毎日使うトイレは、家の中でも特に清潔さや快適さが求められるプライベートな空間です。一昔前のトイレは「用を足すだけの場所」というイメージでしたが、現在ではデザイン性や機能性が飛躍的に向上し、リラックスできる癒やしの空間、あるいは家全体のインテリアを象徴するおしゃれな空間へと生まれ変わらせることが可能になりました。
この記事では、おしゃれなトイレリフォームを検討している方に向けて、実現できることや具体的な費用相場、デザインテイスト別のリフォーム事例15選を詳しく解説します。さらに、理想の空間を作るためのコツ、狭いトイレを広く見せるテクニック、後悔しないための注意点まで、トイレリフォームを成功させるための情報を網羅的にご紹介します。
これからリフォームを計画する方も、まだ漠然と考えている段階の方も、この記事を読めば理想のトイレ空間を実現するための具体的なヒントが見つかるはずです。ぜひ最後までご覧いただき、自分らしい快適でおしゃれなトイレ作りにお役立てください。
目次
おしゃれなトイレリフォームで実現できること
トイレリフォームは、単に古くなった便器を新しくするだけの工事ではありません。最新の機能やデザインを取り入れることで、日々の暮らしに多くのメリットをもたらします。ここでは、おしゃれなトイレリフォームによって具体的にどのようなことが実現できるのか、4つの主要なメリットを掘り下げて解説します。
居心地の良い快適な空間になる
トイレリフォームがもたらす最大のメリットは、トイレが単なる「用を足す場所」から「心安らぐプライベート空間」へと昇華されることです。一日に何度も利用する場所だからこそ、その空間の居心地は生活の質(QOL)に直結します。
例えば、壁紙や床材のデザインを一新するだけで、トイレの雰囲気は一変します。温かみのある木目調の素材や柔らかな色合いのクロスを選べば、ナチュラルでリラックスできる空間に。一方で、ダークトーンの壁紙や間接照明を取り入れれば、ホテルのようなシックで落ち着いた空間を演出できます。自分の好きなデザインテイストを反映させることで、トイレに入るたびに気分が上がり、短い時間でも心からリラックスできるようになるでしょう。
また、快適性を高める機能も重要です。最新のトイレには、自動でフタが開閉する機能、座るとすぐに便座が温まる瞬間暖房便座、心地よい水流で洗浄する機能などが搭載されています。冬場の「ヒヤッ」とする不快感や、フタの開け閉めの手間がなくなるだけで、日々のストレスは大きく軽減されます。さらに、消臭・脱臭機能が進化している製品も多く、気になる臭いを素早く除去してくれるため、常にクリーンで快適な空気環境を保てます。
このように、デザイン性の向上と機能性の進化が組み合わさることで、トイレは家族全員が気持ちよく使える、居心地の良い快適な空間へと生まれ変わるのです。
掃除がしやすくなり清潔を保てる
日々の家事の中でも、トイレ掃除を負担に感じている方は少なくありません。しかし、最新のトイレにリフォームすることで、掃除の手間が大幅に削減され、常に清潔な状態を維持しやすくなります。
近年のトイレメーカー各社は、清掃性を高めるための技術開発に力を入れています。代表的なのが、便器の素材そのものです。TOTOの「セフィオンテクト」やLIXILの「アクアセラミック」のように、汚れが付着しにくく、たとえ付いても水で簡単に洗い流せる特殊なコーティングが施された便器が主流になっています。これにより、頑固な水垢や黒ずみの発生を抑制し、ブラシでゴシゴシこする重労働から解放されます。
便器の形状も進化しています。従来のトイレにありがちだったフチ裏の溝をなくした「フチなし形状」の便器が標準的になり、汚れが溜まりやすく見えにくい死角がなくなりました。サッとひと拭きするだけで掃除が完了するため、時間短縮と衛生維持の両立が可能です。
さらに、床と便器の接地面が少ない「リフトアップ機能」や、そもそも床から浮いている「壁掛け(フロート)トイレ」を選べば、床掃除が格段に楽になります。これまで掃除機やモップが届きにくかった便器の根元や奥のホコリも、簡単かつ完全に取り除くことができます。
加えて、自動洗浄機能も清掃性を高める上で大きな役割を果たします。使用後に自動で便器内を洗浄してくれる機能や、定期的に除菌水などを流して見えない菌の繁殖を抑える機能など、何もしなくてもトイレが自ら清潔を保とうとしてくれるのです。これらの機能は、忙しい共働き世帯や、掃除が負担になってきた高齢者世帯にとって、特に大きなメリットとなるでしょう。
節水・節電効果で光熱費を削減できる
「リフォームはお金がかかる」というイメージがあるかもしれませんが、長期的な視点で見ると、トイレリフォームは光熱費の削減に繋がり、家計に貢献する投資となり得ます。
特に大きな効果が期待できるのが「節水」です。トイレの洗浄技術はここ数十年で劇的に進化しました。例えば、20年ほど前のトイレでは1回の洗浄に約13リットルもの水を使用していましたが、現在の節水型トイレでは、大洗浄でも4〜5リットル程度、小洗浄に至っては3リットル台と、半分以下の水量で済みます。(参照:TOTO株式会社 公式サイト、LIXIL株式会社 公式サイト)
仮に4人家族が1日に1人あたり大1回、小3回使用すると仮定すると、旧式のトイレと最新のトイレとでは、1年間で浴槽約200杯分以上もの節水に繋がるケースもあります。これは水道料金に換算すると、年間で1万円以上の節約になることも珍しくありません。トイレは毎日必ず使う設備だからこそ、この差は年々積み重なり、大きな経済的メリットを生み出します。
節電効果も見逃せません。一昔前の温水洗浄便座は、常時便座を温め続ける「貯湯式」が主流で、保温のための電力を消費し続けていました。一方、現在の主流である「瞬間式」は、使用する瞬間だけお湯を作ったり便座を温めたりするため、待機電力が大幅に削減されます。また、人の動きを検知して必要な時だけ作動する省エエネ機能や、使わない時間帯の温度を自動で下げるタイマー節電機能なども搭載されており、無駄な電力消費を徹底的に抑える工夫が凝らされています。
これらの節水・節電機能により、リフォームにかかる初期費用の一部を、将来の光熱費削減分で回収していくことも十分に可能です。
家全体のイメージが向上する
トイレは独立した空間でありながら、家全体の印象を左右する重要な要素です。来客があった際に、リビングやダイニングがどれだけ素敵でも、トイレが古く汚れていると、家全体の評価が下がってしまう可能性があります。逆に、トイレがおしゃれで清潔感にあふれていると、「見えないところまで気を配っている家」という印象を与え、家全体のイメージアップに繋がります。
リフォームによってトイレが洗練された空間になると、住む人の美意識や暮らしへのこだわりが表現されます。例えば、リビングのインテリアとテイストを合わせた壁紙を選んだり、玄関の雰囲気にマッチする照明を取り入れたりすることで、家全体に統一感が生まれます。
また、トイレは比較的狭い空間であるため、他の部屋では挑戦しにくいような大胆なデザインや個性的な色使いを試しやすい場所でもあります。アクセントクロスで一面だけビビッドな色を取り入れたり、デザイン性の高いタイルや照明で遊び心を加えたりすることで、その家ならではのオリジナリティを演出できます。このような「魅せるトイレ」は、訪れた人の記憶に残り、住まい全体の付加価値を高める効果も期待できるでしょう。
将来的に家を売却する可能性を考えた場合でも、水まわりの美しさと機能性は、内覧時の印象を大きく左右する重要なポイントです。リフォームされた清潔でおしゃれなトイレは、買い手にとって魅力的なアピールポイントとなり、資産価値の維持・向上にも貢献する可能性があるのです。
