日本の家庭において、トイレは毎日使う必要不可欠な空間です。だからこそ、より快適で清潔、そして機能的な場所にしたいと考える方は少なくありません。特に、トイレタリー業界をリードするTOTOの製品は、その高い品質と革新的な機能で多くの人々から支持されています。
しかし、いざTOTOのトイレにリフォームしようと思い立ったとき、多くの方が直面するのが「費用は一体いくらかかるのだろう?」という疑問です。トイレ本体の価格はもちろん、工事費や内装の変更など、リフォーム費用は様々な要素によって変動します。また、TOTOには多種多様なシリーズがあり、どれが自分のライフスタイルや予算に合っているのかを見極めるのも簡単ではありません。
この記事では、TOTOのトイレリフォームを検討している方に向けて、以下の情報を網羅的かつ分かりやすく解説します。
- TOTOトイレリフォームの全体的な費用相場
- 人気シリーズごとの価格帯と特徴の徹底比較
- リフォーム費用を賢く抑えるための具体的なコツ
- 活用できる補助金・助成金制度の詳細
- リフォームの工事期間や当日の流れ
- 失敗しないリフォーム会社の選び方
この記事を最後まで読めば、TOTOのトイレリフォームに関する全体像を掴み、ご自身の希望と予算に合った最適なプランを立てるための具体的な知識が身につきます。後悔のない、満足のいくトイレリフォームを実現するための一助となれば幸いです。
目次
TOTOのトイレリフォームにかかる費用相場
TOTOのトイレリフォームにかかる費用は、大きく分けて「トイレ本体の価格」と「工事費用」の2つで構成されます。さらに、壁紙や床材の張り替えといった内装工事を行うかどうかで総額は大きく変動します。ここでは、それぞれの費用相場と内訳について詳しく見ていきましょう。
トイレ本体の交換にかかる費用
トイレ本体のみを新しいものに交換する場合の費用相場は、選ぶトイレのグレードによって大きく異なりますが、一般的に15万円~50万円以上が目安となります。この費用には、トイレ本体の価格と、基本的な交換工事費が含まれます。
まず、TOTOのトイレ本体の価格は、機能やデザインによって大きく3つのグレードに分けられます。
- スタンダードグレード(ピュアレストシリーズなど):基本的な機能を備えた組み合わせトイレが中心。ウォシュレット(便座)を自由に選べるのが特徴です。本体価格は10万円前後からと、最もコストを抑えられます。
- ミドルグレード(GG/GG-800、レストパルシリーズなど):デザイン性と機能性のバランスが取れた一体型トイレや収納一体型トイレが主流です。本体価格は25万円~40万円程度が中心となります。
- ハイグレード(ネオレストシリーズ):最新機能をすべて搭載したタンクレストイレ。デザイン性も非常に高く、TOTOの技術の粋を集めた最高峰モデルです。本体価格は35万円~60万円以上と高価になります。
次に、これらのトイレ本体を設置するための工事費用です。工事費には、既存トイレの撤去、新しいトイレの設置、給排水管の接続、そして撤去したトイレの処分費などが含まれます。この基本的な交換工事費の相場は、おおよそ5万円~10万円程度です。
したがって、トイレ本体の交換にかかる総費用の目安は以下のようになります。
- スタンダードグレードの場合:本体価格(約10万円)+工事費(約5万円)=総額 約15万円~
- ミドルグレードの場合:本体価格(約30万円)+工事費(約5万円)=総額 約35万円~
- ハイグレードの場合:本体価格(約40万円)+工事費(約5万円)=総額 約45万円~
ただし、これはあくまで目安です。例えば、和式トイレから洋式トイレへの変更や、トイレの設置場所を移動する場合には、床や壁の解体、給排水管の移設といった追加工事が必要となり、工事費用はさらに高くなります。
内装工事も行う場合の追加費用
トイレリフォームを機に、空間全体の雰囲気を一新したいと考える方も多いでしょう。その場合、トイレ本体の交換と合わせて、壁紙(クロス)や床材(クッションフロア)の張り替えといった内装工事を行うのが一般的です。
内装工事まで行う場合のトータル費用相場は、20万円~60万円以上と、本体交換のみの場合に比べて高くなります。追加される内装工事の費用目安は以下の通りです。
- 壁紙(クロス)の張り替え:約3万円~5万円
- 床材(クッションフロア)の張り替え:約3万円~5万円
トイレ本体を一度取り外した状態は、普段は作業しにくい壁や床を張り替える絶好の機会です。便器の設置跡が残ってしまうことを防ぎ、衛生面でもメリットが大きいため、多くのリフォームで内装工事はセットで行われます。
壁紙や床材には、消臭効果や防カビ、汚れ防止といった機能性を持つ製品も多くあります。例えば、アンモニア臭を吸収・分解する壁紙や、水や汚れに強く掃除がしやすいクッションフロアを選ぶことで、リフォーム後の快適性をさらに高めることができます。もちろん、高機能な素材を選ぶと費用は少し上がりますが、長期的な視点で見れば満足度は高くなるでしょう。
その他、リフォームの際に検討されがちな追加工事としては、以下のようなものがあります。
- 手すりの設置:高齢者や足腰に不安のある方がいるご家庭に。介護保険の対象となる場合もあります。(費用目安:1本あたり約2万円~)
- コンセントの増設・移設:ウォシュレット用の電源がない場合や、位置が悪い場合に必要です。(費用目安:約1.5万円~3万円)
- 収納棚の設置:トイレットペーパーや掃除用品をすっきり収納できます。(費用目安:約2万円~)
- 換気扇の交換・新設:臭いや湿気対策に効果的です。(費用目安:約3万円~5万円)
