けている「床排水」と、便器の後方から壁に抜けている「壁排水」の2種類があります。

  • 見分け方:便器の後ろ側を見て、壁に太い配管が接続されていれば「壁排水」、配管が見えなければ「床排水」である可能性が高いです。
  • なぜ重要か現在設置されているトイレと異なる排水方式のトイレは、原則として設置できません。 例えば、床排水の場所に壁排水用のトイレは取り付けられません。

リフォーム用のトイレには、ある程度の配管位置のズレに対応できる「リモデル(リフォーム)タイプ」もありますが、それでも排水方式自体が違っていては設置は困難です。自分でトイレを選ぶ際には、自宅の排水方式を必ず確認するか、リフォーム会社に判断してもらいましょう。

追加費用が発生する可能性のあるケース

見積もり金額が確定して契約した後でも、工事を始めてから予期せぬ問題が発覚し、追加の工事と費用が必要になることがあります。

  • 床下や壁内の腐食・劣化:前述の通り、床や壁を解体した際に、下地材の腐食や給排水管の深刻な劣化が見つかるケース。
  • アスベスト含有建材:2006年以前に建てられた建物の場合、解体した壁や床の建材にアスベストが含まれている可能性があります。その場合、法令に基づいた専門的な除去作業が必要となり、高額な追加費用が発生します。

信頼できるリフォーム会社であれば、現地調査の段階でこれらのリスクの可能性について事前に説明してくれます。 追加費用が発生する可能性についても心積もりをしておくと、いざという時に慌てずに対応できます。

トイレリフォームに関するよくある質問

工事中、トイレは使えますか?、賃貸物件でもリフォームは可能ですか?、見積もりだけでも無料ですか?、工事の騒音はどれくらいですか?

最後に、トイレリフォームを検討している方から特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。

工事中、トイレは使えますか?

A. いいえ、基本的に工事期間中はご自宅のトイレを使用することはできません。

トイレ本体の交換のみであれば半日〜1日程度で完了しますが、その間は水道の元栓を閉めたり、便器が取り外されたりしている状態になります。和式から洋式へのリフォームなど、工期が2〜3日に及ぶ場合は、その期間ずっとトイレが使えないことになります。

対策として、事前に近所のコンビニエンスストア、スーパー、公園などの公共トイレの場所を把握しておくことが重要です。 小さなお子様や高齢のご家族がいる場合、または工事が長期間にわたる場合は、リフォーム会社に相談して仮設トイレをレンタル・設置してもらうことも可能です(別途費用がかかります)。

賃貸物件でもリフォームは可能ですか?

A. 大家さん(オーナー)や管理会社の許可があれば可能です。無断でのリフォームは絶対にやめましょう。

賃貸物件の設備は、すべて大家さんの所有物です。借主には「原状回復義務」があるため、退去時には入居した時の状態に戻さなければなりません。勝手にトイレを交換してしまうと、契約違反となり、元のトイレに戻すための費用を請求されたり、トラブルに発展したりする可能性があります。

もしリフォームを希望する場合は、必ず事前に大家さんや管理会社に相談し、書面で許可を得る必要があります。 交渉次第では、費用の一部を負担してくれたり、グレードアップを認めてくれたりするケースも稀にありますが、基本的には自己負担での工事となり、退去時の原状回復も求められることが多いです。

見積もりだけでも無料ですか?

A. 多くのリフォーム会社では、現地調査と見積もりの作成は無料で行っています。

リフォーム会社にとって、見積もり提出は契約を獲得するための営業活動の一環です。そのため、ほとんどの会社が無料で対応してくれます。複数の会社から相見積もりを取ることは、消費者にとっての正当な権利であり、一般的な行為ですので、遠慮する必要はありません。

ただし、ごく稀に、詳細な図面の作成などを伴う場合に「提案料」として費用が発生する会社や、遠方の場合は出張費を請求する会社も存在します。念のため、問い合わせの電話やメールの段階で「現地調査と見積もりは無料ですか?」と一言確認しておくと安心です。

工事の騒音はどれくらいですか?

A. 工事内容によりますが、特に解体作業中は大きな音が発生します。

ハンマーでタイルやコンクリートを壊す「はつり作業」や、電動工具を使用する際には、かなりの騒音や振動が発生します。これは、リフォーム工事において避けることができません。

そのため、工事前にリフォーム会社と一緒に近隣住民の方へ挨拶回りを行い、工事期間と作業時間について事前に伝えておくことが、トラブルを避けるために非常に重要です。 マンションの場合は両隣と上下階、戸建ての場合はお向かいと両隣の最低3軒には挨拶をしておくのが望ましいでしょう。丁寧な事前説明があれば、多くの方は工事に対して理解を示してくれます。良好なご近所関係を維持するためにも、この一手間を惜しまないようにしましょう。