トイレリフォームの費用相場
トイレリフォームを検討する上で最も気になるのが費用です。費用は、便器の種類、工事の範囲、内装材のグレードなど、様々な要因によって大きく変動します。ここでは、リフォーム全体の費用相場から、工事内容別の内訳、そして価格帯別にどのようなリフォームが可能かまで、具体的に解説していきます。
リフォーム全体の費用相場
トイレリフォームの費用は、工事内容によって大きく異なりますが、一般的には20万円~50万円が最も多い価格帯です。便器の交換のみといったシンプルな工事であれば10万円台から可能ですが、壁紙や床の張り替え、手洗い場の新設などを含む内装全体のリフォームになると、費用は上がっていきます。
以下は、工事内容に応じた費用相場の目安をまとめた表です。
リフォーム内容 | 費用相場の目安 | 主な工事内容 |
---|---|---|
便器の交換のみ | 10万円~25万円 | 既存便器の撤去、新規便器の設置 |
便器交換+内装(壁・床) | 20万円~50万円 | 便器交換に加え、壁紙(クロス)と床材(クッションフロア等)の張り替え |
和式から洋式への変更 | 25万円~60万円 | 和式便器の解体、床や壁の造作、配管工事、洋式便器の設置 |
内装全体+設備追加 | 40万円~80万円以上 | 便器交換、内装工事に加え、手洗いカウンターの新設、収納棚の造作、タンクレストイレの導入など |
これらの費用はあくまで目安であり、選ぶ便器のグレード(タンクレストイレは高価になる傾向)、内装材の種類(高機能な壁紙やタイルは高価)、工事の難易度(配管の移動が必要な場合など)によって変動します。
工事内容別の費用内訳
リフォーム全体の費用は、複数の工事費用の合計で決まります。ここでは、主要な工事内容ごとの費用内訳と、その内容について詳しく見ていきましょう。
便器本体の交換
便器本体の交換費用は、商品代と工事費を合わせて10万円~25万円程度が相場です。これには既存便器の撤去・処分費も含まれます。費用を左右する最大の要因は、便器本体の価格です。
- 組み合わせ便器(タンクあり): 便器、タンク、便座が別々のパーツで構成されている最も標準的なタイプ。価格は比較的安価で、商品代は5万円~15万円程度です。
- 一体型トイレ(タンクあり): 便器、タンク、便座が一体となっているタイプ。デザインに継ぎ目がなくスッキリしており、掃除がしやすいのが特徴。商品代は10万円~25万円程度です。
- タンクレストイレ: 水道直結式でタンクがないタイプ。コンパクトで空間を広く見せることができ、デザイン性が高いのが魅力。ただし、水圧が低い場所には設置できない場合があります。商品代は15万円~40万円以上と高価になる傾向があります。
壁紙(クロス)の張り替え
トイレの壁紙(クロス)を張り替える費用の相場は、3万円~6万円程度です。一般的な広さ(約1畳)のトイレの場合、壁4面と天井を張り替えるのが基本です。費用は、選ぶクロスの種類と施工面積によって変動します。
- スタンダードクロス(量産品): 最も安価で一般的なビニールクロス。デザインやカラーバリエーションも豊富です。
- ハイグレードクロス(1000番台): 消臭、防カビ、撥水、傷に強いといった機能性を持つクロス。デザイン性も高く、トイレ空間に適した選択肢が多いです。スタンダードクロスに比べて1.5倍程度の価格になります。
アクセントクロスとして一面だけ違うデザインのクロスを取り入れる場合でも、職人の手間は大きく変わらないため、費用は全体を同じクロスで張り替える場合とほぼ同等です。
床材の張り替え
床材の張り替え費用は、2万円~5万円程度が相場です。トイレで最も多く使用されるのは、耐水性が高く掃除もしやすいクッションフロアです。
- クッションフロア: 塩化ビニール製のシート状の床材。安価でデザインが豊富。施工も比較的簡単です。
- フロアタイル: 塩化ビニール製のタイル状の床材。クッションフロアよりも硬く、傷がつきにくいのが特徴。石目調や木目調など、リアルな質感を表現できます。クッションフロアよりは高価になります。
- タイル: 陶磁器製の床材。高級感と耐久性が魅力ですが、材料費・施工費ともに高額になります。目地の掃除が必要になる点も考慮が必要です。
手洗い場の新設・交換
手洗い場を新たに設置したり、既存のものを交換したりする場合の費用は、5万円~20万円以上と幅があります。
- タンク上部手洗い: 多くのタンク付きトイレに標準で備わっているタイプ。追加費用はかかりませんが、石鹸を置くスペースがない、水が飛び散りやすいといったデメリットがあります。
- 手洗い器の交換: 既存の手洗い器を新しいものに交換する場合。配管工事が不要であれば、5万円~10万円程度で可能です。
- 手洗いカウンターの新設: 給排水管の増設工事が必要になるため、費用は高くなります。10万円~30万円程度が目安です。カウンターの素材や手洗いボウルのデザインによって価格は大きく変わります。
収納棚の設置
トイレ内の収納を増やすための棚を設置する費用は、2万円~15万円程度です。
- 吊り戸棚の設置: 壁の上部に取り付けるタイプの収納棚。既製品であれば2万円~5万円程度で設置可能です。
- 埋め込み収納(ニッチ): 壁の厚みを利用して作る収納スペース。壁の解体や補強が必要になるため、5万円~10万円程度の費用がかかります。
- システム収納: 便器の後ろや手洗いカウンターと一体になった大型の収納。デザイン性が高く収納力も豊富ですが、10万円~20万円以上と高価になります。
ドアの交換
トイレのドアを交換する場合の費用は、5万円~15万円程度です。開き戸から引き戸に変更するなど、ドアの種類を変える場合は、壁の解体や補強が必要になるため、費用は20万円以上になることもあります。
換気扇の交換
既存の換気扇を新しいものに交換する場合の費用は、3万円~6万円程度です。人感センサー付きで自動的に作動するタイプや、消臭機能が付いた高機能な製品を選ぶと価格は上がります。
価格帯別にできるリフォーム内容
予算に応じて、どのようなリフォームが実現可能かを知っておくことは、計画を立てる上で非常に重要です。ここでは、3つの価格帯に分けて、できることの目安を紹介します。
20万円以下でできること
この価格帯では、便器の交換が中心のシンプルなリフォームが可能です。
- 洋式トイレから新しい洋式トイレへの交換: タンク付きの組み合わせ便器や、ベーシックな機能の一体型トイレへの交換ができます。
- 内装の一部リフォーム: 便器交換はせず、壁紙(クロス)と床材の張り替えのみを行うこともこの予算内で可能です。トイレの雰囲気だけを一新したい場合におすすめです。
- ウォシュレット(温水洗浄便座)の後付け: 既存の便器に、新しい温水洗浄便座を取り付ける工事も数万円から可能です。
20万円~50万円でできること
この価格帯は最も一般的なボリュームゾーンで、便器の交換と内装工事をセットで行うことができます。
- 便器交換+内装一新: 機能性の高い一体型トイレや、一部のタンクレストイレへの交換と合わせて、壁紙・床材を全面的に張り替えることができます。おしゃれなトイレ空間を実現するための標準的なリフォーム内容です。
- 和式から洋式へのリフォーム: 床の解体や配管工事を含む和式から洋式への変更も、この価格帯で実現可能です(選ぶ便器のグレードによります)。
- 簡単な設備追加: 便器交換と内装工事に加えて、吊り戸棚の設置や換気扇の交換といった小規模な設備追加も予算に含めることができます。
50万円以上でできること
この価格帯になると、デザインや機能にこだわった、ハイグレードなリフォームが実現できます。