これらの追加工事を行うことで、より使いやすく快適なトイレ空間を実現できますが、その分費用も加算されます。どこまでのリフォームを望むのか、予算と照らし合わせながら慎重に検討することが大切です。
工事費用の内訳
リフォーム会社から提示される見積書を正しく理解するためにも、工事費用がどのような項目で構成されているのかを知っておくことは非常に重要です。以下に、一般的なトイレリフォームにおける工事費用の内訳と、それぞれの費用目安をまとめました。
工事項目 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
既存トイレの撤去・処分費 | 現在設置されている便器やタンクを取り外し、廃棄物として適正に処分するための費用。 | 約15,000円~30,000円 |
新規トイレの設置費 | 新しい便器やタンク、ウォシュレットなどを設置し、床に固定する作業費。 | 約30,000円~50,000円 |
給排水管の接続工事費 | 新しいトイレに給水管と排水管を接続する作業費。配管の調整や加工が必要な場合がある。 | 約10,000円~20,000円 |
内装工事費(壁紙) | 天井と壁のクロスを張り替える費用。材料費と施工費が含まれる。 | 約30,000円~50,000円 |
内装工事費(床材) | 床のクッションフロアなどを張り替える費用。材料費と施工費が含まれる。 | 約30,000円~50,000円 |
電気工事費 | ウォシュレット用のコンセントがない場合に新設、または移設するための費用。 | 約15,000円~30,000円 |
諸経費 | 現場の養生費、資材の運搬費、廃材の処分費、駐車場代など、工事全体にかかる経費。 | リフォーム費用総額の5~10% |
これらの項目と金額は、あくまで一般的な目安です。リフォーム会社の料金体系や、現場の状況(マンションか戸建てか、配管の状態など)によって変動します。
例えば、和式から洋式へのリフォームでは、床の解体・造成や給排水管の大幅な位置変更が必要になるため、工事費だけで10万円以上かかることも珍しくありません。
重要なのは、見積もりを依頼した際に、これらの内訳が「一式」とまとめられず、項目ごとに明確に記載されているかを確認することです。不明瞭な点があれば必ず質問し、納得できる説明を受けることが、後々のトラブルを防ぐための鍵となります。
【価格帯別】TOTOのトイレ|人気シリーズの価格と特徴
TOTOのトイレは、機能やデザイン、価格帯によって様々なシリーズが展開されています。ここでは、TOTOの主力製品である「ネオレスト」「GG/GG-800」「レストパル」「ピュアレスト」の4つのシリーズについて、それぞれの価格と特徴を詳しく解説します。どのシリーズがご自身のライフスタイルや理想のトイレ空間に合っているか、比較検討してみましょう。
シリーズ名 | グレード | 形状 | 価格帯(メーカー希望小売価格) | 主な特徴・機能 | おすすめのユーザー |
---|---|---|---|---|---|
ネオレスト | ハイグレード | タンクレストイレ | 約37万円~60万円 | きれい除菌水, セフィオンテクト, トルネード洗浄, フルスペックの快適機能 | デザインと最新機能を追求し、掃除の手間を極限まで減らしたい方 |
GG/GG-800 | ミドルグレード | タンク式風タンクレストイレ/手洗い付き一体型 | 約26万円~35万円 | きれい除菌水, セフィオンテクト, トルネード洗浄, コンパクトデザイン | スッキリしたデザインと高い清掃性をコストを抑えつつ両立したい方 |
レストパル | ミドルグレード | 収納一体型トイレ | 約30万円~50万円 | 大容量のキャビネット収納, 空間のトータルコーディネート, フローティングデザインも選択可 | トイレ空間の収納力を高め、生活感をなくしてスッキリ見せたい方 |
ピュアレスト | スタンダード | 組み合わせトイレ | 約13万円~20万円 (便器+タンク) | セフィオンテクト, トルネード洗浄, ウォシュレットを自由に選択可能 | コストを重視しつつ、基本的な清掃性と好きな機能のウォシュレットを組み合わせたい方 |
(価格は2024年時点のTOTO公式サイト情報を基にした目安であり、組み合わせるウォシュレットやオプションによって変動します。) |
ハイグレード:ネオレストシリーズ
ネオレストシリーズは、TOTOが誇る最高峰のタンクレストイレです。洗練された美しいデザインと、TOTOの最新技術が惜しみなく投入された豊富な機能が最大の特徴で、「トイレを超えたトイレ」とも言える存在感を放ちます。
価格帯:約37万円~60万円
主な特徴・機能:
- きれい除菌水:水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる、安全な除菌成分を含む水です。使用前後に便器内にミストを吹きかけたり、ウォシュレットのノズルを洗浄したりすることで、黒ずみや輪じみの原因となる「菌の親子」の繁殖を抑制します。薬品を使わずにトイレのきれいを長持ちさせる、TOTO独自の画期的な技術です。
- セフィオンテクト:陶器表面の凹凸を100万分の1mmのナノレベルでなめらかに仕上げた特殊な加工です。汚れが付きにくく、落ちやすいため、軽い力で掃除が完了します。
- トルネード洗浄:渦を巻くようなダイナミックな水流が、少ない水量で便器全体を効率的かつ静かに洗浄します。
- フチなし形状:便器のフチ裏をなくした形状で、汚れが溜まりにくく、サッとひと拭きで掃除ができます。