- ハイグレードなタンクレストイレの導入: 最新機能が満載の最上位モデルのタンクレストイレを選べます。
- 手洗いカウンターの新設: デザイン性の高い手洗いボウルやカウンターを設置し、ホテルライクな空間を造作できます。給排水工事もこの予算内で行えます。
- オーダーメイドの収納: 壁面全体を使ったシステム収納や、デザインに合わせた造作収納など、収納にもこだわることができます。
- 内装材のグレードアップ: 壁にエコカラットなどの調湿・消臭機能を持つタイル材を使用したり、床を高級感のあるタイルにしたりと、内装材にもこだわった選択が可能です。
- トイレ空間の拡張や移動: 隣接する収納スペースと一体化してトイレを広くしたり、間取りを変更してトイレの位置を移動したりするような大規模な工事も視野に入ります。
おしゃれなトイレリフォーム事例15選
ここでは、人気のデザインテイスト別に、おしゃれなトイレリフォームの具体的な事例を15種類紹介します。これらの事例を参考に、ご自身の理想とするトイレ空間のイメージを膨らませてみてください。
①【モダン】シンプルで洗練された空間
白、黒、グレーといったモノトーンを基調とし、直線的なデザインでまとめたスタイルです。無駄な装飾を省き、素材の質感で高級感を演出するのが特徴。例えば、壁はコンクリート打ちっぱなし風の壁紙やマットなグレーの塗装で仕上げ、床には光沢のある大理石調のフロアタイルを合わせます。トイレ本体はシンプルなデザインのタンクレストイレを選び、手洗い器もスクエアな形状のものを採用すると、統一感のある洗練された空間が完成します。
②【ナチュラル】木の温もりを感じる癒しの空間
木の素材感を活かし、自然の温もりを感じさせるスタイルです。心安らぐリラックスした雰囲気が魅力。床や壁の一部、手洗いカウンターなどに無垢材や木目調の素材をふんだんに使用します。壁紙はオフホワイトやベージュ、アースカラーといった優しい色合いを選ぶと、木の温もりがより引き立ちます。観葉植物やアースカラーのファブリックを飾ると、さらに癒やしの空間になります。
③【北欧風】明るく居心地の良いデザイン
白や明るいグレーをベースに、木製の家具やアクセントカラーで温かみと楽しさを加えるスタイルです。壁は白を基調とし、床には明るい色の木目調クッションフロアを敷きます。壁の一面だけをペールトーンのブルーやイエロー、あるいは幾何学模様や植物柄のアクセントクロスにすると、一気におしゃれな北欧風の雰囲気になります。照明は温かみのある電球色のペンダントライトなどがおすすめです。
④【ホテルライク】高級感あふれる上質な空間
まるで高級ホテルのパウダールームのような、非日常的で上質な空間を目指すスタイルです。ダークブラウンや濃いグレーなどの落ち着いた色を基調とし、間接照明を効果的に使って陰影を演出します。壁には光沢のあるタイルや質感のあるクロスを、床には重厚感のあるタイルを用いると高級感が増します。大きな鏡やガラス製の棚、スタイリッシュな水栓金具など、ディテールにこだわることが成功の鍵です。
⑤【カフェ風】個性的で遊び心のあるデザイン
お気に入りのカフェのような、おしゃれで少し個性的な空間を演出するスタイルです。壁の一面に黒板塗装を施してチョークで絵を描けるようにしたり、レンガ調やサブウェイタイルの壁紙を使ったりすると、カフェらしい雰囲気が生まれます。アイアン素材のペーパーホルダーやタオル掛け、ヴィンテージ感のある照明器具などを組み合わせると、より完成度が高まります。
⑥【ヴィンテージ】深みのある落ち着いた雰囲気
使い込まれたような風合いや、時代の深みを感じさせるスタイルです。インダストリアル(工業的)な要素を取り入れることもあります。古材風の板を壁に張ったり、コンクリート風の壁紙を選んだりするのが特徴。配管をあえて見せるデザインや、サビ加工が施されたアイアンの小物、エジソン電球のようなレトロな照明がよく似合います。ダークブラウンやカーキなど、スモーキーな色合いでまとめると落ち着いた雰囲気になります。
⑦【アクセントクロス】一面だけで空間の印象を変える
トイレの壁4面のうち、便器の背面や側面の一面だけを、色や柄の異なる壁紙(アクセントクロス)にする手法です。コストを抑えながら、空間の印象を劇的に変えることができます。大胆な花柄やボタニカル柄、鮮やかなビビッドカラーなど、リビングでは使いにくいデザインにも挑戦しやすいのが魅力です。ベースの壁紙を白やアイボリーなどのシンプルな色にしておくと、アクセントクロスがより引き立ちます。
⑧【タンクレストイレ】すっきり広々とした空間を実現
水道管に直結して水を流すタンクレストイレは、タンクがない分、奥行きが10〜15cmほど短くなります。このわずかな差が、狭いトイレ空間に大きなゆとりを生み出します。見た目が非常にスッキリしており、掃除がしやすいのも大きなメリット。そのミニマルなデザインは、モダン、ホテルライク、シンプルなど、あらゆるテイストの空間にマッチします。
⑨【間接照明】光でムードを演出する
照明を天井や壁に埋め込んだり、鏡の裏やカウンターの下に仕込んだりして、光源が直接見えないようにする手法です。柔らかく拡散した光が、トイレ空間に奥行きと落ち着いた雰囲気をもたらします。特に、床面に近い低い位置に間接照明を設置すると、非日常的な浮遊感が生まれ、ホテルライクな空間演出に効果的です。人感センサーと連動させれば、夜中にトイレに入った際も眩しすぎず快適です。
⑩【デザイン性の高い手洗い場】トイレ空間の主役に
独立した手洗い場を設ける場合、そのデザインにこだわることでトイレ空間全体の質が向上します。例えば、信楽焼やガラスなど、素材感のある置き型の「ベッセル型手洗いボウル」は、それだけで空間の主役になります。カウンターの素材を無垢材にしたり、水栓金具をゴールドやマットブラックのスタイリッシュなものにしたりと、細部までこだわることで、オリジナリティあふれるおしゃれな手洗い場が完成します。
⑪【タイル床】清潔感と高級感を両立
床材にタイルを選ぶと、トイレ空間が一気にグレードアップします。耐水性に優れ、汚れも染み込みにくいため、掃除がしやすく清潔を保ちやすいのが大きなメリット。大理石調の磨かれたタイルはホテルライクな高級感を、テラコッタ調の素朴なタイルは南欧風の温かみを演出します。近年人気の六角形(ヘキサゴン)タイルや、様々な柄を組み合わせたパッチワーク風のパターンタイルなども個性的でおすすめです。
⑫【ニッチ収納】壁を活かしたスマートな収納術
壁の厚みを利用してくぼみを作り、収納スペースにするのが「ニッチ」です。壁から出っ張ることがないため、狭いトイレでも圧迫感なく収納を確保できます。トイレットペーパーを数個置いたり、小さな観葉植物やアロマディフューザーを飾ったりするのに最適です。ニッチの奥の壁にアクセントクロスを貼ったり、間接照明を仕込んだりすると、デザイン性も高まります。
⑬【ヘリンボーン床】デザイン性で差をつける
ヘリンボーンとは、V字型に木材やタイルを組み合わせていく張り方です。クラシックで上品な印象を与え、床のデザインだけで空間をおしゃれに見せることができます。木目調のクッションフロアやフロアタイルにもヘリンボーン柄の製品が多くあり、比較的取り入れやすくなっています。シンプルな壁の空間でも、床にヘリンボーンを採用するだけで、デザイン性の高いトイレが完成します。
⑭【腰壁】空間にメリハリをつけるデザイン
床から90cm〜120cm程度の高さまで、壁の下半分に板材や異なるデザインのクロス、タイルなどを張る手法を「腰壁」といいます。空間に水平ラインが生まれることで、視覚的な安定感とメリハリが生まれます。汚れやすい腰の高さまでを、掃除しやすい素材(パネル材や撥水性のあるクロスなど)にできるという機能的なメリットもあります。上半分と下半分で素材や色を変えることで、デザインの幅が大きく広がります。
⑮【ダークトーン】シックで落ち着いた大人空間
黒やチャコールグレー、濃紺といったダークトーンでまとめたトイレは、こもり感のある落ち着いた雰囲気になり、集中したりリラックスしたりするのに適しています。狭い空間で暗い色を使うと圧迫感が出やすいと思われがちですが、照明計画を工夫したり、床や天井を明るい色にしたりすることで、奥行きのある洗練された空間に仕上がります。木目や金属の質感が引き立つため、上質な小物を合わせると効果的です。
おしゃれなトイレ空間を作る7つのコツ
理想のトイレリフォームを実現するためには、デザイン事例を参考にするだけでなく、空間を構成する各要素の選び方や組み合わせ方の「コツ」を知っておくことが重要です。ここでは、おしゃれなトイレ空間を具体的に作り上げるための7つのポイントを解説します。
① 壁紙(クロス)の選び方
壁紙はトイレの面積の大部分を占めるため、空間の印象を決定づける最も重要な要素です。
- ベースカラーとアクセントカラーの使い分け: 壁4面のうち3面を白やアイボリー、薄いグレーなどのベースカラーにし、残りの1面に好きな色や柄のアクセントクロスを使うのが失敗しにくい王道パターンです。ベースをシンプルにすることで、アクセントクロスが引き立ち、洗練された印象になります。
- 機能性で選ぶ: トイレは湿気がこもりやすく、臭いも気になる場所です。そのため、デザインだけでなく機能性も重視しましょう。「防カビ・抗菌機能」「消臭機能」「撥水・汚れ防止機能」などが付いた壁紙を選ぶと、日々のメンテナンスが楽になり、長く清潔な状態を保てます。
- 素材感で選ぶ: ビニールクロスだけでなく、織物調、石目調、漆喰調など、様々なテクスチャの壁紙があります。光の当たり方で陰影が生まれ、空間に深みを与えます。サンプルを取り寄せて、実際の光の下で質感を確認するのがおすすめです。
- 柄物の使い方: 狭い空間では、大きな柄は圧迫感を与えることがあります。小さな柄や、縦のストライプ柄を選ぶと、空間が広く、または高く見える効果が期待できます。ボタニカル柄や幾何学模様など、自分の好きなテイストの柄をアクセントとして取り入れると、個性を演出できます。
② 床材の選び方
床材は、デザイン性はもちろん、耐水性や清掃性といった実用面が特に重要になります。
- クッションフロア(CFシート): 最も一般的でコストパフォーマンスに優れた選択肢です。耐水性が高く、汚れてもサッと拭き取れます。木目調、タイル調、ヘリンボーン柄などデザインが非常に豊富で、どんなテイストにも合わせやすいのが魅力です。
- フロアタイル: クッションフロアよりも硬く、耐久性が高いのが特徴です。石目調や木目調のデザインは質感がリアルで、高級感を演出しやすいです。傷に強いため、長期間美しい状態を保てます。
- タイル: 陶磁器製のタイルは、見た目の高級感と優れた耐久性・耐水性が魅力です。ただし、冬場は足元が冷たく感じられることや、目地の掃除が必要になる点がデメリットとして挙げられます。コストも他の床材に比べて高くなります。
- 色の選び方: 床の色は、壁紙よりも少し濃い色を選ぶと空間全体が引き締まり、安定感が生まれます。髪の毛やホコリが目立ちにくいのは、グレーやベージュなどの中間色です。
③ 照明計画のポイント
照明は、空間の雰囲気作りにおいて非常に重要な役割を担います。
- 光の色(色温度): トイレの照明には、温かみのあるオレンジ色の「電球色」がおすすめです。リラックス効果が高く、落ち着いた空間を演出できます。一方で、清潔感を重視したり、掃除のしやすさを考えたりする場合は、自然光に近い「温白色」や、やや青みがかった「昼白色」も選択肢になります。
- 多灯分散: 天井にシーリングライトを一つだけ設置するのではなく、複数の照明を組み合わせる「多灯分散」を取り入れると、空間に奥行きと陰影が生まれます。例えば、天井にはダウンライトを複数配置し、手洗い場や鏡の周りにはブラケットライトやペンダントライトを追加するといった方法です。
- 間接照明の活用: 前述の事例でも触れましたが、間接照明はムード作りに絶大な効果を発揮します。カウンター下や便器の後ろ、ニッチの中などにLEDテープライトを仕込むことで、ホテルライクな上質な光の空間を創出できます。
- 人感センサーの導入: 両手がふさがっている時や、夜中の使用時にスイッチを探す手間が省ける人感センサー付きの照明は非常に便利です。消し忘れも防げるため、節電にも繋がります。
④ トイレ本体(便器)の選び方
トイレの中心となる便器は、デザインと機能の両面から慎重に選びましょう。
- タンクの有無:
- タンクレストイレ: コンパクトで見た目がスッキリ。空間を広く見せたい場合に最適です。デザイン性が高く、掃除もしやすいのがメリット。
- タンク付きトイレ: 比較的安価で、水圧の低いマンションなどでも設置しやすいのがメリット。タンク上に手洗い器が付いているモデルも多くあります。
- デザイン: 便器の形状も、丸みを帯びたものからシャープなスクエア型まで様々です。空間全体のデザインテイストに合わせて選びましょう。例えば、ナチュラルな空間には柔らかなフォルムの便器、モダンな空間には直線的なデザインの便器がマッチします。
- 清掃性: フチなし形状、汚れが付きにくい新素材、便座リフトアップ機能など、掃除を楽にする機能は必須でチェックしたいポイントです。メーカーごとに特色があるので、ショールームなどで比較検討するのがおすすめです。
⑤ 収納の工夫
トイレットペーパー、掃除用品、サニタリー用品など、トイレは意外と物が多い場所です。これらをいかにスッキリと隠して収納するかが、おしゃれな空間を維持する鍵となります。
- 隠す収納を基本にする: 生活感の出るアイテムは、扉付きの収納にしまいましょう。便器の背面に設置するキャビネットや、手洗いカウンターの下部収納が便利です。
- 壁面を有効活用:
- 吊り戸棚: 空間の上部を有効活用できます。圧迫感が出ないよう、奥行きの浅いものや、壁紙と色を合わせたものを選ぶのがポイントです。
- 埋め込み収納(ニッチ): 壁の厚みを利用するため、空間を狭めることなく収納を確保できます。「見せる収納」として、ディフューザーや小さなアートを飾るスペースにもなります。
- 収納付き手洗いカウンター: 独立した手洗い場を設けるなら、カウンター下に収納スペースがあるタイプを選ぶと、掃除道具などをまとめてしまえて便利です。
⑥ 手洗い場のデザイン
タンクレストイレを選ぶ場合など、独立した手洗い場が必要になります。手洗い場はデザインのアクセントになる重要なパーツです。
- 手洗いボウルの種類:
- ベッセル型(置き型): カウンターの上にボウルを置くタイプ。デザイン性が高く、おしゃれな空間の主役になります。陶器、ガラス、信楽焼など素材も様々です。
- アンダーカウンター型(埋め込み型): カウンターの下にボウルを埋め込むタイプ。カウンター面がフラットになるため、掃除がしやすくスッキリした印象になります。
- 水栓金具: 水栓のデザインも空間の印象を大きく左右します。クロームの標準的なものだけでなく、マットブラック、ゴールド、ブロンズなど、様々な色やデザインがあります。タオル掛けやペーパーホルダーと色や素材を合わせると、空間に統一感が生まれます。
- カウンターの素材: 木、人工大理石、メラミン化粧板など、カウンターの素材によっても雰囲気が変わります。壁紙や床材との相性を考えて選びましょう。