- 充実の快適機能:便器に近づくと自動でフタが開く「オート開閉」、使用後に自動で洗浄する「オート便器洗浄」、トイレ空間の気になるニオイを自動で脱臭する「においきれい」、使うときだけ瞬時に便座を温める「瞬間暖房便座」など、快適性を追求した機能がフルスペックで搭載されています。(グレードにより搭載機能は異なります)
こんな方におすすめ:
ネオレストは、とにかくデザインと機能に一切妥協したくない方、日々の掃除の手間を極限まで減らして清潔な状態を保ちたい方に最適な選択肢です。価格は高価ですが、それに見合うだけの満足感と快適なトイレ体験を提供してくれます。
注意点:
タンクレストイレは水道の水を直接使って洗浄するため、設置には一定以上の水圧が必要です。お住まいの水圧によっては設置できない、あるいはブースター(加圧装置)が必要になる場合があります。また、停電時には手動で洗浄する必要がありますが、その方法を事前に確認しておくと安心です。
ミドルグレード:GG/GG-800シリーズ
GG/GG-800シリーズは、タンクレストイレのようなスッキリとしたローシルエットデザインと、タンク式の利便性を両立させた人気のシリーズです。手洗いなしの「GG」と、手洗いカウンターが付いた「GG-800」の2タイプがあります。
価格帯:約26万円~35万円
主な特徴・機能:
- タンク式なのにコンパクト:便器とウォシュレットが一体化しており、タンクが低いデザインのため、トイレ空間に圧迫感を与えません。見た目はタンクレストイレに近いですが、内部にタンク機能を持っているため、水圧の低いマンションや戸建ての2階などにも設置しやすいのが大きなメリットです。
- 主要な「きれい」機能を搭載:ハイグレードのネオレストに搭載されている「きれい除菌水」や「セフィオンテクト」、「トルネード洗浄」といったTOTO独自の清潔機能は、GGシリーズにもしっかりと搭載されています。(一部グレードを除く)
- GG-800の手洗いやすさ:GG-800タイプの手洗いボウルは、深くて広いデザインが特徴です。水はねしにくく、大人から子どもまで使いやすい高さに設計されています。
- 停電時も安心:タンク式のため、停電時でも本体横のレバーで手動で水を流すことができます。
こんな方におすすめ:
「タンクレストイレのデザインに憧れるけど、価格や水圧の問題で諦めていた」という方に最適です。ネオレストの主要な清潔機能を享受しつつ、コストを抑えたい、あるいは設置環境に制約がある場合に有力な候補となります。特に、別に手洗い器を設けるスペースがない場合は、GG-800が非常に便利です。
ミドルグレード:レストパル/レストパルFシリーズ
レストパルシリーズは、「収納」という新たな価値をトイレ空間にもたらす画期的なシステムトイレです。便器の後ろにキャビネットが設置されており、タンクや給排水管、掃除道具、トイレットペーパーのストックなどをすべて隠して収納できます。
価格帯:約30万円~50万円
主な特徴・機能:
- 圧倒的な収納力:ごちゃごちゃしがちなトイレ空間を、キャビネットによってスッキリと見せることができます。掃除ブラシや洗剤、サニタリー用品なども隠せるため、生活感をなくし、ホテルのような洗練された空間を演出できます。
- 空間のトータルコーディネート:キャビネットの扉カラーやカウンターの素材を、床や壁の色に合わせて選ぶことができます。手洗い器や化粧鏡、手すりなども一体感のあるデザインで組み合わせることが可能です。
- 2つの設置タイプ:床にキャビネットを設置する「レストパル(床置きタイプ)」と、キャビネットが床から浮いている「レストパルF(フローティングタイプ)」があります。フローティングタイプは、便器も床から浮いているため、床全体の掃除が非常に楽になるという大きなメリットがあります。
- 選べる便器:組み合わせる便器は、GGシリーズやネオレストシリーズなどから選ぶことができ、機能面でも妥協がありません。
こんな方におすすめ:
トイレ空間の収納不足に悩んでいる方、掃除道具などを見えない場所にしまって、常にモデルルームのような美しい空間を保ちたい方に強くおすすめします。リフォームを機に、トイレ空間全体をデザインし直したいというニーズに完璧に応えてくれるシリーズです。
注意点:
レストパルF(フローティングタイプ)を設置する場合、便器とキャビネットの重量を壁で支える必要があるため、壁の強度によっては補強工事が別途必要になる場合があります。
スタンダード:ピュアレストEX/QR/MRシリーズ
ピュアレストシリーズは、便器、タンク、便座(ウォシュレット)をそれぞれ別々に組み合わせる、昔ながらの「組み合わせトイレ」です。TOTOのトイレの中で最もベーシックな位置づけでありながら、清掃性を高める基本性能はしっかりと押さえています。
価格帯:約13万円~20万円(便器+タンクのセット価格)
※ウォシュレットの価格は別途必要です。
主な特徴・機能:
- 圧倒的なコストパフォーマンス:TOTOの基本性能を備えながら、最もリフォーム費用を抑えることができるシリーズです。予算に限りがある場合に最適な選択肢となります。
- ウォシュレットを自由に選べる:最大のメリットは、組み合わせるウォシュレットを予算や好みに合わせて自由に選択できる点です。シンプルな機能のものから、脱臭や温風乾燥機能が付いた高機能なものまで、多種多様なTOTOの「アプリコット」シリーズなどから選べます。将来的にウォシュレット部分だけを交換することも容易です。
- TOTOの基本性能は標準搭載:価格は抑えられていますが、汚れが付きにくい「セフィオンテクト」や、力強く洗浄する「トルネード洗浄」は標準で搭載されています。(一部製品を除く)
- シリーズのバリエーション:デザインや設置条件に合わせて「EX」「QR」「MR」の3種類があります。「MR」は主にマンションリフォームの排水管位置に対応したモデルです。
こんな方におすすめ:
とにかくリフォーム費用を安く抑えたい方、トイレの機能はシンプルで十分だと考えている方、あるいは逆に、便器はスタンダードでもウォシュレットの機能にはこだわりたい方など、柔軟なプランを立てたいユーザーに適しています。
TOTOのトイレリフォーム費用を安く抑える3つのコツ
高品質なTOTOのトイレリフォームは、決して安い買い物ではありません。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、費用を賢く抑え、満足度の高いリフォームを実現することが可能です。ここでは、誰でも実践できる3つの具体的なコツをご紹介します。
① 複数のリフォーム会社から見積もりを取る
トイレリフォームの費用を抑えるための最も基本的かつ効果的な方法が、複数のリフォーム会社から見積もりを取る「相見積もり」です。1社だけの見積もりでは、その金額が適正なのか、工事内容が妥当なのかを客観的に判断できません。
相見積もりを行うメリット:
- 適正な価格相場の把握:複数の見積もりを比較することで、ご自身の希望するリフォーム内容のおおよその相場観が掴めます。これにより、不当に高い金額を提示する業者を避けることができます。
- 提案内容の比較検討:リフォーム会社によって、提案してくるトイレのモデルや内装材、工事の進め方は異なります。価格だけでなく、各社の提案内容を比較することで、より自分の理想に近いプランを見つけられます。
- 価格交渉の材料になる:他社の見積もりがあることで、「もう少し安くなりませんか?」といった価格交渉がしやすくなります。ただし、過度な値引き要求は工事の品質低下につながる恐れもあるため、慎重に行いましょう。
- 信頼できる会社の見極め:見積もりの内容や、担当者の対応の丁寧さ、専門知識の豊富さなどを比較することで、安心して工事を任せられる信頼できる会社かを見極める材料になります。
相見積もりを依頼する際のポイント:
- 3社程度に依頼する:多すぎると比較検討が大変になり、少なすぎると十分な比較ができません。3社程度がバランスの良い数と言えます。
- 同じ条件を伝える:比較の精度を高めるため、希望するトイレのシリーズやグレード、内装の要望など、各社に伝える条件はすべて同じに揃えましょう。
- 見積書の内訳を細かくチェックする:「工事費一式」のように大雑把な見積もりではなく、材料費、施工費、諸経費などの内訳が詳細に記載されているかを確認します。詳細な見積もりを出す会社ほど、誠実である可能性が高いです。
相見積もりは手間がかかる作業ですが、この一手間をかけるかどうかが、リフォーム費用を数万円、場合によっては十数万円も節約できるかどうかの分かれ道になります。
② トイレ本体のグレードや機能を見直す
トイレリフォームの総費用の中で、最も大きな割合を占めるのが「トイレ本体の価格」です。つまり、どのグレードのトイレを選ぶかが、費用を抑える上で最も重要なポイントになります。
最新のハイグレードモデルは確かに魅力的ですが、搭載されている全ての機能が本当に自分のライフスタイルに必要かを冷静に考えてみましょう。
見直しのためのチェックポイント:
- オート機能は本当に必要か?:フタの「オート開閉」や「オート洗浄」は非常に便利ですが、手動での操作に不便を感じていなければ、必須の機能ではないかもしれません。この機能がないモデルを選ぶだけで、数万円のコストダウンにつながります。
- 暖房便座の種類は?:常に便座を温め続ける「貯湯式」に対し、使う瞬間だけ温める「瞬間式」は省エネ性能が高いですが、本体価格も高くなる傾向があります。家族の人数やトイレの使用頻度を考えて、どちらが適しているか検討しましょう。
- 「きれい除菌水」は必須か?:TOTO独自の「きれい除菌水」は、掃除の手間を大幅に削減してくれる優れた機能ですが、その分価格も上がります。こまめな掃除が苦にならないのであれば、この機能がないモデルも選択肢に入ります。
- デザインの優先順位は?:タンクレストイレのスタイリッシュなデザインは魅力的ですが、スタンダードな組み合わせトイレ(ピュアレストシリーズなど)でも、TOTOの基本的な清掃性(セフィオンテクト、トルネード洗浄)は備わっています。デザインよりもコストを優先する場合は、大きな節約ポイントです。
例えば、「ネオレスト」から「GG/GG-800」にグレードを一つ下げる、あるいは「ピュアレストQR」に高機能なウォシュレット「アプリコット」を組み合わせるといった選択肢を検討するだけで、総額で10万円以上のコストダウンが実現できるケースも珍しくありません。
一度ショールームに足を運び、実物を見て各機能の必要性を体感してみるのも、賢い選択をするための良い方法です。
③ 補助金・助成金制度を活用する
見落とされがちですが、国や地方自治体が実施しているリフォーム関連の補助金・助成金制度を積極的に活用することも、費用を抑えるための非常に有効な手段です。これらの制度は、特定の条件を満たすリフォームに対して金銭的な支援を行うもので、知っているか知らないかで大きな差が生まれます。
主に活用できる制度の種類:
- 省エネ関連の補助金:節水型トイレへの交換など、環境に配慮したリフォームが対象となる制度です。代表的なものに、国の「子育てエコホーム支援事業」があります。
- 介護・バリアフリー関連の補助金:手すりの設置や和式から洋式への変更など、高齢者や要介護者の住環境を改善するリフォームが対象です。代表的なものに「介護保険の住宅改修費支給」があります。
- 自治体独自の補助金:各市区町村が独自に実施しているリフォーム支援制度です。三世代同居支援や、地元業者への発注を条件としたものなど、多種多様な制度が存在します。