⑦ 鏡や小物・アクセサリーの活用法
細部のアクセサリーにこだわることで、空間の完成度は格段に上がります。
- 鏡の効果: 鏡は空間を広く見せる効果があります。特に狭いトイレでは、大きめの鏡を設置するのがおすすめです。フレームのデザインにこだわることで、鏡自体をインテリアのアクセントにできます。収納と一体になったミラーキャビネットも実用的です。
- ペーパーホルダー・タオル掛け: これらは標準的なシルバーのものから、アイアン、真鍮、木製など、様々な素材・デザインのものがあります。空間のテイストに合わせて選ぶだけで、ぐっとおしゃれな雰囲気になります。
- グリーンやアート: 小さな観葉植物や一輪挿しは、空間に生命感と彩りを加えてくれます。壁に小さなアートフレームを飾るのもおすすめです。季節ごとに小物を変えることで、手軽に雰囲気を変えて楽しむことができます。
狭いトイレをおしゃれで広く見せる4つのポイント
日本の住宅では、トイレ空間が1畳程度の広さに限られているケースが多くあります。しかし、工夫次第で狭いトイレでも圧迫感を軽減し、おしゃれで広々とした印象を与えることが可能です。ここでは、そのための具体的な4つのポイントを紹介します。
① 明るい色を基調にする
色彩心理学において、白やアイボリー、ペールトーン(淡い色)などの明るい色は「膨張色」と呼ばれ、空間を実際よりも広く見せる効果があります。狭いトイレでは、この効果を最大限に活用しましょう。
壁や天井を白や明るいベージュなどの膨張色で統一するのが基本です。これにより、壁が後退して見えるため、空間に開放感が生まれます。床材も、壁より少し濃い程度の色合いに抑えるか、壁と同系色の明るいものを選ぶと、縦横の広がりが感じられます。
もしアクセントクロスを取り入れたい場合は、圧迫感の少ない淡い色や、小さな柄、あるいは縦のストライプ柄を選ぶのがおすすめです。縦ストライプは天井を高く見せる効果があり、空間の狭さをカバーしてくれます。逆に、濃い色や大きな柄を壁全体に使うと、空間がより狭く感じられてしまう可能性があるため、慎重に検討しましょう。全体を明るいトーンでまとめ、小物やファブリックで色味をプラスするというアプローチが、狭いトイレには最適です。
② タンクレストイレを選ぶ
狭いトイレ空間を物理的に広くするための最も効果的な方法の一つが、タンクレストイレの採用です。前述の通り、タンクがない分、便器の奥行きが10cmから15cmほど短くなります。この差は数字以上に大きく、トイレに入った時の足元のスペースや、ドアを開閉する際のゆとりに直結します。
特に、ドアが内開きの場合、タンクレストイレにすることで、かがんだり体をよけたりする動作が楽になり、使い勝手が格段に向上します。見た目も非常にコンパクトでミニマルなため、視覚的にも空間がスッキリと広く感じられます。
さらに一歩進んで、壁掛け(フロート)タイプのトイレを選ぶという選択肢もあります。これは便器が床から浮いているため、床面が奥まで見通せ、空間にさらなる広がりと浮遊感が生まれます。便器の下にホコリが溜まらず、床掃除が隅々まで簡単に行えるという衛生面のメリットも非常に大きいでしょう。ただし、壁に排水管や給水管、便器を支えるためのフレームを埋め込む工事が必要になるため、通常のトイレ交換よりも費用と工期がかかる点を理解しておく必要があります。
③ 壁付け収納や埋め込み収納を活用する
狭い空間では、収納の作り方が快適性を大きく左右します。床に掃除道具やトイレットペーパーのストックを置くと、それだけで足元が狭くなり、ごちゃごちゃした印象になってしまいます。収納は床置きではなく、壁面を有効活用するのが鉄則です。
- 壁付けの吊り戸棚: 空間の上部、例えばドアの上や便器の奥の壁の高い位置に吊り戸棚を設置すれば、足元のスペースを一切犠牲にすることなく収納を確保できます。この時、圧迫感を軽減するために、奥行きが浅いものや、扉の色を壁紙と合わせるといった工夫が有効です。扉が鏡になっているタイプを選べば、収納と空間を広く見せる効果を両立できます。
- 埋め込み収納(ニッチ): 壁の厚みを利用するニッチは、狭いトイレの収納問題を解決する切り札です。壁から出っ張ることがないため、動線を妨げる心配がありません。トイレットペーパーがぴったり収まる奥行きのニッチを複数作れば、見た目もスッキリとおしゃれな収納が完成します。奥行きが限られるため大きなものは収納できませんが、頻繁に使うものをスマートに収めるのに最適です。
- コーナー収納: 部屋の隅(コーナー)はデッドスペースになりがちです。この部分に設置できるコーナーシェルフやコーナーキャビネットを活用するのも良い方法です。
④ 大きな鏡を設置する
鏡は、光を反射して空間を明るくし、景色を映し込むことで奥行きがあるように見せる、魔法のようなアイテムです。この視覚効果を狭いトイレで利用しない手はありません。
手洗い場を設ける場合は、その壁面にできるだけ大きなサイズの鏡を設置することをおすすめします。横長の鏡なら空間に横の広がりを、縦長の鏡なら天井を高く見せる効果が期待できます。フレームのないシンプルなデザインの鏡を選ぶと、壁と一体化してよりスッキリとした印象になります。
手洗い場がない場合でも、壁面にデザイン性の高い鏡を飾るだけで、インテリアのアクセントとなりつつ、空間を広く見せることができます。例えば、便器に座った時に横に見える壁に鏡を設置すると、視線が抜けて圧迫感が和らぎます。
また、前述のミラー付きの収納扉も非常に効果的です。収納と鏡の機能を一つにまとめることで、省スペースと空間の広がりという二つのメリットを同時に得られます。照明の光が鏡に反射することで、トイレ全体が明るくなる効果も見逃せません。
トイレリフォームで後悔しないための注意点
デザインや機能にこだわってリフォームしたにもかかわらず、「こうすればよかった…」と後悔するケースは少なくありません。理想のトイレ空間を長く快適に使い続けるために、計画段階で必ずチェックしておきたい4つの注意点を解説します。
コンセントの位置と数を確認する
トイレリフォームで見落としがちで、後から後悔するポイントの筆頭がコンセントです。温水洗浄便座の使用はもちろん、最近では自動開閉や自動洗浄、消臭機能など、トイレ本体が電源を必要とすることが当たり前になっています。
リフォーム計画時には、まず温水洗浄便座用のコンセントが適切な位置にあるかを確認しましょう。便器の近くにあっても、コードが無理な角度で曲がったり、長すぎて見栄えが悪くなったりしないか、設置する便器の仕様と照らし合わせて検討が必要です。
さらに、将来的なニーズも見越しておくことが重要です。例えば、人感センサー付きの小型ファンヒーターを冬場に使いたい、スマートフォンを充電したい、電動お掃除ブラシを充電したいといった可能性はありませんか? これらの用途を想定し、便器用とは別に、もう一つ予備のコンセントを設けておくと非常に便利です。
コンセントの増設は、壁の内側で電気工事を行うリフォームのタイミングで一緒に行うのが最も効率的でコストも抑えられます。後から追加しようとすると、壁を再度開ける必要があり、余計な費用と手間がかかってしまいます。「コンセントは多めに付けておく」という意識で計画を進めることを強くおすすめします。
掃除のしやすさを考慮する
おしゃれなデザインを追求するあまり、掃除のしやすさを見落としてしまうのも、よくある後悔のパターンです。毎日使う場所だからこそ、デザイン性と清掃性は両立させるべき重要な要素です。
- 便器の形状: フチなし形状はもちろんのこと、便器と便座の隙間を掃除しやすい「リフトアップ機能」があるかどうかもチェックしましょう。凹凸や継ぎ目が少ないデザインほど、ホコリが溜まりにくく掃除が楽になります。