補助金を利用する際の注意点:
- 申請期間と予算:多くの補助金には申請期間が定められており、予算の上限に達すると期間内でも受付が終了してしまいます。
- 工事前の申請が原則:ほとんどの制度では、リフォーム工事を着工する前に申請が必要です。工事後に申請しても受理されないため、計画段階で利用できる制度がないか調べておくことが不可欠です。
- 対象となる工事内容:補助の対象となる工事内容や製品の性能基準が細かく定められています。
これらの制度は、手続きが複雑に感じられるかもしれませんが、リフォーム会社の中には、補助金の知識が豊富で申請手続きをサポートしてくれるところも多くあります。リフォーム会社を選ぶ際には、こうした補助金活用の提案やサポート体制があるかどうかも、重要な判断基準の一つと考えることをおすすめします。
TOTOのトイレリフォームで利用できる補助金制度
TOTOのトイレリフォームでは、いくつかの補助金・助成金制度を利用できる可能性があります。これらの制度をうまく活用することで、リフォーム費用を大幅に軽減できます。ここでは、代表的な3つの制度について、その概要と利用条件を詳しく解説します。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、国土交通省が主導する、省エネ性能の高い住宅取得やリフォームを支援するための補助金制度です。名称に「子育て」とありますが、リフォームに関しては子育て世帯や若者夫婦世帯でなくても、一定の条件を満たせば利用できます。
- 目的:エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、2050年のカーボンニュートラルの実現を図ることを目的としています。(参照:国土交通省「子育てエコホーム支援事業」公式サイト)
- 対象者:
- 子育て世帯:申請時点において、2005年4月2日以降に出生した子を有する世帯。
- 若者夫婦世帯:申請時点において夫婦であり、いずれかが1983年4月2日以降に生まれた世帯。
- その他の世帯:上記に該当しない世帯も、対象となるリフォーム工事を行うことで補助を受けられます。(ただし上限額が異なります)
- 対象となるトイレリフォームと補助額:
- 節水型トイレへの交換:掃除しやすい機能を有するものを含め、1台あたり22,000円の補助が受けられます。TOTOの現行モデルの多くがこの基準を満たしています。
- バリアフリー改修:トイレリフォームと同時に行うことが多い工事も対象です。
- 手すりの設置:1戸あたり5,000円
- 段差解消:1戸あたり6,000円
- 廊下幅等の拡張:1戸あたり28,000円
- 申請のポイント:
- 合計補助額が5万円以上であることが申請の条件です。トイレ交換(22,000円)だけでは申請できないため、手すりの設置や、給湯器の交換、窓の断熱改修など、他の対象工事と組み合わせる必要があります。
- 申請手続きは、施主(リフォームを依頼する人)ではなく、「子育てエコホーム支援事業者」として登録されたリフォーム会社が行います。契約する会社が登録事業者であるか、事前に確認が必要です。
- 国の予算上限に達し次第、受付が終了となります。リフォームを計画している場合は、早めに情報を集め、事業者に相談することをおすすめします。
介護保険
介護保険制度には、要介護者・要支援者が自宅で安全に暮らし続けられるように、小規模な住宅改修の費用を一部支給する仕組みがあります。トイレリフォームも、その対象となる場合があります。
- 目的:要介護者等の心身の状況や住宅の状況を考慮し、手すりの取付けや段差の解消などの住宅改修を行うことで、自立支援や介護者の負担軽減を図ることを目的としています。
- 対象者:介護保険の要支援1・2、または要介護1~5の認定を受けている方で、その方が実際に居住(住民票がある)する住宅での改修が対象です。
- 対象となるトイレ関連の改修:
- 手すりの取付け:廊下、便所、浴室などへの移動を助け、転倒を予防するための手すり設置。
- 段差の解消:居室、廊下、便所などの床の段差をなくすための工事(敷居の撤去、スロープ設置など)。
- 床または通路面の材料の変更:滑り防止や移動の円滑化のために床材を変更する工事。
- 便器の取替え:和式便器から洋式便器への取替えなど。
- 支給限度額:
- 対象となる住宅改修費の上限は20万円です。
- そのうち、所得に応じて費用の7割、8割、または9割が支給されます。つまり、自己負担は1割~3割で済むことになります。
- 例えば、20万円の改修工事を行った場合、自己負担1割の方であれば、支払う金額は2万円で、残りの18万円が介護保険から支給されます。
- 申請のポイント:
- 必ず工事着工前に、市区町村への事前申請が必要です。工事後の申請は認められません。
- 申請には、担当のケアマネジャー等が作成する「理由書」が必須となります。なぜその改修が必要なのかを専門的な視点から記述してもらう必要があります。
- まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、手続きの進め方についてアドバイスを受けることが第一歩です。
自治体が実施するリフォーム補助金
国が実施する制度のほかに、各市区町村が独自にリフォームに関する補助金・助成金制度を設けている場合があります。内容は自治体によって多種多様で、お住まいの地域ならではの支援を受けられる可能性があります。
- 制度の例:
- 高齢者住宅リフォーム助成:高齢者が安全に暮らすためのバリアフリー改修(手すり設置など)を支援。介護保険の対象とならない方でも利用できる場合があります。
- 省エネルギー化リフォーム補助:節水型トイレや高断熱浴槽の設置など、環境に配慮したリフォームを支援。
- 三世代同居・近居支援事業:子育て世帯と親世帯が同居または近くに住むためのリフォーム費用を補助。
- 地元業者利用促進補助:市内のリフォーム業者に工事を発注することを条件に、費用の一部を補助。
- 空き家活用リフォーム補助:空き家を改修して住む場合に費用の一部を補助。
- 探し方:
- 最も確実な方法は、お住まいの市区町村のウェブサイトで確認するか、役所の担当窓口(建築指導課、高齢福祉課など)に問い合わせることです。
- 「(市区町村名) トイレリフォーム 補助金」といったキーワードでインターネット検索するのも有効です。
- 申請のポイント:
- 国の制度と同様、申請期間や予算が限られていることがほとんどです。年度の初め(4月頃)に情報が公開されることが多いので、定期的にチェックしましょう。
- 国の補助金(子育てエコホーム支援事業など)と併用できる場合と、できない場合があります。必ず自治体の要綱を確認し、リフォーム会社にも相談しましょう。
これらの補助金制度を有効に活用することで、リフォームの費用負担を大きく軽減できます。計画段階での情報収集が、賢いリフォームの鍵を握ります。
トイレリフォームの工事期間と当日の流れ
リフォームを検討する上で、「工事にはどのくらいの日数がかかるのか」「工事中はトイレを使えないのか」といった点は、日常生活に関わる大きな心配事です。ここでは、トイレリフォームにかかる期間の目安と、工事当日の具体的な流れを解説します。事前に流れを把握しておくことで、安心してリフォームに臨むことができます。
リフォームにかかる期間の目安
トイレリフォームの工事期間は、その内容によって大きく異なります。
- 洋式トイレから洋式トイレへの本体交換のみ:
- 期間:半日~1日
- 最もシンプルな工事で、作業は数時間で完了することがほとんどです。朝から作業を始めれば、その日の夕方には新しいトイレが使えるようになります。
- トイレ本体交換+内装工事(壁紙・床材の張り替え):
- 期間:1日~2日
- トイレの撤去後に壁紙や床材を張り替える作業が加わります。内装材を剥がし、下地処理をしてから新しいものを張るため、1日で完了しない場合もあります。特に、下地の状態が悪く補修が必要な場合は、2日かかる可能性が高まります。
- 和式トイレから洋式トイレへの変更:
- 期間:2日~3日
- これは比較的大規模な工事になります。和式便器を撤去した後、段差のある床を解体して平らにする工事や、給排水管の位置を変更する工事が必要です。コンクリートを扱う場合は乾燥時間も必要になるため、複数日の工期を見ておく必要があります。
- トイレの移設など、大規模な間取り変更を伴う場合:
- 期間:4日以上
- トイレの場所を完全に移動させる場合は、給排水管や電気配線の大規模な工事、壁や床の解体・造作が必要となり、工期はさらに長くなります。
これらの期間はあくまで一般的な目安です。リフォーム会社との契約前に、必ず工期がどのくらいになるか、そしてその間トイレが使用できない時間はどのくらいかを詳細に確認しておくことが重要です。
工事当日の基本的な流れ
ここでは、最も一般的な「トイレ本体交換+内装工事」の場合を例に、工事当日の基本的な作業の流れをステップごとに見ていきましょう。
養生・準備
まず、作業を始める前に、職人さんが玄関からトイレまでの搬入経路や、トイレ室内の周辺の壁、床などを保護シートやビニールで丁寧に養生します。これは、作業中に資材を運んだり、工具を使ったりする際に、既存の家を傷つけたり汚したりしないようにするためです。この養生の丁寧さで、そのリフォーム会社の仕事に対する姿勢が分かるとも言われます。
既存トイレの撤去
養生が終わると、いよいよ既存トイレの撤去作業に入ります。最初に、トイレの止水栓を閉めて水の供給を止めます。次に、タンク内に残っている水を抜き、便器やタンクを床や壁から取り外します。長年使用したトイレは重量があり、床にしっかりと固定されているため、慎重な作業が求められます。取り外した便器やタンクは、産業廃棄物として適切に処分するために運び出されます。
床や壁紙の内装工事
トイレが撤去され、何もない状態になったら、内装工事に入ります。まず、古い壁紙や床のクッションフロアを剥がしていきます。このとき、壁や床の下地の状態が明らかになります。もし下地に傷みや腐食が見られた場合は、この段階で補修作業が行われます(※状況によっては追加費用が発生する場合もあります)。下地の処理が終わったら、新しい壁紙やクッションフロアをきれいに張り付けていきます。
新しいトイレの設置
内装が新しくなったら、いよいよ新しいトイレの設置です。まず、床の排水管に「排水ソケット(フランジ)」という接続部品を取り付けます。この部品の位置決めが、トイレを正確に設置するための重要なポイントです。次に、新しい便器を設置し、床にしっかりと固定します。その後、タンクやウォシュレット部分を取り付け、給水管を接続します。タンクレストイレの場合は、ウォシュレット用の電気配線の接続も行います。
動作確認と片付け
すべての設置作業が終わったら、最終確認です。止水栓を開けて水を供給し、実際に水を流して、水漏れがないかを念入りにチェックします。また、ウォシュレットの電源を入れ、洗浄や暖房便座などの各機能が正常に作動するかを、施主(お客様)立ち会いのもとで確認します。すべての動作に問題がないことが確認できたら、養生を撤去し、作業スペースをきれいに清掃して工事は完了です。最後に、新しいトイレの取扱説明やお手入れの方法について説明を受け、引き渡しとなります。