- 床材: デザイン性の高いタイル床は素敵ですが、目地が多いとカビや汚れが溜まりやすくなる可能性があります。目地が少ない大判タイルを選んだり、防カビ・抗菌仕様の目地材を使用したりといった対策を検討しましょう。最も手軽なのは、継ぎ目がほとんどないクッションフロアです。
- 壁材: 腰壁に凹凸の多いデザインパネルなどを使うと、ホコリが溜まりやすくなることがあります。特に汚れが飛び散りやすい腰から下の高さには、サッと拭き取れる撥水・防汚機能のある壁紙や、つるっとしたパネル材を選ぶのが賢明です。
- 小物や装飾: 床にたくさんの小物を置いたり、複雑な形状の棚を設置したりすると、掃除のたびにそれらを動かす手間が増えます。「床には何も置かない」を基本ルールとし、収納は壁面に集約することで、掃除機やモップがけがスムーズに行えます。
将来の介護も視野に入れる
現時点では必要なくても、10年後、20年後、自分や家族が年を重ねた時のことを想定しておくことは、長く使えるトイレを作る上で非常に重要です。将来、手すりが必要になったり、車椅子での利用を考えたりする可能性もゼロではありません。
- 手すりの設置スペースと下地: 今すぐ手すりを付けなくても、将来取り付けられるように、壁の内部に補強用の下地を入れておくことを検討しましょう。壁紙を張り替えるリフォームのタイミングなら、比較的少ない追加費用で施工できます。後から下地を入れるのは大掛かりな工事になります。
- ドアの仕様: 開き戸の場合、内開きだと中で人が倒れた場合にドアが開けられなくなるリスクがあります。また、車椅子では出入りが困難です。可能であれば、少ない動作で開閉できる「引き戸」や「折れ戸」への変更を検討するのが理想です。スペースの都合で難しい場合でも、外開きのドアにするだけでも安全性は高まります。
- 出入口の段差解消: トイレの出入口に段差があると、つまずきの原因になり危険です。リフォームの際には、この段差をなくしてバリアフリー化しておくことをおすすめします。
- スペースの確保: 車椅子での利用を想定する場合、介助者が入れる十分なスペースが必要です。間取りの変更が可能な場合は、少し広めのトイレ空間を確保しておくという選択肢も考えられます。
ショールームで実物を確認する
カタログやウェブサイトの写真だけで商品を決めてしまうのは禁物です。色味や質感、サイズ感は、実物を見てみないと正確には分かりません。
リフォーム会社との契約前に、必ずメーカーのショールームに足を運び、実物を確認しましょう。ショールームでは、様々なグレードの便器が展示されており、実際に座って座り心地を試したり、洗浄の水流の強さや音を確認したりできます。
また、壁紙や床材のサンプルも、小さなカットサンプルだけでなく、大きなサイズのパネルで展示されているため、空間全体に張られた時のイメージが掴みやすいです。照明の色によって素材の見え方がどう変わるかも確認できます。
専門のアドバイザーに相談できるのもショールームの大きなメリットです。自分の家のトイレの状況や、実現したいイメージを伝えれば、プロの視点から最適な商品を提案してくれます。掃除のしやすさや、使い勝手に関する細かな疑問点も、その場で解消しておきましょう。この一手間が、リフォーム後の満足度を大きく左右します。
トイレリフォームの流れ6ステップ
思い立ってから理想のトイレが完成するまで、リフォームはどのような手順で進んでいくのでしょうか。ここでは、一般的なトイレリフォームの流れを6つのステップに分けて解説します。全体像を把握しておくことで、スムーズに計画を進めることができます。
① 情報収集・イメージ固め
すべての始まりは、情報収集とイメージ作りです。
まずは、この記事のようなウェブサイトや、インテリア雑誌、SNS(InstagramやPinterestなど)を活用して、どのようなトイレにしたいのか、好きなデザインテイストや取り入れたい機能などのイメージを膨らませていきます。
「ホテルライクで落ち着いた雰囲気がいい」「北欧風の明るい空間にしたい」「掃除がとにかく楽なトイレがいい」など、ぼんやりとした希望で構いません。気に入った写真や事例があれば、画像として保存したり、スクラップブックにまとめたりしておくと、後でリフォーム会社に要望を伝える際に非常に役立ちます。
同時に、現在のトイレの何に不満を感じているのか(狭い、暗い、掃除が大変、古いなど)、リフォームで何を解決したいのかをリストアップしておきましょう。そして、今回のリフォームにかけられる大まかな予算を決めておきます。
② リフォーム会社選び・相談
理想のイメージが固まったら、次はその想いを形にしてくれるパートナー、リフォーム会社を探します。インターネットで「地域名 トイレリフォーム」などと検索したり、知人からの紹介を受けたりして、候補となる会社をいくつかリストアップします。
会社のウェブサイトで施工事例を確認し、自分の好みのテイストに近い実績が多い会社を選ぶのがポイントです。候補が絞れたら、電話やウェブサイトのフォームから問い合わせをし、相談のアポイントを取ります。
初回の相談では、ステップ①で集めた情報や写真を見せながら、自分たちの希望や予算、現在のトイレの不満点などを具体的に伝えます。この段階で、親身に話を聞いてくれるか、専門的な視点から的確なアドバイスをくれるかなど、担当者との相性も見ておきましょう。
③ 現地調査・見積もり
相談内容に基づき、リフォーム会社の担当者が実際に家を訪れて、現在のトイレの状況を確認する「現地調査」を行います。
担当者は、トイレの寸法を測ったり、床や壁の状態、給排水管の位置、換気扇やコンセントの状況などを細かくチェックします。この調査結果と、ヒアリングした要望をもとに、具体的なリフォームプランと正式な見積書を作成します。
見積もりは、必ず複数の会社(できれば3社程度)から取る「相見積もり」をおすすめします。これにより、工事内容や費用の相場感を把握でき、不当に高い契約を防ぐことができます。見積書を受け取ったら、金額の総額だけでなく、「どのメーカーのどの型番の便器を使うのか」「どのような内装材を使うのか」「どの工事にいくらかかるのか」といった内訳まで、詳細に比較検討することが重要です。不明な点があれば、遠慮なく質問して解消しておきましょう。
④ 契約
複数の見積もりとプランを比較検討し、最も信頼できる、納得のいく提案をしてくれたリフォーム会社を1社に絞り込みます。会社が決まったら、最終的な工事内容、仕様、金額、工期、支払い条件などを再度確認し、問題がなければ正式に「工事請負契約」を交わします。
契約書は非常に重要な書類です。隅々まで目を通し、特に保証内容やアフターサービス、工事が遅延した場合の取り扱いなど、細かな条項もしっかりと確認してください。少しでも疑問や不安な点があれば、署名・捺印する前に必ず担当者に説明を求めましょう。
⑤ 着工・施工
契約が完了し、便器や内装材などの商品がすべて揃ったら、いよいよ工事開始です。
工事前には、職人が作業しやすいように、トイレ周辺の廊下や壁などを傷つけないための養生(保護シートなどで覆うこと)が行われます。
一般的なトイレリフォーム(便器交換+内装工事)の工期は、1日〜2日程度で完了することがほとんどです。和式から洋式への変更や、間取りの変更を伴う大掛かりな工事の場合は、数日間かかることもあります。
工事期間中は、当然ながら家のトイレは使用できません。事前にリフォーム会社に、近隣のコンビニや公園の公共トイレの場所を確認しておく、あるいは仮設トイレの設置が可能か相談しておくと安心です。
⑥ 完成・引き渡し