この一連の流れを事前に理解しておくことで、当日の作業がスムーズに進んでいるかを安心して見守ることができます。
失敗しないリフォーム会社の選び方
トイレリフォームの成功は、どのリフォーム会社に依頼するかにかかっていると言っても過言ではありません。価格の安さだけで選んでしまうと、施工不良やアフターサービスの不備など、後々のトラブルにつながりかねません。ここでは、信頼できるリフォーム会社を見極めるための3つの重要なポイントを解説します。
リフォーム実績が豊富か確認する
まず確認すべきは、トイレリフォーム、特に水回りのリフォームに関する実績が豊富かどうかです。実績が豊富な会社には、以下のようなメリットがあります。
- 高い技術力と専門知識:数多くの現場を経験しているため、様々な住宅の構造や配管状況に対応できるノウハウが蓄積されています。特に、タンクレストイレの設置や和式から洋式への変更など、専門的な知識が必要な工事でも安心して任せられます。TOTO製品の特性や施工上の注意点にも精通している可能性が高いです。
- 適切な提案力:お客様の要望や悩みをヒアリングした上で、豊富な経験に基づいた的確な提案が期待できます。予算やライフスタイルに合わせた最適なトイレのモデル選定や、将来を見据えたバリアフリー化の提案など、プロならではの視点でアドバイスをもらえます。
- トラブルへの対応力:リフォームでは、解体してみて初めて分かる床下の腐食や配管の老朽化など、予期せぬ問題が発生することがあります。実績豊富な会社は、こうした不測の事態にも冷静かつ迅速に対応できる経験と体制を持っています。
実績の確認方法:
- 会社のウェブサイトで施工事例を見る:多くの会社は、過去に手掛けたリフォームの事例を写真付きで公開しています。TOTOのトイレを使った事例がどれくらいあるか、ビフォーアフターの写真を見てデザインのセンスや仕上がりの質を確認しましょう。
- 「水回り専門」「トイレリフォーム専門」を謳っているか:特定の分野に特化している会社は、その分野における専門性が高いと考えられます。
- 創業年数や年間工事件数:長い業歴や多くの工事件数は、それだけ多くの顧客から信頼され、選ばれ続けてきた証となります。
見積書の内容が詳細で明確か
複数の会社から見積もりを取った際に、その内容を比較することが重要ですが、チェックすべきは合計金額だけではありません。見積書がどれだけ詳細で分かりやすいかが、その会社の信頼性を測る大きな指標となります。
「良い見積書」のチェックポイント:
- 内訳が詳細に記載されているか:単に「トイレリフォーム工事 一式 〇〇円」といった大雑把な表記ではなく、「商品代」「既存トイレ撤去費」「新規トイレ設置費」「内装工事費」「廃材処分費」「諸経費」など、項目ごとに単価と数量が細かく記載されているかを確認します。これにより、何にいくらかかっているのかが明確になり、費用の妥当性を判断しやすくなります。
- 商品名や型番が明記されているか:使用するトイレ本体やウォシュレット、壁紙、床材などのメーカー名、商品名、型番が正確に記載されているかを確認しましょう。これにより、契約したものと違う製品が使われるといったトラブルを防げます。
- 追加工事の可能性について言及があるか:解体後に下地の補修などが必要になった場合、追加で費用が発生する可能性があります。信頼できる会社は、そうした追加工事が発生しうるケースとその場合の概算費用について、事前に説明してくれます。
- 不明な点への回答が誠実か:見積書を見て少しでも疑問に思った点は、遠慮なく質問しましょう。その質問に対して、担当者が専門用語を並べるのではなく、素人にも分かるように丁寧に、そして誠実に回答してくれるかどうかが重要です。
逆に、内訳が不明瞭な「一式見積もり」を提示してきたり、質問に対して曖昧な回答しかしない会社は、後から追加料金を請求されるなどのトラブルに発展するリスクがあるため、避けた方が賢明です。
保証やアフターサービスが充実しているか
リフォームは、工事が完了したら終わりではありません。万が一の不具合やトラブルに備えて、保証制度やアフターサービスが充実しているかどうかは、会社選びの非常に重要な要素です。
確認すべき保証の種類:
- 製品保証(メーカー保証):トイレ本体やウォシュレットなどの製品自体に付けられる保証です。TOTOの場合、通常1~2年のメーカー保証が付いています。これはどの会社から購入しても同じです。
- 工事保証(自社保証):リフォーム会社が独自に設けている、工事部分の不具合に対する保証です。例えば、「施工が原因で水漏れが発生した」「設置した便器がぐらつく」といったトラブルに対応してくれます。保証期間は会社によって異なり、1年、3年、5年、中には10年という長期保証を設けている会社もあります。この工事保証の有無と期間、保証範囲を必ず書面で確認しましょう。
アフターサービスのチェックポイント:
- 定期点検の有無:工事完了後、半年後や1年後などに無料の定期点検を実施してくれるか。
- 緊急時の対応体制:深夜や休日に水漏れなどの緊急事態が発生した際に、迅速に対応してくれる窓口や体制が整っているか。
- 担当者との継続的な関係:工事が終わった後も、何か困ったことがあれば気軽に相談できる関係性を築けるか。
安さだけを追求して保証やアフターサービスが手薄な会社を選ぶと、後々不具合が発生した際に高額な修理費がかかり、結果的に高くついてしまうこともあります。長期的な安心感を得るためにも、保証とアフターサービスの充実は不可欠な条件です。
TOTOのトイレリフォームに関するよくある質問
ここでは、TOTOのトイレリフォームを検討している方が抱きがちな、よくある質問とその回答をまとめました。
リフォーム工事中、トイレは使えますか?