工事がすべて完了したら、リフォーム会社の担当者と一緒に、仕上がりをチェックします。
契約通りに工事が行われているか、傷や汚れはないか、便器や換気扇などの設備は正常に作動するかなど、細かく確認してください。特に、水漏れがないかは重要なチェックポイントです。実際に水を流してみて、便器と床の接合部や、給水管の接続部分などから水が漏れていないかを確認しましょう。
すべてのチェックが完了し、問題がなければ「工事完了確認書」にサインをして、引き渡しとなります。この際に、新しい機器の取扱説明書や保証書を受け取り、使い方やメンテナンス方法について説明を受けます。これで、新しいおしゃれなトイレでの生活がスタートします。
トイレリフォームで利用できる補助金・助成金
トイレリフォームは、一定の条件を満たすことで、国や自治体が実施する補助金・助成金制度を利用できる場合があります。費用負担を軽減できる貴重な制度なので、ご自身の計画が対象になるか、ぜひ確認してみましょう。
介護保険
介護保険制度には、高齢者が自宅で安全に暮らし続けるための住宅改修を支援する仕組みがあります。要支援または要介護認定を受けている方が対象で、手すりの設置や床の段差解消、和式から洋式への便器交換といったトイレリフォームが補助の対象となります。
支給限度基準額は、原則として1人あたり20万円で、そのうち所得に応じて7割から9割が保険給付として支給されます(自己負担は1割から3割)。つまり、最大で18万円の補助が受けられる計算です。
利用するには、工事を始める前にケアマネジャーに相談し、市区町村への事前申請が必要です。工事完了後に申請しても補助は受けられないため、必ず手順を確認してください。(参照:厚生労働省 公式サイト)
自治体のリフォーム補助金
お住まいの市区町村が、独自に住宅リフォームに関する補助金・助成金制度を設けている場合があります。制度の名称や内容は自治体によって様々ですが、以下のようなリフォームが対象になることが多いです。
- バリアフリー改修: 高齢者や障害を持つ方のための手すり設置や段差解消など。
- 省エネ改修: 節水型トイレへの交換など、環境に配慮したリフォーム。
- 同居・近居支援: 子育て世帯と親世帯が同居・近居するための住宅改修。
- 地域経済活性化: 地元の施工業者を利用することを条件としたリフォーム補助。
補助金額や申請条件、受付期間は自治体ごとに大きく異なります。「お住まいの自治体名 リフォーム 助成金」などのキーワードで検索し、自治体の公式ホームページで最新の情報を確認してみましょう。年度ごとに予算が決められており、早期に受付を終了する場合もあるため、早めの情報収集が肝心です。
子育てエコホーム支援事業
「子育てエコホーム支援事業」は、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、2050年カーボンニュートラルの実現を図ることを目的とした国の事業です。
この事業では、リフォームも補助の対象となっており、節水型トイレへの交換工事も含まれています。節水型トイレ(掃除しやすい機能を有するもの)を設置した場合、1台あたり22,000円の補助が受けられます(2024年度事業の場合)。
ただし、この事業を利用するには、補助額の合計が5万円以上になる必要があります。そのため、トイレ交換だけでなく、高断熱浴槽への交換や高効率給湯器の設置、断熱改修(窓やドアの交換)など、他の対象工事と組み合わせて申請するのが一般的です。
この制度も予算の上限に達し次第、受付終了となります。利用を検討する場合は、国土交通省の公式ウェブサイトで最新の情報を確認し、リフォーム会社に相談してみましょう。(参照:国土交通省 子育てエコホーム支援事業 公式サイト)
信頼できるリフォーム会社の選び方
トイレリフォームの成功は、良いリフォーム会社と出会えるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。数多くの会社の中から、安心して任せられる信頼できるパートナーを見つけるための4つのポイントを紹介します。
複数の会社から相見積もりを取る
これは最も基本的かつ重要なポイントです。面倒に感じるかもしれませんが、必ず2〜3社から見積もり(相見積もり)を取り、比較検討しましょう。
相見積もりを取るメリットは複数あります。
- 適正価格の把握: 複数の見積もりを比較することで、今回のリフォーム内容に対する費用相場が分かります。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。
- 提案内容の比較: 会社によって、提案してくる便器の機種や内装材、工事の進め方が異なる場合があります。各社の提案を比較することで、より自分の希望に合った、納得のいくプランを見つけることができます。
- 悪徳業者の回避: 見積書の内訳が「工事一式」と大雑把であったり、他社と比べて極端に安かったり、逆に高かったりする会社は注意が必要です。詳細で分かりやすい見積書を提出してくれる会社を選びましょう。
単に金額の安さだけで決めるのではなく、提案内容の質や担当者の対応など、総合的に判断することが大切です。
トイレリフォームの施工実績を確認する
リフォーム会社と一言で言っても、得意な分野は様々です。キッチンリフォームが得意な会社、外壁塗装が専門の会社など、それぞれに強みがあります。トイレリフォームを依頼するなら、当然ながらトイレの施工実績が豊富な会社を選ぶべきです。
会社のウェブサイトに掲載されている「施工事例」のページを確認しましょう。
- 事例の数: トイレリフォームの事例が豊富に掲載されているか。
- デザインの質: 掲載されている事例のデザインテイストが、自分の好みと合っているか。おしゃれで質の高いリフォームを手がけているか。
- 情報の具体性: 工事費用や工期、使用した製品の型番などが具体的に記載されているか。
実績が豊富な会社は、様々なケースに対応してきた経験から、トラブルへの対処能力も高く、より良い空間にするための的確なアドバイスが期待できます。
保証やアフターサービスが充実しているか
リフォームは、工事が終わればすべて完了というわけではありません。万が一、工事後に水漏れや設備の不具合といったトラブルが発生した場合に、迅速かつ誠実に対応してくれるかどうかが非常に重要です。
契約前に、保証やアフターサービスの内容について必ず確認しましょう。
- 工事部分の保証: リフォーム会社が独自に設けている、工事の欠陥に対する保証(例:工事保証10年など)。
- 設備(製品)の保証: 便器や換気扇などのメーカー保証。
- リフォーム瑕疵(かし)保険: 工事後に欠陥が見つかった場合に、その補修費用を保険金でカバーできる制度。リフォーム会社がこの保険に加入していると、万が一会社が倒産してしまった場合でも保証が受けられるため、より安心です。
- 定期点検の有無: 引き渡し後、1年後、3年後などに定期的な点検を実施してくれるか。
保証内容が書面で明確に提示され、アフターサービスの体制が整っている会社は、自社の施工に責任を持っている信頼できる会社と言えます。
担当者との相性を見る
最終的にリフォームプランを詰め、工事の現場を管理するのは、リフォーム会社の「担当者」です。どれだけ会社の評判が良くても、担当者とのコミュニケーションがうまくいかなければ、満足のいくリフォームは実現しません。
初回の相談から見積もり提示までの過程で、以下の点を確認してみましょう。
- 傾聴力: こちらの希望や悩みを、親身になって丁寧に聞いてくれるか。