A. いいえ、基本的にリフォーム工事中はトイレを使用することはできません。
工事中は、まず既存のトイレを撤去してしまうため、物理的に使用が不可能です。また、給水管を止めているため、水を流すこともできません。
- 工事期間が半日~1日の場合:
工事が1日で完了する最も一般的なケースでは、その数時間~半日程度、トイレが使えない時間が発生します。この間は、近隣のコンビニエンスストアやスーパー、公園、公共施設などのトイレを借りられるよう、事前に場所を確認しておくことを強くおすすめします。特に小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、事前の準備が重要です。 - 工事期間が複数日にわたる場合:
和式から洋式への変更などで工期が2日以上になる場合は、トイレが使えない時間が長くなります。この場合、リフォーム会社によっては仮設トイレをレンタル・設置してくれることがあります。ただし、これはオプションサービスとして別途費用がかかるのが一般的です。契約前に、複数日かかる場合のトイレの利用について、リフォーム会社とよく相談し、対応方法を確認しておきましょう。
TOTO以外におすすめのトイレメーカーはありますか?
A. はい、TOTOのほかにも、それぞれ独自の特徴を持った優れたトイレメーカーがあります。比較検討の対象としてよく挙げられるのが、「LIXIL(リクシル)」と「Panasonic(パナソニック)」です。
どちらのメーカーもTOTOに引けを取らない高い技術力と魅力的な製品ラインナップを誇ります。最終的にどのメーカーを選ぶかは、デザインの好み、重視する機能、そして予算によって決まります。
LIXIL(リクシル)
LIXILは、TOTOと並ぶ日本の住宅設備機器のトップメーカーです。INAXブランドで知られ、トイレにおいてもTOTOと双璧をなす存在です。
- 特徴的な技術・機能:
- アクアセラミック:LIXILが誇る独自の防汚技術です。「100年クリーン」を謳い文句に、頑固な水アカや汚物の付着を防ぎ、簡単な掃除で新品のようなツルツル感が続くとされています。陶器表面の化学構造に着目した技術で、TOTOのセフィオンテクトとは異なるアプローチで汚れにくさを実現しています。
- パワーストリーム洗浄:強力な3つの水流で、便器内の隅々までしっかりと洗い流す洗浄方式です。
- サティスシリーズ:LIXILのハイグレードなタンクレストイレシリーズ。ミニマルで美しいデザインが特徴で、グッドデザイン賞など数々のデザイン賞を受賞しています。
- こんな方におすすめ:
とにかく掃除のしやすさ、汚れの付きにくさを最優先したい方や、シャープでモダンなデザインを好む方におすすめです。機能面ではTOTOと甲乙つけがたい部分が多いため、デザインや「アクアセラミック」という技術に魅力を感じるかが選択のポイントになります。
Panasonic(パナソニック)
家電メーカーであるパナソニックは、その独自の発想と技術を活かしたトイレ「アラウーノ」シリーズで高い評価を得ています。
- 特徴的な技術・機能:
- スゴピカ素材(有機ガラス系新素材):TOTOやLIXILのトイレが陶器製であるのに対し、パナソニックの「アラウーノ」は水族館の水槽や航空機の窓にも使われる有機ガラス系の新素材で作られています。陶器と比べて水アカが固着しにくく、汚れが付きにくいのが最大の特徴です。
- 激落ちバブル:用を足すたびに、市販の台所用中性洗剤をセットしておくだけで、ミリバブルとマイクロバブルの2種類の泡が便器内を自動で洗浄してくれます。これにより、汚れの付着を抑制します。
- トリプル汚れガード:泡のクッションで受け止めてトビハネ汚れを抑える「ハネガード」、便座のフチの立ち上がりでタレ出るのを防ぐ「タレガード」、便座と便器の隙間からの漏れを防ぐ「モレガード」で、トイレの床や壁の汚れを軽減します。
- こんな方におすすめ:
家電メーカーならではのユニークな機能に魅力を感じる方、特に洗剤を使って自動で洗浄してくれる機能にメリットを感じる方におすすめです。陶器ではない素材感や、丸みを帯びたデザインが好みの方にもフィットします。
最終的には、各メーカーのショールームに足を運び、実物のデザインや質感、機能のデモンストレーションを体験して、ご自身の感覚に最も合うものを選ぶのが後悔のない選択につながります。