- 提案力: こちらの要望に対し、プロの視点からプラスアルファの提案をしてくれるか。メリットだけでなく、デメリットも正直に説明してくれるか。
- 対応の速さ: 質問や依頼に対するレスポンスが迅速で、丁寧か。
- 話しやすさ: 専門用語ばかりでなく、分かりやすい言葉で説明してくれるか。些細なことでも気軽に質問・相談できる雰囲気か。
「この人になら安心して任せられる」と心から思える担当者と出会えることが、リフォームを成功させるための最後の鍵となります。
おしゃれなトイレリフォームにおすすめのメーカー3選
日本の住宅設備市場において、トイレはTOTO、LIXIL、Panasonicの3大メーカーが高いシェアを占めています。各社とも独自の高機能とデザイン性を競い合っており、それぞれに魅力的な特徴があります。ここでは、各メーカーの代表的なトイレの特徴を比較し、どのような方におすすめかを紹介します。
① TOTO
「ウォシュレット」の商標で知られる、トイレ業界のリーディングカンパニーです。「きれいと快適」を追求した独自の清潔技術に定評があります。
代表的なシリーズ | 特徴 | おすすめな人 |
---|---|---|
ネオレスト (NEOREST) | TOTOの最高級タンクレストイレ。美しいデザインと最新機能を凝縮。「きれい除菌水」が便器やノズルの見えない菌を分解・除菌。使うたびに自動で除菌するため、黒ずみの発生を抑える。 | 衛生面を最も重視し、常に清潔な状態を保ちたい人。 手間をかけずにトイレのきれいを維持したい人。 |
ピュアレスト (PUREST) EX/QR/MR | TOTOの主力組み合わせ便器。トルネード洗浄によるパワフルな洗浄力と、セフィオンテクトの防汚技術が特徴。比較的リーズナブルな価格帯から選べる。 | コストを抑えつつ、TOTOの基本的な清潔機能と節水性能を求める人。 デザインよりも実用性を重視する人。 |
GG / GG-800 | タンク式でありながら、見た目はタンクレストイレのようにコンパクトな一体型トイレ。手洗い付きのGG-800は、手洗いしやすい高さと深さのボウルが特徴。 | タンクレストイレの見た目が好きだが、水圧の問題で設置できない人や、独立した手洗い場を設けるスペースがない人。 |
TOTOの最大の特徴は「きれい除菌水」です。これは、水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる、洗剤や薬品を使わない安全な除菌水で、使用後に便器内やノズルに自動で吹きかけられます。これにより、日々の掃除だけでは落としきれない菌の繁殖を抑制し、トイレの清潔を長期間保ちます。(参照:TOTO株式会社 公式サイト)
② LIXIL(リクシル)
INAXブランドを擁し、デザイン性の高い製品や、住宅全体のコーディネートを意識した製品ラインナップが魅力です。新品の輝きが続く防汚技術「アクアセラミック」が最大の強みです。
代表的なシリーズ | 特徴 | おすすめな人 |
---|---|---|
サティス (SATIS) G/S/X | LIXILのフラッグシップタンクレストイレ。洗練されたデザインと、強力な水流で鉢内を洗い流す「パワーストリーム洗浄」が特徴。泡で飛沫を抑える「泡クッション」機能も搭載。 | デザイン性を重視し、モダンでスタイリッシュな空間を作りたい人。 汚れの付着そのものを防ぎ、簡単な掃除で輝きを維持したい人。 |
リフォレ (ReFre) | 便器の後ろにキャビネットが一体となった収納付きトイレ。給水管やコード類をすべてキャビネット内に隠せるため、見た目が非常にスッキリする。 | トイレ空間の収納力を高めたい人。 ごちゃごちゃしがちな掃除道具や備品を隠して、生活感のない空間を実現したい人。 |
アメージュ (Amage) | LIXILのスタンダードな組み合わせ便器。アクアセラミックを搭載し、フチレス形状など、清掃性に配慮された基本性能が充実している。 | コストパフォーマンスを重視しつつ、LIXILの防汚技術の恩恵を受けたい人。 シンプルで使いやすいトイレを求める人。 |
LIXILの「アクアセラミック」は、汚物の付着を防ぐだけでなく、水アカの固着も防ぐとされています。陶器表面の水酸基(-OH)が水と非常になじみやすい「超親水性」の性質を持っており、汚れの下に水が入り込み、汚れを浮かせて洗い流します。これにより、リング状の黒ずみなどの原因となる水アカが付着しにくく、簡単な拭き掃除だけで新品のようなツルツル感が続くのが魅力です。(参照:株式会社LIXIL 公式サイト)
③ Panasonic(パナソニック)
家電メーカーならではの視点から開発された、「全自動おそうじトイレ アラウーノ」が代名詞です。掃除の手間を徹底的に省くユニークな機能が満載です。
代表的なシリーズ | 特徴 | おすすめな人 |
---|---|---|
アラウーノ L150シリーズ | アラウーノの最上位モデル。水を流すたびに2種類の泡(ミリバブルとマイクロバブル)で便器内を洗浄する「激落ちバブル」が特徴。便器の素材は陶器ではなく、汚れが付きにくい有機ガラス系の「スゴピカ素材」。 | 日々のトイレ掃除の手間を極限まで減らしたい人。 家事の負担を軽減したい共働き世帯や高齢者世帯。 |
アラウーノ S160シリーズ | アラウーノの基本性能を備えたスタンダードモデル。激落ちバブルやスゴピカ素材を搭載しつつ、価格を抑えている。 | コストを抑えながら、パナソニック独自の自動洗浄機能を体験したい人。 |
アラウーノV | 手洗い付きも選べる、タンクレス風の組み合わせトイレ。節水性能に優れ、スゴピカ素材(便器のみ)など、アラウーノの基本技術も採用している。 | 手洗い場が必要で、かつ掃除のしやすいトイレを求める人。 リーズナブルな価格でパナソニックのトイレを選びたい人。 |
Panasonicの最大の特徴である「激落ちバブル」は、市販の台所用合成洗剤(中性)をタンクに補充しておくと、水を流すたびに細かい泡が便器内をめぐり、汚れを強力に洗浄する機能です。さらに、便器外への尿の飛び散りを抑える「トリプル汚れガード」も搭載されており、便器だけでなく床や壁の汚れも軽減します。まさに「トイレが自分で掃除する」というコンセプトを具現化した製品と言えるでしょう。(参照:パナソニック株式会社 公式サイト)
まとめ:ポイントを押さえて理想のおしゃれなトイレ空間を実現しよう
この記事では、おしゃれなトイレリフォームを実現するために知っておきたい、費用相場、デザイン事例、成功のコツ、注意点などを網羅的に解説しました。
トイレは、一日に何度も使う、家族全員にとって大切な場所です。その空間が、ただ用を足すだけの場所から、デザイン性と機能性を兼ね備えた、心からリラックスできるお気に入りの空間へと変わることは、日々の暮らしの満足度を大きく向上させます。
おしゃれなトイレリフォームを成功させる鍵は、「①明確なイメージを持つこと」「②信頼できるリフォーム会社を選ぶこと」「③デザイン性と実用性(清掃性・将来性)のバランスを取ること」の3つです。
まずは、今回ご紹介した15の事例や7つのコツを参考に、ご自身の理想とするトイレのイメージを具体的に描いてみましょう。そして、複数のリフォーム会社に相談し、納得のいくプランと見積もりを提示してくれる、信頼できるパートナーを見つけてください。その過程で、デザインの美しさだけでなく、掃除のしやすさや将来の使い勝手といった現実的な視点も忘れずに取り入れることが、後悔しないリフォームに繋がります。
この記事が、あなたの理想のおしゃれなトイレ空間を実現するための一助となれば幸いです。ポイントをしっかりと押さえ、ぜひ満足のいくトイレリフォームを成功させてください。